ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

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【前回の復習&今回の予習】 
ナァゴ・バルバトス…バルバトス・ゲーティア(ティルズ2)
豊玉姫…りんどー先輩(食戟のソーマ)
松本蘭…松本乱菊(BLEACH)
才橋雀…砕蜂(BLEACH)
…のイメージで。
 
※前回登場のバルバトス当主ですが、名前をナァゴ・バルバトスと正式決定しました。
…既に死亡しており、以後の出番は多分、無いでしょうがね。(笑)
 


対面…そして、衝突!!

「くそ…この俺の炎が、通じない…だと?!」

「ふん…それがフェニックスの炎か?

まるで、種火だ。」

 

フェニックス城。

"炎の城"の表現が相応しい燃える城は今、更なる業火により、炎上、崩壊していた。

【日本神話】に亡命した三男と長女を除けば、既に残るフェニックスの者は、次期当主である長男1人のみ。

その長男が放つ、正しく"不死鳥(フェニックス)"を象った巨大火焔弾も…この顔中と言わず、身体全身に包帯を巻いた、和装の(おとこ)迦具土神(カグヅチノカミ)には、僅かなダメージすら与えられなかった。

 

「もう、満足か?…ならば、真実(まこと)の炎を拝みながら、死ね!」

 

ジャキッ…

 

そして、抜刀するカグヅチ。

 

ブゥボォオオオオオゥウッ…

 

その刀身は、瞬く間に獄炎…巨大な焔の渦を纏い、

 

断ッ!!

 

「ぐぁあぬゎあらばぁっ?!」

ルヴァル・フェニックスに振り下ろされた。

 

「ば、馬鹿なっ?

俺は、炎と風を司るフェニックスだぞ!?

そ、その俺を、炎で、炎d…」

その燃える斬撃で その身を両断。

ルヴァル・フェニックスは一族特有の回復も儘ならず、その身は灰すらも残らず燃やされ、()滅した。

 

▼▼▼

…場所は、人間界(ちじょう)へ移る。

イギリスはロンドンの郊外に建つ、小さな美術館。

其処には、一般の者は立ち入る事が…魔法偽装(マジック・カムフラージュ)により見つける事の出来ない、隠された広い地下フロアが存在していた。

 

「やぁ。アポ無しで いきなり やってきた事に関してだけは、謝罪するぜー。

すまなかったなー。」

「……………………………。」

その中の一室、『理事長室』と書かれたプレートの室内には、1人の男と3人の女が。

女は『NIN=JA』の才橋雀と松本蘭。

そして【日本神話】の1柱、豊玉姫(トヨタマヒメ)である。

 

「…私の首を、獲りにきたのかい?

冥界と君達との いざこざは、私の耳にも入ってきてるよ。

…好きにするが良いさ。

私も少しばかり、長く生き過ぎたからね。

ただ、現状(いま)の引き継ぎをしたいので、出来る事なら、3日くらい、待ってほs

「いやいやいやいや、早まるな!

アンタの場合、そんな簡単な話じゃねーんだよ。」

そして残る男…

赤と青の髪と赤と青の瞳の この男こそ、最古の悪魔の1人と云われる、メフィスト・フェレスである。

 

「天照大神様は今回の戦争、可能な限りは人間界に影響を及ぼさない方針としております。」

「そーゆーこった。

今、アンタが死んだら、単に『美術館の館長が死亡しました、まる』だけじゃ済まないだろ?

"灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)"の理事長さんよ?」

そして悪魔の身で有りながら、ヨーロッパ…いや、世界有数の魔術師ギルドの1つ、『灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)』理事長であり、この小さな美術館は実は、その組織の拠点の仮の姿であった。

 

「仮に引き継ぎが為されたとしても、"赤銅"(あか)"青銅"(あお)"薔薇"(バラジュー)、ついでに その他 雑魚ギルドやフリーや"はぐれ"なんかが、アンタの縄張り(シェア)乗っ取りに、裏表問わず、派手に動き出すのは目に見えてるからな?

そしたら この世は…少なくとも、ヨーロッパは大混乱必至だ。

解るだろ?

日本に限らず、人間界での そーゆーのは、極力 避けたいんだよ。」

「ふ~む…確かに。」

豊玉姫の言葉に、メフィストは深く頷く。

 

「此処まで話せば、アタシ等が此処に来た理由、察しは付くだろ?

アマテラスのアンタに対する要求は、『無干渉』だ。

既にアンタの女王(クィーン)にも、同じ様に遣いを出している。」

そして、メフィストの元を訪ねた目的を、簡潔に話す豊玉姫。

 

「そして悪魔相手に頼み事をするんだ、当然、対価は払う。

何なら とりあえず、この きょぬーと ひんぬーを、プレゼントしても良いぜ?」

「「と、豊玉姫様?!」」

そして続く言葉に、松本と才橋が大声。

 

「な…いきなり何を、言っておられるのですか?

…てっゆーか、だ、だだだだ…誰が、貧乳ですか? 誰が?!」

「そりゃ、アンタしかいないじゃん。」

「むきーーーーーーーーーっ!!!?」

「私達を連れてきた理由って、コレだったのですね…

まぁ、私は別に、構いませんが?♪」

「ま、松本ぉ~~~~~~~っ??!」

 

▼▼▼

…その頃の冥界、ナベリウス城上空。

 

「く、くそっ!

撃て!撃てぇぃっ!!」

 

ドッドドドドドド…

 

其処では、ナベリウス城に仕える武装兵が総出で、たった1人の侵入者…神鳥の鎧(ガルーダ・フェザー・アーマー)を着たサトルに向けて、全方位から大量の魔力弾を浴びせていた。

 

「…だから、効かねっての!…でいゃ!」

 

ドォン…!

 

「ぎゃぷらん?!」

それに対してサトルは、闘氣弾や仙氣弾を撃って応戦。

確実に、悪魔兵を仕留めていた。

 

「くそっ!何故だ?

何故、我等の攻撃が、通じない?!」

この場の隊長格の悪魔が、吐き棄てる様に呟く。

事実、悪魔達が放つ魔力弾は、サトルに命中する寸前で、尽く霧散。

これはサトルの神器(セイクリッド・ギア)神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)の特性の1つ、『絶対魔法防御』による物。

その特性により、今のサトルには所謂 魔力や光力を源とする攻撃は、一切 通じない。

今のサトルにダメージを与える事が出来るのは、闘氣や仙術、或いは龍氣等による、魔力 光力以外での攻撃。

そして、()()()()()()()だけである。

一応、悪魔兵達は剣や槍を持っているが、それは殆んど、形だけの物。

武器を使った、或いは徒手の戦闘は発想の外の悪魔達には、サトルに対抗出来る術は持っていなかった。

 

ヒュンッ!

 

「!!?」

そのサトルが、1人の悪魔に狙いを定め、高速飛行で間合いを詰める。

それは偶然か、隊長悪魔だった。

 

ドゴッ!

 

「くぇっぱ?!」

そして鳩尾に、鎧を砕きながらの拳の一撃。

 

ガシッ…

 

「何…っ?」

空中で"くの字"の体勢となる その悪魔を捕まえると、体を上下反転させ、両手で両足首を掴み、両足は上腕を踏む形で両腕をロック、その形勢の儘、地面 目掛けての急降下。

 

「くっ…!」

相手も羽を広げ、必死に落下を免れようとするが、技の勢いの方が悪魔の飛翔力より勝り、体勢は変わらない。

 

「疾風迅雷落としーーーッ!!!!」

 

ドガアッッ!

 

「ぎゃゎら!?」

そして地面に激突。

 

「が…ががが…ぁ…」

両腕と両足を抑えられ、受け身が取れない状態で、脳天を痛打した悪魔。

一応は羽をばたつかせての抵抗が、僅かながらブレーキの役割を果たし、落下の衝撃を多少なり和らげていた様で、辛うじて絶命は免れは したが、それでも戦線離脱(リタイア)には変わりなかった。

 

「く、テッメェッ!!」

「よくも、隊長を!」

「撃て!撃てぇ!」 

「殺ってやるよ!!」

そして、その光景を見た悪魔兵達は、戦意喪失する処か、逆に奮起。

 

ドドドドド…

 

空から地上のサトル目掛けて、またも魔力弾の集中砲火。

しかし、神器(セイクリッド・ギア)の能力故に、サトルには通じない。

 

「いや、効かないって言っても、ウザいのはウザいんですけど?

仕方無い…()()だけは使いたくなかっのだが…

あ~ぁ、ヤダヤダwww」

 

スゥ…

 

そう言って、心底 嫌そう…でもない顔なサトルが右手を横に伸ばすと、その先の空間に、黒い"穴"が現れた。

 

ずずずず…

 

「「「「「「!???」」」」」」

その穴から取り出したのは、大きな黒い鉄の塊。

そして『それ』を見た悪魔達は驚愕。

  

「行くぜ! ナイア師匠直伝…クトゥルー流近接戦闘術!」

「いやいやいやいや!?」

「ちょ…ちょっと待て、お前!」

「う…撃て撃て撃て撃て撃て撃て撃て~っ!!」

()()は、サトルの師の1人、クトゥルー神話に属する邪神が1柱、"這い寄る混沌"(ナイアルラトホテップ)より授かりし物。

 

ジャキィ…

 

サトルは その先端を、魔弾の雨が降り注ぐ上空…悪魔達へと向けると、

「喰らえ!

侮辱放題(ディスりまくり)回転式機関砲(ガトリング ガン)!!

 

ダダダダダダダダダダ…!!

 

引き金(トリガー)であるハンドルを回し、多量の銃弾を乱れ撃つのだった。

 

「「「「「「「ぁたひ!」」」」」」」

「「「「「「「べゎで!」」」」」」」

「「「「「「「しばぶ!」」」」」」」

しかも その弾も、只の弾に非ず。

やはりサトルの師である、オリュンポスの戦女神アテナの祝福が施された、聖銀製の弾丸だ。

この凶弾を浴び、空の悪魔達は次々と地面に墜落。

結果、彼等が全滅するのに、60秒も掛からなかった。

 

ガァァンッ!…ガシャァン…

 

「へ?」

しかし その時、何処からか飛んできた魔弾が、機関砲に直撃。

バラバラとなり崩れ落ちた。

 

「ふ…ふん!お遊びは、終いだ!」

「…孫の仇は、取らせて貰うぞ。」

サトルが その方向に目をやると、今までの悪魔兵の様な揃いの鎧でなく、其々が様々な形状の鎧やローブを着た集団。

そして その後方には、豪華な装飾のローブを纏った男が2人。

 

「漸く当主様(ボスキャラ)の登場かよ…」

それは、ナベリウスの現当主と次期当主、そして その下僕の転生悪魔の集団だった。

 

「…ってゆーか!

どーしてくれんだよ、機関砲(これ)!!

てか、本当に どーする?

(」゚o゚L)

やっべー まじ やっべー!!

絶対に これ、ナイア師匠にシバかれる!?」

しかしサトルにとっては、師から貰い受けた機関砲(えもの)を壊された方が気になり、それ処では無い様子。

挙げ句、そちらの方向で、涙目で文句を言い出す始末だ。

 

「き、貴様! 舐めているのか?!

や、殺れ! あの者を殺ってしm…

いや、待て。止めは刺すな。

貴奴は儂の この手で、消してくれるわ!

半殺しにして、儂の前に連れて来い!」

そして その態度が気に召さなかったのか、現当主の初老の男は、激怒しながら下僕達に指示。

 

シャキィ…

 

「「「「………………。」」」」

その言葉に従う様に、数人の悪魔が、剣や槍を構える。

 

「ちぃ…っ!」

 

スゥ…

 

その殺気に対して、今までの悪魔兵とは違うと判断したか、サトルも攻撃の姿勢を…再び空間に穴を空け、其処から魔剣グラムを取り出した。

 

斬々!…ボトッ…x2

 

「…へ??!」

そして振り下ろされる刃。

それにより、2つの首が、地面に転がり落ちた。

  

「え?え?…えぇえっ??!」

その状況に、思考が着いて行けないサトル。

ナベリウスの転生悪魔が その剣で斬ったのは、己の主達の首だったのだ。

 

ザッ…

 

そして後方…そのナベリウス当主の隣に立っていた、恐らくは女王(クィーン)と思われる男が、主だった人物2人の首を拾い、サトルの前に歩み出る。

 

「【日本神話】の者よ!

我等 ()ナベリウス眷属一同、この嘗ての主の首を手土産に、【日本神話】に投降する!」

「はひ?」

 

ザザザザ…

 

そして その言葉と同時、その場の者 全員が武器を納め、サトルの前で片膝を着き、頭を垂れるのだった。

 

「え? えぇ~っ!?」

 

≫≫≫

「な、成る程…でっすよね~?」

「……………………。」

改めてナベリウス当主の女王(クィーン)だった男からの説明を聞き、納得するサトル。

聞けば、このナベリウスの転生悪魔達は全員が、浚われるか家族や恋人等を人質に囚われるかで、無理矢理に転生を強いられた者達だとか。

そして転生後も、かなり不当な扱いを受けていたとか。

仮に反旗を翻したとしても、悪魔政府は転生悪魔の言い分は聞かず、一方的に"はぐれ悪魔"として断じる為に、逆らう事も出来なかったとか。

…即ち、今回の様に、他勢力…それも強力な勢力が侵攻してくる日を、待ちわびていたと言うのだ。

 

「O~K。皆さんの投降を、認めますよ。」

サトル的には、余所の貴族悪魔は知らないが、少なくともナベリウスは、下僕を得る為には誘拐等の行為は当たり前に行う家と云う認識…そもそも其が、今回の戦争の発端の1つ…だったので、この()()()だった女王(クィーン)の話は疑う事は無く。

事前にアマテラスからは、『貴族は基本 皆殺しとして、その他…例えば、転生悪魔なんかの生殺与奪は、個人の裁量に任せるぜ♪』…等と言われていた事も有り、最終的にサトルは、彼等の投降を認めるのだった。

 

「さて、それじゃあ皆さんで、城に籠っているだろう、残りの貴族様(笑)の殲滅掃討にっ…て…?」

 

ヴォォォ…

 

異変が起きたのは、この直後だった。

空に比較的大きめな魔法陣が展開されと思えば、其処から10名弱な人影が現れる。

  

ビュンッ!

 

「これ以上の勝手は させんぞ、ガルーダ!!」

そして、その中央の位置に立っていた…胸元に獅子の面を象った、黄金の全身鎧を纏った漢が、サトルに突撃を仕掛けるのだった。

 




 

迦具土神…志々雄真実(るろ剣)
…のイメージで。
 
②砕蜂ファンの皆様。
頭は下げますから、その銃、降ろして下さい。
m(_ _)m
 
 

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