ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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サトル「出番…」
 


グリゴリからの遣い!

「…で、君達は、何時まで此処に居る訳?」

駒王学園東側の住宅街で、黒のスーツを着た若い男が、2人の少女に問い掛ける。

この男の名は鈴木稔(24)。

蜷局、榊に続いて螺部と共に、駒王町入りしていた『NIN=JA』の一員である。

 

「全てが、終わる迄です。」

「会長から、一応の監視を命じられました。

これについては、貴方の上司からの承諾も、得ています。」

「あ~、さいですか。ハァ…」

この鈴木の問いに、ソーナ眷属…僧侶(ビショップ)の草下憐耶と戦車(ルーク)の由良翼沙は、事務的に応えるのだった。

 

▼▼▼

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

「ハッ…?!俺は…!?」

「む?気が付いたか、リアス様の兵士(ポーン)よ。」

その頃の駒王学園では、周囲に響く重低音の お陰か、龍機兵の攻撃を受けて気を失っていた兵藤が、漸く目を覚ました。

 

「チィ、古杜新都…。

まさか、貴様が やってくるとはな。」

「…アザゼル氏に頼まれた。

コカビエル氏、イクラエル氏、引き上げるぞ。」

そんな中、突如 現れた男に、コカビエルが嫌そうな顔をして話し掛ける。

古杜新都(29)。

堕天使組織【神の子を見張る者(グリゴリ)】に籍を置く、"人間"の1人である。

その大柄な体躯に見合う以上の、人外の域に到達している身体能力、肉体の強度を、神器(セイクリッド・ギア)強者の鼓動(キング・エンジン)』を発動させる事で更に強化させる事により得られる この男の戦闘力は、堕天使幹部にも匹敵していた。

 

ドッドッドッドッドッドッ…

 

…先程から周囲に鳴り響いている、この大型重機が駆動しているかの様な重低音は実は、彼の神器(セイクリッド・ギア)の発動音だったのだ。

 

「古杜よ、如何に お前でも、幹部2人を相手は、不可能では無いのか?」

「…俺は別に、戦いに来た訳じゃない。

アザゼル氏に、お前達2人の連れて帰る様に頼まれた…

只、それだけだ。」

「「…………………………。」」

イクラエルの問い掛けにも、古杜は静かに呟く様に応え、悪魔達との戦闘を中断させた堕天使は この男と対峙、一触即発な空気が周りを包み込む。

 

「バイオレート様…?」

「止めておけ。今は まだ、動くな。」

悪魔達も また、その空気を読んだのか、それを静観している。

 

 

 

「やれやれ、此処までか。

分かったよ、古杜。

…イクラエル?」

「うむ。お前が来たと云う事は、アザゼルも本気らしいからな。

不本意だが、潮時か。」

そして永い沈黙の末、コカビエルが観念したかの様に、そして苦笑しながら古杜の訴えを受託し、イクラエルも同意。

堕天使幹部2人も、魔王直属の悪魔が傍に居る中、この場で この古杜と事を構えるのは、得策で無しと判断した様だ。

 

「まぁ、そんな訳だ。

決着を着けられないのは納得が行かんが、俺達は これで失礼させて貰うぜ。」

「この魔方陣…

破壊して爆発を止めるなり、手を出さず、町が滅ぶのを見届けるなり、好きにするが良い。」

「……………………………。」

 

ヴォン…

 

「「「「「「「…………。」」」」」」」

一方的な台詞、展開に、バイオレート率いる魔王直属兵が黙っている中、転移魔方陣を開き、この場を去ろうとするグリゴリの面々。

 

「バイオレート…様?」

「…構わん。好きにさせろ。」

そしてバイオレートは、それを止めようとは しない。

この儘グリゴリの者と戦闘を続けるよりも、魔方陣破壊を優先させた様だ。

元々 彼女達は、魔王レヴィアタンから()()使()()()()()()()を命じられて、駒王町に やって来たのだ。

別に最初から、堕天使と戦闘目的だった訳では無い。

寧ろ邪魔する者が居なくなるなら、それは大歓迎な運びだった。

 

「おい、(ベヒーモス)

次に逢った時は、必ず決着を着けてやる!

改めて名乗ろう!

俺はグリゴリ幹部が1人、コカビエル!

貴様も名乗れぃ!!」

「…四大魔王が1人、セラフォルー・レヴィアタン様の戦車(ルーク)、バイオレートだ。」

それ故に、普通なら無視する様な語り掛けも、その場をこれ以上拗らせない様に、素直に対応する。

 

「ふっ…!

覚えたぞ、バイオレートよ!

次は 何方かが果てる迄、()り合おうぞ!」

「………………………。」

この応えにコカビエルも上機嫌、()()で表するなら まだ良いが、単に聞くだけでは、男が女性に対して言うには、少し不適切な言葉を残し、この場を去ろうとする。

残すは魔方陣破壊のみ…

事は穏便に、終わろうとしていた。

 

「ちょっと待てよ お前等!

散々と引っ掻き回すだけ引っ掻き回しておいて、勝手に退散かよ!!?」

「「「???」」」

 

…事は穏便に、()()()()()()()()()(過去形)。 

 

 

≫≫≫

 

 

※※※

 

◇セイジョ☆スキー◇

あの、『ドッドッド』…な音は、堕天使側の人間?が出している様だね。

 

◇名無しの悪魔◇

いや、いきなり堕天使側の人間とか言われても、ワケワカメ

 

◇セイジョ☆スキー◇

あ、ごめん。

あの音と同時に、もう1人、正確にはもう2人、新たに登場したんだ。

もっとも、そのもう1人は、最初から顔面がボコのリタイア状態だったけど。

 

◇名無しの悪魔◇

何だよ、それ(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

出オチか?!w

 

◇名無しの悪魔◇

で、どうなった?

 

◇セイジョ☆スキー◇

総督さんが事態回収の為に送り込んだっていうドドド男(仮名)だけど、堕天使2人と何か少し話して、結局は撤収するみたい。

 

◇名無しの悪魔◇

堕天使が人間の言う事を、素直に聞くのか?

 

◇名無しの悪魔◇

イクラエルってのは、あんまりキャラとか知らないが、あ・の・コカビエルもか?

 

◇名無しの悪魔◇

だな。

 

◇セイジョ☆スキー◇

何だか相当な実力者みたいで、グリゴリ内でも一目置かれてる様子だよ。

結構長い睨み合いの末、結局は堕天使が折れて首をタテに振ったって感じだね。

 

◇BSADB★総督(笑)◇

そうか、何とか纏める事が出来たか。

コカビエルとイクラエル、そしてサハリエルのヤローは、戻ったら副総督のシェムハザと一緒にOHANASHIだ。

とりあえずは来月のボーナス、覚悟しときやがれ。

 

◇名無しの悪魔◇

酷ぇwww

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇名無しの悪魔◇

惨過ぎる(笑)

 

◇美少女ゴスロリっ娘◇

ブラック組織、グリゴリっス!!

 

◇BSADB★総督(笑)◇

ブラック言うな!

正当な処罰だろうが!

 

◇セイジョ☆スキー◇

って、あ…(滝汗)

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

まさか、無能が何かしたのか?(汗)

 

◇名無しの悪魔◇

もしかして、帰ろうとした堕天使に、『逃げるのか?』とか、因縁つけたとか?

 

◇名無しの悪魔◇

やだー、いくらむのうでも、そんなことするわけ、ないじゃないですかー

 

◇名無しの悪魔◇

で、す、よ、ねー?(切実)

 

◇名無しの悪魔◇

事後とは言え、フラグな発言は止せ!!

 

◇名無しの悪魔◇

おい、実況?どうなんだよ??!(必死)

 

◇セイジョ☆スキー◇

い、いぐざくとりーで御座います…

但し、因縁つけたのはリアスでなくて、下僕のヒョウドウイッセイハンザイシャです…

 

◇名無しの悪魔◇

あいつかよっ!!?

 

◇名無しの悪魔◇

何やってんだよ!…ってか、居たのか?

 

◇セイジョ☆スキー◇

最初の巨大ロボとの戦闘の時に、ロケットパンチを受けて気絶、リタイアしてたんだけど、あのドッドッドの音で、目を覚ましたみたい…

 

◇名無しの悪魔◇

…で、目を覚ました途端に、それかい!?

 

◇名無しの悪魔◇

何やってんだよ!(2回目)

 

◇名無しの悪魔◇

セイハンザイシャって、雑魚なんだろ?

言うだけ言って、魔王様の兵士サンに、『先生、後はヨロシク!』とでも言うつもりかよ?

 

◇名無しの悪魔◇

だな。自分でどうにかするって考えは無いだろう。

 

◇名無しの悪魔◇

雑魚い三下感丸出しだな…

 

◇名無しの悪魔◇

いや、分からんぞ?

出来る出来ないは兎も角、無能眷属だからな。

根拠不明な『俺TSUEEEEEEE!』が発動したんじゃね?

 

◇名無しの悪魔◇

或いは、無能眷属って事で勘違いしての『俺様EREEEEE!!』

 

◇名無しの悪魔◇

あー。

 

◇コヤス=サン◇

他の下僕君達は兎も角、あのセイハンザイシャとリアスは、相手の強さを測るって事を知らないっぽいからなぁ…

貧弱、貧弱ぅ!な分際で…

 

◇名無しの悪魔◇

敵とのレベル差を察知するとか…

 

◇コヤス=サン◇

それが出来るレベルに、至ってない!!

 

◇名無しの悪魔◇

敵の強さが分かるのも、また強さとはいうけどねぇ…

 

◇名無しの悪魔◇

つまり、雑魚い、と。

 

◇コヤス=サン◇

いぐざくとりーで御座います!

 

◇名無しの悪魔◇

てか、流行ってんのか?それw

 

◇セイジョ☆スキー◇

(笑)

…じゃないよ!

本当、何を考えてんだよ!

何様だよ!?

結構不利だった中、折角あちらから帰ろうとしてるのに、余計な口出し、してんなよ!

事が終わるってのが分からないのかよ?

テメーが更に引っ掻き回してるのが解らないのかよ!?

本当、主共々に無能を自覚して、引っ込んでろ!

空気読めよ!

バカなの?死ぬの…てかバカだろ!?このバカ!!死ね!マジに死ね!

 

◇名無しの悪魔◇

ちょ…?

 

◇名無しの悪魔◇

落ち着け?

 

◇名無しの悪魔◇

何だか、マジにキレてないか?

 

◇コヤス=サン◇

こりゃ、スレ主氏による無能っぷり暴露でなく、リアルにそれを目の当たりにして、改めて憤り倍増してるな。

 

◇名無しの悪魔◇

冷静か?!

 

◇名無しの悪魔◇

いや、それでもキレ過ぎでね?

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえずセイジョ好き=サン、落ち着け

 

◇名無しの悪魔◇

怒り過ぎだな?いや、気持ちは分かるけど

 

◇名無しの悪魔◇

( -_-)つ《牛乳》

 

◇BSADB★総督(笑)◇

("-_-)つ(小魚)

 

◇コヤス=サン◇

(*`∇´)つ『フェニックスの涙』

 

◇名無しの悪魔◇

(`・ω・)つ【カルシウムプロテイン】

 

◇セイジョ☆スキー◇

すまない…それと、ありがとう。

とりあえず、僕がキレてる間の動き…

ありのまま 今 起こった事を話すよ!

 

 ▽

堕天使達、一瞬セイハンザイシャを何だか可哀想な子を見る様な顔をするも、直後に無視して帰ろうとする。

 ↓

セイハンザイシャ『無視かよ!舐めてんじゃねーよ!』

左腕に手甲みたいな神器?を出して、堕天使達に突撃

 ↓

ドドド男(仮名)が迎撃。

手からドラゴン波みたいなの、出たぁ!!?

 ↓

ドラゴン波?、セイハンザイシャに直撃。

セイハンザイシャ、ぶっ飛ばされてグランドを何回かバウンドしてダウン。

動かない。死んだ?

 ↓

ドドド男(仮名)『いや、正当防衛だから…

大丈夫。きちんと手加減したから、死んでいない。』

どうやら気絶しているだけみたいだ。

ちぃ!何やってんだよ、ドドド男(仮名)!

手加減なんかしなくて、殺して善かったのに!

 ↓

堕天使とドドド男(仮名)、改めて魔方陣での転移で、学園から立ち去る。

 

◇コヤス=サン◇

おいおい…www

 

◇セイジョ☆スキー◇

それで現在、残った巨大魔方陣を、残りの動ける者達で、破壊しようと頑張ってる。

堕天使が言うには、あの魔方陣に溜まっている魔力が暴走して、あと数分で、駒王町が壊滅する程な大爆発が起きるらしい。

 

◇名無しの悪魔◇

何と?!

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉の管理地、終了のお知らせ?

 

◇セイジョ☆スキー◇

そんな訳で、僕は一時、退散。

実況を打ち切らせてもらうよ!

続く!

 

 

※※※

 




 
鈴木稔…鈴木(幽遊白書)
古杜(こもり)新都(にいと)…キング(村田版ワンパンマン)
…のイメージで。
 
次回、エクスカリバー編、締めます。
感想、評価、ヨロシクです。

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