ふわっといずデス?   作:とりなんこつ

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その4 日記8月分前半

8月 3日 (金よう日)

 

今日は、夏休みのしゅくだいの工作で、ブローチをつくりました。

ママといっしょにヒマワリの形をしたのをがんばってつくりました。

二つ作って、上手にできたほうをマリアさんのたんじょうプレゼントにするつもりです。

たんじょうびの日にはケーキもやくつもりだけど、マリアさんはよろこんでくれるといいな。

 

 

 

 

8月 7日 (火よう日)

 

今日はマリアさんのたんじょう日です。

プレゼントをもってホテルへ行ったら、すごいドレスをきたマリアさんがいました。

「ごめんなさい。今年はあなたたちだけとゆっくりするつもりだったけれど…」

とあやまられました。

マリアさんはゆうめいじんなので、いろんな人がとまっているホテルでたくさんおいわいしてくれるらしいです。

「しかたないデスね」

ママといっしょにプレゼントをわたしてかえりました。

マリアさんはとてもよろこんでくれて、ブローチをドレスのむねのところへつけてくれました。

おうちへかえってテレビをみていると、マリアさんのたんじょう会が生ほうそうされててびっくりしました。

とてもひろい会場で、きらきらしたふくをきた大人のひとがたくさん。

テーブルの上のごちそうもすごいです。

マリアさんがテレビがめんいっぱいに出てくると、わたしの作ったブローチもうつりました。

テレビの中のマイクをもった人が『あら、そのブローチは?』ってききます。

マリアさんはにっこりとわらって『さいこうのたんじょうびプレゼントです』っていってくれたのはうれしかったな。

そのあと、なんかすごくきんピカのゆびわとかつけた男の人が、マリアさんにすごく大きなほうせきみたいなネックレスをわたしていました。

男の人がネックレスをかけようとして、わたしのブローチをはずしてぽんとなげっちゃたとき、マリアさんがものすごいビンタをしました。

テレビがまっくらになって、こわれちゃったと思ったけど、少ししたらなおりました。

あとでマリアさんから「ごめんねごめんね」とママにでんわがきたみたいだけど、わたしはねていたのでよくわかまりません。

 

 

 

 

8月 8日 (水よう日)

 

今日は、ママと調姉さんといっしょに、近くの夏まつりに行くことになりました。

わたしはあたらしいゆかたを作ってきせてもらって、ママたちもゆかたをきました。

二人とも高校生のころに作ったゆかたなんだって。

ママは「ちょっとむねがくるしいけれどきれたデース!」とニコニコしてたけど、調姉さんは「よゆうできれた…」となんか少しかなしそうなかおをしてました。

おまつりの会場で、詩音ちゃんともあいました。

わたあめ、チョコバナナ、やきそば、かきごおり、りんごアメ。

おいしいものがたくさんです。

なかでも、ママがかってきてくれたタコやきが、なかにおっきなタコが入っていていちばんおいしかったです。

「おみせのおじさんが教えてくれたデスけど、足が24本もあるタコがみつかったそうデスよ!」

ママがそういっていたけど、ほんとうかなあ…?

 

 

 

 

8月 10日 (金よう日)

 

明日から弦十郎おじさんたちとキャンプです。

山で虫とりや川でおよいだり、バーベキューもするそうです。

九音くんから「ぼくのたからものを見せてあげるよ」といわれているのでたのしみです。

 

 

 

 

8月 11日 (土よう日)

 

朝はやくから、みんなで車にのってキャンプへいきました。

行くときはみんなで歌をうたったのがすごくたのしくて、あっというまにキャンプ場へついたと思います。

「みんな、おそいよ!」

キャンプ場へついたら立花先生がいました。未来さんもいっしょです。

未来さんは立花先生のおよめさんだそうです。

女の子どうしでけっこんできるの? ってパパにきいたら「親友のじょういごかん」なんだって。

よくいみがわからないって言うと、大人になればわかるそうです。

詩音ちゃんにもわかる? ってきいたら「いわゆるえるじーびーてぃーみたいな?」って言ってたけど、これもいみがわからなかったな。

 

テントを四つくらいたてたあと、ママたちは火をおこして、パパとわたしと詩音ちゃんで川へつりにいきました。

弦十郎おじさんと九音くんは山へいったみたいです。

マスっていう魚が、みんなで6ぴきくらいつれました。

キャンプ場へかえると、九音くんたちももどってきてて、弦十郎おじさんが大きなイノシシをかかえていてびっくりしました。

「これで肉はたりるだろう」

弦十郎おじさんはわらうんだけど、クリスさんがこまったかおをします。

「ってゆうかだれがさばくんだよ、これ?」

すると未来さんが手をあげました。

「わたしができますけど」

「さすが未来、わたしのよめ!」

立花先生はおおよろこびです。

そんな立花先生は、教育にわるいってクリスさんにたたかれてました。

イノシシをさばくところも、なんか教育にわるいってみせてもらえませんでした。

キャンプファイヤーをかこんでみんなで食べたイノシシのやき肉とおなべはとてもおいしかったです。

ごはんがおわってあとかたづけをしたあと、九音くんがたからものを見せてくれました。

「…なにこれ?」

なんかすごくきたないふくでした。

「ブルース・リーのきていたどうぎだぞ!」って九音くんはむねをはっていたけど、よくわかりません。

でも、パパが「かんていしょもついているしほんものだ…」っておどろいていたからすごいのかも。

ママが「いくらするんデス?」ってきいたら、九音くんは「ずっとおとしだまをためて買ったんだ!」だって。

「あのじいさんも、まごにぞうよぜいぎりぎりのこづかいわたしてくるんだよなあ…」

クリスさんがこまったかおをしていっていたけどどういういみなんだろ?

「おれのむすこながらほめるべきかあきれるべきか。まあ、あとすうひゃくねんくらいすればせいいぶつになるかもしれんし」

弦十郎おじさんもいっしょにこまったかおをしてました。

「そのころはあたしたちはだれもいきちゃいないよ」ってクリスさんがあきれがおでいって、九音くんはだいじそうにたからものをしまってました。

 

そのあと、ココアをのみながらマシュマロをやきました。

やいたマシュマロをビスケットにはさんで食べるととてもあまくておいしかったです。

「ねえ、律花はしょうらいなんになりたいんデス?」

いきなりママがきいてきました。

「うーんと、お花やさん?」

わたしはヒマワリが好きなのでそうこたえました。

「んじゃ、詩音、おまえはなにになりたい?」

クリスさんがそうきくと、詩音ちゃんはちっちゃな声でぽつりといいました。

「お父さんのおよめさん…」

「そいつはうれしいな」って弦十郎おじさんはわらいます。

「でも、こんなとうへんぼくのおっさんにほれるといろいろとくろうするぜ?」

クリスさんもわらってました。

するとなぜか立花先生がおおわらいしました。

「さすがクリスちゃん、せっとくりょくがばくはつしているッ!」

「…うるせぇ!」

クリスさんがもっているマシュマロをびしばしとなげて、それを立花先生がぜんぶ口でキャッチしたのがおもしろかったです。

そして次はいよいよ九音くんです。

詩音ちゃんがお父さんのおよめさんになりたいといっていたのをきいて、九音くん、ようちえんのときにけっこんのやくそくしたのおぼえているかな、わたしも九音くんのおよめさんになるって言っておけばよかったかな、もしかして律花ちゃんとけっこんって言ってくれるかなってドキドキしていると、九音くんがいいました。

 

「ぼくはえいゆうになるッ!」

 

えいゆうってなんだろ? ってわたしが少しがっかりしていると、大人のひとたちがいっせいにコーヒーをふきだしてました。

どうしたんだろうって思っていたら、子どもたちはもうねなさいってはみがきしてテントへいれられました。

まだ八時くらいなのでねむくないので、こうやって日記をつけています。

いっしょのテントの詩音ちゃんに「えいゆうってなに?」ってきいたら、ヒーローのことだそうです。

九音くんはヒーローアニメとかせいぎのみかたとか大すきだからなー。

山の夜はしずかで、詩音ちゃんはすぐにねちゃいました。

大人のひとのヒソヒソばなしがきこえてくるので少しメモしてみます。

 

「…まさかな」

「それでもいちおうしらべてみてもらったほうが」

「こんどえるふないんにそうだんしてみるわ」

 

えるふないんてだれなんだろう? ってきになったけれど、わたしもねむくなってきたのでおしまいにしたいと思います。

明日のキャンプのつづきもたのしみだな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

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