この素晴らしい世界で運命を矯正する   作:翠晶 秋

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本ッッッッッ当にお待たせしました!
……待ってくれる読者いるのだろうか。


この機動要塞に裁きの光を!

 

「───読み終わりました?」

「あ、はい」

「じゃあコロナタイトさがしに行きましょうか。アクアさんもそれで良いですか?」

「「あ、はい」」

 

俺が骸骨にローリングソバット───蹴りを与えてから、やけにカズマとアクアが大人しい。

そこまで酷い事しただろうか。

 

「打倒だと思うんだけどなぁ……」

「ねぇカズマさんカズマさん、私、帰ってからヨウタさんに極力優しくしてあげた方がいいと思うの」

「なんとかポーションの効果を解毒出来ないか試してやれ」

 

ぼそぼそ言っているが聞こえん。

耳に入らぬ。

このデストロイヤーを破壊するなら、悪鬼羅刹と成り修羅と化そう。

 

「まったく……。ほら、早くコロナタイト探しますよ。場所に目当てはあるんですか?」

「えーと、多分こっち……」

 

しばらくすると普通にコロナタイト見つけた。

道中ゴーレムが出てきたけど首もいでやった。

 

鉄の檻の中、煌々と輝くコロナタイト。

ウィズさんもついてきたし、原作ムーブを追うだけで良いかな。

順調にカズマが火傷を負い、ウィズが魔力を吸い、ランダムテレポートをした。

……さて。

 

「はーい逃げますよー」

「お、おう。手慣れてるな」

 

鳴り響く轟音。

デストロイヤーの中の熱が排熱できなくなったから、もうすぐボンってなるんだろう。

 

最初はデストロイヤーにワクワクしてたけど、あんまり面白くないしあとはめぐみん任せでいいかな。

デストロイヤーから離れる。

めぐみんに爆破してもらえば……。

 

「おい、めぐみん、なに寝こけてんだ、起きろ」

「むにゃむにゃ……。もう食べられません……」

「めぐみん?めぐみーん?おい、めぐみん起きろ、お前がデストロイヤーを破壊するんだよ。ウィズじゃアクアの魔力注ぐと食当たり起こすし、お前が適任なんだよ」

 

ん、原作と違う歪みの雰囲気。

なに寝てるんだ、この人は。

 

「おいアクア、こいつの状態異常治せ!」

「無理よ?めぐみんったら、なんか気絶に近い形で寝てるの。普通の睡眠ならまだしも、気絶じゃ体力が回復してもなかなか起きないわよ」

「マジかよ」

「マジよ」

「…………」

 

ダメじゃないですか。

太陽魔法になんか無いかな。状態異常治す系の……は?

え、ちょ、え?これって……。

 

 

 

 

紅炎爆裂魔法:必要スキルポイント60

 

 

 

 

 

「『フハハ。フハハハハ。フハハハハハハッ!!』」

「よ、ヨウタ?デストロイヤーの近くは危ないぞ。今この寝てるポンコツ起こすから、離れて待ってくれ」

「『我がリーダーよ。離れるのは貴殿の方だぞ?』」

「なんだって?」

「『危ないから離れよと言っているのだ。かなりの衝撃になるであろうから、詠唱が終わるまでにその爆裂娘を起こすと良い。さあ行くぞ───』」

 

 

───(あか)より(あか)く───

 

 

カズマがギョッとしてめぐみんを背負い、冒険者みんなを引き連れて我とデストロイヤーから離れる。

 

 

───影より(なが)き宵闇に───

 

 

高らかと詠唱を叫ぶ。

 

 

───我が紅蓮の審判を望みたもう───

 

 

ずっとずっと練習してきた。

 

 

───粛正の時来たれり、天地の狭間に堕ちし金槌───

 

 

ワクワクする。

 

 

───無限の歪みを喰ひ(くらい)て抹消せよ!───

 

 

魔力がごっそり持ってかれる。

 

 

───砕け、砕け、砕け!───

 

 

でも、それ以上に。

 

 

───我が炎の熱波に願うは制裁なり。残る者なき制裁なり!───

 

 

この先を見たい。

 

 

───神羅等しく消し炭と化し、銀河より来たれ!───

 

 

ネットで調べて練習したんだ。絶対に行ける。

 

 

「『───プロミネンス・エクスプロージョン!!!!』」

 

 

 

 

あれから数日が経った。

この日、冒険者ギルド内は、異様な熱気に包まれていた。

ギルド職員が、報酬を用意しているのだ。

 

ふと視線を移せば、カズマとダクネスが少し離れたところで雑談をしている。

何を言われたのか……というか分かってるんだけども、一番役に立たなかった事をカズマに指摘されてダクネスが震え始めた。

気づけば、傍のアクアとめぐみんがいなくなっていた。

 

自らの成果を自慢しているのだろう。

どこからかウィズが現れ、カズマを持ち上げるような言葉を言い、それに対してダクネスがまた心にダメージを負って、しゃがみこんで。

 

 

入る場所なんて、どこにもなかった。

 

 

声をかけようと上げていた右手を降ろす。

少し寂しい感じを覚えながら立ち尽くしていると、急に扉が開けられた。

 

黒髪の女……セナだ。

今後の展開を思い出して俺は再び手を伸ばすが既に遅く、セナは険しい表情でカズマに詰め寄った。

 

 

「冒険者、サトウカズマ!貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!自分と共に来てもらおうか!」

 


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