急展開!…?
「あ、あれは!」
「し、知っているのか神代殿!?」
「うむ!」
酸漿とグレイフィアのバトルも終わり、
いよいよ今回の戦争で残すイベントは、最後の魔王、セラフォルー・レヴィアタンの処刑だけとなった その時、闘技場に突如 乱入して「待った」を掛けてきた人物。
それを控え室のモニターから見たサトルが…
「「「「………………!」」」」
いや、サトルだけではない。
白音と黒歌、古杜とラウラも、その人物を見て驚いていた。
彼等に共通するのは、全員が現在、駒王町に在住している事である。
「あれは…」
▼▼▼
『あ、あの~、アナタ、ドナタ?』
ざわざわざわざわざわざわざわざわ…
騒然とする観客席。
流石にセラフォルーの処刑は観る気には なれないと、会場を去ろうとした者達も足を止め、その様子を伺っている。
そして
「ミルたんはミルたんだにょ!」
『あ、はい…って、いやいやいやいや、そうじゃなくって!?』
その者…ミルたんは、野太い声で答えるのだった。
▼▼▼
「ミルたん…で、御座るか?」
「な、何やねん?!」
「いや、そう言われても…」
「他に答えようが無いのだが…」
「…だにゃ。」
場面は再び控え室。
サトルの「あれは…ミルたんだ。」の言葉に、このミルたんを知らない者達は、更に頭上に疑問符を浮かべる。
ミルたん…
それは駒王町では それなりに有名な、アニメの魔法少女のコスプレで町を徘徊すると云う、謎の人物である。
とある物語…世紀末の世にて覇王を名乗る男の様な強面の巨体が魔法少女の衣装を纏った その風貌は、遭遇する町の者達を正しく『ユは、ショッーク!』とばかりに硬直させていた。
「色々と突っ込みたい気持ちは解りますが、私達も それ以上の説明は出来ないのです。」
「うむ。私も初見の時は不覚にも、固まってしまったからな。」
「ん~、それにしても、そのミルたん?…が、どうして此処に?」
「どうやら悪魔と知り合い…恐らくは顧客契約をしていたみたいで御座るが?」
▼▼▼
『あー、つまりキミは『聖書』側の、飛び入りの助っ人として参上した訳だ?』
『あ、アマテラス様?』
ミルたんの登場により、騒然とする闘技場の巨大モニターに、アマテラスの顔がアップで映し出された。
因みに、アマテラスが現在居る場所は、【日本神話】控え室である。
「そうだにょ!
アナタが敵のボスだにょ?」
『ボス…か…。
まぁ、間違っては いないかな。』
ボス扱いに苦笑…否、満更でも無い顔を浮かべるアマテラス。
『しかし、今から戦っても所詮は消化試合。
キミ個人の願いを1つ、叶えるに過ぎないぜ?』
「だからミルたんが勝てば、悪魔さんチームの勝ちにして貰うにょ!」
『………………………………。
あー、キミ、ちょっと待とうか?』
しかし、次のミルたんの言葉に、素で呆れた顔を見せ、
ヴォ…
モニター画面を消し、会場から姿を消した。
▼▼▼
「あんな風に来るのは、想定外だったよ。」
控え室。
少しだけ困った様な表情…だが反面、楽しそうな顔もしているアマテラス。
「確かにセラフォルーの助命な願いは受け付けないと先に言っていたけど、まさか自分チームの勝利その物を勝利ボーナスとして申し出るのは、僕も発想には無かったよ。」
「そりゃあ、普通は…」
「それで、アマテラスさm…ん?」
「あの、ミルたんの飛び入り参加を認めるのですか?」
嬉しそうに話すアマテラスに、サトル達が追加試合の是非を問うと、
「ん。認めるよ…って言ーか、認めるしかないだろ?
見てみなよ、今の会場の雰囲気。」
アマテラスは、この応え。
わーわーわーわーわーわー…!
そして【日本神話】の主神様が指差したモニターに映っている観客席からは、既に追加バトルは決まった様な…酸漿とグレイフィアの戦闘後に席を去ろうとした者も再び着席、正式に
「まぁ、一番最初に『1チームの上限は12人』と発表していたから、そういう意味では問題無い。」
「成る程~。せなら後は、誰が あのミルたん?…と、戦うかやな。
見た感じ、大国主様と戦った熊の おっさんや、酸漿さん相手やった めいどは別として、今迄の その他の悪魔と比べても、相当に強いで?」
「そうだね。
ついでに言えば、此方から既に登場した人物を出しても、それはイベントととして面白味に欠ける。
かと言って、人間相手に『神』を出すのは論外として、今から『NIN=JA』や高天原の誰かを呼びに行く時間も無い。
…だから、」
「わ、私は無理ですよ!
あのミルたんに勝てる自信有りません!」
「同じくだにゃ!
アレは とりあえず、鎧無しのサトルよりも強いにゃ!」
「…だ、そうだけど?」
「お、俺…ですか?」
▼▼▼
「「「「………………。」」」」
場所は変わり、コロシアム内の医務室。
其処では負傷退場したリアス眷属達が、闘技場での遣り取りをベッドの上で見ていた。
リアス達も、ミルたんの事は知っている。
兵藤一誠の悪魔家業の、初めての顧客の魔法乙漢。
彼女?の願いは『ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ』だったのだが、当然 兵藤には そんな願いを叶えられる
その時は代わりに、別の願いを聞く事で…正確には『一緒に魔法少女アニメを鑑賞』する事で、契約完了としていた。
そして兵藤の報告により、その後も駒王町に住む者として偶に町中で出逢う事も有り、それなりの親交が出来、その時に思い知らされたミルたんの特異性。
だからこそ、この人で在りながら人間の常識から外れた理不尽枠な人物が、自分達の助っ人として現れてくれた事に、ある意味の期待が高まった。
「…でも、ミルたんは どうやって、冥界まで来たのかしら?」
「それは、ミルたんだからですわ♪」
「ミルたんですから。」
「ミルたんさんだからですぅ!」
「そ、そうよね! ミルたんだもんね…
…でも、そんなミルたんだから、きっと何とかしてくれるわ!」
「は、はい!」
「そうですね!」
▼▼▼
「…な~んて風に、今頃リアスちゃん達は考えていると思うんだ。
だからこそ、そんな甘い期待を消し飛ばす…彼女達が『絶対に勝てないと思わせる人物』をぶつける。
…おいおい、サっトル君?
そんな『うゎ…悪趣味~?(汗)』…な顔をしないでおくれよ?
自覚は してるからさ。
…ねぇ? サイラオーグ君?」
再び場所は【日本神話】控え室。
アマテラスはミルたんとの対戦相手として指名抜擢した…白音と黒歌が冥界入りの際に同行していた…サイラオーグ・バアルに、その理由を説明していた。
「そして、此れに応じてくれたら、勝敗関係無く、対価を支払おうと思う。
ミルたん戦の直ぐ後、このコロシアムでサトル君との再戦を望むも善し、他にも例えば…」
「うっわぁ…
神様が
アマテラスの言う対価の例えに、思わず声を零すサトル。
「……………!!」
コクン…
しかしサイラオーグは その言葉に喰い付く様に大きく眼を見開き、そして首を縦に振るのだった。
▼▼▼
「…………………………………にょ。」
「…………………。」
その頃、ミルたんは武舞台中央で仁王立ちし、自分の対戦相手の登場を、今かと待っていた。
それに司会進行役の舞と芸の女神は、既に この
≫≫≫
「まだ、ミルたんの相手は来ないにょ?」
ミルたんにとって、悪魔…正確に言えば兵藤一誠は、単なる契約悪魔では無い。
確かに最初は悪魔は『魔法少女になる』と云う願いを叶える為だけの
しかし、悪魔ですら その願いは叶わぬ…その代わりに兵藤、そして彼を介してリアス眷属は彼女?にとって、自分の魔法少女としての理解者と云う大切な存在となる。
しかし、同時にガルーダ・スレなるネット掲示板で、リアス眷属が…特にリアスと兵藤の評判が、非常に芳しくない事に、心を痛めていた。
1度だけ、その掲示板に擁護する様なコメント投稿するも、それは正論で一蹴される。
その後は炎上を恐れてか、投稿する事は無く。
だからと云って、兵藤に変態的行動を謹む意味の言葉を投げ掛けるのも、それが発端で
そして始まった
サトルの掲示板にアップされる
ミルたんも、悪魔さん達の力に なりたいにょ!
戦争の原因…その非は悪魔…聖書に有るのは理解していた。
…が、その魂からの純粋な呟きに、【あなたの望み叶えます】と記された
そして、タイミング的にはグレイフィア・ルキフグスが戦闘に赴き、誰も居なくなった『聖書』側控え室に…その室内に有ったグレモリーのチラシを介して転移したのだった。
「まだ、ミルたんの相手は決まらないにょ…?」
…そして、
≫≫≫
ヴォ…
『やあ、待たせたね。』
コロシアム会場の巨大モニターに、再び映像が映し出される。
映っているのは当然、アマテラスだ。
『結論から言うと、ミルたんの参戦は認められた。
そして その対戦相手、我等が【日本神話】からの代表は、この漢だ!』
バタァン!
アマテラスの言葉と同時、東ゲートが開かれる。
そして其処から姿を見せ入場してきたのは、鍛え抜かれた逞しい
うぉおおおぉーーーっ!!!
どんどんどんどんどん!!!
その姿を確認した観客席からは、この日 最高の歓声と地響きが起きたと錯覚させる程の、激しい足踏みが沸き立つ。
冥界に住む悪魔からすれば、【日本神話】の侵攻時、
『…まぁ、そんな訳だよ。
詳しくは言わないが、サイラオーグ君も今はデカラビア伯爵や他の一部貴族と同じく、既に【
うぉっおおおぉーーーっ!!
アマテラスの説明に、更に歓声が高まる観客席。
【日本神話】所属は この際どうでも良い。
一部の者…ガルーダ・スレ常連には既に知られていた事実だが、サイラオーグの生存自体が彼らにとっては良い報せだった。
▼▼▼
『…で、では改めて、
サイラオーグが武舞台に上がった後、何時の間にか極秘に
『先ずは『聖書』からは、駒王町7不思議の1つ、魔法少女・ミルたんーーーーっ!』
ぶぅんぶんっ!
「にょーーーーーーっ!!」
最初に会場に姿を見せた時と同じアクション、杖棍を頭上で豪快に振り回し、魔法乙漢が雄叫びを上げる。
………………………。
それに対して観客席からは、歓声もブーイングも起きない。
未だ、その存在に対して どのような反応をしたら良いかの判断が出来ない様だった。
『そして【日本神話】からは、会場の皆さんには説明不要?
元・バァル次期当主にして、若手悪魔最強!
とあるサイトでの通り名は炎の兄貴!
サイラオーグぅ・バァアルぅ~っ!!』
うぉっおおおぉーーーっ!!
一方のサイラオーグのコールには、大声援が送られる。
「ふっ…冥界を棄てた俺に、この声援か…」
その状況に若き悪魔が苦笑する中、
『
ゴォォオオオン…
戦いの始まりを告げる
▼▼▼
「ミルたん・エア・ハンマー!にょー!」
ドゴォっ!
初手を打ったのはミルたん。
「えあ・はんまー…
名称から察するに、あれは空気の塊を弾にして飛ばす魔法で御座るか?」
「…いえ、只の
サトルの解説が正しいのだが、撃ち抜かれた拳から生じた空圧弾をクロスガードで受け止めたサイラオーグだが、そのパワーを完全に消す事は出来ず、
ずずず…
「…まぁ、普通に強烈過ぎる攻撃には、変わらないですけどね。」
その儘 約80㌢程、後退りしてしまう。
ざわざわざわざわざわざわ…!
その予想外のパワーに、場内も騒然。
この一撃は、魔法少女を名乗る人物が単なる色物で無い事を認識させるには充分だった。
「いやいやいやいや、おかしいでしょう?!
あの兄貴さんがパワー負けですか?
レグ君、今からでも遅くないです。
早く
「無茶を言わないでくれないか…」
そして その攻防に、白音が驚愕。
サイラオーグの
「今更レグルス君が出張った処で、乱入扱いで兄貴の反則負けになるっての…」
≫≫≫
「フッ、面白い!」
【日本神話】控え室で そんな遣り取りが交わされている中、当のサイラオーグは腕が少し痺れているの実感して、笑みを溢す。
ダダダッ…!
そして鋭い踏み込みで瞬時に殆どゼロ距離に迄 間合いを詰めると、
ドスッ…!
「に…ょ…?!」
闘氣を纏った拳でのボディブローの一撃。
これにより、顔色を変えたミルたんの体が
そして直後、身体全身に闘氣を鎧の如く纏ったサイラオーグは素早く相手の背後に回り込むと、両腕で
「ぬぉおーーーーーーーーっ!!」
ドゴォッ!!
後方に弧を描くような投げ…プロレスで云うジャーマン・スープレックスを炸裂させた。
本文でも触れましたが、実はミルたん、1度だけ掲示板の方で登場しています。
【次回予告!】
さてさて、どうなるどうなる、兄貴vs魔法乙漢!
次回『目覚める新たなるチカラ!』
乞う御期待!!
感想よろしくです。