Dream Palette   作:キズカナ

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前回投稿日→8月9日
今日→9月15日

1ヶ月以上間開けてすみませんでした( ノ;_ _)ノ

いや、いつ日完結に向けてとか色々とやってましたしリアルでも課題とかテストとかレポートとか転落事故とかあって大変だったんですよ…。本当にすみません許してください何でもしますから(何でもとは言ってない)



田舎(佐倉家)に泊まろう!

 

(うーん…久しぶりにイサムくんと会ってみたいけどどうやって誘おうかな…。)

 

 学校から帰ってきた彩は制服のまま1人悩んでいた。最近は忙しくて中々イサムと会うことが出来てないためどうにかして会いたいと思っていたのだが、どうにも誘える理由が無かった。ここ最近はメール越しのやり取りしか出来てないためいきなり彼を呼び出すのはどうなんだろう…と考えていた。

 

「彩~?お風呂沸いたわよ~?」

「うん!今行くよ!」

 

 母親に呼ばれて、お風呂に入りながら色々と思考を張り巡らせていたがやはりいい案は思い付かなかった。

 お風呂から上がっても彼女は上の空のままだったのだ。

 

「うーん…。」

「あ、彩。最近彼とはどうなの?」

「えっ?…彼?」

「ほら!あの…彩をおぶって来た子!あの子、彼氏じゃないの?」

「お母さん!?」

 

 母親の言葉に思わずソファーから立ち上がった彩は顔を赤くしながら声をあげた。

 

「あれ?何か違った?」

「まだそんなのじゃないよ!それにイサムくんはただのお友達で…」

「へー、今は(・・)お友達ね~。」

「……へっ?」

 

 己の失言により再び赤面になった彩は近くのソファーに倒れこみ、そこにあったクッションに顔を埋めていた。

 

「大丈夫よ~。私は大賛成だから!」

「・・・・・・・」

「なんかあの子になら彩を任せてもいい気がするのよね~。まさに類は友を呼ぶ…みたいな?」

「…お母さん?」

「とにかく!あなたが好きならとことんアタックしなさい!セール品と男は絶対逃がしちゃ駄目よ!」

「う…うん?」

「まあ……お父さんが聞いたら多分混乱するでしょうけどね…。」

「……たしかに。」

 

 うちのお父さんなら「彩に男!?アイドルなのに大丈夫か!?とにかくここに連れてきなさい!!その不埒者がどんなやつかこの目で確かめてやるわ!!」とか言いそうだよね…と考えながら二人は遠い目をしていた。

 

「それで?近況は?」

「えっと……実は最近忙しくて中々…ね?」

「そっか~。それで?会いにいかないの?」

「会いたいけど…中々いい誘い方が思いつか無くて…。」

「なるほどね…。」

 

 母親は数分間かんがえていて、彩はその時髪を乾かしていた。彼女が戻ってくる頃、丸山母は「そうだ!」と何か閃いていた。

 

「彩、彼と親睦を深めるいい方法があるわ!」

「えっ?」

「ちょっと耳かして。」

 

 彩の耳元で自身の秘策を教える丸山母。それを聞いた彩は顔を真っ赤にして…

 

「えええええええええええ!!!!?」

 

 かなりの大声で驚愕の声をあげた。

 

「ほら思い付いたら即行動!」

「えっ!?ちょっと待ってよ心の準備がぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 一方、イサムは鞄に教科書などを入れて明日の準備をしていた。

 

「ふう…。とりあえずこんなものでいいかな?」

 

 一通り鞄に必要な教科書を入れたことを確認したらイサムは洗面台へと移動し、歯磨きをしていた。

 

「あ、イサム。明日母さん出張で明後日の昼帰るから夜は冷蔵庫の中のもの好きに食べていいからね?」

「わかった~。」

 

 佐倉家では1、2ヶ月に1度こういったことがある。かといって特別何かやるというわけではないのだが夕食はイサムの気分次第で作ったりレンチンの物だったりと変わってくるのだ。

 

「とりあえず明日は…学校終わったらまた楽器店行ってみようかな…。」

 

 そう呟きながら歯を磨いたイサムは口に含んでいた歯みがき粉の泡を洗面台に吐き出した。そしてそのまま部屋に戻り机に置いてあったスマホを開いた。

 

「ん?彩から?」

 

 着信が入った欄を押すと彩との会話画面が開かれた。そこにはこれまで二人が行ってきた様々なやり取りが映し出された。

 

「えっと…何々………えっ?」

 

 新しい着信を見たイサムは驚愕した。なぜならそこに書かれていたのは…

 

 

 

 

 

 

『イサムくん、明日なんだけどもしお邪魔じゃなかったらイサムくんの家に行ってもいいかな?』

 

 

 

 

 

「えええええええええええ!!!!?」

 

「うるさい!夜中に騒ぐな!」

 

 そのまま彼はその夜寝れたとか寝れなかったとか寝れたとか寝れなかったとか寝れなかったとか。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 次の日の放課後

 

 学校の授業が終わったイサムは約束の公園に行き、彩の到着を待っていた。

 

「はあ…はあ…はあ…。イサムくん…遅くなってごめん…。」

 

 そこに彩が息を切らしながら走って来た。

 

「いや全然大丈夫だよ?」

「うう…。よりによって今日緊急集会行わなくても…。」

「…大変だったんだね。」

 

 彩が落ち着くまで少し2人はベンチに座っていた。その間にイサムは近くの自動販売機でポケリスェットを買い、彩に渡した。「ありがとう」と言ってそれを受け取った彩はドリンクを半分ほど飲み干した。

 

「ふう…ごめんね、遅れた上に飲み物まで貰っちゃって…」

「いいよ。それで今日はどうして突然?」

「えっと…驚かないで聞いてくれる?」

 

 彩はそこに行き着くまでの経路を話した。それを聞いたイサムは「ええ…」と苦笑いした。

 

「彩のお母さんって……結構行動派なんだね…。」

「あはは…。」

「それで……ウチに来るってどういうことなの?」

「それなんだけどさ…落ち着いて聞いてくれる?」

 

 彩の言葉にイサムは首を傾げながらも続きを聞くことにした。

 

「実は……イサムくんの家に今日1日泊まっても…いいかな?」

「・・・・・・・・・・・・ゑ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええええええええええええええええええ!!!!!?」

 

 その公園にイサムの渾身の衝撃が響いた。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 場所は変わって現在はイサム宅前。

 

「ここが…イサムくんの家…。」

「うん。ごく普通の一軒家だけどね。」

「そっか…それと本当にごめんね?急に無茶言って…。」

「いいよいいよ。どうせ今日は母さんは仕事で帰って来れないし父さんは単身赴任でどっか行ってるしゆっくりしてよ。」

「……うん。」

「まあ立ち話もなんだし中入ろ?」

 

 そのまま家の鍵を開けて2人とも家の中に入る。

 

「えっと…とりあえず適当なところに座ってて?俺は着替えて来るからさ。」

 

 そのままイサムは2階の自室に戻り服を着替える。()を待たせないようにと適当な服を選び早めにリビングに戻っていった。

 リビングでは彩は落ち着かないのか部屋の中をキョロキョロしていた。

 

「彩?」

「ふぇ!?イ…イサムくん!?」

 

 声をかけると慌てたかのように高い声をあげて驚いていた。

 

「えっと…どうしたの?」

「えっ!?いや…何でもないよ!?」

「…そう?じゃあ…俺はご飯とかお風呂の準備とかするから彩はテレビでも見ててよ。もし退屈だったら言ってくれたらゲームとか出すしさ。」

 

 そう言ってキッチンに向かおうとするイサムだったが…

 

「ねえイサムくん、私も何か手伝えないかな?」

 

 ソファーから立ち上がりイサムの腕を掴んだ彩はそう言った。

 

「えっ?でも彩はお客さんだしこれなら俺1人でも出来るよ?」

「でも私、イサムくんに無理言ってばかりだから…もし手助けできることがあるなら何でもしたいの!」

 

「お願い!」と手を合わせながら頼み込む彩を見てイサムは「じゃあ…任せようかな?」と返すと彼女は目を輝かせながら笑っていた。

 その様子を見ていたイサムは「(子犬みたいで可愛いなぁ)」と心の中で思っていた。

 

「とりあえずお風呂は朝のうちに洗ってあるから…晩ご飯だけど……彩は何か好きなものとかある?」

「うーん…オムライスとかかな?」

「………よしっ。それなら良いものがあった。」

 

 すぐさま冷蔵庫を開けて上の方に置いていた箱を取り出した。

 

「これ…何?」

「卵だよ。この間買った結構いいやつなんだ。」

 

 箱の中の紙綿を避けるとそこには綺麗な赤卵があった。

 

「せっかくだしこれ使っちゃおうか。」

「えっ?いいの?」

「まあ使わないとそのうち腐るし鮮度のいいうちに食べちゃった方がいいんだよ。」

 

 そう言ったイサムは箱の中から3つほど卵を取り出し、ボウルに器用に割っていれた。

 

「じゃあ…彩はこれをかき混ぜて、砂糖と塩で軽く下味つけてくれる?その間にチキンライス作っとくから。」

「うん!任せて!」

 

 彩にボウルと菜箸を渡し、イサムはチキンライスづくりに移った。

 鳥のモモ肉を細かく切り、みじん切りの玉ねぎ、細かく切った人参とピーマンと一緒にケチャップで炒め、味が着いたところでご飯を入れ切るようにほぐし再びケチャップで味をつける。程よく混ざりパラパラになるとそれを別の皿に移した。

 

「彩、卵できた?」

「うん!」

 

 卵を受けとるとフライパンでかき混ぜながら半熟状にしていくのだが…これが中々テクがいるらしい。

 それを容易くこなすイサムを彩は隣でじっと見ていた。

 

「イサムくん…もしかして料理得意だったりする?」

「うーん…見よう見まねだけどね。簡単なものなら出来るだけで上手いって訳じゃないからな…。」

 

 そんな会話をしていると…

 

「あっ…」

 

 卵の形を整えていたところで事件は起きた。

 イサムがつくっていた卵をひっくり返したところ…

 

「ちょっと焦げた…。」

 

 火加減を間違えてしまったのだ。それゆえに半熟だった卵もすっかり固めになってしまった。

 

「彩、とりあえず…チキンライス乗せたお皿ちょうだい。」

「あ、うん。」

 

 その後、二つ目はなんとか無事完成してオムライスは出来上がったものの…。

 

「とりあえず失敗したのは俺が食べるからさ。彩は綺麗な方食べなよ。」

「えっ?でも私イサムくんにまかせっぱなしで全然手伝えなかったし私がこっち食べるよ。」

「いや俺が…」

「いや私が…」

 

 こんな感じで少しの時間、このやり取りが続いたらしい。

 因みに結果としてはイサムが全力の土下座を見せた為、彩が綺麗な方を食べたと言う。因みに土下座の理由は「客人に変なものを食べさせる訳にはいかないんですお願いします。」なんだとか。

 

 

 




うん、暫く書いてなかったせいか書くの下手くそになってるわ。
やっぱ間空けると色々ダメだなこりゃ…。

良ければ感想や評価よろしくお願いします!

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