ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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一言。
感想にて、次話以降のネタ予想(しかも正解)するのは止めろ下さい。
m(_ _)m
 


進撃の神々!

 

※※※

 

◇名無しのアマテラス◇

やあ。何時だったかのバルス祭り以来、久し振りにコメントさせてもらうぜ。(因みにアレ、一番最初は、実は僕さ♪)

ハンネで察してるヒトも居ると思うけど、僕は【日本神話】の主神、天照大神だ。

このスレの常連の皆は、親しみを込めて、気軽に「アマテラスさん」と呼んで構わないぜ。

さて、本題に入ろう。

皆も知っての通り、我が【日本神話】と『聖書』は、戦争状態になってしまった。

現在進行形で、悪魔領の主要な都市は、我が精鋭達が、攻撃を仕掛けている真っ最中。

てゆーか、これも周知かな?

そのせいか、このスレも今は、閲覧は可能だけど、コメントは不可になっているよね。

此処のスレ主のガルーダ君も、今は今回の発端となった?ナベリウスの攻撃へ出張ってる。

まあ、心配しなくとも、僕が敵認定したのは、前にもスレ主が語っていた通り、魔王を基とした貴族達と、軍属の関係者だけだから。

一般民の方々には、其方から仕掛けない限りは手を出さない事を、この天照大神の名に賭けて宣言するから、その辺りは安心して良いぜ。

あ、本当だって。

何処かの悪魔貴族みたいに、普段は『悪魔は約束や契約事は絶対だ』とか言っていながら、いざとなれば『下賎の輩との約束を守る必要が、何処に有る?』…みたいな事は、絶対に言わないから。

何処かの悪魔貴族みたいに。

 

※※※

 

▼▼▼

 

「あ、私の せいだぁ~~~~~っ!!

私の、私のぉぉおっ!!!!」

「落ち着け、セラフォルー!」

魔王であるサーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタンは、スサノオの猛追から辛くも逃れ、今は同じく生き延びた者達と共に、軍事施設の地下の部屋に隠れていた。

 

「私のせいで、ファルビーやアジュカちゃんがぁっ?!」

「セラフォルー様、どうか、気を確かに!」

その 地下室で、大きく取り乱しているのは、セラフォルー。

いきなりの【日本神話】の襲撃により、目の前で同胞であり友人である、魔王2人を殺されるのを見た彼女の精神状態は、平常とは言えない。

 

「私が あの時、アマテラスに正面から布告をしたから…

う、うわぁぁぁぁ~~~~ん!!!!」

それは、自分が【日本神話】の天照大神に対して、半ば逆ギレ気味に宣戦布告した為に、結果、友人2人を死なせてしまった…

そう思い込んでいる為である。

 

「く…、しかし、此処も、何時まで持つかは分からない。

結界の類いだろうけど、転移が封じられているのがキツいね。

アジュカが居たら、この結界も直ぐに解析して、対抗策を実行しただろうけど…」

サーゼクスが消沈気味に話す。

 

「くそ、他の場所(ところ)も、連絡が着かないか、やはり【日本神話】の攻撃を受けているか、か…」

そして下僕達に、各地への応援要請の連絡をさせるが、それも応対しないか、既に何者かに…間違い無く【日本神話】だろうか、急襲されており、それ処では無いという返答だった。

 

「サーゼクス様、旦那様とも連絡が…」

「………………………。」

銀髪のメイドの『実家とも連絡が繋がらない』の言葉に、サーゼクスは益々 顔を厳しくして無言となる。

そして、自問自答。

 

 

 

今更、セラフォルーを責めても仕方が無い。

いや、悪魔(ぼく)達に、それをする資格は無いさ。

何故なら僕達も、【日本神話】を弱小神話と侮っていたからね。

あの時、誰も彼女を咎める者は居なく、それ処か皆が皆ノリ気で、『これで完全に日本を掌握出来る』と息巻いていたのだから。

…そもそも何故、僕達は【日本神話】を弱小のマイナー神話と、そう思っていた?

勝手に日本でシェアを広げていたのに、何も文句を言ってこなかったから、向こうが此方を怖れていると、勘違いしていた?

 

 

 

「フッ…、それも、今更…か。」

自虐気味に笑い、呟く赤い髪の魔王。

既に、今 冥界に攻めている敵が、弱小勢力という認識は捨てている。

まともに戦おうとも、全く及ばない相手だと、漸く理解したのだ。

既に悪魔…いや、『聖書』は詰んだ…と。

 

「いや、まだだ。

まだ、遅くない。…グレイフィア。」

「はい。」

そして、自身の女王(クィーン)であり、妻である銀髪メイド…グレイフィア・ルキフグスに、何かの覚悟を思わせる顔立ちで、声を掛けた。

 

「魔王として命ずる。

この僕と、セラフォルーの首を、今直ぐ斬り落とせ。」

 

▼▼ ▼

大公アガレスの城でも、戦闘は繰り広げられていた。

…グリゴリや【日本神話】だけでなく、アガレス家も悪魔の中では唯一…完全に現当主の趣味なのだが…搭乗式の人型兵器の開発、量産に着手していた。

しかし それは、先に挙げた2勢力の それと比べると余りにも御粗末な、2~3世代は遅れている出来栄え。

土木重機を無駄にヒトの型に造り、武装させたレベルの物だ。

対する【日本神話】。

アガレスを攻めている機動兵器は土偶型で無く、右肩に平盾を装備、左の肩当てには鋭い(スパイク)を施した、浅と深の緑の装甲の、単眼の巨人の集団。

 

「ふっ、面白い。

見せて貰うぞ! 悪魔の機動兵器の性能とやらを!」

そして それを率いているのは、型は同じく…但し朱と桃に塗られた装甲の機体に乗った、大国主神(オオクニヌシノカミ)だ。

その兵力差は 歴然としており、機動兵器同士の激突は、あっさりと【日本神話】側に軍配が上がった。

 

≫≫≫

「これは これは、当主様は、この場を決着の地として、待ち構えていましたかな?

それとも、偶々 逃げ隠れていた場所に、私が訪れたか?」

「…ほざけっ! 若造が!!」

「…多分だが私の方が、貴方より遥かに年長と思うが?」

そして今の場所は、アガレス城の地下。

城外戦闘の後、専用機体から降りた大国主は、姿の見えないアガレス当主を探す為、城内を詮索。

一瞬、脳内で何か閃いたかの様な感覚に従い、見付けた隠し階段を降りた先にて、アガレス家当主と その家族を見付けたのだった。

その際、余裕と皮肉を込めた第一声に、アガレス大公が顔を真っ赤にして憤怒。

その『若造』という返しに、大国主は苦笑して更に言葉を返す。

 

「さて、これ以上の会話も不要だろう。

さっさと終わらせよう。」

「…甘いわ!!」

 

ドッ!

 

そして剣を構える大国主。

…に、アガレス大公は、両掌から特大の魔力の弾丸を放つが、

「な…何い?!」

「当たらなければ、どうと云う事も無い!」

それを大国主は最低限の動きで回避。

 

「もう、良いだろう。」

 

ザシャ…

 

「きゃあぁぁあああっ!!!?」

そして改めて手にした剣を高く掲げた後、その切っ先をアガレス大公に向ける大国主を見て、大公の娘…次期大公家当主である少女が悲鳴を上げる。

 

「ちょっと待って貰えるか?」

「「「「「!!!?」」」」」

その時、この地下室に新たな客が、現れた。

 

「ど、どうして貴方が、此処に…?」

「お…おお、皇帝…!」

その者の登場に、アガレス家の面々は、驚き、

「ふ…ふはははは!

何故かは知らんが、丁度良い処に来た!

さあ、この痴れ者を共に討とうぞ!」

そして安堵、または増長の声を露にする。

 

「………………………………。」

「ど、どうしたのだ? ディハウザー・べリアルよ?」

 

▼▼▼

 

ドガッ!

 

「ぐぇっ!」

「止めておきなさい。

慈悲深い私は、手出ししないなら、その儘 通り過ぎますよ?」

同時刻のグレモリー城。

この城も、【日本神話】からの攻撃を受けていた。

 

「ひ、怯むなぁ!」

「賊は たったの1人だ!」

「囲め!囲め!」

…他の地と違うのは、此処は1柱の神が単身、機動兵器で無く生身での襲来だと云う事だ。

これに対してグレモリーの兵は数に物を言わせ、この神を集団で囲み、迎撃を試みるが、

「大回転!海老投げ分身ハイジャンプ反復横飛び破魔殲滅閃光波(ゴッド・ビィィイーッムゥウ)っ!!」

 

どっごごぉ~~~~んっ!!

 

「「「「うぎゃあわらーっ!?」」」」

この顔全体に奇抜な化粧(ペイント)をした、長身筋肉丈夫の神…月読尊(ツクヨミノミコト)は、その身体からは想像の点かない、無駄に洗練された身動き(アクション)からの、両目から放たれる光線で一蹴。

悪魔にとって、弱点となる その属性の攻撃は、その場の兵を全滅させるには、充分過ぎる物だった。

 

≫≫≫

 

カチャ…

 

「お邪魔しますぅ…」

「「「「………………。」」」」

そして月読は、立ち塞がる悪魔の兵を、悉く退け、城の最上階の部屋に押し入る。

其処には赤い髪の紳士、亜麻色の髪の淑女、白髪の老紳士。

厳しい顔で、この招かれざる来訪者を睨む。

そして もう1人、赤い髪の少年が。

この少年は、恐怖に怯えた表情で、身体を震わせていた。

 

「ちぃ、此処まで来るか!

旦那様! この場は私に任せて、奥様とミリキャs…

国士無双十三面(ライジング・サン)!」

 

斬!

 

「ぎゃあああっ?!」

執事服を着た老紳士が、月読の前に立つが、この神は それを御構い無し、両手から放つ衝撃波で、この執事の()()()()を、斬り裂いた。

 

「ふふふ。久し振りです。

まさか、貴方も悪魔に転生していましたとは、ねぇ?」

「な…何?

日本の神よ、貴様は私を知っているのか?

私は、貴様と会った覚えは無いぞ?!」

この月読の言葉に、執事は戸惑いの表情を隠せない。

 

「いやいや、貴方が知らない…覚えてないのも無理は有りませんよ。

あの時、私は お忍びで、人間に化けての下界入りでしたからね。

その時に私は貴方と一局だけですが、()っているんですよ。

尤も その時は、貴方の その無作法な親指に、してやられたのですがね。

とりあえず親指だけを狙って斬ったのは、その時の意趣返しだと思って下さい。」

「…………………………。」

何やら ()()()を懐かしそうに語る月読に、グレモリー家執事長・小泉ジュンイチローは、苦虫を噛み締めた様な表情を浮かべ、

「…さ~て、それでは、死・ん・で・下さい♪」

「???!」

 

ザッ…

 

その儘、何かのチカラが働いたのか、この執事は急速に身体全身が干からび、そして死んで逝った。

 

「い、いゃあああ~っ!?」

この光景に、赤髪の少年が悲鳴を上げる。

他者が死ぬ…しかも殺される場面を、生まれて初めて直視した故の、恐怖からの叫びだ。

 

「さぁって~、御待たせしましたね~♪

グレモリーの当主様と、その御家族の、皆・さん?」

「「「?!」」」

それを気に止める事無く、月読は改めて、現グレモリー当主…ジオテクス・グレモリーに顔を向ける。

  

「これ程とは、な…」

それに対し、ジオテクスは観念したかの顔で、

「日本の神よ…

儂の首は、くれてやろう。

それで妻と孫、そしてグレモリーの民は、助けて貰えないか?」

「ほう?」

このジオテクスの台詞に、月読は一瞬、興味を持ったかの様な、そんな素振りを見せるが、 

「ふふふ…

1つ勘違いされてる様ですが、我々は今回、其方から攻撃をしてこない限りは、貴族や戦闘に携わる者以外は、殺める事は有りませんよ。

故に、一般ピーポーには、手を出したりは しません。」

「そ、それなら…」

「但ーし! 貴族は基本、皆殺し(Kill Them All)!…でっすがね~♪

従って その申し出は、却下却下です。」

「「!!!!」」

それは あくまでも一瞬の話だった。

 

「…尤も、貴方達が『聖書』を捨て、我々【日本神話】に心底 忠誠を誓うと言うなら、私が天照大神に口添えしてあげても、構いませんよ~?」

「ほ、本当か?」

しかし此処で、月読は また態度を一変、「命の代わりに…」と、提案を持ち掛ける。

 

「は~い。私は悪魔(あなたがた)と違い、契約事で嘘は吐きませんよ~?

さあ、どうします?

私を信じて、契約してみますか?」

「……………………………。

…分かった…頼む。」

「あ、あなた?」「お祖父様?」

月読の言い様に、色々と反論したいジオテクスだったが、敢えて その言葉を呑み込み、この神の提案を受け入れた。

 

「よろしい。

ならば とりあえず、貴方の()()の羽を出してみなさい。」

「????」

 

パサッ…

 

ジオテクスは月読に言われる儘、背中から悪魔の羽を出し広げる。

 

ビリィッ!

 

「ぎゃああああぁっ??!」

「あ、あなたぁ!?」「お祖父様?!」

そして次の瞬間、月読は その羽を、根元から引き千切った。

 

「ぐ…き、貴様…何を…?」

「何を…って、契約でっすよ~?

今から行う契約の儀は、蝙蝠の羽を触媒に するのですが、生憎 今は、手持ちが無かったから、貴方の羽で、代用するだけですよ。」

苦痛に顔を歪ませるジオテクスに、月読は淡々と説明。

 

ピリ…

 

…剞・佩・鵐・蘇・誣・螺・岔・髏…

そして、手にした羽の一部を更に小さく千切ると、それに"言霊"を吹き込んでいく。

 

ボッ…

 

これにより、羽は青い炎となり、月読の右人差し指に纒わり憑く。

 

「さあ、貴方も指を出しなさい。

この青い炎を受け入れたら、契約は完了です。」

「…………………。」

不信に思いながらも、ジオテクスは言われるが儘、指を差し出す。

 

ちょん…

 

互いの指が触れ合った後、青い炎は月読からジオテクスの指先へ。

そして炎は消え、ジオテクスの右の人差し指の爪が、青に塗られた。

 

「…がっ?!」

しかし、それも一瞬。

ジオテクスが何やら苦しみだすと同時、青い爪は瞬く間、青から紫を経て、真紅に染まる。

 

ぼんっ!

 

そして爆散するジオテクスの肉体。

 

「geko…gero…?」

其処には、1匹の(ヒキガエル)が居た。

 

「あああ…アナタ~~~っ??!」

「お祖父様ーーーーーーーっ!!?」

ジオテクスの妻のヴェネラナ、そして孫のミリキャスも、このカエルがジオテクスである事を、瞬時に理解。

 

「う、嘘つき!

言う事を聞けば、助けてくれるって、言ったじゃないですか!」

泣きながら、目の前の神の恐怖に抗い、声を出すミリキャス。

 

「ん~? ぅ嘘つき~?

ぎゃーっはっはっはっは!

何を言ってるのですか、この お坊っちゃまは?」

その涙ながらの訴えを、月読は爆笑しながら跳ね返す。

 

「嘘つき?

それは、このカエルですよ、悪魔の お坊っちゃま。

この私が今、この男に施したのは、"青き爪による呪詛の儀"!

この契約を交わした者は、その術者との約束を違えようとすれば、その証である青い爪は次第に赤に染まり、完全な紅になった時、その肉体は爆散(ぼーん)

そして、ヒキガエルに再構成されると云ふ、わんだほーな呪術なのです!

今回の場合は、日本神話(わたしたち)に対して、怨みや敵意を抱いた時に発動する仕様だったのですが…

まさか、即座にカエルとは、この私も想定外で御座んした!www」

「「!!!!?」」

「全く…一体 何なのですか、これわ?

私達に忠誠を誓うと言っておきながら、いきなり裏切る気満々だったじゃないですか?

この、大嘘吐き~~~~っ!!www」

泣きながら嗤いながらの説明に、ヴェネラナとミリキャスは、顔を青くして、完全に言葉を喪ってしまう。

 

「…で?

アナタ達は、どうしますか?

素直に殺されます?

それとも、本当に忠誠を誓います?

それとも…

カエルに なります?

 




 
大国主神…赤井秀一(コナン)
小泉ジュンイチロー…小泉ジュンイチロー(無駄ツモ)
月読尊…ダイ・アモン(BASTARD!!)
 
…のイメージで。
 

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