ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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ひんぬー会長vsセイジョ☆スキー…
ゲーム、スタート!
 


スクランブル・フラッグ

『さぁ、両チームが出揃いました処で、本日のルールを発表します!

ソーナ・シトリー選手とディオドラ・アスタロト選手の一戦は…

昨日のダイス・フィギュア、一昨日のオブジェクト・ブレイクで、既に予想されている皆様も多いと思われますが…』

観客の声援で沸くスタジアム。

アナウンスの男が昨日同様、この日の対戦ルールを勿体付ける様に、一呼吸置いて発表した。

 

☆☆☆

 

【スクランブル・フラッグ】

・広大なフィールド内に立つ、幾本もの(フラッグ)を奪い合うルール。

・制限時間内(今回は7時間)に それ等を全て奪取するか、タイムアップ時に相手よりも多く、旗をキープしていた方が勝利。

当然、敵(キング)を撃破しても、それで勝利となる。

・尚、今回の兵士(ポーン)昇格(プロモーション)は、敵エリアに侵入するか、残り時間60分を割った時に可能とする。 

 

☆☆☆

 

≫≫≫

「今回は"オブジェ"と違って、対象を破壊したら即ポイントgetじゃない。

タイムアップまで、取った旗を守らないと意味が無い。」

「旗をゲットした後、それを持ち歩くか隠すか…

それとも この"拠点"で保管するか、それが別れ目ですね。」

「そもそも、トータルの旗の数も、発表されていませんし。」

「半分以上獲った時点で、守りに入るという手が使えません。」

「いやいや、いっその事、ソーナ・シトリー様を討てば、それで良いのでは ないか?」

「…拠点に1ヶ所に集めるのは、逆に其処を攻められるのを考えたら、危険ですね?」

「集めるのは、拠点に拘る必要は無いと思うわ。」

「そうね、今回は『拠点陥落で負け』…ってルールじゃないし。」

獲り役(オフェンス)護り役(ディフェンス)を完全に分けますか?」

「無視ぃっ?!」

アナウンスがルール説明や両チームの出場選手の紹介の後、転移で今回のゲームのステージである、疑似空間に飛ばされたディオドラ達。

その自分達の拠点となる建物内で、作戦を話し合っていた。

 

「う~ん…こうやって見ると皆、こういう頭使うルールって、苦手だよ、ねぇ…?」

「「「「ですよねー。」」」」

ディオドラが苦笑、自虐気味に話す。

改めて見ると確かに、ディオドラの眷属の殆どは、剣術や格闘…接近戦を得意とする、所謂"脳筋気質"の者が多い。

魔法攻撃を得意とするルイズも、『ガンガンいこうぜ』とばかりに魔弾を放つ、物理と魔法な違いだけの、どちらかと言えば同様な"猪"タイプ。

『旗をどうするか』の話し合いの中、『大将首を獲れば それで良い』な考えの、元カトリックの聖剣使いは論外である。

ジャンヌは"戦闘"に関しては、冷静且つ知的に動けるが、レーティング・ゲームの様な集団戦闘での、全体的な策略を練る件については、まだ不得意としていた。

夏の1stシーズンでは、余りにも相手が"分かり易い"タイプだったから そうは見えなかったが、実はディオドラも、このタイプに近い。

その辺りは(キング)として日々、修練中である。

知的に動くと云う点では、僧侶(ビショップ)の祐理が そのタイプに近いが、彼女も謀略を駆使するには、些か正直者過ぎた。

 

「守りはジャンヌさんの聖剣の結界で、良いんじゃないですか?」

「「「「「「「「それだあっ!!」」」」」」」」

 

≫≫≫

「…そんな訳で、今回は僕も、キミの指示に従うよ。」

「ふん…仕方、有るまい…。

そういう風に言うのであらば、頼まれてやろう。」

ディオドラの指名に、(キング)を含めて このメンバーの中で唯一、(はかりごと)に長けていると云っても良い、僧侶(ビショップ)のヨシコ・サマーが ツン全開で 頷く。

 

「本当、こういうのって、ソーナやシーグヴァイラが得意としてるんだよね。

散々ぶーたれていたゼファードルの気持ちが、よ~く解ったよ。

ソーナが どういう風な策で来るのか…

ん、読めないね、全く!(笑)」

…ゲーム開始まで、あと10分。

 

▼▼▼

「制限時間、7時間かよ?!」

「少し、長過ぎ。」

「…ですね。」

…その頃の観客席。

アナウンサーの説明を聞いていた、サトル達が呟く。

 

「いやいや、このルールでは、寧ろ短い方だと思うが?」

「「「??!」」」

そんなサトル達に、隣に座っていた男が話し掛けてきた。

高級感溢れるスーツを馴れた感じで着こなし、その上に これまた豪華なマントを羽織った、壮年の悪魔だ。

 

「…本来ならば、声を掛ける事それが無礼なのですが、話し掛けられたならば それを無視するのは更なる非礼。

故に言葉を交わす無礼を、先に詫びさせて頂きます。

…敢えて聞きましょう。

貴方の様な方が、こんな場所で観戦ですか?」

何者かは分からないが、その容姿や感じる魔力からして、この男が上級の悪魔貴族と察したサトルは平民悪魔を装い、サングラスを外して この男に話し掛ける。

 

「ん? キミは私を、誰かと勘違いしてないかな?

()()私は、只のレーティング・ゲームのファンな、キミ達みたいな初心者?に蘊蓄を語るのが大好きな おっさんだよ?」

「「「ハァ…」」」

それに対して、男は気さくな笑みを浮かべて話し、男の隣に座っている、サトルと似たような黒服を着た3人の若い男…恐らくは護衛なのだろう…は、それを見て、何やら呆れるやら諦めるやらな、深い溜め息を溢す。

どうやら彼等からすれば、これは何時もの如くな様だった。

 

「今回のルールだけどね…」

そして御機嫌な顔付きで、色々と語り出す、悪魔貴族の男。

どうやら、サトル達の正体には気付いて無い様だ。

そう、サトル達は冥界入りする前、サトルの瘴気対策だけで無く、人間や猫魈の気配をアマテラスのスキルにより、悪魔の気配で上書きして消していたのだ。

ベロちゅう 口写し(リップサービス)』で。

これにより、サトルだけでなく、白音と黒歌も顔を艶めかせ、惚けた顔でダウン。

姉妹揃って、()()()()()()()を開こうとした処を、サトルが「駄目だ!それは絶対に踏み込んではイケない領域だ!」…と、渾身の突っ込みで止めたのだった。閑話休題。

 

≫≫≫

「…レーティング・ゲームは娯楽。

だけど お偉い連中(みなさま)の中じゃ、おいそれと声を出して応援とかも出来ないからねぇ。」

「それは何となく、解りますよ…って、え~と?」

初心者?のサトル達にレーティング・ゲーム全体的な説明を簡単に話した男は、最後に やはり、貴族を思わせるボヤキきを見せ、サトルも それを理解。

 

「ああ、そう言えば まだ名乗ってなかったね。

私は…そうだな、ティアブラッド。

ティアブラッド(仮名)(カッコカメイ)とでも、名乗らせて貰うかな?」

「…()()()です。」

(あかり)です。」

(ほたる)だよ。

よろしくね、ティア様♪」

此処で改めて、偽名では在るが、互いに名を名乗るサトル達。

猫姉妹は任務時のコードネームを、聡琉(サトル)は自分の名を、読み方を変えて名乗った。

黒歌(ほたる)は既に、仮名を更に愛称で呼ぶ程のフレンドリーさだ。

尚、普段の猫語?とでも云うべきか…な喋り方は自重している。

 

「はっはっは!ティア様!

良いね、良い響きだ!気に入ったよ!」

この余りにも無礼講な態度に、護衛達は「ぐぬぬ…!」と顔を歪めるが、当の本人が その呼び名を本当に気に入った様で、この今にも飛び掛からんとする この3人を制する。

 

ぶむぅぅぅん…

 

そうした中、闘技台は魔力のドームで覆われ…闘技台だけでなく、スタジアム全体も、魔力の膜が屋根の様に、上空を包み隠していく。

そして、闘技台はゲームの舞台なのだろう、フィールド全体が映し出され、屋根の魔力画面(スクリーン)も幾分割かされ、ソーナとディオドラの各陣営の様子が映された。

 

「さあ、始まるよ。」

 

ゴォォォン! 

 

そしてティアブラッド(仮名)の言葉通り、銅鑼(ゴング)の音と共にゲームスタート。

両陣営が動き出した。

 

▼▼▼

ゲームの舞台は広大な草原を基本(ベース)に、東西の端に各陣営の砦を配置、森や無人の街、岩山や洞窟等、様々な地形で形成されていた。

ゲーム開始から約60分が経過し、両チーム、未だ相手チームと遭遇する事無く、隠された(フラッグ)を数本ずつ入手していた。

因みにだが、観客席からは その一部始終が映され分かっているが、旗の入手等はフィールドにアナウンスされず、プレイヤー達は互いに敵チームの入手状況を知る術は無い。

 

「…怪しい。」

「怪しいですね。」

「怪し過ぎるわ。」

そして今、ディオドラの兵士(ポーン)のアイズ・ヴァレンシュタイン、イヴ・ダークネス・ゴールド、エルザ・スカーレットの3人は、広い湖の前に立っている。

如何にも『旗を隠しています』な雰囲気の、そんな湖だ。

 

≫≫≫

『…そうか。なら、アイズは その場で待機。

イヴとエルザで、その湖の底を探索してくれ。』

「「「了解。」」」

魔法術式の通信を使った司令塔ヨシコの指示に、3人が応える。

 

パァァ…

 

先ずはエルザが体全身から眩い光を放ち、纏っていた鎧を、自らの髪の様な紅のビキニに換装で着替えた。

 

うおおおおぉ~っ!!

 

この情景、スタイル抜群な姿が魔法スクリーンに映し出され、スタジアムは大歓声だ。

 

バサァッ!

 

続けてイヴが、着ていた黒のワンピースを脱ぎ捨てると、濃紺のスクール水着の姿に。

胸元には『いゔ』と書かれた白布が縫い付けられている。

どうやら事前に、下着の代わりに水着を着込んでいた様だ。

 

うおぉぉぉぉぉお~~~~~っ!!!!

 

「何なのですか…?」

「おまわりさん、こいつ等です。」

「どうでも良いが お前等、さっきから左右からの目隠しは止めれ!」

サトルが猫姉妹に突っ込む中、スタジアムは イヴのマニア受けしそうな姿に、更なる大歓声に包まれる。

 

 

「…えっちぃのは嫌いです。」

「ん?どうかしたのか?」

「分かりません。でも、こう言わないと いけない気がしました。」

 

ざっぱぁーん…!

 

…こんな遣り取りの後、2人の少女は湖に飛び込んで行った。

 

≫≫≫

「ふふ♪ どうやら その湖に、旗が隠されているみたいね?」

「…!!?」

数分後。

仲間の戻るのを待っていたアイズに話し掛けたのは、ソーナの騎士(ナイト)、巡巴柄だった。

 

「…成る程、貴女は その間、()()()()()()、留守番役な訳ね?」

「……………。」

巡は湖の畔に綺麗に畳まれて置いてある、イヴの衣服と、2本の旗に目を向ける。

 

「それを見た以上、素通りは出来ないわね!

貴女を倒して その旗…

そして湖から お仲間さんが取ってくるであろう旗も、私が貰ってあげるわ!」

 

ジャキ!

 

そう言って、太刀と小太刀を構える巡。

京都で英雄派と対峙した時の木刀でなく、業物の鋼の刃だ。

 

「…旗は、渡さない。

そして、イヴもエルザも、やらせない!」

そしてアイズも、細剣を構える。

このゲーム、初の戦闘が始まった。

 

「破ぁあッ!!」

 

ダダッ!

 

巡が騎士(ナイト)の速さを活かしての突撃で、斬撃を放つが、アイズは それを、ギリギリのタイミングで、最小限の動きで躱す。

 

「ちぃっ!なかなかの動きね!」

「…目覚めよ(テンペスト)!」

 

ボゥワッ!

 

それを巡は舌打ち混じりながら讃えるが、アイズは それに構わず、風属性の魔法を発動。

薄緑の風が彼女の身体を覆い、

 

ダダダッ…!!

 

「なっ?!」

それと同時、先程の巡と同様な…いや、それ以上の速さで突進。

 

斬々々々々々々々々!!

 

「きゃあっ!?」

そして すれ違い様の一瞬、唐竹・袈裟斬り・右薙・右切上・逆風・左切上・左薙・逆袈裟・刺突の9ツの斬撃を一度に浴びせた。

 

斬々々々々々々々々!!

 

「きゃぁうっ!??」

しかし、アイズの攻撃は、それで終わった訳では無かった。

すり抜けて数歩、踵を返すと再度 突進して、また同じく9の斬撃を放つ。

 

斬々々々々々々々々!!

 

「きゃ…ぁぁぁぁあああっ!!?」

…それを、更に もう1回。

速度上昇(スピードアップ)の魔法により、騎士(ナイト)と同等、或いは それ以上の神速を得たアイズの合計27連斬が、巡に叩き込まれた。

 

『ソーナ・シトリー選手の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

そして今回のゲーム、最初のリタイアを告げるアナウンスが流れる中、

 

バサァッ!

 

「「ふぅ~~~~~!」」

水面からエルザとイヴが、勢い良く顔を出した。

 

「旗、あったわよ!」

「そっちは何か、有りましたか?」

得意気にエルザが旗を掲げ、イヴはタオルで身体を拭きながら様子を伺う。

 

「特に…何も、無かった…。」

それに対し、アイズは普段と変わらぬ無表情で応え、

「そうか…なら、行くぞ!」

「…ん。」

水着から通常の戦装束に着替えた2人と、合計3本の旗を持ち、先へと進むのだった。

 




 
①実は既に、何度か登場している、ティアブラッド(仮名)さん。
 
②何か、セイジョ☆スキーさん勝ち確定な台詞が出ましたが…どうなる事やら。
 

 
◇名無しの悪神◇
アイズたーーーーーーーん!
 
 
④次回は匙君のターンだ?
 
 
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