「はいどうも皆さんこんにちは! 桂木かのんです!
第13回キャラ……」
「ちょっと待てい!!」
「え? 何か変だった?」
「明らかに何か変だったろうが! もう一度言ってみろ!!」
「んもぅ、しょうがないなぁ……
はいどうも皆さんこんにちは! 桂木かのんです!
第じゅ……」
「桂木かのんって何だよオイ!!」
「もぅ、何言ってるのアナタ。
私たち結婚したじゃないの」
※これを投稿した時期は本編の方で桂馬の誕生日の特別編を投稿した直後だったりします。
「いや、結局うちの母さんの許可が下りなかっただろうが」
「え? そうだっけ? 私の記憶には無いけど?
凄く大喜びしてた記憶ならあるけど」
「記憶を捏造するな!!」
「……ふふふ、桂馬くん。『シュレディンガーの猫』の話って知ってる?」
「フッ、僕を侮ってもらっちゃ困る。いくつかのゲームでも使われてる有名な思考実験だ」
※ シュレディンガーの猫
素粒子学の世界では複数の状態が同時に存在している。
それに対してシュレディンガー氏が反証の為に行った思考実験こそが『シュレディンガーの猫』の話。
ザックリ説明すると……
箱の中に閉じこめられたネコが1時間後に50%の確率で死んでいるものとする。
素粒子学の考え方をこれに当てはめると『50%の生きた猫』と『50%の死んだ猫』という2つの猫が重なった状態で箱の中に存在している事になる。
そして、箱を開けた瞬間にどちらかの状態が確定され、選ばれなかった50%は消滅し、選ばれた方の100%の猫になる。
そんな事は普通に考えたらおかしいので素粒子学のその理論は荒唐無稽だ! という話。
しかし実際には素粒子学の世界では本当に複数の状態が折り重なった状態で存在し、人間の手で観測される際に1つの状態として観測されるという事がいくつかの実験により証明されている。
ミクロの世界というのは常人には理解できない世界らしい。
そして、この話から『観測されるまで状態は未定であり、観測される瞬間に変化する』という部分を抽出した話が色んなフィクションのネタになっている。
有名所だと『とある魔術の禁書目録』とか。猫箱の話を使って超能力者を生み出すとかいう何か凄い事をやり遂げている。
……って言うか、この思考実験って本来は否定する為の話だったのに、どうしてこうなったのやら。それだけシュレディンガーさんの例えが印象に残りやすい良い例えだったという事なのだろうか?
「というわけで、私と桂馬くんが結婚したか否かはブラックボックスの中!
私が結婚したと言えばそれはきっと真実になる!!」
「いや、僕が否定するから結局ブラックボックスのままだと思うが」
「そんなっ、酷い!! 桂馬くんは私と結婚したくないの!?」
「…………と言うか、結婚してしまったらそれは許嫁ではなくなると思うんだが。
キャラ設定的に何かおかしくなるだろ。止めておけ」
「いや、どういう理屈……?」
「……ひとまず、サッサと始めるぞ。
前置きが長すぎだ」
「しょうがないなぁ……
それでは、第13回キャラクターコメンタリー、始めます!」
「今回は……月夜編だな」
運命の出会いなんて無いって思ってた。
(中略)
杉本四葉……よっきゅん!!
「よっきゅぅぅぅっぅぅんん!!!!」
「…………」スチャッ
「す、スマンかった。突然大声出したのは謝るからそのスタンガンは仕舞ってくれ」
「…………」バチバチッ
「な、何故威嚇してる!? 謝ったから許せとまでは言わないがせめて落ち着いて……
……あ~、違うのか? もしかしてお前、嫉妬してるのか?」
「…………」コクコク
「安心しろ。
「……その言い方もどうかと思うけど……一番なに?」
「…………一番、大切だ」
「桂馬くんのヘタレ! そこは『好き』っていう所でしょ!」
「好感度を上げる為の選択肢だったら迷わずそう言うんだが、既にカンストしてるからなぁ……」
「そういう問題じゃないでしょ! もー!!
と言うか、私の愛に限界は無いよ! 簡単にカンストすると思わない事だね!!」
「……ちなみに、今現在の好感度は?」
「う~ん…………
「……確かにカンストは通そうだ」
※
∞であっても∞+∞の方が大きいし∞×∞の方がもっと大きいし∞^∞の方がもっともっと大きい。
『絶対無限』っていう表現なら一応カンストかなぁ……
なお、そんな理屈はかのんちゃんは多分考えてません。
『ちょっとあなた、聞いているの?』
『…………うん? 何か用か?』
『ここは私とルナの天文台。お前のような見苦しい醜男が入ってこないで欲しいのですね』
『フン、
見苦しいだと? 本当に見苦しいのは貴様らの方だ』
僕は神だ。
え? ちひろ? アレは別だ。
『フッ、ひれ伏すがいい!
この完全無欠にして偉大なるよっきゅんの前に!!』
「よくもまあこんな自信満々に言えたね」
「よっきゅんこそが至高にして極致なのはこの世の真理だからな」
「よくもまあそんな自信満々に言えるね。
絵が壊滅的なのは桂馬くんも認めてたのに」
「あ、アレは絵師が悪いだけなんだ! よっきゅんは悪くない!!」
「……そう言えば、モノローグでちひろさんがサラッと例外扱いされてるね」
「今だったらお前も追加されそうだな。本章でも言い負かされたし」
……月夜に笑われた後……
『……よくも』
『ん? どうかしましたか?』
『よくもよっきゅんをバカにしたな! あの
断じて許さん!!』
『あ、あの、神様……攻略を……』
『攻略? あいつの? フン、誰がそんな事をするものか。
よっきゅんをバカにするような愚か者は駆け魂に取り込まれてしまえば良いんだ!!』
『駆け魂狩りには私たちの命もかかっているのですが……あ、ちょ、神様!? ホントに行っちゃうんですか!?
ま、待ってくださいよ神様ぁ!!』
で!
『というワケなので、神様の説得をお願いしたいのですが……』
『……フン』
「『絵以外は完璧なヒロイン』の絵だけを見せられたらそりゃ笑われるって話だよ」
「よっきゅんのオーラがあれば大丈夫だと思ったんだ!」
「そんなのが分かるのは桂馬くんだけ……と言うか、アニメ版の桂馬くんも最初はバカにしてたから桂馬くんでも無理だよ」
「うぐっ!!」
「……この後、本作では私が桂馬くんを言い負かすけど、原作だとエルシィさんが月夜さんに呪いっぽいのをかけるんだよね。
何かカレーだったけど」
「あの呪い、何故か駆け魂には効いてたんだよな。一応ちゃんとした呪いだったんだよな」
「本作のエルシィさんは魔力使えないからね。理力を使った何かに差し替えても良かったみたいだけど、そんなのは思いつかないから安定のカットだよ」
『で、今回の攻略対象のプロフィールは?』
『モチロン調べてありますよ!
『九条月夜 2年生。
身長142cm、体重は35kg、血液型はA型、誕生日は7月22日』
とりあえずは以上になります。これ以外の事は流石に調べる時間が無かったので……』
『中学2年生か。となると後輩ルート? いや、あの属性だと……』
『あの、神様?
『……何だと?』
『少なくとも羽衣さん情報ではそうなってますね』
『……とうとう、過労で壊れたか』
『いつかはそうなるんじゃないかって思ってたけど、まさかこんなに早くお亡くなりになるなんてね……』
『いや、正常に動いてますからね!? 姫様までボケないで下さいね!?』
『え? ボケたつもりは無いんだけど……』
『えええええっ!?』
「羽衣さん……良い奴だったよ」
「生まれ変わったら、せめて天寿を全うして欲しいね」
「……まぁ、過労死なんてしてなかったわけだけどな」
「うん。そうだね」
「理力を使って普通の羽衣と同じような挙動をさせてるわけだからどこかで無理が出てもおかしくはないが……そこはドクロウ室長が頑張ったという事にしておこう」
「室長バンザイ!」
……小さくなった月夜さん発見時……
『お、おわぁああ! ひ、人が! 人が小さく!!』
『きゃぁああああああ!!!』
『お、おわぁ! おわぁあああ!!!』
『きゃああ! きゃああああ!!!』
『ひえぇぇええ!! お、お助けをぉぉおお!!』
『…………?』
『お、オラ夢を見てるだ!? なんまいだー、なんまいだー!』
『……フッ、騒ぐのは止めるのですね。こんな事で騒ぐなんてみっともないわ』
「桂馬くんの台詞が何か胡散臭い」
「まぁ、演技だしな。
ただまぁ、変な口調の方が相手の興味を引きやすいという合理的な理由も一応存在する。
あのパニック状態だと会話ができないのは当然としてこちらの声を聞き取らせる事すら厄介だからな」
「あ~、なるほど。そういう面もあるんだね」
……月夜さん運搬中……
人形を2体も抱えている僕自身が目立つというデメリットもあるが、そんな僕に話しかけてくるような物好きは……
『おっす桂木! って、何やってんの!?』
……居たよ、居やがったよ。空気を読まない
『……小阪ちひろ、何の用だ?』
『いや、特に用事は無いけどサ。どしたの? それ』
「何故にちひろさんが……」
「ちひろだったら話しかけてもおかしくはないなという筆者の判断だ。
記憶があろうと無かろうとな」
「……ん? 何か気になる言い回しだけど……」
「ああ……実を言うとな、この時点ではちひろの記憶が奪われているか筆者も決めかねていたらしいぞ」
「ええええっっ!? そうだったの!?
って、ちひろさんも女神候補で、女神の宿主は未定だったんだから十分有り得る話か」
「いや、そういう意味ではない。そもそもちひろに女神を入れない事は連載当時から決めてた。
例のチェックマークの話の事もあるし、女神を持つという事は筆者的にはあまり良い事ではないからな。原作のメインヒロイン(3Dにおける)を尊重して絶対に入れないと決めていたらしい。
女神云々ではなく、『そもそも記憶を奪われなかった可能性』だ」
「えっ、どういう事?」
「だって、歩美とかみたいに恋愛で攻略したわけじゃないんだから記憶を消す必要無いだろ?」
「言われてみれば……あれ? でも他にも恋愛使わなかった人って居たよね?」
「当時の攻略状況だと結と七香が該当するな。
ただ、どっちも処理が必要な連中だ。
結は言わずもがな、七香は放っといたらまろんの正体を見抜いてもおかしくはなかったぞ」
「……確かに七香さんなら有り得そうだなぁ……
『この指し筋は……まさか、まろん!!』みたいな感じで」
「七香だからな。十分有り得る。
その辺を放置するリスクよりも処理を行う手間の方が軽いと判断すれば普通に処理される」
「なるほど~」
「だから、ちひろの記憶が完全に残ってる可能性も一応頭の片隅に置きながら執筆していたそうだ。
まぁ、実際には重要な会話の部分だけ処理されてたわけだけどな。
どの程度残っていたのかは……また今度解説するか。その辺が分かる描写が後の方に出てくるし」
『しっかし、毎日月なんか見て何が楽しいんだ? 月の満ち欠けがあるのは分かるが、満月1回見れば済む話だろ』
『あなたは何も分かってない。月は毎分毎秒違うの。そして、その全てが美しい。
いつか私は美しいものだけを集めて、ルナと月へ行くのですね』
『ふぅむ、精神錯乱の兆候が……イタタタタッ! 爪を剥がそうとするな!!』
「重症だな。月なんか眺めてる暇があったらゲームしてた方がずっと有意義だ」
「そういう問題でもないと思うけど……
ん? あれ? 桂馬くん」
「どうした?」
「桂馬くんが今プレイしてるゲーム、同じものに見えるんだけど……」
※描写されてないけどキャラコメ空間でも桂馬はほぼ常にゲームしてます。
「ん? ああ。こっちは通常版で、こっちは限定版だ。
どちらも素晴らしい出来だ。ゲームはやっぱり最高だ!」
「……あの、ゲームの限定版って、大体が特典が付いてくるとかそういうのだよね?
ソフトの中身に違いは無いんだよね?」
「? そうだが。それがどうかしたか?」
「……じゃあ何で2つとも、しかも同時にやってるの?」
「通常版と限定版だからな」
「……これは、重症だね」
『別に、理解なんて要らないのですね。あなたと美意識を共有できるとも思ってない』
『……確かにな。美意識、価値観の共有ってのは思いのほか難しいもんだからな。
仲が良いと思ってた相手でも、些細な事で食い違うもんだ。
だけど、ほんの少し理解するだけであれば、丸ごと受け入れるよりはずっと簡単だ。それでも難しいけどな。
そしてそのほんの少しの理解が自分の世界を劇的に広げる事だってある』
『……私の世界には、月とルナが居ればそれだけで満足なのですね』
『ま、そういう考え方もアリだな。むしろ応援するよ。
自分の愛する物と一緒にいつまでも居られるなら、それは幸せな事だ』
「……この意見って桂馬くんの本音?」
「そういう意見もあるってだけで、僕の意見ではないな。
僕としてはこのPFPのモニタの向こうの世界があれば十分だ」
「ふ~ん。じゃあ私は要らないの?」
「まさか。お前が居ないと
今でさえせいぜいマシなクソゲーなのに」
「クソゲーなのは変わらないんだね……
まあいいや。そこまで私が必要なら結婚しよう。ね?」
「何が『ね?』だ!! と言うかお前の中では既に結婚した事になってたよな!?」
「そこはホラ、何回結婚してもいいじゃん!
幸せが何回でも溢れ出るよ!!」
「どういう理屈だ!!」
……帰宅後……
『『1人で居たい』っていう願望か。
今回の駆け魂の影響は月夜さんのその願いを反映してるみたいだね』
『結の時だって本人の願望は現れていたな。やや遠回りではあったが。
駆け魂の影響ってのはそういうもんなんだろう』
『今までも1人で居て、それでも心のスキマが出来ちゃったのならやっぱり私たちの介入が必要になるよね』
『そういう事になる。ただ……』
『……月夜さんを支援するとなると満足されちゃうよね。悪い意味で』
『そういう事だな』
「話し合いができるって素晴らしいな!」
「凄くスムーズに会話してるから何か頭良さそうに見える。
いや、自分の事なんだけどさ」
「原作ではあのエルシィしか話せる相手が居なかったからなぁ……
お前が居てくれて良かったよ」
「ふっふ~ん。もっと頼ってくれてもいいよ!」
※
エルシィも立場的にはメインヒロインを担えるレベルのポジションのはずなのに……
もしもエルシィの立場に居たのが天理とかだったらきっと盤石になってたと思う。
……数日後……
『ああ、そう言えば例の物の準備が整ったぞ』
『例の物?』
『これだ。牛乳風呂。魔法瓶に入れてある』
『前に話題に出てから随分時間がかかった気がするのだけど、何があったの?』
『この部屋には電気ポットくらいしか加熱できるものが無かったからな。
そんな物で牛乳を温めたら次回以降の紅茶に匂いが移るし、コンロを持ってきて温めるってのも危ないから家で温めてから運搬できる魔法瓶を調達するのに少し時間がかかった』
『……そう、よくやったわ』
「微妙に手が込んでるね」
「うちの筆者は妙な所で現実的だからな。
原作でも牛乳風呂はやっていたわけだが……あっちではどうしてたんだろうな?」
「う~ん……羽衣さんパワーで何とかしてたとか」
「羽衣さんなら十分有り得るな」
「……ところで、純度100%の牛乳風呂ってどんな感じなんだろうね」
「200リットルくらいの牛乳が必要になるな。値段は面倒だから調べないが、仮にリッター100円だとすると2万あれば試せる。倍かかるとしても4万。
たった1回の風呂に使うものとしてはかなり勿体ないし、そもそも200本も買えるのかという疑問もあるが、頑張れば不可能ではないな」
「なるほど~。それじゃあ今度一緒に入ろう!
ほら、私だけが使うんじゃ勿体ないし!」
「いや、時間をずらして入れば済む話だと思うが……」
「え、えっと……そ、そうやって私が入った後の残り湯を堪能する気だね! そうはさせないよ!」
「じゃあ、その時は僕が先に入らせてもらうとしよう」
「えっと……そしたら私が残り湯を堪能しちゃうよ!!」
「正気か?」
「…………冷静に考えたら流石に無いや。
普通に楽しもう。うん」
「そうだな。それがいい」
『熱っ、桂馬、牛乳を足しなさい』
『この調整、結構キツいな。これでどうだ?』
『……今度は温すぎます。もう少し温めて』
『こんなもんか?』
『ふむ、少々熱すぎる気はしますがまあ許容範囲でしょう』
『それなら丁度いいんじゃないか? バスタブが小さいから普通の風呂よりも冷めやすいはずだ』
『そう。それじゃあ出ていって』
『はいよ。終わったら呼んでくれ』
「地味に現実的な描写その2だな」
「家のお風呂だとお湯の温度は管理されてるけど、この場合だとそうはいかないもんね」
「単純に量が少ないから温度が変わりやすいというのもあるな」
「……ところで、小さいお風呂だと冷めやすいって言ってるけど……これホント?」
「実際に計測した事は無いが、理屈の上ではそのはずだ」
※
同じ形状の物体を相似拡大、縮小する場合、表面積は全長の2乗に、体積は全長の3乗に比例する。
つまり、物体縮小時には放熱面積は当然減るが、それ以上に体積がどんどん減っていく。
放熱面積が減ると冷めにくくなるが、それ以上に体積が減ることで熱容量が減っていき冷めやすくなる。
よって、小さい物体は冷めやすい……ハズ。
「あと、知ってるかもしれないが筆者は理系だ」
「うん。知ってた」
「月夜の縮小の場合も身体が冷めやすくなるはずだ。
科学的に考えると他にも色々と、それはもう色々と問題点が発生するはずなんだが……そこは駆け魂が魔力で何とかしたんだろうと開き直って気にしない事にしたらしい」
「魔力って凄いね!」
……月夜さんを騙した後……
『エルシィ、僕が指示したら巨大化を全部解いてくれ』
『え? いいんですか?』
『構わん。完璧に元通りにしてくれ。できるな?』
『大丈夫ですけど……どうしたんですか? そんなに慌てて』
『現在の状況を説明してやる。
月夜がまた縮んだ。以上だ』
『え? でもそれは神様が騙しただけですよね?』
『そうじゃない。それとは別に普通に縮んでいた。
おそらくは揺さぶりをかけたせいで駆け魂の力が増したんだ』
『えっ、えええええっっっ!? それって大変じゃないですか!!』
『声が大きい!! 静かにしろ!!』
「原作との相違点……な気がするものだな。
確か、当時の後書きでは『原作でも本当に縮んでいる説』を挙げていたな」
「単なるデフォルメの可能性も十分あるけどね……」
「まぁ、このタイミングで縮んだ事自体は間違いなく本作独自のものだろう。
原作を見て思いついたのか、それとも自力で思いついたのかは……残念ながら覚えていないようだな」
『……これはあくまで独り言だ。テキトーに聞き流しても構わない。
人間の思考回路ってのは支離滅裂で、混沌としてて、酷いものだ。
ゲーム女子だったら数式を導くかの如く整然として、ロジカルで、一切のブレも無く美しい。
そうやって考えると、やっぱり
けどな、
この不条理で、理不尽な
理不尽に翻弄される人の心は醜いかもしれない。けど、理不尽に抗う人の心は、泥まみれになっていてもきっと美しいんだろうね』
「順調に伏線をバラ撒いてるね」
「……ちょっと焦りが見えるな。自分の台詞だが聞いてて違和感があるぞ」
「前半は間違いなく本音だと思うけど、後半はちょっとこじつけと言うか、何か作ってる感があるね」
『ぅぅ、ひっぐ、桂馬のバカ!
わ、わだしだって、戻りだい! 元に戻りたいのですね!
なのに、どうしてぞんなこと言われなきゃいけないの!?』
『……ゴメン、少し言いすぎた。
けど、良かった。君もちゃんと戻りたがってたんだね』
『ひっぐ、と、当然なのですね!』
『それなら、僕も可能な限り協力する。
何をどうすればいいか全く見当が付かないけど、僕達ならきっと何とかできる。そうだろ?』
『ええ、桂馬なら、私たちならきっと!』
『よし、それじゃあ
「この強調された『始めよう』がかのんへの合図だと気付いた人はあの瞬間にどれだけ居ただろうか?」
「次の話が投稿されて私が頑張った後に読み返したら誰でも気付けると思うけど、読んだ瞬間に気付いた人は流石に居ないんじゃないかなぁ……」
そこに居たのは、全身黒ずくめの不気味な人物。
黒いフードとマントを羽織り、顔はのっぺりとした仮面で隠されていた。
夜間警備員ではないのは勿論、どう見てもまともな人物には見えない。
『……ククククク』
その声は仮面のせいかくぐもっていて、ますます不気味な印象を与えた。
「いやー、一体どこの何川かのんなんだー」
「桂馬くん! 私の名字間違ってるよ!!」
「現在は置いておくとして、当時は間違いなく中川なんだが……」
「いやいや、実は既に結婚してた可能性も……」
「お前は16歳だから結婚可能ではあるが、僕は当時は間違いなく17歳だぞ。どこの誰と結婚してたつもりだ」
「っっ!! 今のは冗談だよ! 私が桂馬くん以外と結婚するわけないじゃん!!」
「…………話を戻そう。
この時の話は全て月夜視点で描写されており、事前説明も無い混乱した状況が続いていく。
このスタイルが読者の皆さんに受け入れられるかはかなり不安だったようだが……まぁ、ちゃんと通じたようだな」
「月夜さんはひたすら混乱してたけど、読者さん達は女神や悪魔が存在する世界だってちゃんと理解してるもんね。
『闇の種』なんていう中途半端にズレてる言葉の説明を聞けば状況が概ね理解できると思うよ」
『中二病? いや、まさか……
もう一つ質問させてくれ。その『闇の種』とやらは人を小さくするような作用でもあるのか?』
『ふぅん、有り得んとは言わんな。
『闇の種』は宿主の願望を吸収して成長する過程でその願望を宿主に反映させる。
高身長にでも悩んでいたのならコロボックルくらいにはするかもしれんなぁ』
『随分と極端な代物だな。
まあいい。それを治すにはどうすればいいんだ?』
『クク、簡単な事だ。
願えば良い。今までの願望すら塗り替えるほどに、強く願う事だ。そうすれば『闇の種』は弾かれる。
まぁ、人間如きが己の願望を変えるなど不可能だろうがな』
『……なるほどな、感謝する』
「私の事をサラッと中二病扱いしてるね。桂馬くんが言わせたクセに」
「いや、アレも演技だから。
この辺のやりとりは月夜への説明を意識しているな。
戻りたいならどうすればいいか。知ってる奴から訊き出すのが一番だ」
『最後にもう一つだけ。
その『闇の種』が植え付けられた女子をどうするんだ?』
『ククククク、我らの施設に運び、『闇の種』を抉り出すまでよ』
『抉り出す、だと?』
『ああ、文字通り腹を捌いて取り出すだけだ』
『なっ!? そんな事はさせない!!』
『人間の都合など知ったことか。
そしてもう一つ教えてやろう。何故私がお前のような部外者にベラベラと喋ったのか。
それは……貴様の死が確定しているからだ!!』
『ぐわっ!』
「改めて聞くとすっごい小物臭がするね……」
「『どうせ最後だから教えてやろう』は最後じゃないフラグだからな。
ただ、フィクションなら小物っぽいが現実なら普通はそのままやられるだけだからなぁ。
相手だって相応の確信があって勝利を確信してるわけだし」
「仮面の人は勝利を確信した」
「…………何か、凄く聞き覚えのあるフレーズだな」
……月夜さん覚醒後……
『バカな、このタイミングで『闇の種』を弾いた、だと?
チッ、しばらく貴様らの命は預けてやる。さらばだ!』
そう言い放つと屋上のフェンスを軽々と飛び越えてどこかへと去って行った。
助かった……みたいなのですね。
「一応この時点で既に駆け魂は追い出せてるからこの後の行動は無駄と言えなくもない」
「ここで手を抜いたら月夜さんに質問攻めにされて面倒な事になりそうだけどね」
「まあ、そうだな。
この時にかのんは飛行魔法を使って屋上から飛び降りているが、地味に重要な動作だ。
あんないかにもな悪役が普通にドアを開けて出ていったら格好が付かないからな!」
「……シュールだね」
「屋上のフェンスは地味に高い。作中でも何度か出てくる場所ではあるが、高さを自分で確認したいなら17巻がお勧めだ。
透明なフェンスにかなり近寄っている。ちひろの身長(158cm)の2倍未満なので……2.5~3m程だろう」
「ちひろさん……屋上……あれ? それってあのシーンなのでは……」
「当時の感想でかのんが屋上から飛び降りるシーンで某あかいあくまを思い出したというものがあったな。
筆者も凄く納得していた。無意識に影響を受けていたのかもしれんな」
「私には弓兵の使い魔なんて居ないから着地も自力だったけどね」
……もしエルシィが悪役を演じていたら……
「って、こっちのコメントもするのか!?」
「そうみたいだね……何かネタあったっけ?」
「頭カラッポにっして書いてるギャグパートだから伏線もなければ説明が必要そうな所も……
……あ、1つだけあるな」
「何?」
「テイク数についてだ。
最初はテイク1、次はテイク2、3と続いた後飛んで5になる。
その次は8、13、21、34、55、89、144、233で終わりだったはずだ」
「1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233だね」
「何でこんな加速度的にテイク数が増えているのかというと、毎回最初から通しで進めて、エルシィが同じようなミスを繰り返すからだ。
後半になればなるほど失敗するポイントが増えるからテイク数が増大していく」
「……そっか、エルシィさんが同じミスを繰り返さないわけがないよね」
「一度言っただけで治ったら苦労はしないな。
当時は何とか233回で無事に終えたようだが……これ以降は377,610,987,1597と増えていく予定だったようだ。
……200回程度で済んで良かったよ」
「……何か法則性でもあるの? 指数関数か何か?」
「フィボナッチ数列だ。詳しくはググれ」
「さて、これで終わりのようだ」
「今回の攻略は本当にガッツリと『恋愛!』って感じだった気がするよ」
「恋愛による攻略で月夜以上に適した相手は居ないんじゃないだろうか?」
「う~ん、立場的には否定したいけど実際にそうだから困る。
攻略での恋愛に適してる事と実際に恋愛するのに適してるのとでは違うんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!」
「はいはい。分かってるから」
「えっと次は……長瀬先生か。
『理想への先導者』は来週お送りします!」
「夏休み前最後の攻略のようだな」
「それでは、また来週!」