ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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今回の伏線…16話と40話。
 


リアスvsサイラオーグ③

 

ブゴォォォォォォオッ!!!!

 

木場の放った黒い衝撃波が、サイラオーグに迫る。

 

「ふっ!」

これを見たサイラオーグは不敵に笑うと、腕を十字に重ねるクロスガードの構え。

躱すという選択肢は無い。

必ず この技を凌ぎきると云う、完全防御の姿勢だ。

 

覇阿(ハァ)ァッ!!」

 

ヴォッ!

 

更には精神を集中させた気合いの掛け声と共に、体内の闘氣を解放。

サイラオーグの全身が、金色の光に包まれる。

 

「まるで、(ハイパー)ヤセイ人みたいだぜ…」

「はっはは! だとしたら、彼の強さも納得だよ!…因みに この会話、0.01秒!」

「「「「「嘘ぉっ?!」」」」」

若手悪魔が集まる部屋で、匙とディオドラが、そしてソーナ、シークヴァイラ達が、この姿を漫画(コミック)ドラグ・ソボールの登場人物に例えながら話す。

 

ドッガァアアアアアアアアンンッ!!

 

そして遂に、黒い衝撃波がサイラオーグに直撃。

 

「………………。

残念、だったな…。」

「………………!??」

結果、サイラオーグは その攻撃に耐えた。

倒れる事無く、クロスガードの構えで、確と立っていた。

但し、闘氣のバリアでガードしていたにも拘わらず、身に着けていた闘衣はズタズタとなり、体全体も血塗れの状態である。

それは一応は、この男の肉体の防御を撃ち破り、攻撃が届いた証明では有った。

 

「…くっ!」

それを見て、木場は顔を顰める。

生命力(いのち)を削り、必殺の心算で繰り出した一撃で、仕留められなかったのだ。

既に禁手(バランス・ブレイカー)は解除され、通常の魔剣を杖代わり、肩で息をしながら立つ彼には、次に放てる技も、それを実行する事が出来る体力も、残っていなかった。

 

「…先に、謝罪しておかなければならない。」

「…???」

そんな木場に、ガードを解いたサイラオーグが話し掛ける。

 

「俺にとっては このバトル、本命は赤龍帝だった。

夏のディオドラとのゲームで覚醒した赤龍帝。

今回の、ヤツを擁するリアスとの対戦が決まった時、そして実際に俺の前にヤツが現れた時、俺は あの悪名高き二天龍の一角と闘えるのだと歓喜した。

あの夏のゲームから2ヶ月。

如何に転生して数ヵ月とは云え、伝説のドラゴンに目醒めたからには、2ヶ月も有れば、想像を絶する強者となっており、俺の前に立ってくれるだろう…と。」

「……………………。」

そしてサイラオーグの言葉を、木場は黙って聞いている。

 

「しかし結果は…自分が勝手に期待していた事も有るが、ヤツは想像以上に想像以下。

だが、リアスの騎士(ナイト)よ!

貴様は そんな俺の喪失感を払拭し、俺の期待以上の技で応えてくれた!

赤龍帝にだけ注視し、オマケ程度に視界の端に留めていたに過ぎなかった、非礼を詫びよう。

そして礼を言うぞ!

よくぞ俺を、此処まで昂らせてくれた!

今の一撃、見事だったぞ!!」

「ふふ…誉め過ぎですよ?」

「名を、聞いておこう。

リアスの騎士(ナイト)よ。」

「木場…リアス・グレモリー様の騎士(ナイト)、木場祐斗です。」

「ならば木場祐斗よ!

察するに貴様は もう、これ以上 戦える力は残っていまい!

だが俺は、手を抜かん!

それが貴様という男に対する礼儀だ!」

「それは…どうも…

確かに僕は もう、品切れのガス欠寸前ですけどね…。

それでも…不様でも醜くとも、せいぜい抗わせて頂きますよ!」

「ふっ…、よく言った!」

 

ザザッ!

 

会話の後、2人は再び拳と剣を構える。

 

ブォオォッ!

 

サイラオーグが闘氣を全開。

そして体中から放つ金色の光を、己の右拳へと集中させていく。

 

「これが…これが今の俺の、最強最大の必殺拳だ。」

 

ダッ…!

 

黄金に輝く拳を見せつけたサイラオーグが、木場に向けてダッシュ。

カウンターの迎撃を狙う木場…実は そんな体力すらも残ってない木場に対して、右拳を振り抜くと同時、木場は その場から姿を消した。

 

『リアス・グレモリー選手の騎士(ナイト)戦線離脱(リタイア)です。』

 

≫≫≫

「……………………………。

おいディオドラ、気付いたか?…って、ディオドラ??」

「う…うおぁ~っ!木場君ん~!!」

「木ぃ~場ぁ~あっ!」

「「「「「木場きゅ~~ん!木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅん木場きゅう~~ん!!!!」」」」」

「「ぅぅう…先輩君~!」

        殿お~っ!!」「……………………………………。」

ライザーがディオドラに話し掛けようとした時、そのディオドラは号泣。

ディオドラだけでなく、彼やソーナ、シークヴァイラの眷属達も、大号泣していた。

 

「やれやれだぜ…。」

そんな光景に、ライザーは苦笑。

今の決着…

()()()()()()()()()()()()()()()()()()() ()()()()()()()()()事について検証しようと思っていたが、それ処では無い様だ。

 

「…とりあえず、速報だな。」

そう言ってスマホを手にするライザー。

 

「な…何だと…

所持者の生命力、体力を喰らう魔剣…だと?!

そんな剣を手にしたら…

そして今の、サイラオーグ殿の一撃…

あの様な攻撃を喰らえば…?!

はぁぅう! そ、想像しただけで…

ハァハァ…(;゚∀゚)=3 」

…そんな中、()()だけは、平常運転だった。

 

▼▼▼

「バカな子…

後で、説教よ…!!」

…この結果に、リアスは憤慨していた。

敗北に…では無い。

無論、それも悔しくは有るが、彼女の怒りの原因は、他に有った。

 

「バカよ、貴方は…

誰が何時、命を削る様な…そんな危険な技を使えって、言ったのよ…」

勝つ為…相手が生半可な攻撃が通じないとは云え、己の生命力を消費する、その木場が執った戦闘スタイルに、だ。

最後はサイラオーグの一撃が直撃する直前、(キング)の権限で強制退場(リタイア)させ、大事になるのは回避出来たが、その自らの命を軽視する姿勢に、リアスは悲しみと怒りを隠す事が出来なかった。

 

「…勝つわよ、皆!!」

「「「「はい!!」」」」

しかし その木場の覚悟は、残ったグレモリー眷属の戦る気に、更なる火を点す結果となる。

 

≫≫≫

『さあ、出た目は⑤と④!

駒価値 合計、9の選手を送り込む事が出来ます!』

そして、次に両(キング)が振った賽子(ダイス)の合計は9。

此処で、腕や頭に応急の手当てを施されたサイラオーグが、またもやマイクを取る。

 

『次は、駒価値"7"の兵士(ポーン)、レグルスを出す!』

『………………………。』

サイラオーグの宣言に、隣に立っていた、獅子を象ったかの様な金色の仮面を被った男が1歩、前に出て一礼。

 

『…しかしレグルスは理由(わけ)有って、単独での長時間戦闘は出来ない。

故に、戦闘開始から、3分経ったと同時、強制退場(リタイア)させる!

その時は、リアス側の勝ちだ!!』

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

そして続く この発言に、観客席は ざわめき立つ。

 

『このサイラオーグ選手の発言に、場内は騒然ですが…?』

『逆に言えば、このレグルス選手に対し、如何なる相手で在ろうと、3分以内に終わらせると云う自信、信頼が有るのでしょう。

…が、これはリアス選手からしたら、面白くないでしょう。』

 

≫≫≫

「何よ…馬鹿にするにも、程が有るわよ…!」

実際に解説者の言う通り、サイラオーグの宣言により、リアスの感情は天元を突破。

 

「朱乃、頼んだわよ!」

「はぁい部長♪」

 

 

≫≫≫

 

※※※

 

◇コヤス・サン◇

次のカードはサイラオーグの兵士レグルスと、リアスの女王、姫島朱乃だ。

夜の砂漠っぽいステージだな。

 

◇名無しの悪魔◇

朱乃さん、キター(゚∀゚ 三 ゚∀゚)ー!

 

◇名無しの悪魔◇

挟んで下さい!

 

◇名無しの悪魔◇

罵って下さい!

 

◇名無しの悪魔◇

失せろ、変態共が!

…踏んで下さい。

 

◇名無しの悪魔◇

お前も変態だよwww

 

◇コヤス・サン◇

レグルスがバトル開始直後、巨大な黄金のライオンに変化した。

それを見た姫島が雷撃を放つが、レグルスには効いた様子は無い。

そして その直後、レグルスが飛び掛かり、ライオンの爪で姫島を斬り裂いて、決着だ。

 

◇名無しの悪魔◇

速っ?!

 

◇名無しの悪魔◇

瞬殺っすか?

 

◇名無しの悪魔◇

嗚呼…朱乃さんが…

 

◇名無しの悪魔◇

巫女様が…orz

 

◇名無しの雷光◇

ぬぉお~~!朱乃!朱乃ぉっ!

 

◇名無しの悪魔◇

雷の巫女さん、凄い人気だなあ。

 

◇名無しの悪魔◇

まぁ あのヒトって、美人だし、おっぱいメロンだし~?

ファンて沢山いるでしょ?

 

◇名無しの悪魔◇

巫女服ハァハァ(;゚∀゚)=3

 

◇名無しの悪魔◇

通報しますた。

 

◇名無しの悪魔◇

いやいや、『美人』で『巨乳』ってだけなら、駄肉姫にも一応はファンが沢山いる事になるが?

 

◇名無しの悪魔◇

一応は、いるよ。

正体知らない連中とか、ガチ信者とか。

 

◇名無しの???◇

ガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐いガチ恐い…

 

◇名無しの悪魔◇

どうした?

 

◇名無しの悪魔◇

何があった?!

 

◇名無しの???◇

ガチ信者に捕り憑かれた…

 

◇名無しの悪魔◇

www…ごめん、笑えないのに嗤ってしまふ…

 

◇名無しの悪魔◇

お祓いして貰えば?

 

◇名無しの???◇

悪魔的に、そのお祓いでダメージ受けるから無理っす…

 

◇名無しの悪魔◇

www

 

◇コヤス・サン◇

…速報の続き、いくぞ?

次のサイコロは、また両者『6』の、合計12。

ただっ広いお花畑みたいなフィールドに登場したのは、リアス側は また あの鎧カップルと、ハーフヴァンパイアの僧侶。

サイラオーグ側は、女王と、僧侶の女だ。

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君~!

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君~!

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君だ~!

 

◇名無しの悪魔◇

男の娘大人気に草(笑)

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

スタジアムもヴラディに、凄い声援だぜ。

サイラオーグ様側の女性陣、男の娘に人気で敗けてるって感じだな。

…ってか、あの容姿は絶対に詐欺だよな?

 

◇名無しの悪魔◇

だが、それが良い。

 

◇名無しの悪魔◇

其れが定めよ(笑)

 

◇名無しのブラックドラゴン◇

何なんだよ…?(汗)

 

◇コヤス・サン◇

バトルスタート。

サイラオーグの女王と僧侶が連携して魔力全開。

広範囲の魔力の壁みたいなのを作り、それをリアス側の3人にぶつけてきた。

これをハーフヴァンパイアが、鎧カップルの時間を停めて、この2人は難を逃れたが、ハーフヴァンパイアは直撃を受けてリタイアだ。

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君が…

 

◇名無しの悪魔◇

ギャー君~~~~~~~~~~!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

魂(こころ)の叫びwww

 

◇コヤス・サン◇

…で、鎧カップルが反撃。

ダブルアーツで僧侶の女を蹴散らすが、直後、女王の魔弾を喰らった西洋鎧の騎士もリタイア。

残されたサムライアーマーがキレて、騎士がリタイアする直前に渡された矢を射つが、女王がそれを、『穴(ホール)』で射ち還して、決着だ。

 

◇麗しの令嬢悪魔◇

これでリアス側は、リアス1人に。

此処でサイラオーグが王同士の一騎打ちを提案。

リアスがそれに乗ったわ。

 

※※※

 

▼▼▼

翌日。

若手同士のレーティング・ゲーム2ndステージも、今日が3日目、最終日。

ソーナ・シトリーとディオドラ・アスタロトが競う この日もアガレス領では、昨日の熱戦が冷め遣らぬ儘、ファン達の賑わいで溢れていた。

そんな中、その会場、ゲームが行われる浮遊島都市を地上から見上げる若い男女が3人。

 

「「「これが…ラピ〇タ…」」」

 




 
次回、ディオドラvsソーナ、スタート!
 
感想、評価よろしくです。
 

この次は、ディオドラ・アスタロトvsソーナ・シトリーのゲームですが、どちらを勝たせましょうか?(ぶっちゃけ まだ決めてないwww)

  • セイジョ☆スキー
  • ひんぬー会長

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