「エクスプロージョンッ───」
綺麗な花火だ。
けっこう警察の動きが早い。作戦変更だ。
警察が爆裂☆したところを確認しようとしている間に斜面を駆け下りる。
眼下には留置所。
崖を蹴って跳び、留置所の屋上へ立つ。
暗視発動。
警官がわらわらと移動している間に、森に駆け下りてアクセルから離れるように逃げる。
「いたぞー!犯人だ!」
「相手はまたあのバカ魔法使いだろ!体力は無いはずだ、追え!」
「夜勤手当だせやああああ!!」
なんかめぐみんと勘違い───ってか犯人割れしてんじゃんかよ。
とにかく、俺は魔法使いではなくルーンナイト。
ただの警官に体力で遅れは取らない!
◇
「はっぐじゅん!!ヨウタぁぁぁぁあ!!」
「はいはい、よく頑張りましたね、はい、うん。すごいすごい」
失敗した。
俺は逃げきれたけど、家に帰った瞬間に警官が押し寄せてきおった。
めぐみんだけが引きずられていったけど、少ししたら帰ってきた。
「しかし、どうしたのだカズマは。アクアはちゃんと針金を渡したのだろう?だとすれば、出られるはずなのだが」
「カズマさんならやってのけそうですけど、普通は鍵開けなんて出来ませんからね?」
「む?鍵開けなぞ、針金を刺して殴れば1発ではないか」
脳筋───。
「とにかく、この調子だと明後日が裁判です。明日には救い出さないと、カズマが処刑されてしまいますよぅ!」
「ぐすっ……もじかじたら、カズマは鍵開けがでぎながったのがもね。あじだはノコギリを持っでいくわ」
脳筋───。
「ダグネズも。ずぴ───……。覆面を被ってちょうだい。何者かに見られていたのかもしれないわ」
カズマを待っていてずっと警察署の前にいたせいで風邪を引きかけたアクアが、鼻を咬みながら布を渡す。
やっぱり脳筋───。
んまぁ、とにかくタイムリミットは明日。
その間に、できることを───!!
◇
うん、失敗したわ。
やっぱり運命は避けられないんやなって。
鍵はダイヤル式で、木箱は差し入れとして許して貰えなくて、めぐみんだけでなくダクネスも連れて行かれて。
それで今は、四人仲良くサラダを貪っている。
「裁判は明日です。カズマを救うためには、私たちが弁護人として完璧な働きをする他にありません」
「そうね。私たちで頑張りましょう。こう見えて、私も裁判は経験があるの」
「「無銭飲食か(ですか)」」
「なんでよ───っ!!」
人差し指をあらぬ方向に向けたアクアの顔がすぐさま泣き顔になる。
ってかそれってゲームの……いや、なんでもない。
「まぁ、いまから出来ることもないですし……今日のところは何もせず寝ましょうか」
「……そうですね。明日の裁判に響かないよう、寝た方が良いかもしれません。無事、裁判を乗り越えられたら、少し贅沢して外食にでもいきましょう」
「……そうだな。良い店をリストアップしておく」
味気のないご飯を早めに食べ終え、女子軍のために風呂を沸かしてから自室に戻る。
俺のベッドになんかいた。
「アンナ?そうやって男の部屋に入り浸るのもどうかと思うよ?」
「……!…………?」
「うん。明日、カズマの裁判でね。お酒は……ちょっと遠慮しておくよ」
「…………。……!……?……!」
「いやっ、別にアンナが嫌いってわけじゃないよ!?ただ、二日酔いとかになったら裁判に響きそうだなぁーって!」
「……。……。……!」
「うん、ごめん。約束だ」
「……。…………!」
「えぇ……?冒険者話かぁ……それじゃあ、うろ覚えだけど竜騎士のお話をしようか───」
最終的にアンナが満足して帰ってくれたのは日付が変わってからだった。
翌朝めっちゃ眠かった。