私が霧島です   作:アサルトゲーマー

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鈴谷が出たので悪魔城TASを見ながら書いた。
今はユーキャンヒッミーしている。


4 これが金剛型魂だ!

 金剛が謎のプッツンをした次の日。艦娘の全員に呼び出しが入った。

 その内容は鎮守府近海に侵入した敵を撃滅する作戦を立てるためである。

 

「それで、今回の敵情報がこれだ」

 

 霧島はその渡された資料を見て絶句した。敵勢力は空母ヲ級を旗艦とした15隻編成である。内容はヲ級1隻、重巡リ級2隻、軽巡ヘ級2隻。残りはイ級とロ級の駆逐艦10隻だ。それと同時に潜水艦の恐れありとも書いてある。

 提督は重い口を開いた。

 

「今回、敵戦力は強大だ。深海棲艦の射程に鎮守府が入らない内にこれを叩く必要がある。次は作戦について説明する。

 まず暁を旗艦に据えた響、雷、電は単横陣で敵航空機を撃ち落としつつ全力前進。これを暁艦隊とする。

 敵艦と接敵した場合はその場で転進し、妙高艦隊と合流しろ」

「司令官、撃ち漏らした場合はどーするの?」

「落ち着け雷、それは後続が対処する。次に主力艦隊、金剛を旗艦として比叡、榛名、霧島で編成する。他の敵は無視して敵空母を撃破しろ。可能なら巡洋艦にも対応してほしい。

 次に妙高艦隊。妙高を旗艦とした那智、足柄、羽黒、龍驤で艦隊を組む。偵察機を飛ばしながら警戒前進し、敵駆逐艦とぶつかった場合は確実に撃破しろ」

「おい提督、オレはどうすんだ?」

「天龍は夕張艦隊だ。夕張を旗艦とした天龍、龍田、島風、雪風で主に索敵を行う。潜水艦を見つけたら真っ先に知らせろ、そして撃破だ。質問は?」

 

 提督が全員に視線を移す。その中で龍驤が手を上げた。

 

「龍驤」

「あのー、なんでウチ主力艦隊じゃないん?」

「それは主力艦隊は突撃(ブッコミ)を掛けるからだ。龍驤には荷が重いと判断した」

「ああーなるほど」

 

 突撃を掛けるとなると装甲の薄い龍驤はやられる可能性が高くなる。その点金剛型ならば駆逐艦相手にある程度ごり押しが利くので適任と言えた。

 次に手を上げたのは暁だった。

 

「暁」

「司令官、敵艦と接敵した場合に転進と言って言ってたけど、具体的にそれはどのくらいの距離なの?」

「相手の最大射程からギリギリ離れた位だ。敵駆逐艦は妙高に任せて防空と索敵に専念しろ」

「はーい」

 

 暁は素直に頷いた。次に金剛が手を上げる。

 

「金剛」

「テートク、別にワタシ達がみーんなデストロイしちゃっても、いいんデスよね?」

 

 その一言で、作戦室は静まり返った。

 提督は思った。金剛はまともだと考えてたのに…と。

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 私たち主力艦隊が出撃して半日。

 

「あーっはっはっは!!ユーキャンヒッミー!そんな攻撃当たんないネー!」

 

 金剛さんが切れていた。私と霧島のどちらの記憶にも存在しないぶちギレ金剛は、世のレイブンもビックリな動きで砲撃をかわしながら敵駆逐艦を沈めていく危険な存在になっていた。

 こいつ本当に金剛か?加速したあとドリフトターンみたいな動きしやがったぞ。

 

「うーん、気持ちいいネー!なんだか清々しい気分デース!」

 

 新しいパンツを履いた正月元旦の朝のようになってる金剛さんを見て私は内心ドン引き。しかし比叡と榛名はキラキラした目で金剛を見ていた。

 

「お姉さま…素敵」

「金剛お姉さま、流石です」

 

 この姉妹どっかおかしいんじゃないか?と思いながら私はロ級をぶん殴って沈める。ふと駆逐艦なんて殴るもんじゃなかったなと考えてちょっと落ち込んだ。所詮姉妹、私もこの変態共と同類なのだ…。

 益体のない思考をしながら前を向いてると金剛が叫んだ。

 

「敵主力コンタークト!キリシマとヒエイはリ級の対処、ハルナはワタシのフォローをお願いしますネー!」

「榛名!全力で補助します!」

 

 そう言ってヲ級に突っ込んでいく金剛。榛名は対空攻撃をしながら確実に金剛の後ろについて行っていた。榛名も大概の変態かもしれない…。

 比叡と私はアイコンタクトを取って散開した。これは旗艦さえ違えどいつかの突撃陣形。今回は金剛姉妹がそろった完全体であった。

 私はリ級に砲撃を加えながら変則的な機動を行う。この動きは比叡でさえとらえることは難しいのだ。ノーマルリ級なんぞの攻撃など当たるはずも無かった。むしろ当たったら比叡に申し訳が立たない。

 接近に成功した私は挨拶変わりに連装砲腹パンをぶち込む。そのまま砲撃してぶっ飛ばすとリ級はそのまま沈んでいった。

 

 うっわー。絶対立ち上がってくると思ったのに…ガッツの無い奴である。これなら天龍の方が100倍は強かったぞ。

 沈んだリ級を尻目に比叡が行った方を見てみると、そっちでは浮かぼうともがくリ級の頭を踏ん付けて沈めていた比叡の姿があった。流石兄弟分比叡ネキ、やることが違う。

 そんな比叡のほうに白い線が伸びて行っていた。水面にあるそれはジョーズとかでみたアレそのものだ。

 魚影か?ま、んなわけねーわな!

 

「比叡!雷跡がそっちに!」

「え…ッ!あぶなっ!」

 

 比叡がリ級から離れた直後に大爆発が起こった。リ級、お前のことはきっと忘れないぜ…。

 サッと周りを見てみるがヲ級と金剛、榛名ぐらいしか見えるものはない。

 急いで比叡の後ろに移動し、お互いに背中を合わせる。バック・トゥ・バック、これは私の方の記憶にある「相棒と危機を共有する」という憧れのシチュエーションだ。今は雷跡のようなものは見えない。再装填中&注水中なのかも。

 

「潜水艦がいるみたいだね」

「ええ、夕張さんに連絡を入れておきます」

 

 すかさず対潜裏番ゆうばりんに敵情報を送る。対潜装備ガン積みだって提督が言っていたから、ささっとヲ級をぶっ飛ばして始末は夕張艦隊に任せた方がよさそうだ。戦艦に対潜能力なんてないし。

 それが分かっているのか比叡も私を見て頷いた。そしてほぼ同時にヲ級に向けて全速移動を開始する。

 

「霧島ちゃん、あの作戦で行こう!」

「あれですか。では比叡はどちらの役を?」

「今回の美味しいところは霧島ちゃんに譲ってあげる!」

「なるほど、では暴れさせていただきます」

 

 あの作戦とは片方を踏み台にして空を飛んで敵をぶっ潰すという、艦娘ならではの作戦であった。

 比叡が先行し、指を組んだ状態でこちらに向き直る。その手に遠慮なく足を乗っけて、思い切りステップジャンプを行った。比叡が腕を跳ね上げたのでものすごい勢いで上昇する。

 ヲ級近くは航空機だらけなのでこのまま接近するのはいろいろと危ない。なので…

 

「斉射開始ッ!」

 

 15.2cm単装砲と7.7mm機銃をぶっぱなしながらヲ級に向けて落ちていく。特に機銃は面白いように航空機に当たって、線香花火のように燃えて落ちて行った。

 内心マックス・ペイン先生を思い出しながらヲ級の目の前に着水すると、当然凄い水飛沫が上がる。

 

「ヲ…!?」

 

 派手な水煙の中でもヲ級の驚いている姿ははっきり確認できる。フフフ、怖いか?

 とにかく隙だらけだったので連装砲パンチをお見舞いする。まずはワンツー。次にデンプシーロール。それからラッシュを食らわせた後にスマッシュブロウを叩き込んだ。だがガッツは先ほどのリ級とは天と地ほどの差があったようで、吹き飛ばされながらもヲ級は耐え切る。

 その足は覚束ず、立ってるだけでもやっとといった感じだ。

 

「まだやりますか?」

「グヲォォッ!」

 

 敵ながらその根性は称賛に値する。しかもヲ級は反撃に殴り掛かってきた。砲戦能力もないのによくやる。

 だが敵にやる情けなんぞ持ち合わせてはいないので、天龍の時のようなあの舐めるような流す動きで攻撃をかわし、よろめいたヲ級に連装砲アッパーを決めた。

 

「ヘイ、キリシマ!」

 

 その時に私を呼びかける声が響く。空高く打ち上げられたヲ級を意識しながら後方を見ると、全砲門を空に向けている金剛が居た。

 

「後はワタシに任せるデース!」

 

 そして鼓膜が破れそうになるほどの轟音が響いた。一斉砲撃された砲弾はヲ級に吸い込まれるように命中していき、ほんの少しだけ気の毒な気分になる。隣の榛名がキラキラした目で金剛の雄姿を見ているがこんなキャラだったっけ?

 爆炎が晴れた頃、そこにはヒイロみたいにうつ伏せでぷかぷか浮いているヲ級の姿があった。原型とどめてるとは思わなかった。

 

「ンフフー。ハウドゥーユーライクミーナーゥ?(私のコト、気に入ってもらえマシタかー?)

 

 そして金剛さんの決め台詞。こいつ大統領かなんか乗り移ってんじゃねえの?

 …おや?金剛の方に白い筋が伸びていってる。

 

 あ、潜水艦の事忘れてた!金剛逃げてー!

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 作戦終了後、デブリーフィングでの報告に提督は開いた口が塞がらなかった。

 それもそのはず、主力艦隊である金剛型が敵旗艦を含む12隻を撃破したのだ。しかも被害は霧島の連装砲に入ったちょっぴりのひっかき傷のみ。

 ドヤ顔をしながら踏ん反り帰る金剛と報告書を交互に見る。それは夢や幻ではなく、間違いなくそこにあった。

 

「…これ、マジ?」

「マジですよ、提督」

 

 隣に控えた任務娘…|大淀がため息を吐きながら頷いた。

 提督が視線を滑らせると不満顔をした天龍が居た。彼女が所属していた夕張艦隊の項目を見てみると潜水艦を5隻も沈めたらしい。

 

「天龍は何が不満なんだ」

「オレだって最前線に行ってればもっと活躍できたのによぉ…」

 

 5隻も沈めて不満だったらしい。

 残りは妙高艦隊と暁艦隊がやっつけてしまったようで、締めて敵艦20隻と敵航空機54機。これだけの数を相手取りながら沈没艦ゼロ、被害もひっかき傷と艦載機3機と極めて軽微。

 別に艦娘に被害を受けてもらいたい訳ではないが、こんな報告書を上に提出すればなんて言われることやら…。

 逃げ出したくなった提督はふかーいため息を吐いて、話を変えた。

 

「ところで、例の彼女は?」

「彼女でしたら、ドックでうなされていますよ」

 

 話で出てきた彼女とは、隼鷹の事だ。戦後処理をしていた雷がヲ級が沈んだあたりを哨戒している時に見つけたらしい。

 どうやら悪夢にうなされているようで、しきりに「連装砲こわい」だの「望みが絶たれた」だのと寝言を漏らしていた。

 連装砲パンチャーといえば霧島しかいないのでどうせ霧島がらみだろと思考停止した提督は再び艦娘達を順番に見ていく。その顔は天龍を除き、一概に満足そうだった。

 

「みんな、よくやってくれた。今回の作戦は君たちのおかげで被害も極めて軽微で、私の財布にも優しい勝利となった」

 

 艦娘たちからドッと笑いが沸き起こる。

 

「無事に帰ってきてくれてありがとう。ご褒美として交代での二日間の休養を用意してある。しかも外出許可付きだ。あとで食堂にスケジュールを貼り付けておくから見ておくように」

 

 そう言って提督は敬礼を艦娘に送り、艦娘もその敬礼に応じた。

 

「ではこれにて解散」

 

 その言葉でデブリーフィングは終了し、艦娘達はぞろぞろと作戦室を後にする。

 

「休日デスかー。楽しみデース!」

 

 金剛の楽しそうな声を最後に響かせ、作戦室に静寂が訪れた。

 

「…上になんて報告しよう」

「…架空の被害報告なんて如何ですか?」

「「…はぁーっ」」

 

 その中で二人の苦労人はまたまたふかーいため息を吐いた。




・ぶちギレ金剛
早い話クソゲ。重機を使った格ゲーなのだがバランスが悪く、操作性と敵AIがうんこ。そして目玉である必殺技も凄く地味。ワゴンの常連となり定価で買った人もぶちギレ。
「建設重機で戦う能力が一体何の役に立つってんだ!」という主人公の台詞もごもっともである。

・バック・トゥ・バック
アーミオブツーに登場するシステム。その名の通り相棒と背中合わせになりお互いの視界を補い合いながら戦う。ただしCO-OPプレイでヘボっちょろい人とやると自分一人で全部対処するハメになる。
命を預けられる仲間はいるか。俺たちの最強の武器は絆だ!!(大嘘)

・マックスペイン
ゲームタイトルでありながら主人公の名前。豪雪の一夜のうちに三百人以上を射殺した男の復讐劇が回想によって語られる。
シュートドッジやバレットタイムといった「神経が研ぎ澄まされて周りがスローに見える」独特の表現が大ヒットし、他の作品に多大な影響を与えたTPSのレジェンド。

・ハウドゥーユーライクミーナーゥ?(How do you like me now?)
至上最強の大統領が破壊の限りを尽くすメタルウルフカオスという作品で、マイケル大統領がバースト(必殺技っぽい?)を行った時に発する決め台詞。直訳すると「私の事を好きになってもらえたかな?」
これはアメリカのスラングで「パーティはお開きです」ということであり、ひねくれた解釈をすると「さっさと退場しろボケ」という意味になる。
イギリスからやってきた金剛型一番艦とはいったい何だったのか。

・望みが絶たれた
フォールアウト3で登場するタロン社の傭兵が死にそうになると発する台詞。お察しなローカライズ故か変なセリフが多く、特に顕著なのがこれ。
きっと彼は「(俺は)もうおしまいだ!」と言いたかったのだろう。
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