もしエル キャラコメンタリー!   作:天星

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ちひろ編 平凡少女の希望

「はいどうも皆さんこんにちは! 中川かのんです!

 第8回キャラクターコメンタリー、始めていきましょう!」

 

「ちひろ編、だな。苦手なんだよなあいつ」

 

「ちひろさんだからね~」

 

「今回の話では特に奇妙なエピソードは無かったはずだ。じっくりと進めていこう」

 

 

 

 

 

 『エルシィ、もう既に2年の駆け魂は狩り終わったと言えるだろう』

 『な、なるほど!! 流石は神様です!!』

 『というわけで、お前がもし他の2年のクラスに行く時は駆け魂センサーは預かっておこう。

  そんな無駄な場所を調べるより別の場所を調べた方が効率的だろう?』

 『か、神様……感動しました!

  ついに駆け魂の攻略だけでなく捜索までやる気を出してくれるのですね!!』

 

 

「エルシィさん……騙されてるよ……」

 

「もし実際に2年の調査をしていたら美生が間違いなく引っかかっていたな。

 あと、風瀬青葉とかも引っかかってたかもな」

 

「私たちにとっても作者さんにとってもロクでもない事になってたのは間違い無いだろうね」

 

 

 

 『ったくも~、張り合い無いな~。

  ちょっとコレ(髪留め)貸して!』

 『あ、おい!』

 『へっへ~ん、どうよ、似合ってる?』

 『あー、似合ってるんじゃないか』

 

 

「そう言えばあの髪留め、実は付けた事無いんだよね」

 

「……言われてみれば、エルシィに変装してる時も魔法頼りでやってたから付けてなかったな」

 

「と言うか、髪留めって言うよりセンサーって認識の方が強かったからね。

 今度ちょっと付けてみようかな。似合うかな?」

 

「お前だったら何でも似合いそうだけどな」

 

「何でもって、凄く適当な感じがするよ……」

 

「見たことも無いものにコメントしても仕方ないだろ」

 

「あ、じゃあ今度ショッピング行こうよ。私のファッションショーを見せてあげる!」

 

「……楽しみにしておこう」

 

 

 

 

 『……この学園、明らかに呪われてるだろ!!』

 『そ、そう言われましても……』

 『だってそうだろ!!

  それとも何か? 駆け魂には16~17歳の女子にしか入らないという習性でもあるのか!?』

 『い、いえ……確か下は小学生、上は60過ぎたおばあちゃんにも入った事があるとかなんとか……』

 

 

「舞島学園は封印の地であるグレダ東砦が目と鼻の先にある。だから『呪われている』っていう発言もあながち間違いではないんだよな」

 

「ここまで2年に偏るのは呪われてると思うけどね……」

 

 

 

 『そう言えば、今回の攻略対象ってどんな人なの? 何年生?』

 『あれ? 話してませんでしたっけ?

  今回の攻略対象は私たちのクラスの小阪ちひろさんですよ!』

 『……え? ち、ちひろさん!?』

 『はい? そうですけど』

 

 

「……この時点でお前は心のスキマの原因に心当たりがあったんだよな」

 

「うん。私の恋敵になるかもしれない人だからね。しっかりマークしてたよ!

 ……実際にはフラグは綺麗に折れたけど」

 

「恋する女子の直感というやつか。僕にすら気付けない事に気付けるとはな」

 

「いや、桂馬くんってそもそも自分に対する好意に鈍感だもん。

 いや、違うか。イベントを伴わない好意に対して鈍感だもん」

 

「…………確かに否定できないな」

 

 

 

 『やっぱりサッカー部のキャプテンは高望みし過ぎだよね~。

  あ、でも、前に告白した人の方がカッコ良かったかも。

  ま、いいや♪ それよりエリー、これ見てよ!』

 『え? はい

  えっと……どなたでしょうか?』

 『ユータ君って言うんだって! この人が、次の本命!

  やっぱり恋が無いと張り合い無いよね~』

 

 

「そんなの恋じゃねぇ!!!」

 

「うわっ、ビックリした」

 

「ちひろの奴、今でこそ多少はマシにはなったが、当時はホントに現実(リアル)女だな」

 

「ちひろさんの事をあんまり悪く言うのは止めてほしいけど……なんだかなぁって気はするね。

 世間一般だと私たちみたいなのの方が少数派なのかもしれないけどさ」

 

 

 『っ、フン、また現実(リアル)女のレベルを思い知ったよ』

 『はぁ?』

 『部活にも入らず、頑張る事も無い。

  そのくせ人を悪し様に罵り、口を開けば誰がイケメンだと色恋の話ばかり!

  お前らみたいな連中が、現実(リアル)を汚染しているんだ!!』

 

 『それって、アンタの事じゃん』

 『……あ、ホントだ』

 

 

「……おいかのん」

 

「な、何かな?」

 

「お前よく見ると即座にちひろに同意してるな」

 

「き、気のせいじゃないかな!」

 

「いや、少し上の行を見れば証拠が残ってるだろうが」

 

「うぅぅ、だ、だってちひろさんの言う通りだったんだもん!

 今は一応違うけど桂馬くんだって帰宅部だし!」

 

「うぐっ」

 

現実(リアル)の人達に対して遠慮なく暴言を吐くし!」

 

「ぐはっ!」

 

「いっつもゲームばっかりじゃん!

 悪いとは言わないけどさ、もうちょっと私の事も見てほしかったよ!」

 

「ぬわーー!!」

 

「…………」

 

「…………あれ、終わりか?」

 

「いや、流石にちひろさんみたいに底辺ゴキブリ男とまでは言わないよ。

 ちょっと尖ってるけど、欠点とかじゃなくて桂馬くんの個性なわけだし。

 無理に変える必要ない。無いけど……わがままを言うならもうちょっと私を気にしてほしいかな」

 

「……ま、考えておこう」

 

 

 

 

 

「ああ、桂馬くんが引きこもっちゃった」

 

「フッ、何を勘違いしているんだ。僕は引きこもってなどいない」

 

「え? いや、どう見ても引きこもってるだけにしか見えな……」

 

「アレはな。僕が現実(リアル)を見限ったんだ。引きこもりなどというただの現実逃避な愚かな行いと一緒にするな」

 

「……どうしよう、本気で違いが分からない」

 

 

 『か~み~さ~ま~! いい加減出てきて下さいよ!』

 [うるさい]

 『せめて会話して下さいよ神様!』

 [うるさい、どっかいけ]

 『むぅぅぅ……こうなったら!!』

 

 『ほら~、今が旬のメイカイサンマですよ~。

  食べたかったら出てきてください~』

 [今すぐ止めろ! 匂いが移る!]

 

 

「素朴な疑問だけど、エルシィさんとやりとりしてるこの紙ってどうしたの?」

 

「一応プリンターが僕の部屋に置いてある。普段は邪魔なんで片付けてるが」

 

「パソコンも置いて……ないわけが無いか。パソコンじゃないとできないゲームもあるもんね」

 

 

 『エルシィさん、ちょっとどいて』

 『え、姫様? ど、どうぞお通り下さい!』

 『桂馬くん聞こえる?

  そこから出てこいなんて言わないからちょっと頼みを聞いてほしいの。

  桂馬くん、いつもの音ゲーで私と勝負して!

  桂馬くんの方が上手だからハンデとして曲は選ばせてもらうよ。

  そして、負けた方は勝った方の言う事を何でも一つ言うことを聞く!

  これでどう? この勝負受ける?』

 

 

「こっちも素朴な疑問だが、何でわざわざ最後に変な条件を付けたんだ?」

 

「特に意味は無いよ。ただ、その方が盛り上がるかなって。

 それに、桂馬くんなら酷い命令はしないでしょ?」

 

「そうだな……仮に勝負して勝ってたら……何してただろうな?」

 

「……そう言えば、この後の勝負では私って普通に負けてたね。

 何でも命令していいよ! キス? 添い寝?」

 

「内容がいやに偏ってるな……」

 

 

 

 『そこは単純に何か賭けた方が面白そうかなって思っただけなんだけどね。

  無茶な命令を出す気は無かったよ』

 [一体何を言う気だったんだ?]

 『そうだね……

  あ、それじゃあ私の事を名字じゃなくて名前で呼ぶ事。なんてのはどう?』

 [何だと?]

 『だから、私の事を名前で……』

 

 

「私としては本当に大した事じゃないつもりで言ったんだけどね」

 

「攻略の記憶があるのにか? 僕が最後に名前を呼んだっきりだというのは覚えていたはずだよな?」

 

「覚えてはいたけど……攻略された時に名前で呼んでもらったのはそこまで深い意図は無かったんだよ。

 何て言えばいいのかな……微妙な距離を感じたと言うか、何となく呼んでほしかったというか……」

 

「……視点が変わるとイベントの印象も結構変わってくるもんだな」

 

 

 

 『……とりあえず、そこに座っとけ』

 『えっと、部屋の中に入れてくれたって事はちゃんと話してくれるって事で良いのかな?』

 『……一つ、聞かせてほしい事がある』

 『何かな?』

 『……お前、記憶が戻ったのか?』

 

 

「正直、メチャクチャ焦ったよ」

 

「だろうな」

 

「ちなみにだけど、本編ではここで一旦切って、桂馬くんの視点で再開してるよ。

 ずっと私視点のままだったらネタバレになっちゃうからね」

 

「涼しい顔をしているように見えるが……流石はアイドルなのか?」

 

「動揺しながらも頑張って『記憶の無い私』を演じてたよ……」

 

 

 

 『……ん? どういう事?』

  ……もしかして、前の私が言ってたのかな? 名前で呼んでほしいみたいな事を』

 『ああ。そうだ。前のお前がな』

 『それは凄い偶然……って言うより同じ私なんだから同じような事を言うんじゃない?』

 

 

「お~、凌いだ。流石は私!」

 

「完全に騙された。もうちょっと分かりやすく動揺してくれてれば一発だったんだがな」

 

「流石にそんなヘマはしないよ。まだ明かすべきタイミングじゃないからね」

 

 

 

 『まあいい。しかし何でまたそんな事を言い出したんだ?』

 『え? だって、他の人はだいたい下の名前で呼び捨てにしてるのに、私に対してだけずっと名字呼びなんだもん。

  なんか気になったからさ』

 『……それだけなのか?』

 『うん』

 『それだけの為にわざわざ僕に勝負まで挑むのか?』

 『うん。って言うより、勝負を通して桂馬くんと交流するのが目的で、賭けについてはついでだからね』

 『そんな事の為にわざわざ『負けた方はなんでも言うことを聞く』なんて事を行ったのか?』

 『へ~、『そんな事』って言うくらいだから普通に言えば名前で呼んでくれるの?』

 『よし、こうしよう。

  お前が宣言通りに僕に勝ったら名前で呼んでやろう』

 

 

 

「この辺のやりとりも筆者が流れに身を任せて書いてるわけだが……結果的にとんでもなく強い仕込みになった。本作最大の仕込みと言っても過言ではないな」

 

「桂馬くんに勝てたら、名前で呼んでもらえる。

 この時から私にとっての最大の目標になったよ」

 

「しっかし、お互いにそのつもりだったから噛み合ったが、もしこの約束がゲーム全般ではなく『今回のゲームに勝ったら』という意味だったらどうするつもりだったんだ?」

 

「どうするも何も、『勝ったから名前で呼んでね』って言うだけだよ」

 

「……そらそうなるか」

 

「うん。だって、建前としては『そんな事』なんでしょ?

 だったらそのくらいの我侭は聞いてくれるよね」

 

「……かのん」

 

「なあに?」

 

「いや、ちょっと呼んでみただけだ」

 

「もぅ、桂馬くんったら」

 

 

 

  ……ユータ君攻略を手伝う事になって……

 

 『これまた妙な展開になったね』

 『ああ、そうだな』

 『ところで桂馬くん、一つだけ質問があるんだけど?』

 『何だ?』

 『私には、桂馬くんが何にも考えずに売り言葉に買い言葉で話してただけに見えてたんだけど、実際の所はどうだったのかな? かな?』

 『いや、そんな威圧感出さなくても普通に答えるよ。

  確かに何も考えてなかったが……結果オーライだろう?

  あいつとユータ君とやらが上手くくっつけば駆け魂も出てくるだろう』

 『ああ、やっぱり? そんな気はしてたよ』

 

 

「私の台詞の『かな? かな?』は説明するまでもないくらい有名だと思うけど……某病んでるヒロインの語尾だね。

 何でそんなのを私が知ってるのかというのは……アニメのアフレコくらい普通にやりそうな私なら知ってても無理は無いという判断らしいよ」

 

「『ひぐらしの鳴く頃に』の『竜宮レナ』の語尾だな。

 まぁ、あのキャラは正確には『病んでいて』なおかつ『デレる』だけであり『ヤンデレ』とはまた別物なんだけどな」

 

「うわ、ややこしいなぁ……」

 

「属性の定義は時代とともに移ろいゆくものだ。

 正統派のヤンデレは恋愛と狂気が直結してるような存在だ。

 病的なまでに愛しているからこそ狂った行動をする。

 また、ヤンデレにも様々なタイプがある。狂気を叩きつける先が主人公かライバルヒロインか、あるいは両方とかな。

 あと、似た属性でメンヘラというものもあり……」

 

「もういいから! ヤンデレ講義なんていいから!

 桂馬くんの攻略に役立つならともかく、私にはとても真似できそうにないから!」

 

「…………えっ?」

 

「……え?」

 

 

 『恋愛はよく植物に例えられる。

  出会いのインパクトが大きければより太い幹になって……』

 『こんなんで仲良くなれるかぁ!!』

 『あ、おい、何をしている、止めろ!』

 

 

「この点は私はクリアしてるよね!」

 

「……まぁ、忘れようが無い出会いだったな」

 

「スタンガンのおかげだね! 一生大事にしよう」

 

「止めい!」

 

「……私にこのスタンガンを手放させたかったら何か代わりのものを出す事だね!」

 

「う~む……最初のイベントに関わるキーアイテムか……認めたくはないが相当価値があるんだよな。

 ……まぁ、仕方ないか。どうせそのスタンガン取り上げても別のスタンガン出てくるだけだし」

 

「残念……」

 

 

 

 

 『……あいつ、まだ来ないのか?』

 『また遅刻……だよね。きっと』

 『だろうな。

  くそっ、どこまでテキトーなんだあいつは』

 『ちひろさんだからね』

 『ちひろだからな。

  あいつはユータ君とくっつきたくないのか? テキトー過ぎるぞ!』

 

 

「今思えばくっつきたくなかったんだな」

 

「そうだね。ちひろさんもまさか桂馬くんが本当にユータ君を攻略できるとは到底思ってなかったんだろうね」

 

「まったく、これだから現実(リアル)女は。僕は落とし神だぞ?」

 

「ちひろさんにとって桂馬くんはただのゲーマーだからね」

 

「ちひろの目的としては僕と会話する事だったんだな。

 尤も、あのちひろが頭で考えて行動したとは思えないが」

 

 

 

 『こんにちは。あなたが小阪ちひろさんだね?』

 『え~っと……どなた?』

 『そうだね。とりあえず自己紹介からだね。

  初めまして。西原まろんです』

 

 

「第2錯覚魔法のフル活用回だね」

 

「使用したのはここが初めてではないが、ここまで活用したのはが今回が初めてだな」

 

「桂馬くんでもエルシィさんでも、『中川かのん』でもない人物が必要だったからね。

 まぁ、私でもできなくは……いや、無理があるか」

 

「『僕と近しい』かつ『まともに会話ができる』かつ『中立な立場』というのがこのイベントに必要な条件だな。

 西原まろん以上の適任は居ないだろう」

 

「私自身だと条件1を……満たしてるけど満たしてない。

 エルシィさんだと条件2が満たされてないね」

 

 

 

 『それじゃあ連絡は後にするとして……

  もしかしなくても桂馬くんの事で何か悩んでるよね? 私で良ければ相談に乗るけど?』

 『え? いや、別に悩みなんて……』

 『桂馬くんへの連絡を拒む時点で明らかに何かあるでしょ。

  ほら、お姉さんに話してみなさい! 私高2だけど』

 『……同級生じゃん!』

 『うん、しかも私は誕生日が3月3日だから月まで考えると大抵の同級生より年下だね。アッハッハッ』

 

 

「大人の社会で揉まれているお前だったら精神年齢は結構成長してそうだが、どうなんだろうな?」

 

「それを私に訊かれても……」

 

「かのんの誕生日は3月3日。ひな祭りの日だし非常に覚えやすいな。

 この場ではちひろ相手にノリで『お姉さんに話してみなさい!』などと言っているが、その後言っているように早生まれなんで同学年の中では年下だ」

 

 ※

 1月1日から4月1日生まれを『早生まれ』と呼ぶらしいです。同級生の中では遅い生まれなのに。

 

「ちょっと調べてみたけど、私よりも誕生日の日付が遅い人は3月14日生まれのエルシィさんと、あと……えっと……フィなんとかさんっていう人が3月20日らしいよ。

 純粋な同学年だと私が一番年下みたい」

 

「逆に日付が一番早いのは春日楠(4月10日)、ハクア(4月24日)

 そして歩美が5月2日。純粋な同学年の中ではこいつが一番年上らしいな」

 

「歩美さんなんだ。ちょっと意外な感じがするね」

 

「ちなみに肝心のちひろは12月3日だ。まぁ……普通だな」

 

「……普通だね」

 

 

 『あの、ちょっといい?

  私の本当に好きな人って誰の事?』

 『え? 桂馬くんに決まってるでしょ?』

 『……え?』

 

 

「……私のこの台詞、どんな思いで言ってたと思う?」

 

「しつこいようだが記憶はあったんだよな……

 よくこんな台詞を平然と言えたな」

 

「私としても恋敵を焚きつけるような真似はしたくはなかったよ。

 でも駆け魂攻略の為だから。

 画面に映ってない所で何回もイメージトレーニングしてからちひろさんに話しかけたよ」

 

「想像以上に苦労をかけてたらしいな。今度、何か奢るよ」

 

「レストランでデートか。あの時頑張った甲斐があったよ!」

 

 

 『……アンタに、教えてほしい事があるの』

 『教えてほしい事、だと?』

 『うん』

 『恋愛って何?』

 

 

「結局、この問いの答えって出た?」

 

「……さぁな」

 

「私は出たよ。

 施すわけでも、施されるわけでもない。お互いが対等な立場に立つ事。

 そして、お互いに信じ合える事。それが私にとっての恋愛だよ」

 

「対等……か。そうだな」

 

 

 

 

「あ、そろそろ終わりみたいだね」

 

「もうこんな時間……いや、まだあるみたいだ」

 

「え?」

 

「後書きについての補足が必要だ。

 当時、筆者は後書きにてある疑問を呈している。

 原作において、あの時点で本当にちひろは僕が好きだったのか。という疑問をな」

 

「あ~、そう言えばそんな事言ってたね」

 

「女神辺の後半ではちひろから『実は結構前から好きだった』という旨の告白を聞く事が可能だ。

 しかし、創作物である以上は『設定が生えてくる』というのはよくある事だ。

 だから、唐突に前から好きだった事になったのか、本当に前から好きだったのかは原作者にしか分からない事だ」

 

「それをこんな所で議論しても仕方ないんじゃないかな……」

 

「……まぁ、そうだ。これは当時も述べたしな。

 で、今回の本題はこっちだ」

 

「えっ?」

 

「当時の後書きでこんな記述がある。

 『女神の宿主を女神編直前に変えたなんてエピソードもあるようです』

 ……誰の事かは……分かるよな?」

 

「ミネルヴァさんの事だぁ……」

 

「この文はかなりのヒントだったな。極めて伝わりにくいヒントだが、伝わればかなり強力なヒントだ。

 後書きの他の部分も『エルシィ=ミネルヴァ』の伏線を露骨にしていいという条件がなければここまでおおっぴらに疑問を呈したりしなかっただろうな」

 

「こんな所まで影響出てたんだ」

 

「難易度激ムズの愚かな企画だったが、実はかなり役立ってるんだよ。ホント」

 

 

 

「今度こそ終わりだね。

 ハクア編『地区長来る』を来週お送りします!」

 

「企画の影響を一番受けた章かもな。詳しくは来週だな」

 

「それではまた来週~」

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