もしエル キャラコメンタリー!   作:天星

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歩美編 異なる伝説の始まり

「はいどうも皆さんこんにちは! 中川かのんです!

 え~、まずここは一体何なんだという事で説明させて頂きます!

 

 簡潔に説明すると、本編を終えた私たちが過去の物語をメタ視点で振り返ってコメントしていこうというものになります。

 DVDか何かで映像を流して、テレビの前で私たちが喋っている……というイメージだそうです。

 ある意味筆者さんの感想文を代読している……とも取れますね。どう捉えるかは読者の皆さんにおまかせしますが。

 

 そんな感じで、とりあえず実際にやっていきましょう。

 ではまず第一章、『異なる伝説の始まり』。

 攻略対象は高原歩美さんでした!

 

 それでは、映像を流す前にもう1人のメインパーソナリティーをご紹介します。

 さぁ、どうぞ!」

 

「…………」

 

「……桂馬くん、自己紹介してよ」

 

「いやいやいやいや、何だこのノリは!? 何でラジオ番組っぽくなってるんだ!!」

 

「だってほら、私ってアイドルだし」

 

「だからと言って無理にやらんでもいいだろうに……

 まあいい。桂木桂馬だ。それじゃ、早速やっていこうか」

 

「では、VTRスタート!」

 

 

 

 

「最初は私たちの出会いだね。う~ん、懐かしいなぁ~」

 

「そう言えば、初対面でスタンガンをぶつけられたな」

 

「そんな事もあったね~」

 

 

 『こんにちはっ! この場所を知ってるなんて、キミ、ツウだねっ!』

 『誰だお前』

 

 

「……うん、桂馬くんの自業自得だね!」

 

「いや、顔を知らなかったくらいでスタンガン押しつける方が明らかにヤバいだろ」

 

「……うん、少しは反省してるよ。少しは」

 

「そこはしっかり反省してくれ。幸いPFPは無事だったが、あそこで壊れてたら大変な事になってたぞ。

 ストーリーの展開的な意味で」

 

「そうだね。私が本当に嫌われる未来しか見えないよ。

 『好きと嫌いは変換可能』だから致命的ではないけど、色々と展開が変わってたかもね」

 

「この時にPFPが壊れなかったのは筆者によるご都合主義らしい。

 かのんに対する僕からの評価を最低でも『エルシィよりはマシ』に抑える事が目標だったらしいぞ」

 

「マイナス評価ですら許容範囲だったんだね……」

 

「スタンガン取り出す時点でマイナスだからな」

 

「うぅぅ……もうちょっとしっかり反省します」

 

 

 

「あ、エルシィさん降ってきた」

 

「降ってきたな。引いた視点で見ても本当に降ってきてるな」

 

 

 『要は、心のスキマを埋めてしまえば良いんです!

  そして、心のスキマを埋めるには恋が一番っ!

  落とし神様のお力で心のスキマを埋めて下さい!!』

 

 

「全ての元凶の台詞だね」

 

「コレはドクロウによる女神復活の為の入れ知恵だったんだろうな。

 そう考えるとエルシィを責めるのは少々酷か。ポンコツなバグ魔である事実は変わらないが」

 

「……そうだね。

 この役割はある意味エルシィさんじゃないとできない事だったんだろうね……」

 

「『ミネルヴァだから』という理由でも代理は不可能だが、確かにそうだな」

 

 

 

 

  ……放課後……

 

 『あれ? 今、私の事をアイドルって……』

 『ん、違ったか? お前が中川かのんだろ?』

 『わ、私の名前まで! 桂木くん、ありがとう!』

 『お、おいっ! 何してんだ、離れろ!!』

 『あ、ご、ごめん……

  でも、桂木くんに私の名前を覚えてもらえた事がちょっと嬉しくて』

 

 

「改めて確認してみるとこの時はしっかりと拒否されてるね」

 

「突然抱きつかれたら僕じゃなくても拒否するだろ。

 って言うかお前アイドルだろ。ガードが緩すぎないか?」

 

「う~ん、お仕事でやらかした事は無かったはずなんだけど……心のスキマの影響かな?」

 

「そうなんだろうが、それを差し引いても不安定過ぎるだろお前」

 

「い、今は大丈夫だよ!

 不安定な心の欠落を埋める為なんかじゃない。私はちゃんと桂馬くんが大好きだよ!」

 

「そ、そうか……」

 

「あれ? もしかして照れてる?

 ふっふ~ん、大好きだよ、桂馬くん!」

 

「サッサと次の場面行くぞ!」

 

 

 

  ……羽衣で透明化中……

 

 『なんで3人でまとまってないといけないんだ! っていうか狭い!!』

 『ご、ごめんなさいぃぃ! で、でもこうしないとお互いに見えないし、私、羽衣の複数制御が苦手で……』

 『何なら得意なのか後でじっくりと聞きたいねぇ!!』

 

 

「狭い所に閉じこめられるってのはギャルゲーでそこそこある安直なイベントだ」

 

「筆者さんの意図としては『原作のエルシィさんよりも術の扱いが劣化している』っていう描写も兼ねてたらしいよ。

 原作だとちゃんと2分割で透明化はできてたし。

 この羽衣さんは実は理力で動かしてるけど、やっぱり魔力で動かすのと比べて無理があったみたいだね」

 

「所詮は悪魔が作った道具だからな。むしろこれだけのものが作れるドクロウが異常か」

 

「ドクロウさんならまあ行けるハズという判断らしいよ」

 

「ドクロウがチートキャラになっていくな。原作でも結構凄かったが」

 

 

 

 『あ、どれだけ騒いでも大丈夫ですよ! 羽衣さんに沿って小規模の防音結界張ってますから』

 『そんな事ができるのか?』

 『はいっ! しかも内部の音は出さず、外部の音はちゃんと聞こえるという優れものです!!

  結界術だけは何故か昔っから得意なんですよ!!』

 

 

「本作最初の結界運用シーンだな。

 タイトルでも分かるように、『エルシィ=ミネルヴァ』は最初から決まっていた。

 だからこそ、ミネルヴァの能力の片鱗が見えるように調節されている」

 

「本来の術の扱いが拙い分のバランスを取ってるとも言えるかもね」

 

「ただまぁ、原作のミネルヴァの結界とはかなり異なっているようだがな。

 原作では座りこんで自身の周りを守る感じの結界だった。

 筆者としては、発展していく地獄の知識を取り入れながら300年ほど訓練を続ければ色んな結界が使いこなせるようになるだろうと判断したようだ」

 

「『どうして結界術がやたら強化されているのか』という事に疑問が持てればこの時点でエルシィさんの正体を看破する人が居たかもね」

 

 

 

 

 

 『……………………』

 

 

「ん? 何だこのシーンは。お前が携帯とにらめっこしてるようにしか見えんが」

 

「ああ、ここかぁ……

 桂馬くんに最初に送るべきメールをずっと悩んでたんだよ。

 あ、そうだ。どうせだから候補の中からどれが正解だったか判定してよ」

 

「まあ構わんが……結局初メールってどんなだったかな」

 

「それは置いておいて……

 候補1:軽い感じで『これからも宜しくね♪』って感じのメール」

 

「まあ良いと思うが」

 

「候補2:『拝啓、桂木桂馬様、この度は……』みたいな堅苦しいメール」

 

「却下」

 

「候補3:感謝の重さを伝える為に『ヨロシクネ』って言葉を100個くらい並べて……」

 

「呪いのメールかよ!? 怖いだろうが!!」

 

「えっ、そ、そう? これが一番の候補だったんだけど……」

 

「冗談だよな? 冗談だよな!?」

 

「も、ももも勿論ジョーダンだよ! アハハハハ……」

 

「…………」

 

 

  『凄く眠そうだが、何かあったのか?』

  『なんでもないよ。ただ、ちょっと寝不足で』

 

 

「結局これが最初のメールでのやりとりか」

 

「アドレス交換の為の空メールを除けば、だね。

 記念すべき最初のメール!」

 

「記念すべき内容では無い気がするが。

 と言うか、僕がアイドルに直接話しかけられなかったから口を使う代わりにメールを使っただけだな」

 

「……確かに、そう考えると記念すべきメールではない……?」

 

「メールっぽいメールの中での初めてのメールか……そんなんあったっけか?」

 

「う~ん、どうだろう? 今後のキャラコメでちょっと探してみようか」

 

「そうだな。僕も探しておこう。

 ……そう言えばお前、返信がやたらと早いな」

 

「筆者さん曰く、ギャグ描写の悪用らしいよ。

 タイピングが早い桂馬くんとの相性も抜群だってさ」

 

 

 

 

 

 ガシャッ ドサッ

 

 『何だ? 誰かが転んだか?』

 『桂木くん! あれ! 歩美さんが!』

 

 

「歩美の攻略も佳境に入ったな」

 

「歩美さんの仮病、と言うか仮傷? 気付けてよかったよ」

 

「本作品の投稿前から歩美編終了まではしっかりと組み上げてから投稿してたらしいからな。

 お前が真相に辿り着けるように伏線をバラ撒くのも割と簡単だったらしいぞ」

 

「原作の時点で凄かったよねこれ。まさか本当に髪を留めるゴムが大事だったとは」

 

「フン、何を当たり前の事を」

 

「でも、実際問題として髪を括る行為に意味ってあるのかな? 長髪なら理解できるけど、歩美さんって短髪だし」

 

「愚かな。こういうのは理屈の問題じゃない。魂の問題なんだよ!!」

 

「……そ、そう」

 

 

 

 『ありがとう、桂馬くん。

  後は私の役目!』

 

 

「……ここ、初めて僕の事を名前で呼んでるな。

 ちょっと前までは『桂木くん』だったのに」

 

「あれ? ホントだ。気付かなかった。

 特に意識してたわけじゃないんだけど……」

 

「筆者としても呼称変更のタイミングは結構気を遣ったらしい。

 あと、僕の事を『桂馬くん』と呼んでいるのは実はお前だけらしいぞ」

 

「えっ、そうだっけ!?

 でも、麻美さんとか天理さんとか……」

 

「どっちも『桂馬君』だ。筆者の地味なこだわりだな」

 

「全然気付かなかった……って、こんなメタ視点じゃないと気付けないけどさ。

 何でそこまでこだわったんだろう?」

 

「何だったかな……ああ、そうだ。原作18巻のエルシィの台詞のせいだ」

 

「え? 私は関係ないの?」

 

「ほら、えっと……この場面だ」ピッ

 

 

 『何するつもりですか? 桂馬くん!!』

 『その呼び方やめろ』

 

 

「前にどっかで『何でアニメではカットされてたんだ!』って言ってた場面だな。

 これがあったから、この呼び方はかのんのものっていう印象があったようだ」

 

「なるほど…………」

 

 

 

  『♪~♪~♪~』

  『グオォォォォォォォォ…………』

 

 

「お前の記念すべき初戦闘シーンだな」

 

「あの時は必死に歌ってたよ……」

 

「メルクリウスの説明でもあったが、実際に理力が込められていたのはエルシィの反響結界だ。

 ドクロウ仕込みのマイクを通して結界内部に響かせる事で駆け魂を魂滅させたわけだ」

 

「エルシィさん単独でもどうにかならないわけではないらしいね。女神としての覚醒がまだまだ不完全だから凄く疲れるらしいけど」

 

「『単純に歌で消滅』という設定にする案もあったようだが……さすがにトップアイドルとはいえただの人間が駆け魂を消滅させられるというのはやり過ぎだろうと判断したようだ。

 あと、しっかりと戦闘準備を整えていたスピンオフの『かのん100%』でもあくまでも弱体化であり、最後の勾留はエルシィがしっかりとやっていた。その辺に配慮した結果でもあるな」

 

「そう言えば、この時期だったかどうかはちょっと覚えてないけど読者さんから質問があったね。

 『駆け魂って殺せるの?』みたいな感じの」

 

「質問者の意図としては『終身刑を喰らった犯罪者を勝手に殺して良いのか』みたいな感じだったようだ。

 檜編でもサラッと説明してたが、改めてこの場でじっくりと回答させてもらおう。

 

 そもそも古悪魔(ヴァイス)は理力が無ければ殺す事はできない。だから『仕方なく』封印していた。

 新地獄の連中の建前としてはこんな感じであり、処分できるならさっさと処分したい。

 原作ではどうだったかは知らんが、これが本作における設定だ。まぁ、実際にはサテュロスみたいな連中が上層部に居るんで効率的に処分する手段があったとしても処分はできないだろうが」

 

「質問に対する回答としてはこれで十分なんだけど、次の疑問が生まれてくるね。

 『どうして私なら殺せるのか』っていう」

 

「その答えは……さっき説明した通りだな。

 だから、この質問に対して突っ込んだ回答をすると『エルシィ=ミネルヴァ』という設定をネタバレする必要に迫られるんだよ。

 そういうわけでお茶を濁した回答しかできなかったようだ。筆者も歯痒かったらしいぞ」

 

「あの時の質問者さんがここをご覧になっているかは分かりませんが……納得頂けたならありがたいです」

 

 

 

 

 

 『初めまして! 桂木エルシィです!

  お兄様の桂馬ともども、よろしくお願いします!!』

 

 

「……このお兄様ってのもドクロウの入れ知恵なんだろうな」

 

「桂馬くんと仲良くさせる事で女神復活を促すという合理的な理由があった……のかな?」

 

「せめて家への侵入さえ防げて居ればこれから起こる悲劇の数々が防げていただろうな……」

 

「その場合、エルシィさんはどこで寝泊まりするんだろう……?」

 

「……橋の下とかじゃないか?」

 

「不憫過ぎるよ!!」

 

「いや、あいつならきっとたくましく生きてくれるさ!

 僕はあいつを信頼している!!」

 

「エルシィさんだったらその詭弁で本当に言いくるめられそうなのが逆に怖いよ!」

 

 

 

 

「さて、第一章はこんな感じか。

 しっかし何だって筆者はこんな事をやろうと思ったんだ?」

 

「理由は2つあるみたいだよ」

 

「ほぅ?」

 

「まず1つ目、私に関する伏線のまとめだね。

 ほら、私って記憶が無くなったフリしてたでしょ? だから伏線っぽいものが至る所にちりばめられてるんだよ。

 ……流石に言いすぎかな? とにかく、筆者さん自身が忘れてるようなものもあるから、この機会にまとめておきたかったみたいだね」

 

「なるほど、もう1つは?」

 

「他の創作者さんに触発されたみたいだよ。名前を出すのは一応避けておくけどね。

 筆者さんって、こういうキャラコメっぽい事大好きだから。

 この章と投稿時期が一部被ってる前作では剣くんと御空さんの掛け合いを毎話やってたし」

 

 筆者注:

 (つるぎ)くんと御空(みそら)さんは筆者の以前の作品の主人公とライバル。

 主に剣くんがボケで御空さんがツッコミ担当だった。

 

「だったら何で本作ではやって……いや、一応やってたか」

 

「できなかった理由としては、私のせいみたい。

 ほら、私って記憶が無くなったフリしてたでしょ?」

 

「さっき聞いた台詞だな」

 

「そんな状態で私と桂馬くんが後書きで喋ってたら隠蔽の難易度が跳ね上がるんだよ。

 流石に後書きでまで嘘を吐くのはちょっとどうかと思うから嘘を吐かずに騙さなきゃいけなくなる。

 だからしょうがないから許嫁理論の提唱者である言葉さんを呼んできたみたいだよ」

 

「そして見事に迷走して滑って全削除してたな」

 

「本作では私の事とか、あと女神の事で謎解きミステリーの側面もあったからね。

 キャラが誰であろうと後書きでワイワイ騒ぐのとは相性が悪かったみたい。

 今回のこれはあの時のリベンジマッチみたいな側面もあるみたいだね」

 

 

 

 

「それじゃ、今回はここでお別れです!

 次回、『アクマでも妹です!』は来週お送りします」

 

「また来週もやるのか。はぁ、ゲームの時間が……」

 

「大丈夫! この空間は俗世の概念とは隔離されているらしいから、時間は経過してないよ!!」

 

「何っ、本当か!? ならここにゲームを持ち込めば……」

 

「まあいいけど……キャラコメもちゃんとやってね。

 真面目にやらないと追い出されるらしいから。

 

 それでは、また来週~」







こんな感じで毎週更新していこうと思います。
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