ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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【すごいぞ!ぼくらの にじそうさく】
 
あなたが にじそうさくだと おもうものが にじそうさくです
ただし たにんの どういをえられるとは かぎりません。
 
 



遂に御対面!

 

「これは これは、お早い お着きで。(笑)(カッコワライ)。」

「「「「「……!!」」」」」

5月の連休も終わり、また通常な日常が始まった ある日の夜、リアス・グレモリーと その眷属達は、学園近くの公園で、仮面を被った3人の男女と対峙していた。

 

「て、テメェ…!」

リアス眷属の1人、兵藤一誠が、この3人の内の1人、派手な装飾が施された鳥を象った仮面の男…ガルーダこと、サトルを睨み付ける。

 

「…貴方が…ガルーダね。

こうして貴方と直に会うのは初めてね。

貴方には、色々と言いたい事も有るけど それは後にして…

これは一体、どういう心算かしら?」

「部長?」

リアスは そんな、いきり立つ兵藤を制しながら、やはり不快な表情を隠す事無く、サトルに話し掛けた。

 

「『これは?』…とは?」

「巫山戯ないでよ!!」

惚けるサトルに、リアスが大声で怒鳴る。

…彼の足下に転がる、()()()()()()を指差しながら。

今は夜の8時過ぎ。

公園内に人払いや音声遮断の結界が張ってなければ、とんだ大迷惑である。

 

「見ての通り、"はぐれ"の死体だけど?」

更に惚けた口調で応えるサトル。

 

「まさか、『私の仕事を…』とでも、言う心算か?

今の、このタイミングで のこのこ やってきて、偉そうに言うのは止めて欲しいな。」

「な、何ですって?!」

リアスの台詞を先読みした上で、サトルは更に、言葉を続ける。

 

「今頃やってきて、偉そうにしてるなって話だよ! 自称・町の管理者様?

はっきり言うぜ?

おれが この はぐれ悪魔を始末してなかったら、今頃は2人、犠牲者が出てたの・だ・が?」

「「「「!??」」」」

そう言って、サトルが振り向かずに、後方に親指を差す。

 

「「「「「?!」」」」」

その先には、遊歩道に置かれたベンチに腰掛け、静かに寝息を発てている、2人の少女が。

駒王学園の制服を着た少女2人は、布で包まれた細長い荷物を、しっかりと抱き抱えている。

 

「村山…片瀬…?」

どうやら2人は、兵藤の知り合いの様だった。

 

「…礼を言われるなら まだしも、文句を言われる筋合いは無いんだがな…

それとも何かい?

悪魔(あんたら)の町の管理ってのは、単に町に逃げ込んだ はぐれの処理だけで、町の住人に被害が出ようが、それは知った事じゃないとでも言う心算か?」

「………………!」

そして畳み掛ける様なサトルの攻め口に、リアスは何も言い返せない。

 

「お前! そんな言い方は無いだろ?!

部長だって、一生懸命やってるんだぞ!!」

しかし其処に、リアスの代わりとばかりに兵藤が口を出すが、

「一生懸命?

学校の部活ごっこを優先し、其方ばかりに精を出し、上からの指示が有ったか、偶に思い付いた様にしかパトロールをしない姿勢(スタイル)の、何処が一生懸命だ?

その最たる結果が、先月の堕天使取り逃がしだろうが!」

「ぐ…それは、だな…」

それをサトルは、事実実例を述べて一蹴する。

実際、今回の この公園での遭遇も、リアス達が冥界の大王家からの指示での、駒王に逃げ込んだ はぐれ悪魔の討伐指令が発端だった。

そして その指令より いち早く、はぐれ悪魔の気配を感じ取ったサトル達が公園にて、駒王女生徒2人を襲おうとしていた それを斃した後のタイミングで、リアス達が登場したのである。

 

「…それに、貴様等の役目である"町の管理"は、『一生懸命やってました』だけで済む、温い物じゃ無いだろう?リアス・グレモリー。

経緯で無くて、結果が全てじゃないのか?。

1つ聞くが、仮に もしも、この場に俺達が居合わせず、彼方の2人が命を落としていたら…まぁ、はぐれ悪魔の始末自体は済ませたとして、その後 貴様は、被害者が出た事に対して、どの様に責任を取る心算だったのだ?」

「そ、それは…」

「ふん…大方、あの死体となった彼女等も一緒に闇に葬り、家族を基とした彼女等を知る者全ての記憶を、()()()() ()()()()()()()()()()()()()()()とでも書き換え、それで終わらせようとしていたんだろ?」 

「………………………………。」

「此処での沈黙は、『はい、全く その通りです。』と言ってるのと同じだぞ?」

サトルは口を休めない。

 

「それで犠牲となった魂には、弔いも何も無し。

全く…俺は兎も角、()()()()の仕事、増やしてんじゃねぇよ…

んな程度だから、周囲から無能だ駄肉だと言われ、その見た目だけで釣られた、女好きな婚約者とやらにも、"地雷物件"扱いでの婚約解消されるんだ!」

「「!!?」」

 

…ぶちっ

 

「て、テメェっ!」

「あ、アナタ!!」

 

ダッ…

 

そして更に続く一言に対して、()()が引き千切れる様な音がしたと共に、リアスが掌に暗紫の魔力を溜め始め、兵藤はサトルに向けて、左腕に赤い籠手を具現化させてダッシュ。

 

ササッ…

 

「!!?」

しかし、そんな兵藤の前に、今まで無言でサトルの背後に控えていた、仮面を被った2人の少女…白音と黒歌が前に出る。

 

ザシッ!

 

「なぁあ?!」

そして先ずは黒歌が、走り近寄る兵藤の正面やや横に立つと、身を低くして、相手の脚を自らの脚で絡める様にして、その動きを止める。

所謂"蟹鋏み"である。

 

「おゎあっ?!」

それにより兵藤は前方に躓き倒れ込むが、その前に

 

ベキィッ!!

 

「か…!?」

白音の強烈な膝蹴りが、カウンター気味に顔面、鼻っ柱に決まる。

結果それは、倒れそうになった兵藤の体を支える形になったのだが、

 

バキッ!ゴガッ!バシッ!ドゴッ!ガン!ボガッ…

 

「う・ぐぺぺぺ…」

それで白音の脚が、止まった訳では無かった。

鼻血を垂れ流しながら、何が起きたのか理解出来ていない顔をして、立ち尽くしている兵藤の身体全身に、ロウ・ミドル・ハイの蹴りを、無言の連打で打ち放つ。

 

「ガルーダには、手出しさせないにゃ。

…って、弱! 本当、(よっわ)!!

この前も思ったけど、本当にコイツが、()()な訳?」

その光景を見ている黒歌が、仮面の裏で呆れた顔をしながら呟いた。

 

「…ぺぺ…?」

 

パタ…

 

「「イッセー君!」

      先輩?」

「兵藤君!?」

そして白音の脚が止まると同時、改めて前のめりに地面に倒れる兵藤。

 

「き、キミ! いくらなんでも、やり過ぎだよ?!」

それを見た、リアス眷属の1人、金髪の少年が問い詰めるが、

この前 着替えを覗いたのと、 さっきから私と姉様を、視姦していた分も入っていますが、何か?」

「し、しk…」

それに対して、小柄な()()の少女は、仮面の下でジト目を浮かべて応えた。

事実、兵藤は この場に到着した時から ずっと、鳥仮面(サトル)を睨み付けながらも、レオタード姿の黒歌と白音に対しては、その体型(ライン)を見ては鼻の下を延ばした だらしない表情を浮かべていたのだった。

 

ヴォォン…!

 

「こっの! よくも、イッセーを!!」

「いや…先に向かってきたのは あのヒョウドウイッセイハンザイシャだし、正当防衛でしょ?」

「どう見ても過剰防衛よ!

それから、私の可愛い下僕を、そんな風に呼ぶな!!」

そしてリアスは怒りの表情を露にし、両手を頭上に掲げ、特大の黒い魔力弾を作り出す。

 

「…で、その魔力弾(たま)は一体 何?

そんな物騒な物、投げつけてられた日には、それこそ間違い無く正当防衛成立。

逆に殺されても、文句は言えないぜ?

"紅髪の駄肉姫(トラッシュ・プリンセス)"様?」

仮面の内側、サトルは余裕の笑みを浮かべて話すが、

「お黙りなさい!

私の下僕を傷付け、何よりも私を貶めた罪は、それだけで充分、万死に値するわよ!

滅びなさい!!」

 

ドッ…!!

 

度重なる挑発、そして"禁句"によって、完全に頭に血が上ったリアスの手から、遂に"滅びの魔弾"が撃ち出された。

 




 
次回:『神鳥の仮面』(仮)
 

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