私が霧島です   作:アサルトゲーマー

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よこすか鎮守府でよこ鎮なんだからポコなんとか鎮守府だったらポコ鎮になるんじゃね?とか考えながら書いた。
今はむしゃくしゃしている。

※おしらせ
よーす!1~5話の誤字と二重表現を修正して加筆するぜー!
→3日掛かる&約1000文字増加。お前…増えるのか…?


6 比叡は持ったな!行くぞォ!

 鎮守府には艦娘の為にさまざまな施設がある。

 それは体力をつけるためのジムであったり、疲れを癒すための大浴場だったり、体を動かすための運動スペースだったり。

 ざあざあと雨が降る中。屋根つきの運動スペースに、艤装を付けずに二人の姉妹が向き合っていた。

 一人は比叡。外に跳ねた茶髪が活発そうな印象を与える。彼女は急所を晒さぬよう半身になって顎を引いていた。

 もう一人は霧島。大人しそうな印象を与えるサラサラの黒髪と眼鏡とは裏腹に、瞳は闘志に燃えている。彼女はステップを踏みながら拳を握り、顔の前に揃えていた。

 おまけで榛名。長い黒髪は清楚な印象を与え、その手に持った『ある物』は残念な印象を与える。彼女は二人の戦いを息を呑みながらじっと観ていた。

 

「霧島ちゃん!今日は絶対にこれを着てもらうんだからねっ!」

 

 比叡がそう宣言する。榛名が『ある物』を持つ手に無意識に力が入る。それを見た霧島が全力で拒否した。

 

「絶対に嫌です!」

 

 榛名が持つ『ある物』。それは超ミニスカのメイド服であった。

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 どうしてこうなった。

 今の私の気持ちを要約するとこの一言に尽きる。

 

 事の始まりはそう。昨日買った本を読んで試してみたくなり比叡に手合せを頼んだことであった。

 何か賭けないと張り合いがないよねーなんて抜かすから何が出てくるのかと思えば、負けたほうが超ミニのメイド服を着て一日を過ごすというものだ。

 あんなハレンチーナなもん着れるかっての!どうせなら榛名に着せよーぜ!

 ま、そんな提案に榛名が頷く訳もなく(ちょっと顔を赤くしたのが可愛かった)、何でもアリ一本勝負と相成ったわけだ。

 

 …なんで?

 

「さあ、どっからでもかかってきてよ!」

 

 そんな私の困惑をよそに、比叡はケンシロウみたいなポーズでこちらの動きを警戒している。秘孔とかついてこないよな…?

 軽くステップを踏みながらボクシングスタイルで比叡に近づき、牽制の意味合いを込めて間合いに入る寸前の位置で右ストレートを繰り出した。

 が、比叡は眉ひとつ動かさず、その上私の手を絡め取って素早く一本背負いを掛けてきた。比叡の口角が上がっている。

 甘いな比叡、その程度で投げられる私ではないわ!すかさず膝で比叡を蹴って抵抗し、力任せの荒業で右腕を内側に寄せて絞めに入る。

 だがそこはやっぱり比叡。スルリと下に抜けて離れられた。比叡は一瞬の隙を見せることもなく立ち上がり、間合いはふりだしに戻ってしまった。

 

「あーあ、おしかったなぁ。綺麗に一本決まると思ったのに」

「簡単に決まってくれるのは初心者くらいですよ、比叡」

 

 一呼吸置いて跳躍、接近し、鳩尾を狙った左のストマックブロウを打ち込む。だか上手くいなされて体制を崩してしまった。

 

「そこっ!」

 

 比叡の右リバーブロウが唸る。それは寸分狂わず肝臓を打ち抜いた。

 すげえ痛い!だがそのガードが崩れる瞬間を待っていたぜ比叡!

 

「せいやぁっ!」

「んな…!?」

 

 流された体の動きをそのまま回転に変えて右後ろ廻し蹴りを繰り出す。その蹴撃はリバーブロウを巻き込みながら比叡の側頭部に命中し、大ダメージを与える事に成功した。

 回転の勢いは止まらない。地を這うような水面蹴りを放ち、比叡を転ばせる。

 仰向けに倒れた比叡に足刀を突き付け、尋ねた。

 

「まだやりますか?」

「ぐっ…ぐぬぬ~!」

 

 比叡はまだやる気のようだが、頭を揺さぶられたせいで体が思うように動かないらしい。ただ悔しそうな呻きを漏らすのみだった。

 一方私は絶賛やせ我慢中である。リバーブロウがすっごく効いてる。これで致命打を与えられてなかったら倒れてたのはきっと私だ。

 構えを解いて、手を差し出す。

 

「比叡、あなたの負けです」

「…悔しいけど、霧島ちゃんの勝ちだね」

 

 その手を比叡が取った。抱き合う私たち。お互いの肩をたたき合って健闘を称える。

 ああ美しきかな姉妹愛。お互いを認め合えるって素晴らしい。確認方法が殴り合いなんかじゃなかったら美談で終わってたんだろうけど。

 そんな比叡の背後から空気を読まない魔の手が伸びる。

 

「さあお姉さま!お着替えタイムですよ!」

「ひえっ!?霧島ちゃん助けてー!」

 

 立ち上がった比叡には第2ラウンドが待っていた。榛名がフンスフンスと鼻息を荒くしながら比叡を攫っていく。

 

「ガーターとショーツは黒でお願いします」

「霧島ちゃん何言ってんの!?」

 

 

 

 

 

 

 数分後、そこにはミニスカメイド姿の比叡の姿が!

 

「は、恥ずかしい…」

 

 メイド服はスカイブルーを基調としていて、それを白いエプロンが覆っている。メイド喫茶などで見かけるいわゆるフレンチメイドスタイルだ。

 短いスカートから伸びるスラッと引き締まった足をサイハイソックスが覆ってあり、それをガーターベルトが止めている。色はもちろん黒。

 スカートを必死で押さえる比叡かわいい。もじもじしてるのもグッド。私もうシスコンでいいや。

 榛名が「やりました!」とでも言いたげな顔をしている。そういえば昨日、榛名がコスプレ店みたいな服飾店に入って行ってたな…。

 

「流石です榛名姉さま」

「榛名、やりました!」

 

 うーん、榛名は裏表が無くてかわいい。今度金剛と相談してメイド服着せちゃろ。

 そんな事を考えながら比叡を連れて金剛姉妹ルームへと連れて行く。やっぱ化粧は大事だよね!

 よーし!今日は比叡で遊ぶぞー!

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 深海棲艦対策会議。

 字面通り、それは深海棲艦に対して対策を練るための会議だ。その会議はもはや今回で20回目に上り、いまだ有効的な対策を出せずにいる。

 艦娘を用いた防衛はその場凌ぎにしかならず、かといって爆撃でも行えるかと言えば電波妨害が激しい上、深海棲艦がどこから来ているかすら判明すらしていないので到底無理だ。

 そもそもの話、艦娘や深海棲艦についての情報もDMMという国際組織に統制されているのだ。その状態で対策を練れと言われても無理がある。

 そんな事情があるため平時は現状維持で落ち着く会議であったが、今回は事情が違った。

 まず一つ目は、あ号艦隊決戦にある。日下提督が指揮を執る金剛艦隊が敵主力を撃破してからというもの、その海域で散発的にあった深海棲艦の攻撃がぱったり止んだ事。

 もう一つは大量の深海棲艦が日下提督の指揮下にある横須賀鎮守府に深海棲艦が大挙して押し寄せてきた事であった。

 今回の議題はつまり、この二つの事件の関連性とその対策である。

 

「なぜ敵主力を倒したら深海棲艦が居なくなったのか?」

「深海棲艦も仇討ちをするのか?」

「そもそもの話、この二つは関連しているのか?」

 

 様々な疑問が噴き出るがそれに確固とした答えを返せる者はいない。一先ずこの話題は後回しとされ、もう一つの話題、深海棲艦が大挙して押し寄せてくる問題に移った。

 深海棲艦からは電磁パルスが放出されていて、目視以外の方法で補足するには衛星が必要だ。だが、いくら観測が難しくても法則性はある。

 というのも深海棲艦は主力を中心に円形に広がる性質を持ち、即ち中心には必ず主力が居る。早い話、敵が居る方に進んでいけばそのうち敵主力とぶつかる。

 深海棲艦問題の解決方法は日下提督が敵主力撃沈という形で立証してくれた。要するに、敵に向けて前進し続ければいいのだ。

 こんな狂った計画に誰が乗るものか。そんなことは前線にでない彼らには関係の無い事だった。彼らは国民の為に兵士に死ねと命じるのが仕事なのである。

 

「深海棲艦がいつまでも押し寄せてくるようではジリ貧だろう」

「早めに対処しなければ」

「ならば優秀な者にやらせてみてはどうか」

 

「そうだ、日下提督がいい」

 

「日下に任せてみよう」

「その意見に賛成だ」

「彼ならうまくやってくれるだろう」

「他の鎮守府から助っ人を要請してはどうか」

「それがいい」

「ちくま大明神」

「決まりだな」

「誰だ今の」

 

 こうして日下提督のまったくあずかり知らぬ場所で、彼ら横須賀鎮守府の面々の命運は決定づけられた。

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 本日二回目のどうしてこうなった。

 今の私の気持ちを要約するとこの一言に尽きる。

 

 私は今、赤縁メガネ&パンツスーツという出で立ちで佇んでいた。

 それは私が口を滑らしたからではあるがだからといって、

 

「霧島もオシャレしましょう!」

「そうですね。比叡にだけこんな恰好をさせるのもアレですし」

 

 こんなやり取りで誰がキャリアウーマンっぽい格好にさせられると思うのか。

 

「榛名、やりましたっ!」

「んふふ、似合ってるよ霧島ちゃん」

 

 そして目をキラキラさせながらガッツポーズをする榛名と、メイド服に慣れたのかいつも通りに戻った比叡。口に手を当ててウッシッシと笑うポーズが妙に様になっている。

 そういえばさっき榛名のコレクションを拝見したが、結構ヤバい。ファイナル物語とかで出てきそうな変態服から米軍アーマーベスト(実物)まで何でもある。やはり腐っても金剛型、変態の血は健在か…。

 先ほどは危うくベヨネッタみたいな痴女にされそうになったが、なんとか今の格好に落ち着いた。あの時の榛名の目が怖かった。姉妹を怖いと思ったのは多分初めてだ。

 くっそ、比叡がさっきからこっちみてニヤニヤしやがる。こうなったらアレだ。

 

「比叡、おめかしも終わりましたし提督にお披露目と行きませんか?」

「ななななな!?」

 

 ぬふふ、比叡の格好はミニスカメイド。対して私はパンツスーツ。どちらのダメージが大きいかなど火を煮るより明らか。榛名もなんか乗り気っぽいし早速提督の部屋に突撃だ!それにこんな可愛い比叡を二人占めするなんてもったいない!

 榛名とともに比叡をわっしょいしながら執務室に直行。この時間にはどうせオッサン一人しかいないんだ、突撃ぃー!

 

「「わっしょい!!」」

「なんだぁ!?」

 

 ドアを勢いよく開き、提督の前にメイド比叡を設置した。

 この比叡を見てオッサン二人は驚いた顔をしている。そうだろうそうだろう、なんたって比叡は可愛い…えっ。二人?

 もう一度提督の方を見る。そこにはおなじみのヒゲ男と重要書類っぽいファイルを持ったパリッとスーツの見慣れないナイスミドルがいる。

 

 見慣れないナイスミドルがいる。

 

 これはお客様ですね。お騒がせしました。

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 比叡を丸太のごとく抱えて運ぶ霧島と榛名の後姿を見ながら二人の男はポカンとその退室を見送る。

 深海棲艦対策本部からやってきた使いの男は大変困惑していた。

 艦娘について一応は聞かされているものの、その破天荒な行動は想像の範疇には無い。

 

「あ…あいつら…」

 

 日下提督は頭を押さえてどう言い訳しようかと悩む。そして彼が弁解をしようと口を開きかけた時、使いの男がつぶやいた。

 

「さっきのメイドの娘…可愛かったな」

 

 こいつも変人か。近頃になって胃痛を感じ始めた提督のストレスは暴走列車のごとく止まることを知らない。

 提督は弾丸のごとく加速するストレスを幻視しながら、使いの男の持つファイルを覗き見た。

 書かれていたのは「深海棲艦艦隊殴り込み作戦」 。

 また胃薬が増えるかな。提督は心の中で独り、涙を流した。




・ベヨネッタ
痴女が天使をボコボコにするゲーム。随所にGODHANDのネタが見え隠れしてたりおバカなノリを受け継いでいたりとゴッド好きには嬉しいゲーム。
主人公が身に受けている服っぽいものは実は髪の毛なので身に着けているのは実質メガネ一つ。メガネは下着にもなるほど万能なのだ。
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