もしエル キャラコメンタリー!   作:天星

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ハクア編 地区長来る

「はいどうも皆さんこんにちは! 中川かのんです!

 第9回キャラクターコメンタリー、始めていきましょう!」

 

「ハクア編だな。内容が内容なんで抽選を無視した固定処理だ。

 当時の駆け魂討伐数は6匹だったな」

 

「……もし抽選で進んでたらハクアさんが最後まで出てこないとか有り得たのかな……?」

 

「少しだけ有り得そうなのが怖いな。説明役が居なくなるんで筆者にとって相当面倒な事になってただろうが」

 

「……今回はほぼ私が不在だったから、じっくり見させてもらうよ。

 じゃ、VTRスタート!」

 

 

 

 

 『そこっ! どいて!!』

 『え? わ、わぁっっ!』

 

 

「ハクアさんの初登場シーンか。勾留ビンって女神様にも効くんだね」

 

「新悪魔にも効いてるんだから女神にも効くだろう。無抵抗なら」

 

「……そりゃそうか。

 エルシィさんならその気になれば結界で叩き割れそうだけど」

 

「魔封じの効果とかがあってもおかしくはないが……理力の封印までわざわざ想定してるとも思えんしな。

 そういうビンが存在していてもおかしくはないが、一般の地区長にまで配られてるとも思えんな」

 

 

 

 『あっ、私の協力者(バディー)を紹介するね!

  この人! 神様!!』

 『え? 悪魔なのに神が協力者なの?

  って言うか、普通の人間じゃないの』

 『か、神様は凄いんだよ! た、例えば……えっと……』

 『とてもそうは見えないけど?

  まあいいわ。そこの人間、握手してあげても良いわよ』

 

 

「なんだか棗ちゃんを思い出す口調だね」

 

「キャラ付けが結構似てるからな。

 どっちもプライドが高く、それに見合う有能さを持っている。

 だからこそナチュラルに相手を見下すような言動を取る。

 それが決して悪いとは言わない。態度に見合う実力はあるんだからな。

 そしていつか時折規格外の奴に喧嘩を売ってプライドをヘシ折られるわけだ」

 

「う~ん、何かどこかで聞いたことがある気が……

 あ、桂馬くんの事だ」

 

「な、何だと!?」

 

「だって、桂馬くんも有能だけどプライドも高いし、いつも他人を見下してるじゃん」

 

「ま、まあそうだが……だがっ! 僕は喧嘩を売ったりはしないし、規格外の奴などそもそも存在していない!」

 

「でも私に負けたよね?」

 

「ぐむっ!」

 

「これからも頑張って桂馬くんに勝つよ! 攻略の為に!」

 

「……フン。やれるものならやってみろ」

 

 

 

 

 『そんな事より、僕にはお前の方が手助けが必要に見えるが?』

 『何バカな事言ってるのよ。私はエルシィなんかとは違う上級悪魔なのよ? 人間なんかの手なんて借りないわ』

 

 

「この頃のハクアさんはこんな感じだったんだね。

 ある意味悪魔らしいのかな?」

 

「身体能力でも、技術力でも人間が新悪魔たちと比べて大分劣っている事は否定しようの無い事実だ。

 こういう悪魔が居る事はむしろ自然な事だ。しかし、人間の心を扱う駆け魂隊としては落第点だろうな」

 

「原作のエルシィさんでも駆け魂隊は十分務まるんだから、エリートなんて送らずに無能っぽい悪魔を送ってきてくれた方がスムーズに進みそうだね」

 

「元々小規模な部隊だったらしいからな。当時はきっと本当に少数精鋭だったんだろう。

 実力も、心構えも、しっかりした奴らがな」

 

「きっとそうだね。

 ……あれ? でも、リミュエルさんも10年前から駆け魂隊だったんだよね?

 あのマッドロマンティストさんに人の心って理解できるのかな……?」

 

「…………あれ?」

 

 

 

 

 『う~ん、痕跡は見あたらないわね』

 『駆け魂の目的が負の感情なら、もっと負っぽい場所を探した方が良いんじゃないのか?』

 『負っぽい場所って何よ』

 『そうだな、例えば……』

 

 

「負っぽい場所? そんなのうちの学校にあったっけ?」

 

「いくつかあるぞ。例えば……」

 

 

 『アァ? 何見てやがんだ、コロすぞ!』

 『う~ん、こいつらは存在自体が負なだけで感情のエネルギーは大したことは無いわ』

 『なるほど、深い話だな』

 『アァ!? 喧嘩売ってんのかぁ!?』

 

 

「な、ナチュラルに見下して喧嘩を売ってる。って言うか存在自体が負って……」

 

「ハクアにしては上手い事を言うなと感心したよ」

 

「一口に不良って言ってももの凄い負の感情を溜め込んでるような人も居そうだけど……

 ハクアさんが大したこと無いって言うくらいだから本当に大した事は無かったんだね」

 

「あんなパセリみたいな連中にそんな重要な背景は無いだろう」

 

「ぱ、パセリ?」

 

「添え物って意味だ」

 

「ああ、そういう……」

 

 

 

 『……ノーアウトフルベース、ボールカウント2ー3。

  これだ、これが逆境だ!

  だがしかし、このピンチを乗り越えてこその漢!

  否っ!!

  ここで敗れるようでは甲子園など夢のまた夢!!

  言わばこの一球こそ! 全ての始まり!!

  頼むぞ!! 俺の漢球(オトコダマ)ぁぁ!!!!

  うぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!』

 

 

「大体アニメ版の丸パ……オマージュだが、ナレーションは無駄に頑張った、との事だ」

 

「対戦相手の高校も何故か『世紀末学園』に改名されてるね。原作だと日の出高校だったかな?」

 

「アニメ化で何故かやたらの人相が悪くなってたんで名前もそれに合わせてみたらしい。

 舞校の野球部の投手もアニメ化でだいぶ変わってるが……実力は変わらんようだな」

 

「……何か、私でも普通に打ち返せそうな球だね」

 

「いや、今のお前の『普通に打ち返せる』のレベルは相当だからな?」

 

「え?」

 

 

 

 『元々は墓地だか古戦場だかで、お化けが出るんだとさ』

 『お化けって、居やしないわよそんな漠然としたもの』

 『本物の悪魔に言われちゃ世話ないな』

 

 

「原作のこの伏線って最初から練られてたのかな?」

 

「どうなんだろうな。『駆け魂に関係がある場所』くらいは想定されててもおかしくはなさそうだな。

 それ以上突っ込んだ設定を考えていたかは……流石に分からんな」

 

「う~ん…………」

 

 

 『この駆け魂、1人分のスキマじゃ足りないから数で稼いだんだ』

 『そうみたいね』

 『これって、もしかして魂度(レベル)3じゃないかな? こんなの実習でもやったことないよ。

  どうしようハクア!』

 

 

「原作では魂度(レベル)という概念が存在する事が初めて明かされるシーンだな。

 サラッと流されていたが」

 

「レベル1が無力な状態、レベル2が宿主が逆に力を引き出している状態。

 レベル3が自力で魔術を行使できる、レベル4は実体化しかけてる。

 レベル5は……原作では出てきてないけど、完全に復活した状態、かな?」

 

「そんな所だろうな。

 結局は原作でも本作でもレベル3以上の駆け魂なんて殆ど出てこなかったが、封印解除から10年も経過してこれってのはどうなんだろうな。

 それだけ復活に時間がかかるという事なのか、駆け魂隊が割と有能なのか……」

 

「その辺を突き詰めて考えると面倒な事になりそうだから止めとこう?」

 

 

 

 『おい、1人で行って勝算はあるのか?』

 『っ、エルシィと一緒に行くよりはマシよ!』

 『頭を冷やせこのバカ。闇雲に突っ込んだところで何も改善しないぞ。

  僕は『勝算はあるのか』と訊いてるんだ。あれだけの数の妨害を凌ぎながら駆け魂を捕まえられるのか?

  1人で何とかなる方法があるなら是非とも教えてくれ』

 『方法なんて関係ない! これは私がやらなきゃいけないのよ!!』

 

 

「この辺で私が呼ばれたのかな?」

 

「ああ。明らかに手数が足りなかったんでな。

 原作みたいな役割分担も不可能だしな」

 

「エルシィさんが勾留ビンを使えない弊害がこんな所に……」

 

「普段は気にならない、と言うより問題ないようにしっかり準備してから挑むわけだが、お前が居ないと駆け魂を処理できないってのは結構なハンデだよな」

 

「……エルシィさん単独じゃ駆け魂討伐って無理なんだっけ?」

 

「一応不可能ではないらしいな。相当疲れるようだが。

 仲間の補助と結界が得意な女神だからな。直接攻撃は不得手なんだろう」

 

「……あの、箒さんは……」

 

「アレは……ほら、アレだ。物理攻撃だから駆け魂には相性が悪いんだろう」

 

 

 

 『ハクア! 無事だったんだね!

  私も手伝いに……』

 『おい待て、無闇に……』

 『……近づくな、私に、近付くなぁっ!!』

 『わっ、ちょ、ハクアっ!?』

 

 

「筆者曰く、原作と比べて殺意10割増しだそうだ」

 

「何でわざわざそんな事したんだろう……」

 

「普通に進めたら原作通りにしかならないからな。

 あとはまぁ……原作でも最初だけはハクアの意識を完全に奪っていたようだしな」

 

 ※

 ハクアの口から『誰ダ、オ前?』『ジャマスルナ!!』という台詞が出ています。おそらくは駆け魂の意志でしょう。

 何故かその後ハクアの意識が半ば戻っていましたが……あの駆け魂が他の生徒なんて気にせずにハクアに集中してれば身体を完全に乗っ取るくらいはできそうな気がします。

 

「その結果が、アレかぁ……」

 

「……アレだ」

 

 

 『ハクアっ! 私の話を聞いて!』

 『うるさいっ! 黙れぇぇっっ!!』

 『うぅぅ~、神様、無理でした!』

 『その程度で諦めるなよ!!』

 『でも~』

 『お前とハクアは友達なんだろ!? だったら殴り倒してでも止めてやって話を聞かせろ!!』

 『な、なるほど!! 分かりました。ちょっと小結界解除しますね』

 『え? おい、ちょっ!』

 

 

「……この辺、原作では結構良い話だったはずなのにね」

 

「ベタなイベントではあったが、王道のイベントだったな。

 好み次第と言ってしまえばそれまでだがかなり安定した手法だ」

 

 ※

 詳細が知りたい人は原作3巻を買いましょう!(ダイマ)

 

 

 『っっ! 何がっ!』

 『結界は守ったり閉じこめたりするだけじゃなくてこうやって攻撃にも使えるんだよ、ハクア。

  さぁ、どんどん行くよ! てやぁぁっっ!!』

 『ちょっ、待っ!!』

 

 『これで止めっ!!』

 『かはっ!』

 『ってオイ!! やりすぎだバカ!!』

 『え、アレ?』

 『ハクア! おい! しっかりしろ!!』

 

 

「攻略(物理)」

 

「……攻略って何だっけ?」

 

「ボスキャラを倒すというのはお馴染みの攻略だな。RPGなら」

 

「これってギャルゲーじゃなかったっけ?」

 

「…………

 それはさておき、当時の後書きでも述べたが今回のエルシィの結界運用は『結界師』をイメージしたらしい。

 結界の展開による打撃とか、まんまだな。

 今回駆け魂の逃走を妨げ、ハクアからの攻撃からも身を守った結界も直方体の結界をイメージしている。

 ……結界で囲ってから潰すような、いわゆる『滅』はやってなかったけどな」

 

「いや、十分過ぎるよ。よっぽど相手が強くない限りは一方的にボッコボコにできるよ」

 

「リューネとかが相手でも封殺できてもおかしくはないな。

 できるとは言わないが」

 

 

 

 『どうやらのんびりしてる時間は無いようだ。

  だから手短に言うぞ。

  今! この瞬間! エルシィではなく、お前が必要なんだ!!』

 『……それは、告白のセリフなの?』

 『はぁ!?』

 『ふふっ、冗談よ。

  まさかこの私が人間如きに励まされるなんてね』

 

 

「いーなー、ハクアさん。桂馬くんにそんな台詞を言われてたなんて」

 

「この程度ならいつでも言ってやるぞ。

 かのん。僕にはお前が必要だ」

 

「っっっ!? け、桂馬くん! 不意打ちはヒキョウだよ!

 もう一回言って!!」

 

「気が向いたらな」

 

「桂馬くんのいけずっ!」

 

 

 

 『仕方あるまい、ハクア、羽衣の複数制御とやらで生徒たちを全員拘束しながら勾留ビンを使えるか?』

 『無理に決まってるでしょ! 出来てたら最初からやってるわよ!』

 『……そりゃそうだよな』

 

 

「……動魔術を20個同時に制御できるハクアならできてもおかしくない気がするのは気のせいか?」

 

「さ、さぁ……?」

 

 

 『……神様』

 『ん? どうしたエルシィ』

 『あの駆け魂を弱らせられれば良いんですよね? 生徒さんたちを操れないくらいに』

 『そうだな。生徒が居なければ、捕まえられるよな?』

 『当然よ。妨害さえ無ければ遅れは取らないわ』

 『……分かりました。

  なら私に任せてください。

  あとハクア、これから私がやる事はドクロウ室長以外には秘密にしといてね』

 『え? 何をする気なの……?』

 

 

「例の企画が無かったらここまで露骨にはしなかっただろう、との事だ」

 

「エルシィさんの結界……女神の権能の一端だね。

 露骨にするつもりが無かったらどうなってたんだろうね?」

 

「いくらでもやりようはあるな。

 お前が急いで駆けつけるとか、

 エルシィが何か気合入れたら駆け魂に効いたとか」

 

「……女神の力を使う事は確定なんだね」

 

「勾留ビンが使えないからなぁ……」

 

 

 

 『♪♪~♪♪~ ♪♪~♪♪~

  ♪♪~♪♪~ ♪♪~♪♪~』

 

 

「この時のエルシィさんが歌ってるのって、私の歌じゃないんだね」

 

「ああ、実はその通りだ。

 しばらく後の日常回……と言うか、黒田棗編では『中川かのんの歌ではない』と明言されるが、ここでも同様だ」

 

「で、結局これは何なの?」

 

「アニメ版1期のOP曲である『God only knows』の第1幕だ。

 聞いたことがあるだけなら……割と多いかもな」

 

「な、何でそんな微妙なコメントなの?」

 

「件の曲はやたらと長い曲でな。OP曲として流れるのは第3幕だけだ。

 なお、全体だと第6幕+αまで存在する」

 

「何でそんな長い曲を……」

 

「……アニメ製作者に訊いてくれ。

 ただ、他の部分は完全に流れないわけではない。

 第一幕は栞編最終話に、それ以降は最終話の挿入歌として使われている。

 『聞いたことがある』だけなら割と居そうだ。OP曲の流れてない部分だと自覚してる奴はそこまで多くないかもしれんがな」

 

「なるほど……

 でも、本作では何でその曲をチョイスしたんだろう?」

 

「筆者としては『女神に関わる歌』にしたかったらしいが、そんなものは無かった。

 ストーリー上で重要な歌と言えば『初めて恋をした記憶』なんかも挙げられるが、あれはモロに人間の歌だ。

 エルシィが歌ってた歌とかも一応考えたが、軽いノリの音楽なんで女神っぽくないと没に。

 辛うじて女神に近いものは3期OP曲である『God only knows Secrets of the Goddess』(神のみぞ知る女神の秘密)だが、序章と終章が明らかに僕視点の歌だし、ミネルヴァが関係する部分が『栞とミネルヴァ』って感じで本作のミネルヴァとは明らかに別人だった。だから没に。

 しょうがないからそれと繋がりのある『God only knows』を持ってきたようだ」

 

「そんな回りくどい裏事情があったんだね……」

 

「歌詞が英語という事もあって解説しないと絶対に伝わらない裏設定だな」

 

 

 

 

「この後は、気絶したエルシィを家まで運んで、ハクアと情報交換だったな。

 読者視点では大した情報は無かったはずだ」

 

「強いて言うなら、原作の常識は本作でも普通に通用するっていう情報があったかな?」

 

「原作の説明+本作の異常な点のツッコミだったからな。

 コメントは要らんな。カットしていくぞ」

 

 

 

「それじゃ、後日談編だね」

 

 

 『桂馬くん、何か無理矢理ゲームに没頭して現実逃避してるように見えるんだけど気のせい?』

 『おいお前、心を読んだのか?』

 『え? 何の事?』

 『……いや、何でもない』

 

 

「あれ? これって何だっけ?」

 

「ああ、駆け魂の残りが60,000匹だって聞かされた後の話だ。

 ま、今の僕達にはもう関係の無い話だがな」

 

「え? ああ、そっか。契約の首輪はもう壊れてるもんね。

 契約を解除してもらう必要なんて全く無いのか」

 

「むしろ首輪は念話に使えるから残しといてほしいくらいだな」

 

 

 『中川、紹介するぞ。

  こいつがある意味エルシィよりもポンコツな偽優等生のハクアだ』

 『ちょっと待ちなさい! どういう紹介のしかたよ!!』

 『んで、こっちが中川。中川かのんだ。

  首を見れば分かると思うが、昨日言ったもう1人の協力者(バディー)だ』

 『初めまして、中川かのんです。

  昨日の事はある程度は桂馬くんから聞きました。どうぞ宜しくお願いします』

 『へぇ、桂木と違って礼儀正しいのね。握手してあげてもいいわよ?』

 『わぁ、ありがとうございます!』

 

 

「私とハクアさんが初めて会った場面だね」

 

「こうして見ると対照的だな。

 紹介なんてされるまでもない有名人だから紹介され慣れてないハクアと、

 アイドルとして対人・営業スキルが磨かれているかのんとでは雲泥の差だ」

 

「第一印象は大事って岡田さんにもよく言われるからね!」

 

「攻略と通じるものがあるな」

 

「自己紹介と攻略とでは求められるものがかなり違うよね……?」

 

 

 

 『それじゃあ始めるわよ。

  あー、あー、それじゃあ人形たち! 時刻は正午、所定の位置に着きなさい!』

 

 

「ハクアさんの始末書の作成だね。

 始末『書』って呼んで良いのかは分からないけど」

 

「本編でも言った事だが、そもそも一番の失敗は『最初に駆け魂を取り逃した事』だから始末ですら無いな。

 ただの報告書……報告模型だ」

 

「……と、とりあえず本コメンタリーでは『始末書』って呼んでおくよ!」

 

 

 

 『ちょっと! 何遊んでんのよ!』

 『あ~、何となく?」

 『何となくって何よ!? この始末書には私のクビがかかってるのよ!?』

 『へ~、そりゃ大変だ。

  が、僕には関係ないな』

 

 

「この後桂馬くんがハクアさんを凄い勢いで詰問するわけだけど……あれって何か特別な意図があったの?」

 

「別に、ノーテンキな態度にムカついたからただ思った事を口にしただけだ。

 後から考えると暴走中のハクアの記憶は曖昧だったみたいだから少し言いすぎたかもしれないな」

 

「言いすぎだったかどうかは分からないけど……私の感想としては、私の為に怒ってくれたみたいで嬉しかったよ」

 

「……フン」

 

 

 

  ……エルシィを叩き起こして……

 

 『こ、これもしかしてウチの学校ですか? わ~、凄い!!』

 『ちなみにコレはハクアの始末書だ。

  まずは……こっちからだな。

  15時35分、建物を丸ごと覆う大結界を展開』

 『エルシィ、お前いつからこんな事ができるようになったの?』

 『えっと、大きな結界を張る事自体は一応前からできたけど、ちゃんと維持できるのは人間界でだけだよ』

 『人間界で?』

 『うん。室長によれば魔法で汚染された地獄の空気は私の能力と相性が悪いとか何とか……』

 

 

「露骨な伏線だな」

 

「地獄だと弱くなる悪魔って……悪魔じゃないよね」

 

「実際には女神だったわけで、地獄だと弱くなる女神はかなり普通な気がするな」

 

 

 

 『『破邪の力』って何だオイ』

 『私の固有の能力らしいです!』

 『え? お前の能力って結界じゃなかったの?』

 『固有の能力なのは分かった。その詳細は?』

 『え~っと確か……駆け魂とか旧悪魔やそれらが使う邪法を弱める……とか何とか言ってた気がします。

  普通に使うとすっごく疲れちゃうんですけどね~』

 『それで昨日ぶっ倒れたわけか。使用のリスクは単純な疲労だけか? 他は大丈夫か?』

 『はい、疲れるだけでそれ以外は何ともないです』

 

 

「直球な伏線だね」

 

「この辺でエルシィの正体を察した読者も何名か居たようだな。

 お見事と言っておこうか」

 

 

 (……破邪の力……隠蔽……

  駆け魂、いや、旧悪魔に対抗する為? 隠す必要性は……

  ……………………

  ……今は、何事も無い事を祈るしか無いか)

 

 

「桂馬くんのモノローグだね。この辺でもう桂馬くんもエルシィさんの正体に勘付いてたんだよね?」

 

「まぁな。特殊な悪魔か、あるいは天使的な存在なんじゃないかとは思っていた。

 実際には女神だったわけだが」

 

「女神の存在を知ってたら100点満点の解答を出してただろうね」

 

「そういうお前はどうだったんだ? 気付いてたか?」

 

「う~ん……あんまり覚えてないなぁ……

 多分、そこまで深くは考えてなかったと思うよ。

 私が気付いたのはもうちょっと後だね」

 

 

 

「どうやら終わりのようだな。

 ハクア編のはずだが、実際にはエルシィ編……ミネルヴァ編と言っても過言ではないな」

 

「例の企画が無かったらホントどうなってたんだろう……」

 

「伏線が過剰に隠されてたかもな。

 この辺の加減ってのは結構難しいらしい。隠しすぎるとただの自己満足になるし、露骨過ぎると伏線じゃなくなる。

 今回は企画からフィードバックを得て『伏せすぎ』と判断して露骨に全振りしてるな。

 それが正解だったのかは……読者の皆さんの判断に委ねるとしよう」

 

「そう言えば伏線って言えば、アレ気付いた人居たのかな?

 あの縦読み」

 

「アレか……普通に気付きにくいような小細工を更に2重に分かり辛くしてるからな……

 ……さて、解説するか。ここに筆者からのメモがある」

 

 

 ※

 ハクア編のサブタイトルはそれぞれ……

 

  プロローグ

 

  地区長のごまかし

  地区長の実力

  地区長の予感

  駆け魂の能力

  落とし神の命令

  小悪魔の頑張り

  地区長との見直し

 

  後日談の休日

  失敗の重み

  破邪結界の悪魔

 

 プロローグは除外するとして、残りは全て『○○の××』というタイトルになっている。

 後日談以降は除外し、『××』の部分だけ抽出すると以下の通り

 

  ごまかし

  じつりょく

  よかん

  のうりょく

  めいれい

  がんばり

  みなおし

 

 1字目を縦読みすると……

 

  ご

  じ

  ょ

  の

  め

  が

  み

 

 以上、完全に自己満足のネタでした。

 

 

「ごじよのめがみ……互助の女神とはミネルヴァの事だな」

 

「これは誰も気付かないよ……

 互助って言葉すら原作でも1回しか出てきてないんだし」

 

「筆者としてもただの思いつきで仕込んだネタだ。

 プロローグ含めて8話に分割されてたんでせっかくだからやってみたらしい。

 どうせサブタイにあんまりこだわりないしな」

 

 

 

 

 

「では、そろそろお別れの時間です!

 次回、七香編『敗北の価値観』は来週お送りします!」

 

「通しでお前が主導した攻略では初めての攻略か。じっくりと見させてもらおう」

 

「それではまた来週~」

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