あれから暫くして彩は泣き止み、そのまま寝てしまった。と、いうのも泣き止んだなと思って暫くそのままにしていたら隣で規則正しい寝息をしていた。
近くで見るととても可愛い寝顔だ。こんなものを見れる俺は相当運気が来てると思う。というかここ数年分の運気を使ってるんじゃ無いかと思うくらいだ。明日事故ったりしないよね?
が、こんな呑気なことを語ってる場合では無かった。今は結構ヤバい状況になっている。というのも…
彼女を起こすわけにもいかないし俺がこのまま彼女を送らなければならない。だが俺は彼女の家を知らない。
「マジやばくね?」
こればかりはどうしようも無いので彩を起こそうと思ったのだが、彼女の寝顔を見ると起こしたら何かかわいそうな気もしてくる…。
という訳で俺は地道に彼女の家を探すことにした。
それから何分歩いただろうか。彩をおんぶして彼女と一緒に帰ってた道を辿りいつも別れるところまで来た。ここからが難関だ。彩の家は知らないからどれがそうなのかがわからない。
「………標札見ながら探すか…。」
とりあえず『丸山』という標札がある家を探すことに。
それから何分かたってようやくその標札を発見した。……だがここで俺は重大な問題点に気がついた。
「……どうやって説明する?」
家の人からしたらいきなり自分の娘をおぶって男がやって来たなんて状態を前に冷静にはいられないだろう。最悪大黒柱でも呼ばれて土下座させられる未来も視野にいれておかなければならない。というか彩が俺のことを家で話してるとは限らないし…。
どないしよ。
「………よし。」
数分かかって俺が出した結論。それは…。
「男は度胸!」
そのままインターホンを押し誰かが出てくるのを待つ。…………とりあえず親父さんが出たら死を覚悟しなければならないかもしれないが。
「はーい!どなたですかー?」
………中学生位の女の子だ。え?この子ってもしかして彩の妹?まあ、髪の毛ピンクだし、彩に似てるのは似てるし…。
「おかーさーん!お姉ちゃんが男の人連れてきたー!」
「ちょ!?お嬢ちゃん!?」
なんて言い方するんだこの子は!勘違いされる言い方はやめなさい!というか俺が彩を連れてきたんだけど!でもここは彩の家だからこの表現でもあってるのか?
ニホンゴムズカシイネ。
「えっ?彩に男の子…って…。」
ほら、お母さん困惑してるじゃん!
「あの…彩のお友達ですか?」
「はい。佐倉イサムといいます。夜分にすみません。」
「イサム…ああ~もしかして…。」
え?何?知ってるの?というか初対面だよね?
「とりあえずあがって。外寒いしお茶だすわよ?」
「え?」
「ほらほら!いいからあがってあがって!」
「じゃあ…お邪魔します。」
何故かあっさり中に入れてくれた彩のお母さん。これ何かよろしくないことの前触れとかじゃないよね?後で後ろからズドンとやられないよね?
とりあえず彩のお母さんの案内で彩の部屋に入り彩をベットの上に。そのまま俺は居間へと案内され「そこのソファーで待っててね。」と言われそのまま待つことに。
「お待たせ~。紅茶で良かったかしら?」
「わざわざすみません。」
「良いのよ。彩が彼氏連れてきたのなんて初めてだからね~。」
「いや彼氏じゃ無いです!?ただの友達ですからね!?」
「あら?そうなの?」
「そもそも僕なんかに彩さんは勿体ないですよ…。」
「そうかしら?」
「ところで…なんか僕のこと知ってるみたいでしたけど…彩さん家で何か言ってたりしたんですか?」
俺がそう聞くと彩のお母さんは「そうそう。実はね…」と語り始めた。
数日前
「えっと…なんて送れば良いのかな…?」
彩はスマホと向き合っていた。というのもグークルを開き幾つかの単語を入れながらこれからやろうとしてることに最も最適な方法を探していた。
「彩~お風呂沸いたわよ~。」
「は~い。」
(お風呂入ってる間に考えてみようかな?)
彩はテーブルにスマホを置いたままお風呂場に向かった。
その1分後、丸山母はソファーに座りゆったりしていたのだが彩のスマホから「ピロン」と音がなり着信が入り、たまたま近くにあった為画面が見えてしまったがそこには送り主の名前に「イサム君」と表記されていた。
「ってところかしら?」
「なるほど。」
そういうことだったのか。
「その後で彩に『イサム君って誰?』って聞いたらあの子ったら顔真っ赤にしてあたふたしてたからてっきり彼氏でも出来たのかと思っちゃった。」
いやなにそれめっちゃ見たい。
「イサムくん。」
「はい?」
「彩と仲良くしてちょうだいね?」
微笑みながら語りかけてきた……って怖っ!本人そういう気でしてないとは思うけどその微笑みが怖い!
「そ…それは勿論。」
「それにしてもあの子…大丈夫かしらね?」
「えっ?」
「ほら、今話題になっちゃってるでしょ?良い意味ではないけど。あれ以来ずっと暗い顔してたから心配で…。」
彩のお母さんは紅茶を啜りながらそういった。
「あの子昔から無理ばっかりして、つらい時もとにかく一生懸命にやって体壊してるから…母親としてはどうしても気にしちゃうのよね。」
「そうですか…。」
「それに何かあったら結構重く考えて自分のこと責めちゃうタイプだから…。」
彩のお母さんがそう思うのも無理はないと思う。あの時の涙でかなり思い詰めてるのが伺えた。決して弱さを見せないようにしようと頑張ってたかのように。
「僕にもわかりません…。多分…彼女はこの先も辛いことがあるだろうし、その度に自分を責めてしまうこともあるかもしれません。それでも彩には自分を信じて前に進んで欲しいんです。」
気づかないうちに俺は語りはじめていた。こんな言葉を並べてもただの自己満足とかエゴイストとしか思われないだろう。
だがそう思うのには理由があった。
「空っぽになったら…何も感じなくなっちゃうから。」
彩には…そうなって欲しく無いから。
「イサムくん…。」
「…あっ。すみません!勝手に知ったかのような口を聞い「彩のことお願いね?」…はい?」
突然俺の手を握り彩のお母さんは言った。
「えっと…話が見えないんですが…。」
「今は見えなくて良いの!とにかく、よろしく頼んだわよ?色々と!」
「えっ?えっ?」
ドユコト?
この後俺は夕食を食べていかないかと誘われたものの時間はとっくに8時を越えていてこれ以上遅くなると親に心配をかけるからということで帰ることにした。まあ元々彩を送り届けたらミッション完了みたいなものだから良いと思うし。
「お邪魔しました。」
「またいつでも来ていいからね~。」
こうして俺の丸山家訪問は幕を閉じた。
◆ ◆ ◆ ◆
「お母さーん、さっきのお兄ちゃんは~?」
「さっき帰ったわよ?」
丸山妹が母親のもとに駆け寄る。
「ねーねー、お姉ちゃんの彼氏なのー?」
「ううん。お友達だって。」
「今はね。」と付け足しながら説明する母だが、どうやら妹には意味が伝わってないようだった。
「それで~?いつから起きてたの彩?」
丸山母が訪ねると壁の影から彩が来た。
「お母さん…いつから気付いてたの…?」
「あの子が話始めた時からね~。イサムくんは凄く必死だったから気付いてなかったみたいだけど?」
「うっ…。」
「…いいお友達を持ったわね。」
「…うん!」
「彩。イサムくんを大切にしてあげなさいよ?」
「えっ?」
「運命ってのは突然やって来るものだからね?それと…明日はお赤飯にする?」
顔を真っ赤にしながら「お母さん!?」と言う彩を他所に丸山母は鼻歌を歌いながら晩ごはんの用意を始めた。
どうやらこちらでも一波乱あったみたいだ。
一方で…
「へっくしゅん!」
イサムは軽い噂をされてると気づかずに「風邪引いたかな…?」と1人夜道を帰っていた。
先週のジオウの次回予告でバズーカクラスの衝撃を食らったキズカナです。ブレイド編ずっと待ってました!
新しくコメントをくださったミノさん、水色( ^ω^ )さん、ありがとうございます!
コメントや高評価くださると作者のモチベーションが大幅に増加しますので是非よろしくお願いします!
というか関係ない話に戻るけどはたらく細胞とか転スラとか色々と二期決定してこれからが楽しみな私です。
それとバンドリ二期が今週最終回ですがきっちりリアルタイムで見ますぜ!