ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~   作:ユイリー

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追憶2:出会い




〝ルフレ”の追憶編です。


第46話

 

 

火の手が上がる町の中に一人、銀髪の青年がいた。

青年はついさっき町に入ったものだ。

あまり面倒なことを嫌う彼ではあったが、人を見捨てるほど人間を嫌っているわけではない。

片付けるために愛馬をかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……火の鎮圧をしたいところだが……賊が放っているから先に片付けるべきか。

おっと…前方で戦うやつら発見っと。剣士にシスター、騎士か。

町の者ではないようだが……まぁ目的は一緒のようだ、手伝うとしよう」

 

俺は乗っていた馬を走らせて現場に行く。

 

「こら、そこのひよっこシスターさん」

 

「わっ」

 

「それ以上前にでると危ないよ」

 

庇うように前に出て賊の攻撃を剣で受け止めた。

そして切り返ししてそのまま賊を倒すが――

 

「やっぱり降りたほうがやりやすいな」

 

馬から降りて俺は剣士の方に行き手伝いする。

 

「援護する」

 

「!何者だ」

 

「俺?旅人でこの町についさっきついたんだが、この賊が邪魔だったから倒そうとな。

あんたたちもそうなんだろう?だったら手伝うさ」

 

「そうか、協力感謝する。俺はクロムだ。あのちっこいのがリズであそこにいる堅物はフレデリクだ」

 

「俺はルフレだ、おい、リズだったな。あの堅物が怪我してるから手当してやってくれ」

 

「あ、うん!わかった」

 

クロムは剣か…なら…

 

「さて、効率よく戦うのなら……クロム、俺が攻撃した後頼んだ」

 

「なに?」

 

俺は懐から本を取り出す。

 

「サンダー!」

 

「!そこだ!」

 

剣も得意だが魔法も使える。

状況に応じて変えるべきだろう。

気がついたクロムは追撃する。

 

「お前、魔法も使えたのか」

 

「まぁな。こいつらは物理職のようだな、魔法の方が効くだろう」

 

このあたりの賊は倒した。

まだ奥の方にいるだろう。

 

「俺が魔法で援護するからクロムは前へ。

怪我をしたらリズに直してもらってもらってくれ。

堅物はリズに敵が来ないよう後ろを見張っててくれ。

杖を使う奴があまり前に出ると敵の的になるからな」

 

「ルフレさん…でしたね。私の名前はフレデリクと言って堅物では…」

 

なんか言ってるが言いにくいので放っておく。

 

「ルフレ、無事か?無茶はするなよ。」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「共に戦う以上、俺たちは仲間だ。助け合って戦おう。

仲間と声をかけ合えば互いに勇気づけられるしな!」

 

「仲間、か……」

 

「?どうした?」

 

「いや、なんでもない。昔読んだ戦術書に書いてあった気がする。なるべく、仲間の隣で戦おう」

 

俺が攻撃してクロムがとどめを刺す。

またはクロムが攻撃して俺が援護する形で進軍した。

 

「ぐへへへ。そこの小僧ども。この女の命はいらんのかえ?」

 

「なに!?人質か!」

 

進軍したその先にいた二人賊はそれぞれ女性を人質にしたいた。

片方は町の娘だろう…もう片方の女性――銀色の髪した少女を見ていた。

少女の方は多少怪我している。

娘の方が少女を見ている点からおそらく庇って倒れたところを連れて逃げる前に捕まったのだろう。

 

「ど、どうしよう!あの女の人をどうやって助けようっ!?」

 

「そうですね…敵がこちらを向いていて見事までに見られてますからね…

 不意打ち以外は…」

 

「いやぁっ!たすけてぇ!」

 

女性が気がついたらしく声を荒げた。

さて…どうするべきか。

――いや、思いついた。

少女は気が付いていた。

しかし気絶したふりをして好機を見ているのだろう。

俺はこっそりと指でパチンと鳴らす。

それと同時に降りたあとその場で待機していた愛馬がかけていき――

少女を捕えている賊を体当たりして解放された。

 

「な、なんだ!?」

 

「ち、馬か!邪魔な!」

 

その時だった。

解放された少女は、もう一組の近くに倒れたのだった。

そこを――ー

 

「サンダー!!」

 

町の娘の方を捕えていた賊を倒して娘の方を解放する。

 

「クロム!」

 

「! ああ!」

 

俺は少女と娘の間に立ちクロムは賊を倒した。

 

「ふ、ふぅ……ご、ごめんなさい…私を庇ったせいで…」

 

「気にしなくてもいいですよ。それより……」

 

「あんたたちは避難したほうがいい。賊は俺たちで倒す」

 

「はい、お願いしますね、火の鎮圧をしましょう」

 

そう立ち去る前に、

 

「リズ。そっちの少女の怪我直してくれないかな」

 

「あっ、ほんとだ!えいっ!」

 

「よし、あと…お前も彼女について行って手伝ってやれ」

 

傷が癒えた少女は驚きつつも礼を言って愛馬を連れて立ち去った。

 

「のこりは賊のボスみたいだな」

 

「ああ、油断するな!」

 

「ぐはははははっ!オレ様に逆らう奴は皆殺しだぁ!」

 

襲い掛かる賊のボス。

 

「くっ…!まだだっ!」

 

「援護する!」

 

雷の魔法でクロムの援護する。

 

「ぎゃああっ…!」

 

そういって賊のボスは倒し、敵を全滅させたのだった

 

 

 

 

「ふう、なんとか終わったな……」

 

「町の人たち、無事みたいだね。良かったぁ…

ところでさ…ルフレさんって、すごいんだ!戦いのことも詳しいし、剣も魔法も使えるみたいだし!」

 

「そうでもないさ。全部戦術書を読み漁っただけで実戦はこれが初めてなんだ」

 

「初めてなのか?戦いなれているようだったが……」

 

「誰かと一緒に戦うのはな。山奥から出てきて食料のために必要な分の動物を狩ることはあるし……

ごく稀に今みたいな賊を倒したりすることがあるからな…」

 

「山奥ぅ!?」

 

「しかしルフレには軍師の才があるようだな……うちにもお前みたいな有望な軍師がほしいものだ」

 

「さすがにそれは買いかぶりすぎだな……」

 

話している時、近づく存在がいた。

 

「そちらもご無事のようですね」

 

銀色の少女だ。

愛馬も連れてきている。

 

「あ、けが大丈夫?」

 

「はい、おかげで炎の鎮圧にはかどりました。それより……」

 

少女は俺の方を見て――

 

「今までどこに行っていたのよ!この方向音痴が!!」

 

「いや……普通に歩いていたんだが……」

 

「どこが普通に歩いていたのよ!!

 

胸ぐら掴まれつつ言い寄った。

 

「なに?知り合いなのか?」

 

「えっと、初めまして。私プリズムと言います。この方向音痴ことルフレの双子の妹になります」

 

ペコリと礼をする。

 

「町の女性が家に残されそうだったので助けたのですが…瓦礫にやられてしまって…。

そこを賊に捕まって皆さんに助けてもらったところです。

て、だからってクラウド使う必要はないでしょ!」

 

「いや、あの場で不意打ちできるのってお前かクラウドか第三者じゃなきゃ助けられないし」

 

「クラウドって?」

 

「こいつだよ。俺の愛馬」

 

愛馬を撫でつつ俺は言う。

 

「さて、合流したしどこ行くかね?」

 

「イーリスの王都に行くって話だったじゃないですか。迷子になったのに」

 

「そうだったな」

 

「ところで今の賊って……」

 

「…どうやらこの山賊たちは、隣国ペレジアから流れてきたようですね。」

 

「ペレジアって……」

 

「イーリスの西にある国だ。奴らはこのイーリスに入り込んでは悪事を働いている」

 

「町がめちゃくちゃ…どうしてこんなひどいことができるんだろう…」

 

「顔を上げてくださいリズ様。このような事から民を守るため、我々がいるのです」

 

「…フレデリク…。うん!そうだよね!わたし頑張る!」

 

「うん?どういうことですか?」

 

「ああ、俺たちは自警団でな」

 

「なるほど……」

 

するとそこに村人がやって来る。

 

「ありがとうございました。本当に助かりました。

おかげで皆無事ですし、そちらの方の指示のおかげで被害が大きくなく消火ができました。

よろしければ、ひと晩ゆっくり休んでいってください」

 

「恐縮です。いえ。お気持ちだけいただいておきます。我々はこれからすぐに、王都へ戻りますので」

 

「え?え?泊まっていかないの?

泊まらせてもらおうよ?ね?このままじゃ途中で日が暮れちゃうし!」

 

「夜間行軍と野営を行う、良い機会です。」

 

笑いながら答えるフレデリク。

 

「えーーーーっ!」

 

そこにリズの悲鳴が上がった。

 

「せっかくだから同行してもいいか?俺たちも王都に行くことになったんだ」

 

「そうだな。せっかくだからともに行こうか」

 

 

イーリス聖王国の王都へ向けて、町から出発した……

 

 

 

 





本編との差
その1
最初にクロムたちと会ったのはプリズム(女マイユニ)ではなくルフレ(男マイユニ)

その2
こちらではプリズムが先に町に滞在しておりルフレは来たばかり
(本編ではルフレが先に滞在しプリズムはクロムたちと共に町へ入る)

その3
兄妹の容姿が本編と違う
(プリズム:髪型5 ルフレ:顔2 口調2 )

その4
当然のごとく記憶を失っていない。

その5
今回の戦いが実質初戦闘のルフレ
(本編では異界に行っていた経験がある)



今回は本編と差があるであろう序章をお送りしました。
if編が始まったのでもしかしたらそっちで載せた追憶編もこちらに投稿するかもしれません。


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