「はいどうも皆さんこんにちは! 中川かのんです!
第2回キャラクターコメンタリーという事で始めていきましょう」
「ラジオのノリはそのままなのか」
「うん。始まりの挨拶はやっぱり必要だから、私の慣れたものでいいってさ」
「本作だとお前のアイドル成分って薄いけど、隙あらばアイドルしてるな」
「さて、映像を流す前にちょっとおさらいしておこっか。
今回はエルシィさんが妹を名乗って学校に入ってきた所から私の駆け魂にセンサーが反応する所までだね」
「これは余談だが、本章の終了までが筆者の前回の長期連載作品『バカ達と双子と学園生活』と連載期間が被っている。
ある意味、片手間で仕上げた話になるな」
「あっちの世界の原作では桂馬くんと同じ声の人が主人公をやってるみたいだね。
性格や能力は大分違うけど」
「なお、次の章のかのん編では流石に片手間で仕上げるのは無理だったらしい。しっかりとあっちの連載を終わらせてから手を着けている」
「投稿期間の被りと言えば『超超高校級の78期生』もだね。
あっちは割と短篇だったしスッゴくのんびりやってたからあんまり関係ないけど」
「……別作品のステマはこんなもんにしておくか。
それじゃ、VTRスタートだ」
『もしもし? 岡田さん?』
『かのん! 無事!?』
『え? はい』
『良かった。1週間くらい前の爆弾騒ぎ、覚えてる?』
『え? そんなのありましたっけ?』
『テレビ局の前の地面が抉れて、芸能人の誰かを狙ったテロなんじゃないかって、そういう事件があったのよ!』
『え、そうだったんですか!?
……あれ?』
『それで、こんどはあなたが住んでるマンションの前に同じような跡があって、あなたが狙われてるんじゃないのかって話になってるのよ!!』
『…………』
「……例のエルシィの痕跡か」
「結構な大事件だけど結果的に凄く助かったね。
私が桂馬くんと一緒に住む良い口実になったよ」
「……まぁ、父さんが帰ってくる事もあんまり無いし、部屋は余ってるからいいんだけどな」
「……お義父さんが帰ってきたら私の寝る部屋が無くなる……?
つまりっ!」
「僕の部屋には入れんからな」
「ちぇっ、桂馬くんのケチ」
「ケチじゃない。当然の判断だ」
「ペンダントの変形機能で合鍵を作る事もできるけど……流石にそれはアウトか。
いつか呼んでね!」
「呼ばん。
ああ、そう言えばお前の私物とかは元のマンションの部屋に置いてあるのか?」
「そもそもそんなに私物が無いんだけどね……ノートパソコンとか、あと通帳や印鑑みたいな大事なものは桂馬くんの家に持ち込ませてもらってるからマンションの方にはほぼ無いよ」
「家賃とかも払いっぱなしなのか? 少し勿体ないような気もするな……」
「う~ん、今度岡田さんに相談してみようかな」
「……そう言えば、うちには家賃とか払ってるのか?」
「ああ、うん。一応払おうとはしたんだけど、受け取ってもらえなかったんだよ。
せめて食事とかの生活費だけでもって思ったんだけど、それすらも受け取ってもらえなくてさ。
子供がお金の事なんて気にしなくていいって」
「お前、うちの母さんよりもかなり稼いでるよな……
いやまぁ、そういう問題じゃないのは分かってるが」
「うん。仕方ないから少しでも空いた時間には家事をやるようにしてるよ。
お料理とかね」
「それが弁当に繋がるのか」
「大きな理由の一つではあるね」
『改めて、桂馬の母の桂木麻里です』
『あ、私、エルシィって言います!』
『まぁ、エルちゃんって言うの』
『はい! ここのお父様の隠し子です♪』
「エルシィさん、全力全壊だね~」
「字が間違って……ないな。
うちの家庭を一撃で破壊してる」
「でも結局離婚とかはしてないんだよね。
何だかんだ言って仲がいいんだね」
「一時期は大変だったけどな……
僕が実印を隠してなかったら本当に離婚しかねんかったぞ」
「あれ? そんな事してたんだ。
やっぱり優しいね」
「フン、勘違いするな。
僕はあのバグ魔が家に居座ろうとするのを防ごうとしただけだ」
「ハイハイ」
「おい、ちゃんと聞いてるのか?」
「勿論だよ。桂馬くんってツンデレだよね」
「誰がツンデレだ! そもそもツンデレというのはだな……」
「はいはい。あ、次の場面に移ってるよ」
『なにしろ300年かけて鍛えた匠の技ですからね!
例えば神様がこぼしたこの食べかす、この魔法の箒さんなら最小パワーで一撫でです!
行きますよ~』
ズドォォォオン
「……匠の技、と言うか
「これも一応理力によるものなんだよな。
冷静に戦闘能力を見るとかなり強いよな」
「結界術もあるもんね。
一応、独立した唯一の女神様だから頭一つ飛び出てるのはある意味当然なのかも?」
「本人の性格が全てを台無しにしてるがな」
『……どうする、奴を追い出す為に、どうすれば良い……?』
「あれ、桂馬くんがお風呂に入ってる。こんなシーンあったっけ」
「待て待て、何で冷静にコメントしてるんだ! もうちょっと恥じらいを持て!!」
「大丈夫大丈夫。この手の映像は放送コードに引っかからないようにちゃんと編集されるから。
生放送とかだと無理だけど」
「そういう問題じゃねぇよ!!」
「もぅ、しょうがないなぁ……
本当に嫌がってるみたいだし、私は見ないでおくよ」
「そうしてくれ……」
『あ、明るくしてはダメです!』
『おわあああああ!!!
お、おおお前! な、何やってんだ!!』
「……桂馬くん、エルシィさんの声が聞こえたように思えるんだけど、お風呂場で一体何をやってるの?」
「お、落ち着けかのん、何か声が怖いぞ……?」
「落ち着いてるよー。で、何してたの?」
「エルシィが風呂場に乱入してきただけだ。疚しい事は何も無い!」
「……そっかぁ……じゃあ私も今度乱入しようかなー」
「待て待て、何でそうなる!!」
「エルシィさんは良くて私はダメなの? そんな事無いよねぇ?」
「いや、エルシィは勝手にやってきただけだぞ?」
「ちゃんと宣言してから行く分私の方が良心的だね♪」
「むぐぐぐぐ……」
(マズいな。どう考えても退く気は無さそうだ。
今回はうやむやにして誤魔化したとしても後でより大きな要求が飛び出してきそうだ。
ならば僕の要求が通る段階で手を打っておくべきか……)
「……1回だけ、ちゃんとバスタオル着けてな」
「やったっ!
……あれ? 何かノリで話してたけど何か凄い要求をしちゃったような……」
「オイオイ、今からでも止めるか?」
「ううん! こんな重要イベントを手放すわけが無いよ!
ちょっと恥ずかしいけど……頑張るよ!!」
「……そうか」
パチン!
ドロドロドロドロドロドロドロドロ……
『……おい、壊れた目覚まし時計みたいになってるんだが?』
『こ、これは、センサーが反応してます! すぐ近くに駆け魂が居ますよ!!』
『すぐ近く……?
……お、おい、まさか……』
『桂馬くん、何かあったの? キッチンタイマーか何か壊れたの?』
『……エルシィ、頼むから違うと言ってくれ』
『え、えっと……姫様に駆け魂が潜んでます。次の攻略対象は姫様です』
『…………ふ』
『ふ?』
『ふざけるなーー!! 無理に決まってんだろうがーーーー!!!』
「ようやくセンサーの電源を入れた場面だな。
正確には電気じゃないが」
「最初からずっと私の中に居たんだよね、駆け魂」
「お前を主軸にする展開を思いついた作者にとって、駆け魂をどうするかはそこそこ悩んだらしい。
『心にスキマの無い完璧なアイドル』としてお前が出てた可能性も一応あったのかもな」
「その場合はどうなるんだろう。攻略編がカットされて……
……でも、それでも私は桂馬くんが好きになってたと思うよ。
攻略されたからってだけじゃない。桂馬くんだから、桂馬くんが好きなんだ」
「……フン」
「あ、また照れてる。もぅ、桂馬くんったら」
「……結局、普通に駆け魂が居る展開にした上で『スイッチを切っておく』という事になったわけだな。
エルシィならやりかねない事だ」
「本作の場合は駆け魂勾留もしてないからドクロウ室長に連絡を取る必要も無いんだよね。
連絡してた方が自然だとは思うけど」
「この『スイッチを切ってた』って設定、何気に麻美編と女神編への布石なんだよな」
「そう言えばそうなのか。筆者さんは妙な所で妙な工夫を凝らすね……」
「行き当たりばったりな事の方が多いけどな」
「あ、そろそろ時間だ。
それじゃ、今回はここでお別れです!
次回、『許嫁の定義と物語性』は来週お送りします」
「お前の『嘘』が始まる回でもあるな。
じっくりと振り返らせてもらおうか」
「それでは、また来週~」