私が霧島です   作:アサルトゲーマー

8 / 10
トイレの通気口にモーションセンサーを仕掛けるやつは皆爆ぜればいいとか思いながら書いた。
今はゲッダン見ている。


8 来いよ夕張、黄金銃なんか捨ててかかって来い!

 本日三回目のどうしてこうなった。

 今の私の気持ちを要約するとこの一言に尽きる。

 

「じゃーん!これで私もカウガールっぽい!」

 

 というのもなぜか金剛姉妹ルームに比叡、榛名、夕立、初雪がいてコスプレ大会実施中だからである。私が気絶してる間に一体なにがあったんだ。まあ多分服が濡れてたから着替えついでにコスプレでも始めたんだろうけど…。

 私を気絶させた下手人もなんだかんだ楽しんでるし。ってかガンベルトとピースメーカーどこから出て来たんですかね榛名さん?しかもそれじゃあカウガールじゃなくてガンウーマンじゃないか。

 隣を見てみればコンシャツと米軍アーマーベストを着込んだ初雪が得意げな顔をしている。そうか、こいつはミリオタ…。

 

「初雪さん」

「…なに?」

「ミリタリー系がお好きなのですか?」

「ん、だいすき。…霧島も?」

 

 にっこり笑って首肯。そしてぐっと握手。二人の間に絆のようなものが生まれた気がした。ヒエーズは夕立のおめかしに忙しいようなので私は初雪と一緒にあれこれ着替えることに。

 榛名タンスを漁るとヤバいものが出るわ出るわ。拳銃は当たり前として只やチェーンガン(フルパック)、あげくの果てにはホロホロホーな火炎放射器(フレイムスロウワー)まで。この調子だとスパイの首も入ってそうだな。

 別の段を見てみると普通の服も入っていた。カーゴパンツとかが混ざっているのが気にかかるが榛名にも普通の感性は残ってたんだね!

 とりあえず初雪の重そうなアーマーベストを剥ぐ。てか5キロ以上はありそうで普通に重い。これ中にセラミックプレート入れてんじゃね?

 初雪は不満げな顔をしているが小柄な子にアーマーは似合いません!なのでチェストリグをプレゼント。ついでに薄茶のカーゴパンツとサングラスで見事な油谷さんスタイルに。

 …自分でやっといてなんだが、壊滅的に似合ってないな。やり直そう。

 カーゴパンツを残した初雪の衣装を剥いで暗い色のシャツとツバ付きキャップを装着。右足にレッグホルスターを付けて米国風非番警官!これでどうだ!

 

「おお…これ、いい」

 

 うんうん、初雪も気に入ってくれたようだ。目を輝かせながらホルスターに入れる銃を探している。

 ふう、と一息ついて振り返ってみる。そこにはニヨニヨ顔の比叡とニコニコ顔の榛名が。

 

「んっふふー。霧島ちゃん初雪ちゃんと仲良くなったんだねー」

「榛名、感激です!」

 

 着せ替えシーンをバッチリ見られていたようだ。後ろの夕立もぴょんこぴょんこ跳ねながら喜んでいるっぽい。くぅ、微妙に恥ずかしいぞ。

 …ん?今気づいたが榛名だけいつもの格好じゃあないか。これはいかんな。比叡と夕立もそれに気付いたのか私に目くばせする。ふふ、分かってるぞマイシスターとマイフレンド。

 すいっと視線だけを動かして良さげなアイテムを探す。…ふむ、そういえば小道具箱にカウボーイ用の縄があったな。それをさりげなく拾って夕立に渡す。

 

「カウガールでしたらそれが必要でしょう」

「霧島、ありがとっ!」

「いえいえ」

 

 そして比叡にアイコンタクト。それに気が付いた榛名は素早く振り向いたが時すでに時間切れ。比叡の膝かっくんが華麗に決まり、夕立の一閃により縄でぐるぐる巻きにされてしまった。そして私はおもむろに扉を施錠。

 

「えっ!?な、なんですか!?」

 

 そりゃあ分かり切ってることでしょう。

 

「今から始まるのは榛名お姉さまのコスプレ大会です」

「榛名ちゃん、覚悟してね?」

「素敵なパーティ、開幕っぽい!」

 

 夕立ちゃん、カーニバルのポーズは止めなさい。

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 夕張はオタクである。

 そしてこの鎮守府においてオタクであることをバレることに恐れ、そのため若干浮いた存在になっていた。

 そんな折に配属されたのが島風。彼女は自慢の速力で他人を見下すことが多く、これまた鎮守府で浮いていた。

 姉妹艦も居ない、仲のいい艦娘も居ない。そんな夕張はそんな共通点を持つ島風と仲良くしようと考えた。そしてその方法とは、ビデオゲームである。

 最初のうちはつまらなさそうにしていた島風であったが今ではドップリとその魅力に浸かり、度々夕張とゲームをするようになった。

 さらに彼女は夕張と遊ぶようになってからは性格が丸くなり、他人を見下す態度を改めるようになる。

 それからは駆逐艦に友達も増え、そのうち夕張も呼んで一緒に遊ぶようになった。

 今日、夕張の部屋に居るのは部屋主の夕張と島風、雪風、響。しているゲームは64ビットマシンのほうのゴールデンアイ。

 事が起きたのは響が夕張にロケットランチャーを撃ち込んだ時だった。

 

「もうっ!うるさーい!」

 

 島風はイラついていた。その原因はお姉さん的な存在である夕張との憩いのゲームタイムを邪魔してくる超ド級戦艦という存在である。

 部屋が隣にあるせいでドスンバタンと暴れる音が響いてくるのだ。たまに梁がミシリと軋んだりと、その暴れっぷりは普段の比ではない。

 そしてその騒音に堪忍袋の尾が切れた島風が怒りを露わにしたわけだ。

 それを見た夕張が一旦スタートボタンを押してポーズを掛ける。

 

「ちょ、ちょっと落ち着いて…」

「文句言いに言ってくる!」

 

 夕張が止める暇もなく、島風は部屋から飛び出していった。残された夕張と雪風と響が顔を見合わせる。

 

「えっと、どうしましょう?」

「うーん、やっぱついて行った方がいいと思うなぁ」

「同感だね」

 

 といったわけで、結局みんなで金剛姉妹の部屋まで行くことになった。

 

 そして一足先に着いた島風は自慢の馬力で金剛姉妹の部屋のドアを蹴飛ばす。鍵のかかっていたはずのそれは蝶番とドアノブの大破という形でぶっ飛び、部屋の中に転がった。

 まず最初に見えたのが半裸の榛名。次に縄を持ったカウガール夕立。さらに可愛らしいショーツを持つミニスカメイド比叡。最後に甲冑を抱えたキャリアウーマン霧島だった。

 おまけの初雪はベッドに腰掛け足を揺らしている。

 

「なにやってんの?」

 

 それは怒り心頭だった島風を一瞬で困惑させるほどの混沌とした光景であった。

 そして後からやってきた夕張と雪風はポカン。響は呆れたように言葉を投げかけた。

 

「…君たちもオタクかい?」

 

 夕張は「えっバレてたの!?」という視線を響に向けた。

 

 

 

 

「くっ…やるじゃない」

「ホントはこういうの結構得意だし…!」

 

 なんやかんやあって夕張と初雪は和解した。今は夕張の部屋で、しているゲームはもちろんゴールデンアイ。一撃必殺モードなのでカバーが命である。

 ちなみに響と霧島もなんやかんやあって一緒にやっている。響の愛用武器はエンピツ銃、霧島はスコーピオンであった。

 霧島のスコーピオンが火を噴き響をキルする。

 

「くっ…なんだいその連射力は」

「ふふふ、Zボタンを連打すればスコーピオンの連射力は上がるんですよ」

「なるほどね」

 

 さてそんな傍ら、榛名は未だにコスプレをさせられている。それに島風や雪風も便乗し、部屋は大変混沌としていた。

 島風によってクーガー兄貴にさせられたり雪風によってう詐欺にされたりで、てんやわんやである。

 

 横須賀鎮守府は今日も平和だった。

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

「ああ、楽しかった」

 

 眼鏡を置き、私は一日を振り返ってベッドの中で呟いた。

 結局榛名のコスプレはふとももの眩しいバニーさんとなり、一日そのままの格好で過ごしてもらった。途中で出会った足柄が凄くくやしそうな顔で榛名を見ていたのが印象的だった。もじもじする榛名も大変眼福であった。

 夕張も一緒になってゲームしたし、初雪とも仲良くなった。今日はいい夢見れそうだ。

 

 

 

 で、フラグを立てたら悪夢を見るのは必然ですよね。今の私は上空数千メートルから絶賛落下中であります。パラシュートなしで。

 …これ夕張の部屋でやったパイロットウイングスの夢だよね!!怖えええええええ!!

 

 

 

「はっ!」

 

 私は海面に叩きつけられる瞬間に目覚めた。嫌な汗をじっとりかいている。起き上がってみるとそこは床の上。なんだ、ベッドから落ちたからこんな変な夢見たのか…。

 ベッドの上を見ると金剛、榛名、比叡がすやすやと寝ている。ベッドがでかいとは思ってたけどこうしてみると適正サイズだな。

 ああ、そういえば今日からお仕事かー。榛名も一緒にお仕事だから起こさなきゃ。

 私の隣で寝ていた榛名をチラリと見てみると足がベッドの外に伸びている。蹴落としたのはお前かこんにゃろ。ほっぺたつねってやる。

 




・只
クレイモア兄貴。大体のゲームで只扱いされているがCOD4が発売されたあたりから呼ばれ出した。
ちなみに只を設置しまくる事を田植えという。

・ホロホロホー
チームフォートレス2で登場するパイロのセリフ。ガスマスクを被っているため何言ってもこう聞こえる。

・油谷さん
COD4以降に登場する民兵の愛称。敵を倒すとアブラタニサーンと叫ぶところから命名された。ちなみに台詞は2パターンある。
1「アブゥ↓ラタニ→サン」2「アブラ↑タニ→サーン↑!」

・ゴールデンアイ(64)
言わずと知れた名作。ゴールデンアイの名を冠するゲームは実は「64版ゴールデンアイ」「wii版ゴールデンアイ」「ゴールデンアイ・ダークエージェント(PS2・GC)」の四つある。混乱してはいけない。
ネタには事欠かないゲームではあるが、エンピツ銃は大体の人は分かるくらい有名。英語圏ではペンシルガンとか言われている。グローバルでエンピツ認定。

・君もオタクかい?
メタルギアで登場するハル・エメリッヒ博士(オタコン)が残した至言。おもな使い道は無い。
ちなみにスネークはオタクではないが、オタク並に銃について造詣が深い。

・パイロットウイングス
SFCのパワーを全力で活かした3Dフライトシミュレーター。フライトシミュレーターのくせに鳥人間コンテストできたりヘリで対地攻撃できたりと突っ込みどころ満載。
パラシュート降下ステージでパラシュートを開かないまま落下すると漫画のような大穴が開く。そして教官に叱られるだけで済む。







金剛姉妹はでかいベッドで雑魚寝とかしてると妄想が捗る。
あとこの回に伏線が2個くらいちら見えしてるから探してフロム脳で妄想してみてね!
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