ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

55 / 114
 
完全な閑話。
飛ばしても殆ど影響無いです(笑)。
 


排球ー!!

 

突然な話だが、駒王学園は行事(イベント)が多い。

10月終盤の この日は、3学年全クラス対抗の、球技大会(秋)が行われていた。

種目はバレーボールである。

 

「…で、来月アタマには、学園祭だもんね。」

「しかも その前に私達は また、冥界でゲームが有るし…」

「ハァ…忙し過ぎだぜ…」

…そう呟いているのは、生徒会役員達だ。 

 

☆☆☆

全校クラス対抗バレーボール基本ルール

 

・6人制ゲーム、1セット11点の3セットマッチで、2セット先制したチームの勝利

・試合は3学年全クラスによるトーナメント方式で進めていく

・各チーム、女子を最低3人は常にコートに出場させる事

・選手交代はフリーだが、前述の通り、常に女子は3人以上出場

そして1度退がった選手は、その試合の復帰は不可

・バレーボール部員は男女共に出場禁止

・…等々

  

☆☆☆

 

 

「頼むぞ、華路。

基本、ラストは全部、お前にボール回す感じだからな。」

「だっはっはっはっは!

大丈夫!この天才に任せ、大船に乗った心算でいたまえ!」

サトルから「華路」と呼ばれた、身長190越えの坊主頭の少年が、お調子者全開な どや顔の大笑いで応える。

 

「さ~て、サクッと行きますか♪」

「「「おーっ!」」」

そして、サトルと同じく、クラス代表となった、カルマや白音、その他女子2名…雪村楓と矢田桃花も元気に掛け声を出し、テンションを高める。

 

「絶対に優勝しますよ!」

「当然!」

「プリン!プリン!プリン!プリン!」

特に白音達女子は、気合い十分。

優勝したクラスには全員、試合出場関係無く、学食のデザート券1枚が配布されると云う特典に、やる気を迸らせていた。

 

「因みにサト君とギャー君のデザート券は、私が貰う事になっています。」

「えぇっ? し、白音ちゃん?!」

「勝手に決めんなよ…

まぁ、俺は別に良いけど?」

 

≫≫≫

 

わーわーわーわーキャーキャーキャー

ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー…!

 

「な、何なのよ…この、凄まじいアウェイ感…?」

そしてサトル達、1年E組の出番となった時、体育館内は、異様な歓声とブーイングに包まれた。

これに対戦相手…サトル達と反対側のコートに立つ、眼鏡を掻けた おさげ髪の少女がボヤく。

 

「「「これも全部、アンタ等の せいだからね!」」」

「「何でだよ?!」」

そして この彼女を含めた女子3名が、同じチームの男子2名に批難を浴びせた。

これに対して、その男子2名が言い返すが、実は致し方無し。

実際に今、館内に木霊するブーイングは この2人…松田仙造、そして兵藤一誠に向けられているのは明らかだった。

この2年C組の兵藤と松田、そして もう1人、運動神経の無さから今回のクラス代表には選ばれなかった元浜幹親を加えた3人は、普段から"変態3人衆"と呼ばれ、全校女子より蛇蝎の如く忌み嫌われている。

それに対してサトルは4月、その変態3人に制裁を加えた"勇者"として、学年女子から認識されているのだ。

即ち これは、完全に『勇者vs変態』の図式。

更に云えば、1-Eには学園 ろりきょぬー マスコットの愛称で人気者の、白音も居る。

それ等を踏まえれば、他4名は完全に巻き添えだが この観衆の対応は当然であり。

 

「「くそっ! これも全部、あの神代(ヤロー)のせいだ!」」

 

兎に角、そんな異様な雰囲気の中、

 

ピーッ!

 

2-Cvs1-Eのゲームが開始された。

 

≫≫≫

「はい、櫻樹君!」

 

ポーーーーーーーーン…

 

「応よ!!」

2-Cの女子が放ったサーブを矢田が受け止め、それを雪村が天高くトスを上げた。

そして この、普通に考えれば無駄に高過ぎるトスを、身長191㌢のバスケ部員・櫻樹華路が合わせる様に大きくジャンプ、

 

「ふんぬーっ!!」

 

バシィッ!!

 

「「「「「「!???」」」」」」

反対コートの兵藤達のブロックが意味を為さない程の、高い打点からのスパイクが炸裂。

敵陣コートに見事 突き刺さった。

その鋭い打球に相手の2年生は、誰1人反応出来ず。

 

「うぉーっ!天・才!!」

「「いっえーい!」」

 

パチィーン!

 

雄叫びと共にガッツポーズを決める櫻樹に、サトルとカルマが駆け寄り、ハイタッチを交わす。

 

「くそ…()()()()()()()、あんな球…!」

これに、悔しそうな顔を浮かべるのは兵藤。

当然な話だが、学年内の転生悪魔の生徒達は全員、各々の主から「ゲームに出るのは構わないが、悪魔としての能力(チカラ)を使うのは厳禁」と、言われていた。

 

≫≫≫

「ふん!」

 

バシッ!

 

「「「!!?」」」

櫻樹の活躍はオフェンスだけでない。

相手の2年生チームが放ったスパイクをハイジャンプからのブロック…と云うより、逆にスパイクで打ち返すの表現が正しい一打を、相手コートに叩き付ける。

 

「天才ですから!」

「「いえーぃ…て、ちょ…櫻樹君?」」

ノリに乗る櫻樹に、今度は白音と雪村がハイタッチしようとするが、その身長差にクラス内は愚か、学園全体でも背の低さで1・2を誇る2人はジャンプしても、櫻樹が高く上げた手には届かない。

 

「「も~、しゃがみなさいよ!」」

「はっはっは!」

 

パチィン!

 

2人の抗議に櫻樹は「軽いジョークだ」と笑いながら腰を屈め、改めてハイタッチ。

 

≫≫≫

「おらっ!」

 

バシィ!

 

「はいよ…っと!」

 

バシィ!

 

試合は櫻樹だけでなく、サトルやカルマも、確実にスパイクを決めていく。

クラス内の長身男子3人と、運動神経抜群女子3人の1年生チームの連携は見事に噛み合い、着実に2年生相手に得点を積み重ねていく。

 

≫≫≫

「くそ…悪魔としての身体能力が使えたら…

死ね!神代ォッ!!」

 

バシィ!

 

怨敵に対する如く、兵藤の殺意が籠ったサーブがサトルに迫るが、 

「ほい!」「はいっ!」「ふん!」

それは難無くサトルがレシーブ、そして白音から櫻樹に繋がり、またも得点。

 

「ぐぬぬ…!」

結果、この試合は第1セット11-3で、続く第2セットも、11-5の危な気無いストレート勝ちで、サトル達1-Eの勝利となった。

 

「く…くそっ…! おのれ、神代…!」

 

▼▼▼

きゃーきゃーきゃーきゃーきゃーきゃー

わーわーわーわーわーわーわーわー…

 

そして2回戦。

サトル達が再びコート入りした時、館内の声援は最高潮に達していた。

サトル達1-Eの次の相手は1回戦はシードだった、 

「ん~、やっぱりと言うか、出てきたね~♪」

「ああ、 駄肉姫 グレモリー先輩か。 」

リアス・グレモリー率いる、3年A組である。

リアスと彼女の女王(クィーン)の姫島朱乃。

この"学園2大お姉様"の登場に、男女問わず、観衆は大熱狂。

先程の完全ホームな雰囲気は一掃され、今度は6-4の割合で、リアス側の応援の声が やや多く感じられた。

 

「神代君…だったわね。

こうして会うのは、初めてね。

貴方には…色々と有って、何時かは お話ししたいと思っていたけど…」

初めてね…じゃねーよ、この駄肉が。

そりゃ、どーも… 」

ネット越しに、リアスとサトルが()()()()()()()()()、初めてのコンタクトで一言二言の会話。

しかし当然ながら、リアスは目の前の男が、自身の天敵?である、あの"鳥仮面の男"と気付く訳も無く。

 

「げ…出たな、アゴリ!」

「誰がアゴリじゃあっ!!?」

そして櫻樹も、ネットの向こう側、身長2㍍の大男に声を掛ける。

その1年生が上級生に対する呼び名とは思えぬ暴言に、バスケ部主将の男は、声を大にして突っ込んだ。

 

≫≫≫

 

どん!

 

「ぬぉわぁっ?!」

「きゃあっ!?」

試合は、ほぼ互角な展開で進み、第1セットを3-A、第2セットを1-Eが取った第3セット、7-7の場面でサトルが打ったサーブを3-Aの男子(モブ)が受け、姫島がトスを上げた時の事。

そのトスにリアスと、バスケ部主将のアゴリこと、岡村建一が合わせてジャンプし、両者は空中で衝突。

体格差故にリアスは弾き飛ばされ、尻餅を撞いて落下。

岡村の方もバランスを崩し、スパイクに失敗。

撫でた様なボールを相手コートに運んでしまう。

これは当然、簡単に受けられ、最後は まだ起き上がれていないリアスの足元を狙われ、ボールを落とされた。

 

「ちょっと、何やってんのよ?岡村君!」

「それは儂の台詞じゃ、グレモリー!」

そして この事で、2人は試合そっちのけで言い争い。

 

「朱乃は今、私に向けて、トスを上げたのよ!」

「何を言うか?!

今のはポジション的に、儂へのパスじゃろうが!…のぅ、姫島?」

「朱乃? 当然、私よね?!」

最後にはトスを上げた姫島に、どちらが悪いか正しいかを聞く始末。

 

「ん~~~~~~~…」

この問い詰めに困った顔をする姫島。

彼女的には今のトスは、岡村に対しての物だったのだが、

「今のは、リアスへのパスでしたわ♪」

「何とお~~~~~っ?!!」

主への義理立てか、或いは何時もの悪癖(ドS)が疼いたのか、リアスの名前を出してしまう。

 

「引っ込んでいなさいよ!このアゴリラ!」

「リアスお姉様の邪魔、してんじゃないわよ!!」

 

ブーブーブーブーブーブーブー…!!

 

「うおおおおぉおおおおぉうっ!!

な、何でじゃあああっ!?(〒Д〒)」

更に館内の女生徒を中心とした観衆から、罵詈雑言のブーイングを浴びた岡村は、思わず絶叫。

 

「アゴリ…まぁ、どんまい…!」

「うおおぉ~!櫻樹い~ぃっ!!」

それはネット越し、普段は生意気この上無い後輩も、思わずフォローの言葉を投げ掛けてしまう程の悲惨さだったと云う。

 

≫≫≫

…この一件で、ゲームの流れは1-Eの側に大きく傾いた。

 

「華路っィ!!」

 

ぽーーーーーーーーーーーーん…

 

そして、マッチポイントを迎えた1-E。

雪村のレシーブから、この日一番の高いトスをサトルが打ち上げ、

「応よっ!」

 

ダダダッ…

 

コート後方から助走を着けた櫻樹が それに合わせ、この日一番のハイジャンプ。

 

「ふんぬーーーーっ!!」

 

バシィッ!

 

「「「「「「!!?」」」」」」

そこから放たれた高角度のスパイクが、3-A側コートに隕石の如く墜ちていき、

「甘いわ、櫻樹!

ぬぉわぁおぇぃっ!!」

 

バシィィン…

 

これを唯一、反応出来た岡村がレシーブするが、その威力を完全に削る事は出来ず、

 

ぽーーーーーーーーーーん…テンテン…

 

「「「「「「……………。」」」」」」

結果、このボールは特大ホームランとなり、1-E側コートの後方の床に落地。

試合は、サトル達、1-Eの勝利に終わった。

…尚、このプレイが最終的に決着に結び付いたとして、岡村が3-A女子を基、リアスのファン達から批難を浴びたのは、別の話。

 

「何でじゃああぁっ??!(〒Д〒)」

 

▼▼▼

「いやー、惜しかったね~♪」

「嗚呼、プリン…プリンが…」

…但し、サトル達の快進撃も此処まで。

続く3回戦にて、2年生のクラスに惜敗してしまう。

1-E、デザート券、ゲットならず。

そして そのクラスは今回の大会、見事 優勝するのだが、それも また、別の話である。

 

「よし、レーティング・ゲームの前に、良いモチベーションを作り出せたぜ!」

 




 
①今回 登場キャラ
 
櫻樹(さくらぎ)華路(はなみち)…桜木花道(スラムダンク)
雪村楓…茅野カエデ(暗殺教室)
矢田桃花…矢田桃花(暗殺教室)
岡村建一…岡村建一(黒子のバスケ)
 
…のイメージで。
"華路"を一番最初からルビ無しでキチンと読めていたなら、貴方は上級読者。
因みに雪村さんは、過去に一度 登場しています。
 
②実は作者、『ハ〇キュー!!』は一度も読んだ事が無いです。(笑)
 
③全く関係無い話だけど、最近ハーメルン(その他)に貼ってある『異世界魔王と召喚少女の〇隷魔術』のゲーム広告を見て、「え?ソーたん?」…って思ったのは自分だけですか?
 
感想、評価よろしくです。
 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。