おかしいなぁ。アニメ始まるまでに完結させようと思っていたのにとか考えながら書いた。今はみんな脳筋になっている。
さっそく私は夕立と初雪を呼び出して、演習場の射撃場に連れてきた。いや、この場合は砲撃場か?
砲撃場は距離を測るポールと目標の深海棲艦みたいな見た目のマンターゲットが浮いている。マンターゲットにはワイヤーが付いているので引っ張ってやればムービングターゲットにもなる優れものだ。ちなみにターゲットの台座を撃つと提督に凄く怒られる。
初雪の装備は12.7cm連装砲と10cm連装高角砲、あと61cm四連装酸素魚雷だ。そう、装備を三つ持てるという事はこの子は改だったのだ!連装砲と高角砲はガンベルトスリングに通されてて、今は連装砲を抱えている。
続いて夕立は12.7cm連装砲B型改二が二つと61cm四連装酸素魚雷である。連装砲を両手に嵌めている姿はさながらボクサーのようだった。まあこの子レスラータイプなんだけどね。
「さて、お二方にはこの砲撃場でタイムアタックをしていただきます」
ぽい?と首を傾げる夕立。まあ何の説明もしてないとこうなるか。
「この砲撃場に入り、順路に沿って移動しながらターゲットを撃破してください。使用する武器や戦術は自由ですがターゲットは鋼鉄製が混ざってますので撃破できる方法を選んでくださいね」
そう言うと夕立ははーいと元気よく返事してくれた。一方その傍らの初雪は私の顔をじっと見ている。まあ説明だけじゃ解らんだろうし、いっちょお手本見せてあげますかね。
「では最初に私がお手本を見せます。言っておきますが敵は必ず撃破してくださいね?」
そう言いながら進水する私。装備はいつもの連装砲と7.7mm対空機銃である。ちなみに弾は模擬弾。ペイント液が出る奴じゃなくて生物には効果ないけど非生物には効果のある不思議な弾だ。スケベな本でありがちな服だけ溶かす溶解液とかそんな感じ。
SASUKEとかにあるでっかいタイムカウンターの隣にスイッチがあり、それを押すとタイムアタック開始である。そして最後のターゲットを撃破すると止まる様になっている。
このタイムアタックは敵に囲まれた事を前提にしていて、その状況からいかに最適な行動をとれるかというのが訓練の目的だ。当然不意の事態を想定しているのでターゲットの出る順番も数もランダムだしペイント弾もガスガス撃ってくる。
目標平均タイムは一分。ちなみにこの鎮守府で最も早いのが龍驤で29.72秒。今日はそれを追い抜くくらいの気合で行ってみよう。
「霧島、いきます!」
スイッチを押すと同時にタイムカウントが始まり、ターゲットがせりあがってきた。まず出てきたのは前方左右に深海棲艦を模した駆逐二隻。最近比叡との練習で習得したマルチロック(人力)を使用して同時に撃破。次に巡洋艦が二隻せりあがってくる。
四機ある主砲のうち二機を再装填に回し、もう二機で巡洋艦のうち一隻にぶち込む。高耐久の巡洋艦といえども二機四門の主砲の前では貧弱貧弱ゥ!
巡洋艦一隻が吹っ飛んだのを確認しながら装填の済んでいない主砲をちらと見て突撃を決行。放ってくるペイント弾を海面を這うようにかわし、巡洋艦の真下に潜り込んだ。
「どっせい!」
そして渾身のショートアッパー。ただの鋼材の塊であるそれは回避などをするわけもなく、一撃で頭が千切れとぶ。
撃破を確認し、それと同時に最後のターゲットが現れた。戦艦を模した鋼材の塊である。しかし位置が悪いことに、出てきたのは私の至近真後ろであった。
「霧島、あぶなーい!」
デパート屋上ヒーローショーの子供のごとく夕立の声が聞こえた。戦艦はパンチの一発二発じゃ撃破できない耐久を有している。振り向きざまの一撃では必ず反撃を受けるだろう。
一見ピンチに見えるが実はコレピンチじゃないんですよねぇ。全てはチャンス!秘儀、武者登り!
説明しよう!武者登りとは立っている人間を登って背後を取る技である。その技の性質上、登り切った直後に浮いてしまうという弱点があるが、しかし今回それは弱点とはならない。
再装填の終わった四機八門の主砲がガコンと音を立てた。そう、この対空時間こそ攻撃のチャンスになるのだ!
八撃必殺、全門斉射!反動で空を舞い、足から着水し着弾地点を確認。そこには当然粉微塵になった戦艦の姿があった。タイムをチラと見てみると30.91秒。むむむ、30秒と龍驤の壁は厚い。
やり切った顔で埠頭に戻ると夕立が抱きついてきた。
「すっごい霧島!次は私がやるっぽい!」
流石ぽいぽい、血の気が違う。いっぽう初雪はまだ見学するようで夕立には一切反論しなかった。
はしゃぐ夕立を見送り初雪の隣に立って夕立の動きを観察することにする。初雪はこちらを一瞥し、そのまま視線は夕立に移った。それにならって私もそちらを向くと同時にブザーが鳴る。
「夕立、いっきまーす!」
どっかのニュータイプみたいに飛び出す夕立。その移動先には巡洋艦一隻と駆逐一隻が出現していた。夕立は駆逐艦の武器である速力を存分に生かして駆逐に急接近、そして主砲計四発を発射しすぐさま回頭。その方向には巡洋艦がいる。
それからしてようやく駆逐艦のあたりの煙は晴れその無残に潰れた体を晒した。うむ、確実に撃破してるな。そして両手の武器を使ってしまった夕立はそのまま巡洋艦に接近、すれ違うように右の拳を頭の部分にぶつけて殴り抜く。
……いや違う。殴り抜いてない。夕立の腕はすれ違った後も引いていた。だが殴った。つまり…。
「四回殴った?」
その答えに初雪が反応。こちらに目を合わせ、短く「正解」と言った。つまり、夕立は行きの殴りで拳と肘を当て、返りで肘と裏拳を当てたのだ。何てことだ、アニメ以外であんな動き出来る奴って居るんだな。今度比叡と練習しよ。
視線を巡洋艦に戻す。その頭は無く、撃破を容易に確認できた。次に夕立の前に現れたのは戦艦だったが、しかし夕立は直進。私が言うのもなんだけどそんなことしたら蜂の巣待ったなしだぞ。
だがそこはやっぱり夕立。恐らく目を離した内に発射しておいただろう魚雷がいいタイミングで爆発し、戦艦が大きく体勢を崩す。戦艦が明後日の方向を撃っている内に夕立はその顎に両手の主砲を添え、その頭を容赦なく撃ち抜く。
二回四発の砲撃音が聞こえ、煙の中から夕立が飛び出した。確認するまでもない、近距離から四発も受ければ鋼材の塊など木っ端みじんだ。
最後に現れたのは駆逐と巡洋艦が一隻ずつ。近場の駆逐に膝を打ち込んだ夕立はそれを足場に大きく飛び上がる。同時に魚雷をばら撒いてトドメを刺すのも忘れない。
爆炎(無害)を巻き上げながら巡洋艦に迫る夕立。さあ、どんな技が飛び出す?この勢いで飛び蹴りか、それともクロスチョップか?いやでも若干距離が足りないように見える。これでは技が命中しても当たるのは膝だ。
夕立は足を向けて巡洋艦の膝にスタンプキックをお見舞いした。それと同時に巡洋艦の膝にヒビが入る。そして夕立はそのままの勢いで膝を突き出した!
「これが、私のさいっこーの技っぽい!」
奥義、シャイニングウィザード!相手の膝を粉々にするほどの踏み込みのエネルギーが乗った膝は顎に命中し、その頭をえぐり取った。まさしく凶悪の一言だ。
タイムは33.40秒。駆逐艦としてはトップに位置するタイムだ。すげぇ。
「霧島ー!」
「夕立ー!」
埠頭に戻ってきた夕立とハグを決め、犬のようにわしゃわしゃ撫で回す。強いなあ夕立。いい子だなあ夕立。
「どうだった!?どうだった!?」
「ええ、最高でしたよ!強くなりましたね夕立!」
しっぽがついてたらはち切れんほどの勢いで振ってそうな夕立をそのまま勢いで撫でまくる。ああーかわええー。
と。夕立といちゃいちゃしてたらブザーの音が聞こえた。いかんいかん初雪のことを忘れていた。夕立の頭を撫でながら初雪の方を見ると、いきなり戦艦と鉢合わせしていた。初雪は距離の開いた状態で連装砲を発射。それは戦艦の頭に当たった。しかし駆逐の砲撃では距離があるとそうそう撃破できないのが戦艦だ。お手並み拝見ですな。
ここで初雪はFPS伝統のカニ歩きをしながら、さらにジグザグ走行をするという変わった回避方法を行っていた。動きがぶれているのでこれでは相手は命中弾を期待しにくいだろう。そして初雪は手動で再装填を行う。
手動で再装填など本来は行わない。それは例えるのなら信頼性のある最新式の拳銃があるのに旧式の拳銃を扱うような行為だ。それは全く無意味なように見えたが…そうではなかった。初雪の動きは洗練されていた。本来自動装填では口径にもよるが、5秒以上かかる。それを初雪は狙う、撃つ、装填を約3秒で行った。まるで早撃ちを見ているような気分だ。二発撃ち、再装填。また二発撃ち、再装填。およそ10秒掛かったところで戦艦の頭は吹き飛んだ。この短いスパンですべて頭に命中させたのだ。その腕前は凄まじい。
次に現れたのは巡洋艦二隻と駆逐二隻。残り全てが出てきたのだ。初雪はその全てを一瞬で一瞥した後、一番近場に居た巡洋艦の膝に主砲を叩き込む。足元からぽっきり折れたそれを初雪は抱え、それの頭の後ろから機銃を突き出した。いわゆるヒューマンシールドだ。
「あっ!これ初雪の得意技っぽい!」
…いいのかこれ?提督からはなんでもアリとは聞いてるけど。初雪はそれを抱えたまま駆逐二隻に機銃を乱射。片手撃ちなので精度は甘いがそれでも相手の装甲をがしがし削って撃破に追い込む。
巡洋艦と一対一になった初雪は元巡洋艦を盾にして前進。魚雷を撃ち込んでいく。そしてぶつかるほどの近距離で対峙した瞬間、その盾を蹴り飛ばして巡洋艦とぶつけた。そのタイミングで魚雷の信管が反応し、大きな水柱が上がる。全撃破を確認、初雪は夕立とは別の意味で凄かった。タイムは40.07秒とやや長くなったがそれでも駆逐艦の中ではトップクラスである。
埠頭に帰ってきた初雪にそう伝えると、彼女は頬をほんのちょっぴりだけ染めて笑う。
「…ぶい」
ひかえめのピースがなんとも可愛かった。もちろん撫で回した。
・THE演習
シンプル○○○○円シリーズのアレ。個人的には地球防衛軍と爆走マンハッタン(ランナバウト3)がおすすめ。
・SASUKE
テレビでお馴染みのあれ。ゲームの筋肉番付 LOAD TO SASUKE(PS1)で遊べたりトレーニングしたりできる。
なおゲームの主人公は調整ミスのためかなり小食。
・武者登り
忍道戒(しのびどういましめ)で出来る技。BANZOKUはこれで首を捻ればイチコロだったりする。
・四回殴る
明日のジョーでカーロスが使った技。ボクシングで肘で殴るのは当然反則ではあるがバレなければよかろうなのだ。
PS2でゲームが出ており、カーロスと戦うと必殺がこれになったと思う(うろ覚え)
どちらかというとマンモス西のボディを殴り続けるイメージが強い。
・これが、私のさいっこーの技っぽい!
ヴァルキリープロファイルという神ゲーに登場するジェイクリーナス(CV:若本)の口上。奥義はその割に地味。
某女神「J・栗・茄子。お前はどれがいいと思う?」
・カニ歩き
FPSにおける基本動作。正面を見ながら左右に動くことを指す。
・ヒューマンシールド
TPSにありがちな、敵や人質を盾にする行為。片手で盾役を捕まえておく必要があるので片手でしか武器が扱えない事がほとんどである。
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