ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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狂神父

▼▼▼

「あ…あの…神代…君?」

「あ゙ぁっ?!」

「ヒッ!?」

 

翌日の朝の、1ーEの教室。

室内に入り着席したサトルに、1つ席を挟んで隣に座っている…実は転生悪魔の…クラスメート、ギャスパー・ヴラディが話し掛けてきた。

…しかし、そのサトルの不機嫌そうな反応と迫力に、ボブカットの女装少年は、思わず立ち竦んでしまう。

 

すぱーんっ!

 

「ぁ痛あっ?!」

そんなサトルの背後、脳天に丸めたノートでの一撃が炸裂。

 

「な、何すんだよ、雪村!」

頭を押さえながらサトルは、その犯人に文句を言うが、

「「「ギャスパー君をいぢめちゃ駄目でしょ!」」」

凶器(ノート)を持った小柄な少女だけでなく、その他クラスメート女子数名から、逆に注意を受けてしまう。

 

「別に、いじめていた訳j…わ、分かった、悪かったよ。

…で、ギャー子、何の用だ?」

言い訳しようとするが、女子達の"圧"に屈し、結局は一言謝った後、ギャスパーに何用かを尋ねた。

 

「き…昨日のイッセー先輩とのケンカの件で、リアス部長が神代君に謝りたいって…

それで放課後、部室に一緒に来てくれないかっt

「巫山戯るなよ?!」

「ヒィイッ!!?」

しかし、このギャスパーの言葉に、再び…いや、先程以上の不機嫌顔になるサトル。

 

「ちょっと、神代?」

「神代君!」

「悪ぃ雪村、これは先に話させてくれ。

良いか、ギャー子?」

またもや泣き出しそうになるギャスパーを見て、女子達が窘めようとするがサトルは それを制止、ギャスパーに話し出す。

 

「放課後 部室に来いって、アレか?

『自分達が悪かった事にして謝ってやるから ちょっと お前、お前が 旧校舎(こっち)迄、足を運べや』…って、そう言う事か?

…ってか、何で あの駄肉姫 グレモリー先輩が、俺に謝るって展開になる訳?」

(い…いや それも、)(イッセー先輩とのケンカで、)(神代君に迷惑…)

「聞こえねぇよ!

大体 違うだろ?!

あの変態が迷惑掛けたから謝るってなら、俺でなくクラス…いや、学園全体の女子に、グレモリー先輩でなく あの糞本人が、残りの変態2号3号引き連れて、土下座行脚でも何でも、するべきだろうが?!」

「ぅう…ご、ごめんなさい~!!」

サトルの問い質しに怯え、掠れる様な小声で応えるギャスパーに、この男の不機嫌度(イライラ)は更に上昇。

輩の様な顔で重ねる様に放つマシンガン・トークで、半泣き顔となった男の娘を圧倒する。

 

「だ・か・ら、お前が謝ったって、意味が無いd(ガン!!)(いって)ぇーっ?!」

そのサトルの脳天に、再び衝撃が。

 

「サト君、ギャー君いぢめちゃ、駄目。」

「"広辞苑"は止めろ!!」

 

▼▼▼

その日の夜…

 

「サっトル~! 今は白音も居ないし、久し振りに 2人えっち、す~るにゃ~!♪」

「えぇい!服を脱ぎながら迫るな!…てゆーか、邪魔すんな!!」

この夜 白音は、"任務"で外出しており、夕飯の後、台所で食器を洗っているサトルに、普段から わざととしか思えない着崩した和服を更に ぽろりと肌け、まるで発情した猫の様に、サトルに責め寄るのは黒歌である。

 

 

ЯЯЯЯЯЯЯЯЯ…

 

「「……?!」」

このタイミングで、様式美な如く鳴るのはサトルのスマホ。

画面に映し出された発信者の名は…

「もしも~し、白音~?

一体、何の用にゃ~?」

『いえ、何となく、電話しなければならない気がして…って、何で姉様が、サト君のケータイに出てるんですか!?』

「…………。(チィ! 勘の鋭い妹だにゃ!!)」

…白音である。

 

『…それと ついでに、堕天使側に動きが有りましたので、その報告です。』

「そっちが ついでかよ!?」

黒歌からスマホを取り戻したサトルが、盛大に突っ込んだ。

 

『※※と思われる人物が、教会から出て行ったのですが、彼女と一緒に居るのが…

あの、※※※※・※※※※…です。』

「何…?!分かった、俺達も向かう!

黒歌!お前も直ぐ用意しろ!!」

 

pi…

 

スマホを切ると、外行きの服に着替えだすサトル。

 

「チィッ…!

これからサトルと、『ぴー』な一時を過ごせる筈が…有罪(ギルティ)!万死!!…だにゃ!」

「お前等、本当に姉妹だな!?」

そう言いながら着替えを終えた2人は、転移術式で、白音と合流するのだった。

 

▼▼▼

 

ガキィッ!

 

「な…何なんですかぁ!

こっの、奇妙奇天烈な お面ヤローわぁ!?

このライ〇セイバーちゃんを素手で受け止めるって、有り得ないっしょ~~??!」

「…残念だが()()俺は、あらゆる『魔力』や『光力』等、その類いの全てを拒む事が出来る。」

「ふ~ん?…って、俺ちんの邪魔、してんじゃねーよ!」

とあるアパートの1室、その場で白い法衣を纏った白髪の少年と、ジーンズにパーカー、そして派手な色彩装飾の鳥の仮面を被った人物…サトルの戦闘が始まった。

 

「あゎわわ…」

「大丈夫ですよ。」

「心配いらないにゃ。」

そのバトルに、腰を抜かして見ているのは、この部屋の住人。

その人物を護る様に介抱しているのは、某・美人怪盗姉妹なレオタードに、鼻口は無く、目の穴だけが開いているだけの無表情な白い仮面を付けた、2人の少女…白音と黒歌である。

 

「な…何なんだよ…?」

この大学生の青年は、未だ、現状の分析が出来ずにいた。

…当然である。

呼び鈴無しで いきなり、神父服の男が玄関から土足で上がってきたと思えば、某・有名SF映画に出てきそうな光の剣を構え、「ひゃっはー!」と、某・世紀末コミックの悪役(ザコ)の様な叫びと共に襲い掛かってきたのだ。

しかし その攻撃は、更に突然、目の前の床に浮かび出た魔法陣から現れた、仮面を被った3人の人物…その内の1人が()()で受け止める。

そして その儘、この2人は戦闘を開始したのだった。

 

「と…とりあえず、助けてくれて?ありがとう。

アンタ達が…悪m

「違います。」「違うにゃ。」

「へ?」

…そんな遣り取りの中、

 

バクィッ!

 

「ぺちょーっ!?」

サトルの豪快な前蹴りが、神父の鳩尾に炸裂。

 

「あ痛たたた…

あ゙っーー、何なんですか、キミタチわ!?

くっそ悪魔…じゃ、無いみたいだしー?」

「ふん、只の現地人だよ!

フリード・セルゼン!」

「ぉょょ?俺ちんを知ってる?

はっはーん?分かったぞ!

さては お前さん、俺ちんのファンだな?」

「違ぇーよ!!」

腹を押さえながらも、まだ余裕の有る惚けた口調で話す神父…フリード・セルゼンの台詞に、本気で否定するサトル。

 

フリード・セルゼン。

嘗ては その才能を天界に見出され、幼くして天才と呼ばれたエクソシストだったが、その余りにも狂気を孕んだ殺戮衝動故に、天界を追放されていた狂人である。

 

「まさか、堕天使に拾われていたとはな!

だが、その狂った殺人癖は、相変わらずな様だな!!」

「まじかっすかー!

俺ちん、もしかして有名人~?…っとぉ!」

 

バキィッ!

 

「んばぼっ?!」

人を小馬鹿にした様な巫山戯た口調から、光の剣を振り下ろすフリード。

しかしサトルは それを躱し、踏み込みから更に間合いを詰めて…殆ど0距離からの右の掌打を、フリードの鳩尾にヒットさせた。

 

「ぅが…痛ってーなぁ、ゴラァ!!

だっから、何なんだよ、オメーわぁ!?

分かってんのかぁ?

ソイツはなぁ、糞悪魔なんかと契約してる、糞人間なんだずぉお?!

殺してぇ、殺されて当然だろぅがぁ!」

「ひっ…?!」

再度 腹を押さえ、自分が殺そうとした大学生に目と光剣の切っ先を向けながら、怒りの形相で話すフリード。

 

「残念だが、俺は そうは、思わn

「あ、あの~、フリード神父?

結界、張り終わりましたぁ…って、え…!?」

「「「「!!!?」」」」

このタイミングで、奥の部屋から ひょっこりと顔を見せたのは、シスター服姿の金髪の少女だった。

 

♪ピンポーン♪

 

「「「「「????」」」」」

更に それは様式美なのか、次の瞬間、玄関から呼び鈴が鳴り、

「え~と、今晩は~。

あの…呼び出された、悪魔…ですけど~?」

「…はぁあっ??!」

サトルとしては聞き覚えの有る、何とも間抜けな声が、届いてきた。

 

「隙有りゃーっ!」

 

斬!

 

「…っ!!」

「きゃ…ぁぁぁぁあっ?!」

その声に反応し、一瞬 動きの止まったサトル目掛け、フリードが凶刃を放ち、それは少女の悲鳴と同時にサトルの脇腹に喰らい突くが、

「な…何ですとぉ?」

「最初に、言ったはずだ!」

 

ドガァッ!

 

「のわっち!?」

「きゃあぁっ?!」

光の刃は その身に刺さる事は無く、狂神父は即座に反撃の右拳を顔面に浴び、壁に据え付けられている本棚に激突。

 

「…俺には、『光』や『魔力』は、通用しないってな。」

暴力的場面に慣れていないのか、金髪少女が再び悲鳴を上げる中、言葉を続けるサトル。

 

ダダダッ…

 

「な…何だよ? 今の、女の子の悲鳴は?!」

そして其処に駆け付けてきたのは、駒王の制服、それを前面のシャツのボタンを全開、赤のアンダーシャツをトレードマークの如く開かした、茶髪の少年。

 

「な…んだぁ? 今度は、糞悪魔かぁ?」

「ヒョウドウ…イッセイ…」

 




 
続く!
 

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