うちの閻魔様がいちばん可愛い!!! 作:映姫様にペチペチされ隊
温泉からしばらく、俺は普段通りに業務に勤しみ、何時ものように終業と共に報告書を提出しに行ったのだが。
「どうしましょうか」
映姫様がなにやら悩んでおられた。執務室の机について、対面に正座させている小町を冷たく睨めつけながらため息を吐いていた。
「小町、そこ代われ!大至急!何一人で羨ましいことしてんだよ。俺もあんな風に蔑まれたいよ!(何したんですか?小町は?)」
「本音と建前が逆になってますよ。まったく。温泉以来止まらなくなりましたね。そこに正座なさい」
あ、はい!悦んで!
俺が嬉々として正座すると映姫様が冷たく睨めつけてくれた。やったぜ!
「そう、貴方は少しオープン過ぎる」
念願のお説教が始まったが、映姫様の声に覇気がない。どうしたのだろうか?今は特に死者が多い訳では無さそうだが?
「いいですね?考えるのは止めませんが、それを表に出さないように気をつけなさい」
「御意に」
案の定、お説教はすぐに終わった。しかし、元気の無さが気になったので聞いてみると映姫様は暫し逡巡した後にポツリと話しだした。
あまりにも死者が来るのが遅すぎるため、小町を探しに出たところ三途の川の岸で居眠りをしていたらしい、何時もの事だ。
そこで声をかけたら小町が飛び起きた。同時に鎌が引っかかって映姫様のスカートぶわぁ!穿いていたパンツが三途の川に集まっていた死者全員にご開帳されてしまったと。
どうやらこういうことらしい。
「何色だったんですか!(それは凄まじいことに)」
「だから、本音と建前が逆です!あと、それ以上追求するのなら一生お説教しませんからね」
「すみませんでした!それだけは勘弁してください!」
「四季様扱い上手くなってるなぁ」
「小町?」
「あ、はい。すみません!」
小町?む?その瞬きの回数は……黒か!今度飯おごる。
え?映姫様のパンツ、白か黒しかないの?マジで!そこまで白黒はっきりしてんの!
「し、しかし、映姫様。起こったことはどうにもできませんし、今後の対応策を考えませんか?あと、その死者どもの所在教えて下さい。目を潰して記憶を消してきますんで」
「死者はほとんど極楽行きで既に出発しています。数名の地獄行きも既に刑が始まってますから、追うのは無理です。しかし、そうですね。再発防止に努めましょう」
「四季様どうしましょうかね?」
「小町は黙って正座していなさい。居眠りのお説教は終わってませんよ?」
「あ、はいすみません」
小町を黙らせて、映姫様が此方を見る。意見を求められてるのか?
「そうですね。そもそもスカートを穿かないと言うのはどうでしょう?短パン穿くとか。後は、スカートの中にスパッツ穿くとか」
「なるほど、捲れなくするか、捲れても問題ないようにすると言うことですか」
試しに着替えてみるとのことで執務室に隣接する私室に入っていった。
ややあって、映姫様が出てきた。スカートのままなので中にスパッツを穿いたのだろう。
「どうでしょう?」
「いや、どうと言われましても、見た目変わってませんからね?」
「そうですね。ではこうしましょう」
そう言って映姫様はおもむろにスカートを捲る。
はい?!あー!スパッツが見える!あ、ダメだこれはダメだ!刺激が強すぎる!と言うか見方によってはこっちの方がエロい気がする。
「ごは!」
「!!!」
鼻血を吹いて倒れる。慌てて映姫様が寄ってきた。
「映姫様、捲るのは勘弁してください。刺激が強すぎます」
「しかし、下着ではありませんよ?」
「スカートを捲るという行為が既にエッチです!」
「そ、そんなものですか」
「まったく、映姫様!軽々とスカートを捲らないでくださいよ!俺も男なんですよ!それに映姫様も可愛い女の子なんですから、そんなはしたないことをしないでくださいよ!」
「可愛い、ですか?えっと、あ、ありがとう、ございます。じゃなくて、貴方相手だからやったんですよ!誰彼構わずやりませんよ!」
お、おう。俺だから?特別?やったぜ!映姫様の特別だ!あ、ダメだ!これはまた!
「ごは!!」
「!!!」
再び鼻血を吹いて倒れる。映姫様が再び寄ってきた。
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です」
鬼でよかった。人ならもう貧血で倒れてる。このままだと鼻血で失血死とかいう笑えない結末が待っていそうだ。
「なんだこのバカップル」
小町が正座のまま吐き捨てる。ごめん。存在忘れてた。
「次はこれです!」
今度は短パンを穿いていたようだ。どうやら任官する時に制服と共に渡された短パンらしい。
深緑の短パンはいい感じに落ち着いたデザインで制服の上ともマッチしているのだが。
「なんで、レザーホットパンツなんですか?」
「わ、わかりません、十王様から渡されただけですから」
レザーホットパンツでなおかつピッチリデザインである。ヒールの付いた長いブーツとの間の領域から覗く白い御御足が輝いておられる。しかも動く度にお臍がチラチラ覗いている。正直一番エッチだ。この姿で裁かれるなら死ぬのも悪くない気がする。俺が死んだらこれで裁いてくれませんかねぇ?
「十王様って変態なんですか?」
「滅多なことを言わないように!と言いたいところですが、この格好を見るに否定できませんね」
映姫様が目をそらしつつ言う。絶対変態だと思います。いいものを見させていただきました。ホンマにありがとう。
「着替えてきます」
「あ、はい」
なんかもう疲れた。覗いてはいけない深淵を覗いた気がする。
まさか、閻魔の採用条件十王の好みとか、流石にないか。
映姫様が私室に消えると同時に小町が口を開いた。
「よく我慢できたね?あんたにしちゃすごいんじゃ?」
「いや、もうダメだ。小町、後は任せたぞ」
「はい?」
「ごはぁ!!!」
今日最大量の鼻血を噴出しつつ、俺は貧血によって意識を失った。
パンツの話しかしていない、だと?