Dream Palette   作:キズカナ

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皆さん、前回投稿したのがいつか覚えてますか?

最新の物がモカ小説で元旦です。

そう、かれこれ2ヶ月たってます。





大変申し訳ありませんでした!







夢を探して

 

 

「…………じー。」

 

 江戸川楽器店のギター売り場で俺はギターの1つ1つとにらめっこしていた。とりあえず来てみたのはいいがやはりいまいちわからない。

 以前麻弥さんに教えてもらったことを参考にするなら、気に入ったモデルにするという手もあるが、やはり試奏してみて一番しっくり来たものがいいらしい。

 しかし、やっぱりいいものとなるとそれなりの値段がしてくるらしく質が良さそうなものは大体結構なお値段がする。

 

「これかなぁ…?」

 

 とりあえず予算を視野に入れながら気になったギターを手に取ってみる。

 

「あのー、すみません。ギターの試奏って出来ますか?」

「出来ますよー。やります?」

「お願いします。」

「了解!じゃあ試奏室にご案内しますね。」

 

 そして俺は持っていたギターを店員さんに渡し、試奏室に入っていった。試奏室では店員さんがギターを引くためのセッティングをしてくれて、準備が出来たところで俺に渡された。

 渡されたギターを手に取り、置いてあったピックを借りて一度ひいてみた。ジャーンという音が部屋に響き、ギターの弦の震える音が耳に残った。

 

「凄い…。」

 

 パスパレのライブやテレビで聞いていた音とは違う感じがした。

 

「どうですか?」

「なんか……凄かったです。」

 

 こんな感想しか思い付かなかった。変な言葉だけど本当にこんな感じ。

 ギターを持ってみて、いい感じに手にフィットするし、重すぎず軽すぎずという丁度良さだった。

 

「こちらの商品、今ならチューナーやルイスアンプ等のセットもつけてお安くなりますよ?」

「…いくらですか?」

「ギターもつけてセット価格で8万円。」

 

 そう言われ少し考えた。予算は6万円前後。しかし、セットで8万円ならそれぞれ単品で買うよりも安い。だけどこの値段はなぁ…。

 

「……学割ありますよ?」

「学割でいくらですか?」

「66000円」

「買います!」

 

 こうして俺は店員さんから色々と説明を受けて、購入に踏み込んだ。正直専門用語が多すぎてちょっと混乱しそうになった。こんなときに麻弥さんがいてくれたら…。

 とりあえず説明が終わり、代金の支払いを終えて荷物を受けとるとお店を後にした。

 

「……買っちゃった。」

 

 そう、買っちゃったのだ。多分人生で最も高い買い物をしたのではないだろうか。

 

「とりあえず帰るか。」

 

 荷物を持ち直して家に足を進めた。色々と買っちゃったからかちょっと重いが意外と不快な感じではない。

 

 これで俺も前に進めるだろうか。

 

 

   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「アキラ、ギター教えて。」

「お前何の為に教訓本まで買ったんだ?」

 

 次の日、俺は学校でアキラに手を合わせて頼み込んでいた。

 

「いや、本読んだら大体わかるかと思ったんだけど意外と難しくて」

「なるほど。形から入るタイプのお前には荷が重かったということか……」

 

 ため息をつきながらそう言われた。ちょっと悔しいけどその通りだから言い返せない。

 

「でも何で俺なんだよ。」

「だってアキラ、ギターやってたじゃん。」

「ギターじゃない、ベースだ。」

「え?」

 

 と、再びため息混じりに訂正してきた。え?ベース?嘘でしょ?

 

「ベース…ベースって確か千聖さんが使ってたやつ?」

「そうだ。初心者はよく間違えるから行っておくがギターは弦が6本、ベースは4本だ。それにギターとベースじゃ出せる音が大きく違ってくる。」

「へえ~。」

 

 わかったようなわからないような…。とりあえず後で調べてみよ。

 

「と、いうわけで俺じゃあ無理だ。他を当たれ。」

「ええー……」

 

 そう突っ返されて俺は机に顔を伏せた。

 他を当たれって言われても俺には当てなんかない。なんせこの学校で友達なんて言える相手なんかアキラかミチル位しかいない。そんな俺に今から話したこともない人からギターを教えてもらえって言われてもなぁ…。

 

「ミチルがいたバンドメンバーとは面識無かったのか。」

「あるわけないでしょ……」

 

 と、言うのもミチルは中学時代は有志でバンドをやっていた。しかし、そのメンバーの1人が引っ越しと共に北海道の高校に行くということで有終の美を飾り、問題を起こすことなく解散した。アキラもその事を知っていて、俺も面識してあると思い込んでいたのだろう。

 

「初っぱなからオワリってそりゃないよ…。」

 

 と、そんなことしてると先生が入ってきて授業が始まった。俺はまたしてもギターについて色々と考えていた為にちょくちょく上の空になっていて先生に怒られた。

 

 

    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「ありがとうございましたー。」

 

 その週の休日、俺は昼からCiRCLEのバイトに取り組んでいた。夏に入る前ということもあり、窓から差し込んでくる日差しがポカポカしてて思わず眠くなってしまう。

 

「こーら。」

 

 と、ウトウトし始めてるとまりなさんが丸めた雑誌で俺の頭をコツンと叩いた。

 

「あ、すみません。」

「眠いなら顔洗ってくる?」

「いえ大丈夫です!バッチリ覚めてます!」

「じゃあちょっと外の掃除お願いできる?」

「はい!」

 

 そして俺は外に出て箒と塵取りを持つと入り口付近に散らかっていた落ち葉や誇り等を掃きながら1ヶ所に集めていった。

 しかし数分立つとただ掃くのも怠くなったので鼻歌を歌い始めた。鼻歌って別に機嫌が言い訳じゃないけどちょっと気晴らしに歌っちゃうことってあるよね。

 

「ふんふふーんふんふふーんふふーふん~」

「ねえ、それってパスパレの曲でしょ?」

「ふぇぇぇ!!!?」

 

 急に後ろから話しかけられビックリした俺は思わず振り向いた。そこにはエメラルドブルーの髪のもみあげを三つ編みにした少女がいた。……それにしてもこの子、どこかで見たような…。

 

「おーい!聞こえてる~?」

「えっ?う、うん…。」

「それにしても君、パスパレのファンなの?」

「いや…、ファンっていうか…何て言うか…。」

「ふーん…。でもなんかるんっ♪って来たからいっか!」

「る、るん?」

 

 突然現れた謎の言葉『るんっ』。擬音的?というか文法的?に言ってるのなら『面白かった。』って意味なのかな?

 

「日菜ちゃん、ちょっと待ってよぉ~。」

 

 そう言いながら此方に走ってくる少女がいた。その少女はピンク色の髪の毛にサングラスをかけ……ピンク?

 

「あ…あれ?イサムくん?」

 

 少女の正体は彩だった。彼女は俺に気付くとつけていたサングラスを外した。その時の仕草がなんか有名人っぽいなと思ったのは口に出さないでおこう。

 

「へえ~。君が彩ちゃんの好k「日菜ちゃん!」ムグッ!?」

 

 日菜と呼ばれた少女が何かを言いかけたところで容赦なく彩は口を塞いだ。そのため、日菜…さん?は「むー!むー!」と何を言ってるかわからない状態になってしまった。

 その後、2人は少し離れたところで何かをコソコソ喋ってから再び此方に戻ってきた。

 

「えっと…何話してたの?」

「ううん、気にしなくて良いよ?」

「そ…そう?」

 

 と、ちょっとだけ圧をかけられてしまう。その時の彩の笑顔は可愛いながらにもちょっと怖かった。

 

「それよりイサムくん……掃除してるの?」

「うん、ここなんだよ。俺のバイト先。」

「そうなんだ~。」

 

 と、会話に花を咲かせていると近くにいた日菜さんが「ねえねえ!」と話しかけてきた。

 

「イサムくんは彩ちゃんとどんな関係なの?」

「えっ?ちょ、日菜ちゃん!?」

 

 唐突な質問に彩は焦っているように見えた。

 

「うーん…、大切な友達かな…?」

「………ふーん?」

「…何?」

「別に~?」

 

 その時の日菜さんは何かを言いたそうだけど、敢えて言わないようにしてる…そんな風に見えた。

 

「て言うか…君は?」

「あ、そう言えば自己紹介がまだだったね!あたしは氷川日菜!」

「氷川…?………あっ!もしかしてパスパレの!」

「やっと気づいた?」

 

 そうだ思い出した!この人、Pastel*Paletteの氷川日菜だ!

 

「それより君、パスパレのライブ来てた人だよね?」

「なんでそれを?」

「やっぱり!サイリウムとか持ってないのに凄く盛り上がってたからね~。凄くるんっ!て感じたんだよね~。」

 

 「そんなに?」と思いながらも思い当たる節があって言葉を飲んでしまった。それにしてもあれだけ多くの観客がいてよく俺を見つけられたなと思う。

 

「あ!日菜ちゃん、そろそろ行かなきゃお店閉まっちゃうよ!」

「ええ~。もうちょっとイサムくんとお話したかったのに~。」

 

 そう愚痴を溢しながら「しょうがないなぁ~」と言う感じに落ち着いていた。

 

「じゃあまた今度会えたら色々と聞かせてね~。」

「じゃあイサムくん、またね!」

 

 そう言って2人は立ち去ってしまった。

 俺がいたところは先程まで凄く騒がしかったせいか静かな、風の吹く音がはっきりと聞こえるレベルで静かに感じていた。

 

「なんか…嵐みたいな人だったな…。」

 

 俺が氷川日菜に抱いた第一印象はそんな感じだった。

 

 

 





コメントや高評価くれるとモチベ上がるし作者が喜ぶのでやってくれたら嬉しい。

最近色々とリアルが忙しいので更新速度が不安定ですが楽しみにしてくれる人がいたら嬉しいです。
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