うちの閻魔様がいちばん可愛い!!! 作:映姫様にペチペチされ隊
朝食後、身支度を整えて、地霊温泉のとある旅館に向かった。
さとりんが話を通していてくれたので、スムーズに部屋に入ると、早速温泉に向かった。
そして今、俺はロビーにて牛乳を飲んでみつつソファーに座っていた。
もともと俺はカラスの行水なので、小町と映姫様より圧倒的に早くあがって待機していたのだ。
え?なぜかって?
映姫様の湯上がり見れるじゃん。
映姫様の浴衣。映姫様の湯上がり。上気した肌。浴衣から除く艶かしい鎖骨とうなじ。ああ、素晴らしい。想像だけで酒三斗イケる。
「相変わらずのようですね」
さとりんがなぜここに?
「さとりんというのをやめなさい。ここは私が所有する旅館です。ゆ、友人が来たならもてなすべきでしょう。友人として!そう友人として!」
どんだけ友達に飢えてるんですか。目キラキラしすぎでしょう!可愛い生き物だなさとりんは。
「だからさとりんと言うのを。いえ、それはもういいです。それより、何を企んでいるの?」
何の話ですか?俺はただの映姫様大好き獄卒ですよ?映姫様可愛い。さとりんも可愛い。それでいいのさ。
「映姫様可愛いで私の脳内を圧迫しないでください。そのせいで本心だけがいつも見えません」
映姫様可愛いが私の本心ですが?配置薬のうさぎさんから妙な薬とか貰ってませんよ?
「絵に書いたような墓穴ですね。盛りましたか。でなければあの四季映姫が酔いつぶれる筈は有りませんからね」
あ、しまった。
「正直に話しなさい」
しゃーないか。これからのことは他言無用でお願いします。
え?内容次第ですか?
「まあなんと言うか。映姫様ってこうでもしなきゃ休まないでしょ?」
その為に映姫様の酒に一服盛った訳でして。俺もあんなに効くなんて思ってもいなかったんですよ。さすが蓬莱の薬。
あ、はい詳しく話します。
ここ数週間、彼岸は忙しくてですね。急遽即席の裁判所作って休みなく裁いていたんですよ。俺達獄卒も休日返上で責めまくって、昨日ようやく一段落着いたんですが。映姫様、本当は今日も朝から説教して回るつもりだったみたいで、前々から小町と相談してなんとか休ませたいって思ってたんで、酒に誘って潰して、介抱して、その恩を盾に温泉に連れていくって寸法だったんですよ。
ああ、もちろん普通に誘って映姫様が来るとは思えなかったんで、小町と飲みに幾度に変な問題起こして説教受けて、監視しなければって思わせてって下準備を少々。
騙すの心苦しかったですけど、それでも、俺の心労より映姫様の健康が一番大事なんで。
そこまで聞いてさとりんはため息を吐いた。
「まったく、そういうことのようですよ」
突然さとりんが俺の背後に向かって言う。
ギギギ、と音をたてるように振り向くと、あちゃーと言いたげな小町と悔悟の棒を持った浴衣姿の映姫様がいた。湯上がりである。湯上がりである赤みがかった肌と露になったうなじが素晴らしい。えっちぃ。あとなんかわなわなしている可愛い。エロ可愛いよ映姫様!
「この場面で平常運転とは、ある意味大物では?」
さとりん、誉めてるんだよね?それ
え?違うの?呆れてるの?
「やはり、そういうことでしたか」
映姫様?やはりって何?どう言うこと?
「映姫さんは貴方の企みに朝の段階で気づいていたんですよ」
気づいていた?あ、あの手紙。だからこうしてさとりんが来たのか。
「二人ともそこに座りなさい」
あ、はい。
小町と二人で正座する。
「ふぅ。初めに言っておきます。今回の件でお説教をするつもりはありません」
お説教が始まると覚悟した瞬間、そんな拍子抜けした言葉が投げ掛けられた。
「何を驚いているのですか?二人は私の事を想ってこうしたのでしょう?」
ええ、まあ。二人でコクコクと頷く。
「ならば、それはある意味で善行です。私自身最近は休息も取らずに働いていたので、知らない内に疲労がたまり、見えるほどだったのでしょう?」
映姫様は続ける。
「そのフォローを二人がした。今回の件はこう考えましょう。私はいい部下を持ちました」
映姫様が微笑む。可愛い。
「しかし、しかしです。薬を盛ってまで騙そうとしたことは別です」
え?今回の件でお説教はしないんじゃ?いや、俺はそれはそれでご褒美だけども。
「いやあの、その薬を盛ったのは俺の独断でして、小町は関与していないので、お説教は勘弁してやってください」
何気にここ数週間仕事しまくってた小町が死にかねない。
慌ててそう言うと映姫様はなぜか笑みを深くした。
「嘘では無いようですね。わかりました。小町、これからは騙そうとしないこと。私でも必要ならば休みますから」
小町のお説教はそれで終わったらしく先に部屋に戻っているようにと言われて解放されていった。
去り際にチラッと此方を見て済まなそうにしていたが気にするなとアイコンタクトを送っておいた。
「さて、薬を盛ったことについてのお説教ですが、今回は休まなかった私のせいでもありますから。二度としないこと。それから迷惑をかけた藤原妹紅さんにお詫びに行くこと。この二つを誓いますね?」
はい。勿論です。
そう言うと、映姫様は満足げに頷いた。
「ではそれで許しましょう。せっかくの温泉ですから、小町を呼び戻して堪能しましょうか。さとりさん、案内をお願いしても?」
「ええ、勿論です。友人ですから」
あ、さとりん。友逹に頼られて嬉しそうだ。ニヤニヤが抑えきれてないぞ!
あ、待って!スペカはやめて!
この後滅茶苦茶温泉堪能した。
帰りに皆で温泉饅頭持って妹紅さんの店を訪ねてちゃんと謝った。
この主人公の行動原理は何があっても映姫様です。必要があるなら仕事人的なこともしますが、映姫様がそれを好まないのでできるだけしないという設定です。
さとりんと映姫様の書き分けが難しい。