もしエル キャラコメンタリー!   作:天星

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体育祭編 スポーツフェスティバル

「はいどうも皆さんこんにちは! かのんです!

 第27回キャラコメンタリー始めます!」

 

「体育祭編だ。

 何かしらの突発的なアクシデントで休むつもりだったんだがな……」

 

「流石にそれはちょっとねぇ……

 それじゃ、VTRスタート!」

 

 

 

  ついに体育祭の日がやってきた。

  1週間ほど前は女神の調査がうんたらかんたらで出る必要があるみたいな事を言っていたが、麻美がアッサリとアポロの事を教えてくれたので無理に出る必要も無くなった。

  そういうわけで、今日は休もう。アレだ、ほら、丁度テロリストと遭遇して銃で撃たれたんだよ。いやぁ、傷が悪化するといけないから休むしか無いな! あー残念だな。

  仕方ないからゲームしよう! 何? そんな事したら撃たれた傷(嘘)が開く? フン、ゲームしてて怪我が悪化するなんてあるわけが無いだろう。

 

 『フハハハハハハ!! ゲームに没頭できる日常、なんて素晴らしいんだ!!』

 『……そんな事だろうと思ったよ』

 『っっ!?』

 

 

「色々とツッコミ所があるね……」

 

「ああ。やっぱり不法侵入はいけないよな」

 

「私の事じゃないよ!! テロリストって一体何!?

 ゲームしてたら怪我が悪化しないってどういう理屈!?」

 

「ったくしょうがないな。いいか? テロリストというのは武力を以って……」

 

「意味を訊いてるんじゃないからね!?」

 

「……正直言うと、病気のオンパレードと怪我のオンパレードでネタ切れになっただけだな。

 足でもヘシ折ってれば本当に休めただろうか?」

 

「いや、わざわざ折る気?

 それに、もしそんな事してもアポロさんが治すだけな気がするよ」

 

「それもそうか。どうしたものかなぁ……」

 

「……普通に参加すれば良いんじゃないかな」

 

 

 

 『あ、そう言えばお前結局体育祭出る事になったのか?』

 『うん。全員参加の競技と、師匠のお手伝いにね』

 『……そこまで出るなら僕の二人三脚も代わりに出てくれれば良かったのに』

 『いやいや、麻美さんもきっと楽しみにしてるよ? 出てあげようよ』

 『……どうだかねぇ』

 『桂馬くんは攻略を失敗したって言ってたけど、完璧に失敗したわけじゃないんでしょ?

  女神の事もあるんだし、ちょっとは気を遣ってあげたら?』

 『…………』

 

 

「お手伝いねぇ……」

 

「お手伝いだよ」

 

「……まぁ、今は置いておこうか。今は」

 

 

 

  イベントスキップが実装されていないクソゲーな開会式が終わるとクラス毎に集まる。

  集まった連中に対してドS(二階堂)が激を飛ばす。

 

 『諸君! 今日1日でこのクラスの存在意義が決まる!

  絶対に優勝せよ!!』

 

 

「原作でもあった台詞だな。多分メタ発言だろう」

 

「存在意義……確かにそうだね」

 

 

 

 

 『あの二階堂という教師も大げさな事を言うのぅ』

 『……おいアポロ、人が大勢居る場所で入れ替わるのは止めておけ』

 『良いではないか。鏡も無いし』

 『……これで良いか?』

 

  PFP(予備)で麻美を映し出す。

  くそっ、片手だと操作しづらいな。

 

 

「そうさが『しづらい』程度で済んでる桂馬くんも尋常じゃないよね」

 

「地面とか適当な場所に置けば意外とどうとでもなるぞ。キーボードを打つような感覚でいける」

 

「あれ、これって置いてたんだ。それならまぁ……イケるかなぁ」

 

「ああ。持ったままやるのは少々骨が折れるが、これなら簡単だ」

 

「そっか~……えっ?」

 

 

 

 

  出発前にかのんが軽く触れていたように、クラス全員が参加する競技も存在する。

  なので、僕が立候補した競技は二人三脚だけだがそれ以外にも出場しなければならない競技が存在する。

  例えば……男子が全員出場する棒倒しとかな。

 

  ……何でこんな前時代的な競技があるんだろうな? ホント。

 

 

「……ホント、何でだろうな」

 

「強引に理由付けするのであれば……実は悪魔との戦闘を想定してるとか?

 いや、無いか」

 

「特に理由は無いんだろうな」

 

 

 

 

  まぁ、何はともあれ準備完了だ。

  棒倒しなんて所詮は必勝法がほぼ確立されているゲームだ。気楽に行こう。

 

  ……数分後……

 

 『ぐはっ!!』

 

  あれ? おかしいな。棒倒しなんて楽勝のはずなのに……

  ……あ、しまった、これ、現実(リアル)だった。

  現実(リアル)はやっぱりクソゲーだ……

 

 

「……桂馬くん、これゲームじゃないから」

 

「そんな事は分かってる。分かってるけどな……」

 

「…………」

 

 

 

 

 『わざわざに~さまを運んでいただいてありがとうございました!』

 『わ、私はちょっと手伝っただけだよ』

 『それでもありがとうございました! 私だけだったら引きずって行かなきゃならなかったですから!!』

 

 

「麻美が助けてくれなかったら引きずられてたのか……」

 

「そうみたいだね。麻美さんには感謝だよ。

 私も助けに行きたかったけど、行けなかったから」

 

「そうか、そう言えばこの時お前もどっかから見てたんだな」

 

「うん。ちょっと前まで師匠の所に居たけど、棒倒しが始まる頃には自分のクラスの所に居たよ」

 

「丁度入れ違いだったのか。いやまぁ、遭遇しない方が都合が良いわけだが」

 

「それもそうだね」

 

 

 

 

 『まずは傷の手当てじゃろう? 妾と交代じゃ!』

 『そうだったね。それじゃあお願い』

 

  幸いな事に私たちの他には誰も居ない。

  堂々とアポロを出しても大丈夫そうだ。

  私と入れ替わったアポロは手をにぎにぎさせたりして身体の調子を確かめているようだ。

 

 『……うむ、心なしか動きやすくなった気がするのぅ。

  やはり、桂木との接触は愛の力が高まるようじゃな』

 『……あの、1つ気になったんだけどさ、愛の力って何なの?』

 『何と言われても、妾達女神の力の源じゃ!』

 『それは分かってるよ。そうじゃなくて……

  えっと……その『愛』っていうのは『恋愛』以外も含まれるの?』

 『勿論じゃ。そうでなかったらあのディアナが能力を振るえるわけが無かろう。

  今でこそお主らから愛の力を拝借できておるが、元は独立した女神じゃよ?』

 『……ああ、あのヒト……じゃなくて神様か。確かにそんな感じだったね』

 『うむ。とは言え、『恋愛』が一番効果があるのは確かじゃがの』

 

 

 

「ディアナの扱いは女神の中でもこんな感じなんだな」

 

「ディアナさんが男の人と恋愛なんてしてたわけが無いもんねぇ……」

 

「ついでに、マルスも原作では恋愛経験無しと明言されていたな。

 原作においてその辺はどうなっていたのかは謎だが、本作においては『恋愛じゃなくても大丈夫』としてあるな」

 

「え、でも原作でも恋愛してなかったのに強かったんだよね?」

 

「別の説なんていくらでも立てられる。女神としての肉体があるなら呼吸するように理力精製できるとか。

 ほら、原作のエルシィやハクアだって負の感情とか気にせずに術を使ってる。

 感情からエネルギーを得るのは肉体が無い時のみのルールと解釈しても全く問題なさそうだ」

 

「あ~、なるほど。そういう解釈もできるね」

 

 

 

 『では、始めるとするかの。久しぶりじゃから失敗するかもしれんがまぁ何とかなるじゃろ』

 『えっ? 今何か凄く不穏な台詞が聞こえたんだけど?』

 『心配するでない。例え失敗したとしても大した事には……あ』

 『何!? 今の『あ』って何!?』

 『だ、大丈夫じゃ。ちょいとうっかり心臓を止めてしまったが、すぐにまた動かしたので大丈夫じゃ』

 『何をどうしたら心臓が止まるの!?』

 

 

「……おいアポロ、お前だけは信じていたんだが……」

 

「……まぁ、実害は無かったから怒るのは止めといてあげよう。

 もしそうじゃなかったらタダじゃ済まなかったよ」

 

「……何がどうタダじゃ済まないのかは気にしないでおくか」

 

 

 

 『お~、あさみんに桂木! やっと戻ってきたね!』

 『どうした? 二人三脚はまだまだ先のはずだが?』

 『うん。お2人さんの出番はまだ先だけど、そろそろスゴいのが始まるみたいだよ』

 『スゴいの?』

 『うん。運動部の部活動紹介だよ!』

 

 

「あ、私の出番だ!」

 

「アレは凄かったな……」

 

 

 

  かのんの顔面目がけて正拳突きを放つ。

  アイドルへの容赦ない攻撃に会場から悲鳴が上がる。

  ……が、かのんはその拳を軽くいなした。

  部長の方も当然想定済みだったのだろう。流れるような連続攻撃をくり出す。

  しかし、そのどれもがクリーンヒットせず華麗にいなされる。

  そんなやりとりが続いた後、終わりを迎える。

  部長のやや大ぶりな攻撃を受けたかのんは逆に相手の腕を掴んで地面に投げ倒し、間接を極めたのだ。

  かのん……1週間にも満たない間にこんなに強くなってたのかよ。

 

 

「筆者の精一杯の戦闘描写だな。

 とにかく『凄そうなフインキを演出できればいい』って感じで書いたらしい」

 

「雰囲気、だね。

 一応言っておくけど、師匠は結構手加減してくれてるよ。私の方も素手だからある意味手加減してるけど」

 

「……グラウンドでスタンガン取り出したら大変な事になるだろうからな」

 

「そうだね。師匠が気絶しちゃったら大変だもんね」

 

「いや、それ以前の問題なんだが……」

 

 

 

  ……二人三脚開始……

 『桂馬君、頑張ろうね』

 『……まぁ、怪我だけはしないようにな』

 

 『桂木~! ぶちかませ~!』

 『ファイトです、神に~さま~! ぶっ飛ばしちゃってください~!』

 『頑張れ~!』

 

 

「一番下の台詞が私の台詞だね。

 クラスメイトをとりあえず応援してる感じで頑張ったよ!」

 

「それはさておき、ちひろとエルシィは一体何を言ってるんだ? 二人三脚は格闘技じゃないんだが」

 

「…………さぁ?」

 

 

 

 

 『あの……桂馬君』

 『……ん? 吉野か。どうした?』

 『えっと……その……』

 

  どうも要領を得んな。

  待つのも面倒なのでPFP(予備)で麻美の姿を映してやった。

 

 『おお、気が利くのぅ』

 『で、何の用なんだ?』

 『え~っとじゃな……まあよいか。麻美、妾から言ってしまうぞよ』

 『えっ、あ……う、うん。お願い』

 『うむ、桂木よ。1つ訊きたい事があるのじゃ』

 『手短に』

 『すぐ済むわい。

  お主、何であの結とやらは下の名前で呼んでいたのに麻美は名字呼びなのじゃ!』

 『……あえて理由を答えるなら、結本人に名字は嫌いだから名前で呼んでほしいと言われただけだが」

 『では、麻美も頼んだら呼んでくれるのじゃな?』

 『まあそうなるが……そっちの方が良いのか?』

 『勿論じゃよ!』

 『お前には訊いてない。本人に訊いてるんだ』

 『うぅ、そ、その……』

 

  麻美は何やらもじもじしていたが、しばらく待ってやるとやがて口を開いた。

 

 『……で、できれば……下の名前で呼んでほしいかなって……』

 『……分かった。改めてよろしくな。()()

 『う、うん。宜しく……桂馬君』

 

 

「……桂馬くんって基本的には攻略女子は下の名前で呼んでるよね。私みたいな例外は除いて」

 

「ああ。ただ、本人が居る場所では普通に名字呼びだ。

 麻美と郁美が揃ってる時とかなら名前呼びにしてたと思うが……そんな場面は無かったしな」

 

「確かに皆無だったね。郁美さんが他校生だから仕方ないと言えば仕方ないけど」

 

「他に姉妹が居る奴は……お前の師匠くらいしか居ないから下の名前を呼ぶ必要は皆無だな」

 

「師匠の名前、殆ど呼ばないからね……」

 

「姉に関しても僕は全く面識が無いまま終わったしなぁ……」

 

 

 

 

「おっと、これで終わりか」

 

「ちょっと短かったかな」

 

「体育祭の当日だけだからなぁ……重要なイベントも皆無だしな。

 やっぱりサボった方が……」

 

「いや、それダメだから」

 

「チッ、で、次は?」

 

「あ、うん。

 次回はリミュエル編、『欠落者達の理想論』だよ!」

 

「リミュエルか。原作における通常攻略編の最終回の相手だったな」

 

「本作でも似たような感じではあったね。

 それでは、また来週!」

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