独自設定、解釈入ります。
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バキゥッ!
「がはぁっ!」
「…どうした? もう、お仕舞いか?」
…それは、一方的だった。
バラキエルが最初に放った極大の雷光の槍は、あっさりと大国主に捌かれ、その後は赤い光…神氣に包まれた刃がバラキエルの体を斬り刻む。
「でぇい!」
カァッ…!
それでも力を振り絞り、バラキエルは至近距離から雷光撃を放つが、
「当たらなければ どうという事は無い!」
「……??!」
バキィッ!
「ぐぁわっ!」
それも簡単に躱され、逆にカウンターの一撃を食らってしまう。
「ぐぬ…」
「ほう…今の一撃を耐えるとはな…」
しかし それでも、バラキエルは立ち上がる。
≪≪≪
グリゴリと…特にバラキエルと【日本神話】とは、浅からぬ因縁が有った。
事の起こりは【日本神話】に属する五大宗家の1つ、姫島家の娘がバラキエルと恋に落ち、駆け落ちした事に始まる。
その事について天照大神は、「小さい小さい。そりゃ無理矢理に拉致ったりしたのだったら大問題だけど そういう訳じゃないし。当人が…朱璃ちゃんが幸せなら、もう それで構わないだろ? 自由恋愛万歳!」…と、自分の
しかし、それでも堕天使との駆け落ちを"恥"として収まらなかったのが姫島家。
10年近い捜索の末、漸く この2人の住処を突き止めた姫島家は、バラキエル不在の時を狙って襲撃。
結果的に その2人の間に出来た娘には逃げられ行方不明となってしまうが、駆け落ちしていた娘…姫島朱璃を亡き者としたのだった。
…しかし それは、新たな火種となる。
堕天使側からすれば、幹部の妻を殺害されたのだ。
そして【日本神話】からしても、如何に相手が
更にはアマテラスからすれば、自身が容認していたにも拘わらずの この襲撃は、己の考えを否定されたに等しく。
しかも当時、自らがグリゴリに向けて、「此方からは特に何も言う事は無い。でも朱璃ちゃん泣かしたら、その時は滅ぼすからね。」と宣言していた話。
自身の顔に泥を塗られたも同じな、この何の報告も連絡も相談も無しの勝手な行動を、看過する訳には往かなかった。
結果的に姫島家は、その襲撃を計画指示実行…関わった全ての者を、当時の姫島当主を除いて残酷に処刑され、賠償と共に その首をグリゴリに差し出された。
そして姫島家は五大宗家の中で…いや、【日本神話】の中でも最下に格され、発言力を失ってしまう。
そして その数年後には、次期当主だった者に正式に姫島を継がせた後、先代当主だった者を改めて処す事で、終わらせていたのだ。
…そしてバラキエルと姫島朱璃との間に生まれ、襲撃時に逃げた娘と云うのが、今はリアス・グレモリーの
≫≫≫
「き、貴様に朱乃は渡さん…!」
決して小さくないダメージを受けても、立ち上がるバラキエル。
只の挑発か本気だったか、戦闘開始時の大国主の『姫島朱乃を妾にする』の言葉を、少なくともバラキエルは本気と受け止めていた。
それは大国主の、伝承を含めた耳に入る数々の逸話故に仕方の無い事なのだが。
だからこそ、娘の為にと"雷光"の通り名で聖書に名を記す堕天使幹部は、父親として立ち上がる。
「面白い!ならば見せて貰おうか!
娘を思う父親の底力とやらを!」
▼▼▼
「流石は大国主様だぜ。」
「…でも、あの堕天使のオヂサマも、かーにゃーり、強いにゃ?」
「サト君が相手だったら、瞬殺されてます。」
「…まぁ、それは否定は しないさ。」
【日本神話】控え室で、この戦いを見て呟くサトルに、後ろから話し掛ける声。
「………………?」
とりあえずは受け応えしたが、その会話相手に、違和を感じたサトル。
「…………………………。
何故お前達が、
振り向いた先に居たのは、駒王町に居る筈の、白音と黒歌だった。
「決まってるにゃ。
サトルが何時迄も帰ってこないから、
「まだ、漸く終盤戦に入ったばかりと言うじゃないですか。」
「だから1度 高天原に行って、其処から冥界に転移出来る人に、タクシーを頼んだんだにゃ。」
「タクシー?」
改めて猫姉妹の後ろをよく見てみるると、
「「…………………………。」」
「…どうも。」
其処には逞しい体躯の黒髪の男と金髪をポニーテールに結った少女、そして金色の仮面を被った少年が。
サイラオーグ・バアルと その
「兄貴、ごめん。」
「転移魔法を使ったのはクイーシャだ。」
ぺこり…とりあえずサトルが頭を下げる。
「全く…折角のクリスマスの夜に、帰らないなんて、
何ですか? サト君もバトルマニアですか?
こーんな美少女と〇〇〇するよりも、
「はい、猫缶。」
「にゃー♪♡…って、私は み〇くちゃんじゃありませんよ!?」
「知らねっての…って、
そもそもクリスマスって、俺達
「大丈夫だにゃ!
1年に1日だけキリスト教徒に、」
「それと4年周期で急に目醒めた様に、サッカーファンやラグビーファンになるのが日本人です。」
「日本中の似非や にわかを敵に回す発言は止めろ。
それと、
そしてクリスマスに帰ってこないサトルに ぷんすかな猫姉妹に対して、【日本神話】的に それは間違っていると諭すサトル。
がばっ…!
「きゃっ?!」「ふにゃっ!?」
その時、そんな猫姉妹をいきなり背後から纏めて抱き寄せる人物が。
「黒歌ー、白音ー!
私の応援に来てくれたのね、お母さん、嬉しー!」
「ちょ…離すにゃ!」
「お、お母様?」
髪の毛を金と赤のハーフ&ハーフに染め、藤色の猫耳を生やした美女。
白音と黒歌の母親の藤舞だった。
≫≫≫
「あ…けの…」
シュゥ…
『勝負有り!
バラキエル選手、
…その後の戦闘も、バラキエルが奮起するが それでも大国主の優勢は変わらず。
大した波瀾も無しに、最後はバラキエルが武舞台から…最後迄 自分の娘の身を案じながら姿を消して逝った。
「大馬鹿野郎が…
堕天使如きが"神"に敵う訳が無いだろうが…」
「…それでもバラキエルからすりゃ、未だ終わってなかったんだよ。
察してやれ、アザゼル。」
「んな事ぁ解ってるんだよ!
しかし それでも、あのバカが大馬鹿野郎には変わらねぇ!!」
その様子を堕天使領から観ていたアザゼルが、悔し気に呟いた。
▼▼▼
「まさか…これ程とは…」
ロンドンに在る小さな美術館。
その地下室で、
「何故 悪魔は、これ程までの者達を弱小と認識していたのでしょうか…」
それに もう1人、長い銀髪の男が同調する。
「いや、寧ろ何故
そう言っているのは、赤と青が入り乱れた頭髪に、赤と青のオッドアイの中年男性。
メフィスト・フェレス。
最古参の悪魔の1人で、
…以前、【日本神話】からの遣いとして赴いた豊玉姫の、【日本神話】による冥界侵攻への不干渉要請の対価として、メフィストは とある転生悪魔と その家族・眷属の安全を申し出ていた。
その悪魔というのが、今 一緒にゲームを観戦しているリュディガー・ローゼンクロイツだ。
メフィストは
この辺りは悪魔と云うより、人間の組織を治める人間らしかった。
「古い悪魔は、もう お仕舞いだよ。
そして残った者達が貴族無しで どう立ち直るか…
それで本当に、冥界の…悪魔の未来が決まる。」
「メフィスト様は、手を添えないのですか?」
「年寄りは もう、出るべきでは無い…出ては駄目なのさ。」
…姫島朱乃と藤舞が戦っている場面を観ながら、彼等は冥界の未来を思い案じるのだった。
≫≫ ≫
「雷よォッ!!」
バチィッ!
巫女服姿の姫島朱乃が放つ雷撃を、名前と同じく藤色の着物を桃色の帯で締めた藤舞が、難無く躱す。
「何だいアンタ、私を舐めているのかい?
私を仕留めたいなら、そんなチャチい雷で無く"雷光"で来な、バラキエルの娘!」
「だ、黙れ! その名前を出すな!」
バチィイッ!
その呼び方は朱乃にとっては禁句だったのか、鬼気な表情で より強力な雷を放つが、やはり藤舞には当たらない。
「そんなに自分の父親が憎いのかい?」
「当たり前よ!あの男のせいで、母様は!」
「いや、それって悪いのは、寧ろ【
少なくとも父親を怨むのは、筋違いじゃないのかい?
アンタの母親も、それは望んじゃいないよ?」
「…! 黙れぇっ!!
貴女に私の…母様の何が、分かっていると言うのですか!?」
ドッゴォッ!
藤舞の問い掛けに、朱乃は益々ヒートアップ。
今度は掌から放つで無く、暗雲を喚んでの超強力な落雷で攻撃を仕掛けるが、これも藤舞は その軌道を読み、楽々と避けていく。
ん~…、「何が分かる」って、朱璃とは同じ
あのコが今のアンタと父親に、どんな想いをしているか、アンタの方こそ
藤舞は そう思いながら、妖氣と仙氣を練り始める。
ボゥッ…
そして大きさバスケットボール程の、7つ7色の氣弾を作り出すと、己の周りに旋回させた。
「??!」
それを見て警戒した朱乃に、藤舞が更に話し掛ける。
「アンタは1度、
大国主様との戦闘前、アンタの無事を願いにした、あの男の
「う、煩い! 私が あんな見え見えな御機嫌取りで簡単に靡く、子供だと思っているの?!
仮に あの男が勝ち、不戦勝となったとしても、私は その権利を跳ね退けていた!」
「……………………………………。」
この朱乃の言葉に、今まで笑みを溢していた藤舞の表情が変わった。
瞳は冷たい光を宿し、冷めた表情。
「そうかい、分かった。
子供子供だとは思っていたけど、此処まで餓鬼だとは思ってなかったよ。
もう一生、そうやって現実逃避してりゃ良いさ。
朱璃…悪いけどアンタの娘、潰すよ。」
「え? 貴女、もしかして母様を知っているの?」
ヒュゥウン…ッ!
その朱乃の質問に藤舞は応えない。
そして その応え代わりとばかり、7つの氣弾を朱乃に向けて飛ばすのだった。
人型タンニーン…バジウッド・ペシュメル(OVER LOAD)のイメージで。
次回
???「ウチの出番や!」
感想よろしくです。