ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

18 / 114
 
【注意(重要)!】
ソーナさんは決して、無肉なんかじゃないです!
周りに駄肉や朱乃さんや椿姫ちゃんなんかが居るから、目の錯覚で、そう見えるだけなんです!!
少しは有ります。
少し慎ましく、少しだけ貧しいだけなんです!!
 


招かれざる者

「「「「「「………。」」」」」」

生徒会役員室では、表現し難き緊張感が漂っていた。

数日前、生徒会長、支取蒼那…ソーナ・シトリーの執務用のパソコンに届いたメール。

 

 

※※※

 

DaT 5/## 17:23

From セラフォルー・レヴィアタン様

Sub ソーたんへ☆

 

やっほー、ソーたん。

元気してる?お姉ちゃんだよー☆

今週の水曜日、天界からの お使いさんが やって来るから、お話を聞いてあげてね!★

 

※※※

 

 

…その内容通り、生徒会役員室には今、フード付きの白い法衣、首にはロザリオを掻けた、見るからに聖職者な少女が2人、訪ねて来ていた。

蒼髪のショートカットのゼノヴィア・クァルタと茶髪のツインテールの紫藤イリナ。

ソーナから見れば、彼女達は正しく敵対勢力に属する者。

…が、しかし、敵地(アウェイ)に於いても堂々とした その佇まいに、生徒会メンバーが余計な緊張をするのは、当然かも知れない。

その2人を生徒会役員室の応接間に招き、自身の女王(クィーン)である真羅椿姫を隣のアームチェアに、そして もう1人、兵士(ポーン)の少年を後ろに控えさせて、口を開いた。 

 

「…何故、リアスでなく、私の方に?」

確かに自分は悪魔政府にて、外交を担う魔王の妹だ。

しかし天界に属する者が、この悪魔が管理している この地…駒王町を訪れ、この町の管理者であるリアスでは無く、自分を訪ねて来るのか…?

ソーナは些か疑問を感じていた。

 

「何故?…って言われても、ねぇ?」

「知らんよ。単に我々は、上から そのリアス・グレモリーとやらでなく、ソーナ・シトリーを訪ねる様に言われたから、此方に出向いた迄の事だ。」

しかし この質問には、単に上役からの指名としか答えない女2人。

 

「確かに『良いか?絶対に、ソーナ・シトリーだぞ!間違ってもリアス・グレモリーの所に行ったりするなよ!!』って、『もしかして それ、振り?』って位な、必死な名指しだったけどね。」

「ハァ…」

「…匙?」

「ぁ、スイマセン…」

その下りを補足するかの様な、紫藤イリナの台詞に、何かを察したかの様に、兵士(ポーン)の少年、匙元士郎が小さく溜め息を溢す。

しかし、今の彼は基本、主であるソーナの護衛として この場に居る身。

相槌すらの発言が許される立場では無く、それを戒めるかのソーナの呼び掛けに、小さく謝罪。

 

「…先日の、聖堂同時襲撃の話は、知っているな?」

そして、ゼノヴィア・クァルタが話し始めた。

 

「はい、一般的に報道されている限り…は。」

「うむ。あれは〇〇〇〇教系の過激派の犯行としているのが世間一般の目だが、実は そんなに単純な物じゃないんだ。

あれは実は堕天使組織…【神の子を見張る者(グリゴリ)】の仕業だったんだよ。」

「「「な…何ですって!?」」

      だってー!!」

「…匙!」

(ス…スンマセン…)

 

≫≫≫

「…そして堕天使は、この3ヶ所から それぞれ、()()()を奪って逃走したの。」

「ある物…とは?」

「それは お前達悪魔に教える必要も、お前達が知る必要も無い。」

「「「…(怒)。」」」

イリナとゼノヴィアが言うには、堕天使は各地で()()()()()を使って聖堂(教会)の外壁を破壊して侵入、其処で保管していた ()()()を強奪して、その儘 去って行ったらしい。

ドイツの町外れに在る、ごく普通の小さな教会は兎も角、日頃から それなりに強固な警備が為されているバチカンとイスタンブールの大聖堂でさえも、()()()()の前には為す術も無かったらしい。

そして その ()()()について、ソーナが問うと、それに対するゼノヴィアの返事は、極めて不失礼な物言い。

秘密とするにしても、言葉を選んでも良い物だが、その言い種に、一瞬だが不快な表情を浮かべるソーナ。

匙も同様に怒りを顔に隠す事は無いが、自分の主が何も言わない限りは、自身も何も言えないとしたか、黙りを貫く。

これは、ソーナの隣に座っている、真羅椿姫も同様である。

 

「…堕天使が、今回の事件の犯人だというのは、分かりました。

それで、貴女方が私達を訪ねて来た事と、どう関係が有るのかしら?」

「その賊共が去り際に、次は この町で、何かを仕出かす…と、洩らしたらしいのだ。」

「私達は賊を捕らえ、()()を取り戻す為に この町に やって来ました。

悪魔(あなた)達には それについて、あらゆる干渉をしない、不介入を約束して欲しいの。」

「…成る程。よく、分かりました。」

「ふん…上が言うには、シトリーの次期当主は聡明らしいが、それは本当の話な様だな。」

「ん、話が早くて助かったわ。

それじゃ、そーゆー事で、よろしくね。」

 

カタッ…

 

交渉成立…余計な諍いも起きず、話が終わったと、席を立ち、早々に帰ろうとする天界からの使い。

…だが、

「勘違いしていませんか?

それは、現状では全く呑めない案件ですよ?」

「「な、何ですって?!」

     だとっ!?」

話し合いは、終わった訳では無かった。

 

「お前、どういう意味だ?」

ソファーに座っているソーナの前に、ゼノヴィアが詰め寄るが、

「おぉっと、暴力沙汰は良くないぜ?

とりあえず、座ったらどうだい?」

「くっ…!」

その間に、ソーナの護衛として立ち合っていた匙が割って入り、着席を促す。

 

「…ちぃっ!」

ゼノヴィアとイリナとしても、実は上から、相手側から仕掛けない限りは、一切の攻撃を禁じられているらしく、とりあえずは それに従うしか無く。

 

「…勘違いされてますが、私は()()()()()()()()()()と、言ったのですよ?」

「だから、どーゆー意味よ?」

ソーナの台詞に、最初は穏やかな言葉使いだったイリナも、やや棘を帯びた言い方に変わり、問い質す。

 

「貴女達は、情報を隠し過ぎています。

例えば堕天使が奪ったという()()とやらですが、賊が この地に来ているという事は、ソレも持ち込んでいると云う事ですよね?

どんなに大事な物かは知りませんが、恐らくは強力な力を秘めた、()()()なのでしょう?

それと、襲撃してきた堕天使…

ニュースにあった、ドイツの小さな教会は兎も角、カトリックと正教会の本拠地に攻める程の者です。

最低でも上級…いえ、幹部クラスの堕天使が、この駒王町に潜入してきたと見るのが普通です。

実は貴女達も、それを承知なのでしょう?

ならば天界側(そちら)も、熾天使(セラフ)とは言わずとも、最低でも上級天使クラスの者が出向くべき。

しかし それだけの事態にも拘わらず、赴いてきたのは、一介(ヒラ)のエクソシストが たったの2人。

…そちらの要求を()()()()呑めない理由、理解して貰えましたか?」

「「ぐ…ぐくぅ…」」

 

バタン…

 

「し、失礼します、会長っ!」

「「「??!」」」

それはマシンガントークで、教会の2人をソーナが黙らせた直後の事。

 

「何事ですか、桃?

話が済む迄、此方には入るなと…」

「も、申し訳有りません会長!

しかし、これを!」

「……!?」

生徒会役員の1人…シトリー眷属の1人である花戒桃が、スマホを手にして入ってきたのだった。

 

 

 

※※※

■総督さんに質問です!

【挿絵表示】

 

【挿絵表示】

これ、何ですか?

 

 

◇うぉっ?!

 

◇何じゃ、こりゃー?

 

◇かっけーっ!!

 

◇まさか、これが…www

 

◇ふん…分かってて聞いてるんじゃねーよ。

ソイツは察しの通り、俺の考案した神器の禁手…じゃなくて、単に俺達グリゴリが開発した巨大ロボ、『THE End of DRAGOON(終末の龍機兵)』だ。

まさか、撮られていたなんてな…

 

■そりゃ、ウチの組織の諜報さんの仕事はぁあ、世ぇ界一ィィィ~っ!!!!ですから(笑)

 

◇組織…ねぇ。

まぁ、前々から お前さん、後ろの存在を暗示させる書き込みしてたし、この前も嫁(笑)が、ハッキリと『組織』って書いてたからな。

その諜報とやらの仕事っぷり、何となくだが、お前の所属先が判った気がしたぜ。

尤も、自分で名乗るならアレだが、他所が正体探ったりバラすのは、こういう場所ではマナー違反だから、黙っててやるけどな。

 

■そりゃ、どうも。

 

◇…で、『アレ』を撮って、それが俺達堕天使の物だって分かってるんだ。

ハッキリ言えよ、オメー、いや、オメー等、何処迄分かってるんだ?

 

■…その前に。閲覧の皆さん、アザゼル氏とサシで話したいので、暫くはコメントは遠慮願います。

それでは…

今回がグリゴリ全体の総意での行動かは不明。

でも俺は、前にミカエル(自称)に、アレwをバラされた腹いせかと思っていますが(笑)。

それからサン・ピエトロ襲撃の主犯格は、グリゴリ幹部の1人、コカビエル。

カトリック、正教会の拠点、そしてプロテスタントの祖である、ルターの子孫が営む教会から、それぞれが隠し持ち保管していた、合計6本の聖剣エクスカリバーを奪い、駒王町に逃げ込んだ。(現在、潜伏先を調査中)

…この程度ですか?

 

◇すげぇな、殆ど分かってるじゃねえか。

ただ1つだけ訂正させて貰うが、襲撃は俺の命令じゃないぜ。

コカビエルをはじめとした、ウチの武闘派連中が、勝手に完成したばかりのメカを持ち出し、事を起こしやがったんだ。

ま、ミカエルのヤローへの嫌がらせになるし、新型メカのテストもしたかったから、敢えて止めなかったんだけどな。

…ってかアイツ等 今、駒王町に潜んでいるのかよ?

これは俺も知らなかったが…

アイツ等一体、どういう…何をやらかす心算だ?

天使の次は、悪魔への嫌がらせか?

 

■総督には申し訳無いが、町に有害と判断したなら、潰させて貰いますから。

それに、ここ迄書き込んだならば、これを見てるであろう、流石の自称・町の管理者の駄肉姫様や、ソーナ・シトリー嬢も動き出すでしょうし。

 

◇まぁ、しゃーないわな。

そん時ゃ、好きにしろ。

出来れば生け捕りの方向で、お願いしたいがな。

 

■一応、了解しましたよ。

一般の皆さん、コメント解禁します。

それと、ソーナ・シトリー様、見てますか?

先日はウチの嫁1号が、無肉姫等と、大変御無礼な発言をして、申し訳有りませんでした。

説教しときましたので、勘弁してやって下さい。

 

◇何だよ、アレ…Blazer shining aura darkness Bladeの禁手じゃなかったのか…

 

◇少しだけガッカリだぜ…

 

◇いや、巨大ロボを完成させてるだけでもグッジョブだ!!

 

◇おーっ!!

 

◇竜騎兵でなく、「龍機兵」でしたか。

 

◇いいんだよ、細かい事は!

 

◇巨大ロボ…それは、男のロマンだぜ!

 

◇おぉーーーーーーーっ!!!!!

 

◇それにしても、ミカエルさん(自称)、やっちまったな(笑)

 

◇ある意味、自業自得(笑)

 

◇でもアレ、元は自分の「サイズ(泣)」を晒されたから、その仕返しだったんだよな

 

◇MAXが常人の通常半分以下だったけか?

 

◇倍々返し所じゃねぇwww

 

◇てか、使えるのか、それ?

 

◇いやいや、天使って、「使ったら」堕ちるんだろ?

 

◇総督みたいにか?www

 

◇DT歴、ん万年かよ?

並の魔法使い(笑)なんて、レベルじゃないぜ!

 

◇なお、「賢者(笑)」になったら、それだけで堕ちるとの事

 

◇↑ www コーヒー返せwww

 

◇止wwwめwwwれwww

 

◇オカズはガブリエルか?

 

◇ガブリエルでジブリー○みたいな妄想するのか?

 

◇www…でもこれでこの前のアレ(笑)、マジに自称ミカエルの仕業なら、本物ミカエル、たまったもんじゃないよなwww

 

◇確かにwww

 

◇完全にとばっちりだよな(笑)

 

◇てか、襲撃したのって、コカビエルかよ

 

◇超大物じゃねえか?!

 

◇さあ駄肉姫、汚名挽回のチャンスだぜ!

 

◇↑『返上』だろ

 

◇いいんだよ、ジェ〇ド中尉も言ってたぜ!

 

◇働け駄肉姫

 

◇働け駄肉姫

 

◇駄肉、仕事しろ

 

◇働きたくないでござる!( @Δ@メ)

 絶対に働きたくないでござる!!

 

◇働きたくない!!

 

◇↑もしかして、ロビン風か?

 

◇ごめん、シンプル過ぎて、分かり辛い

 

◇そ、そうか、スマン…○| ̄|_

 

◇いや、謝る事は無いよ。

 

◇どんまい

 

◇ありがとう(TД⊂)

 

◇因みにコレ、1番の元ネタは、三成さん(SAKON)の「戦が大嫌いでござる」だぜ!豆知識!…だった筈。

 

※※※

 

 

「「「!!!!」」」

「「…………………。」」

花戒から渡されたスマホの画面を見て、その内容に驚きを隠せない生徒会メンバーと、極秘としていた事柄がバレて、気不味そうな顔をするゼノヴィアとイリナ。

 

「成る程…。

エクスカリバーに、コカビエル…ですか。

残念ですが尚の事、これは無干渉は無理ですね。

危険人物(コカビエル)危険物(エクスカリバー)をこの町に持ち込み、それを追ってきたのが雑魚(ヒラ)エクソシスト。

もう、お話になりません。

直ぐに冥界の魔王様に報告して、指示を仰がせて頂きます。

それに、ガルーダも動くとなれば、尚更、貴女達だけで片付く問題では有りませんからね。」

だが直ぐに平静を取り戻し、改めて天界派遣者の不介入要請を、ソーナが一蹴。

 

「ちょっと、待ってよ?」

「てゆうか、このガルーダって、何者だ?!

それと お前 今、『雑魚』と書いて『ヒラ』と読んだな!??」

「…この町の、住人ですよ。

悪魔(わたしたち)の事を知っていて、それを良く思っていない…ね。

正直、貴女達は我々の前に、このサイトを通じてなりで、彼との接触を先にすべきだったのかも知れません。」

 

バタン!

 

「た、大変よソーナ!

堕天使幹部がエクスカリバーを持ち出して、この町に潜んでいるらしいゎ…

…って、貴女達、何者?

その格好からして、教会の関係者ね?

町の管理者である この私に挨拶も無しに、どうして こんな所に居る訳?」

「「「「「「………………。」」」」」」

会話の途中、勢い良く開いた扉から現れた人物に、その場の全員が、一瞬フリーズ。

初対面となるゼノヴィアとイリナは、まだ何者か判らない故に、対応に戸惑い固まっている形。

しかし、知っている者達からすれば、別の意味で戸惑い、その思考を1つにしていた。

 

 

『(い、1番、面倒臭いのが、やってきたぁあっ!!?)』

 

 

 

 

 




 
今回の画像は、パラス・アテネの背中のパーツと2連ビームライフル、盾を外し、ギャンのサーベルを腕に装着させて撮影、加工してみました。
 
感想、評価、よろしくです。
 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。