ガルーダDxD(仮)   作:挫梛道

78 / 114
 
バトル回!
さあ、手元の お茶は、飲み干しているかな?
 


激突! サトル vs サイラオーグ!!

≫≫≫

ナベリウスの転生悪魔達がサトルに投降。

残るは城内の貴族を殲滅掃討させるのみのタイミングで、援軍の如く現れた8人の集団。

…その内の1人が、サトル目掛けて突撃を仕掛けてきた。

  

「あ、あれは?!」

「知ってるんですか? 転生悪魔(モブ)Aさん?」

「だ、誰がモブAですか?!

…って、あれはバアル次期当主の、サイラオーグ・バアル様!」

「な、何故、あの方が、此処に…?」

サイラオーグ・バアル。

サトルが興しているスレにて、その漢気溢れるコメントから、何時しか『炎の兄貴!』のハンネで、そのスレ住民から慕われている、常連投稿者の1人。

スレ内でも、その戦闘力は讃えられており、この戦争に際して、いち早く【日本神話】に降っていた『セイジョ☆スキー』ことディオドラ・アスタロトや、『ひんぬー会長』ことソーナ・シトリー達からも、下手な大人の貴族よりも、余程 脅威に為り得ると伝えられた漢である。

 

「…………!!

そうか…あの男が、『兄貴!』か…!」

向かってきている人物が ()()()と知り、サトルも戦闘の構えを取る。

 

「どうやら一騎打ち(タイマン)が御希望らしい。

皆は、下がっていて!」

「「「「「「承知!」」」」」」

自らの眷属を上空で待機させた儘、単騎で向かってくるサイラオーグに対して、()()を察したサトルは それに応じる様に、元・ナベリウスの悪魔達を退かせて広い空間(スペース)を作り、迎え撃つ構えだ。

 

『気を付けなさい、サトル。

あのライオンのボーヤ、今までの敵とは、次元が違うわよ。』

「あぁ、解ってるよ、()()()()()()。」

この時、サトルの鎧の右手首部分の蒼の珠が光り、そこから女の声が発せられた。

メァリュータ。

()()こそ、遥か昔に『聖書』の神により、神器(セイクリッド・ギア)に その魂を封じられた、神鳥である。

彼女の言葉に、サトルも改めて気を引き締める。

  

「うぅおおおおおおおおおおぉっ!!」

「てぇりゃあぁああああああぁっ!!」

 

バキゥッ!!

 

「「!!」」

そして、空からの打ち下ろしの右拳と、地上から突き上げる左脚が激突。

 

「ふっ! やるな!…スレ主殿!」

「そりゃ どーも!…兄貴!」

その後、互いにバックステップで間合いを空け、互いに苦笑しながらの一言二言。

これが2人の、初接触(ファースト・コンタクト)だった。

 

「一応 聞くが、どうして此処に?

バアルは確か、建御雷神(タケミカヅチ)様からの攻撃を受け、それ処じゃ無い筈だが?」

「…父上は頑なに、俺達若手を外に出そうと しなくてな。

そんな時、例のスレで、ガルーダ!

例のスレにて、貴様がナベリウスに攻撃を仕掛けると云う書き込みが有ったので、眷属総出で此方に参戦したのだ!」

「はぁあ?! 待て待て待て待てい!?

俺のスレ、開戦と同時、コメント不可設定に しといた筈だぞ?」

「…………?

日本神話の主神殿が、普通に投稿していたが?」

「あああ…ア~マテラス様ぁ~?!」

…どうやらアマテラスのコメントは、彼女が持つ、何らかの『スキル』を使っての、ごり押しな書き込みだった様だ。

 

 

▼▼▼ 

 

※※※

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

そんな訳で、投稿不可になったガルーダ君スレの代わりに、スレを立ち上げてみた。

デフォルトハンネは、【名無しの悪魔】だから、悪魔以外の子や前からオリハン使ってた子は、自分で設定よろしく。

さて、改めて、このスレについて…だけど、今の戦争の状況を、速報で伝え、それについて語り合うのが、メインな主旨だ。

尚、このスレは親サイトが高天原。

だから冥界からは…魔王や貴族による、投稿者の身元特定は出来ない。

だから、遠慮する事無く、コメントしてくれ。

それから…荒らし、ダメ!絶対!

…もしも、僕が荒らしと判断した場合、

目の前に現れて、Muscle技100連発の後、END of Danseikiだからね♡

  

◇名無しの悪魔◇

お疲れ様です。

 

◇名無しの悪魔◇

待ってました。

 

◇名無しの運対常連◇

了解です(ロ_ロ)ゞ

 

◇名無しの悪魔◇

…って、怖いっすよ ((( ;゚Д゚)))

 

◇名無しの悪魔◇

あの~?

この戦争って、回避は出来ないのでしょうか?

 

◇『アマテラスさん』と呼びなさい◇

それは無理だね。

冥界で どんな捏造報道されてるかは知らないが、原因作ったのは貴族だし、最後、直接僕に宣戦布告したのは魔王だ。

心配しなくても、貴族やそれに従事している軍属以外は、被害が及ばない風にしてるから、その辺りは安心してくれ。

 

◇名無しの悪魔◇

…ぶっちゃけて良い?

 

◇名無しの悪魔◇

おう。何となく何を言おうとしてるかは分かるが、言え言え

 

◇名無しの悪魔◇

…敢えて今、何処に住んでるかは言わないけど、ウチの領主は〇ねば良いと思う

 

◇名無しの悪魔◇

出たwww

 

◇名無しの悪魔◇

本命:ナベリウス

対抗:フォルネウス

ダークホース:グラシャラボラス

穴馬:バアル

大穴:アバドン

 

…さぁ、どれだ?

 

◇名無しの悪魔◇

具体的には言わないけど、その中に正解があるとだけは、言っておくよ。

 

◇ディオドラ・アスタロト◇

それでアマテラス様!

冥界は今、どのような状況なのですか?

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

こらこら、このハンネにもある様に、僕の事は親しみを込めて、『アマテラスさん』と呼びなさい。

現在、冥界各地で侵攻してるけど、とりあえず主だった所で、シトリー、アバドン、グラシャラボラス、フォルネウス、ベルフェゴール…この辺りは、完全に潰したみたいだぜ。

 

◇マァリ・デカラビア◇

何と?フォルネウスがか?!

そうか…ついに此方には来なかったか、フォルネウス…

 

◇名無しの悪魔◇

そ、そうですか…

 

◇名無しの悪魔◇

アバドンやベルフェゴールの名も入ってる…

 

◇名無しの悪魔◇

レーティングゲームの上位ランカーを擁する家も、陥落かよ。

 

◇名無しの悪魔◇

べリアルの名前が上がってないのは、あそこは皇帝が、頑張ってるからかな?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いや、べリアル家は既に、日本神話に投降してるから。領民ごと。

 

◇名無しの悪魔◇

わ、わぁっとーーーーーー!!!!

 

◇名無しの悪魔◇

マジですか?

 

◇名無しの悪魔◇

て、詳しいすね?

 

◇セイジョ☆スキー◇

僕は既に下僕の皆を連れて、日本神話に亡命してる身だからね。

これは、ソーナやライザー殿も同様。

デカラビア伯爵に至っては、領地丸ごとの引越しさ。

それで、べリアル家だけど、以前僕がガルーダへの呼び掛けの書き込みをした後、それを見たディハウザー氏が、『自分も日本神話の者と話したい』って、僕の所に直接やってきてさ…って、僕のハンネ??

アマテラスさん???

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

いやいや、君のハンネは本名よりもコッチにしないと、皆も納得しないだろ?

だからスレ主権限で、替えさせてもらったぜ。

不満なら、アンケートで決めてみるかい?

 

◇セイジョ☆スキー◇

いえ…結構です…

 

◇名無しの悪魔◇

いやいやいやいや、既に亡命してるってのに驚いたんですけど?!

 

◇名無しの悪魔◇

しかも、ひんぬー様や子安さんもかい…

 

◇名無しの"セイジョ☆スキーに1票"◇

www

てゆーか皇帝も、あのスレ見てたんだ…

 

◎『アマテラスさん』と呼びなさい◎

新情報だ。

バアルが陥落。

アガレスも完全に制圧されたみたいだ。

ついでにルシファードも壊滅。

その場に居た、魔王2人が死亡。

何人か逃がしてしまったみたいだけど?…さてはスサノオ君、よっぽど舐めプしてたな?

帰ってきたら、OHANASHIだ。

それから、ナベリウスに攻撃をしているガルーダ君の所に、何故かサイラオーグ・バアル君がやってきて、戦闘を始めたらしいぜ。

 

◇セイジョ☆スキーに1票◇

な、何だってーーーーーー!!!!

 

◇セイジョ☆スキー1択でしょ?◇

魔王様が…

 

◇名無しの聖剣使い(女王)◇

大王家と大公家も落ちましたか…

あ、私も もう、セイジョ☆スキーで良いと思いまーす♪(笑)

 

◇名無しの悪魔◇

まじか…

それから、セイジョ☆スキーに1票www

 

◇セイジョ☆スキー◇

君達、いい加減にしてくれ!!(怒)

 

◇名無しの悪魔◇

…で、兄貴とスレ主が…

あ、ここじゃスレ主じゃないか…(笑)

 

◇コヤス=サン◇

ある意味、オフ会だなwww

 

◇名無しの運対常連◇

なんちゅー物騒なオフ会だwww

 

◇ひんぬー会長◇

言ってる場合じゃないでしょ!

 

◇名無しの悪魔◇

ちょっと待った。兄貴とバトるって、ガルーダ氏って強いのか?

 

◇名無しの悪魔◇

とりあえず、性犯罪者を雑魚呼ばわりする程度には…

 

◇名無しの悪魔◇

駄肉が始末そこねた はぐれ悪魔を片付けてるんだよね

 

◇名無しの悪魔◇

前のナベリウス襲撃の時も、好き勝手暴れてたんだよね?

 

◇名無しの悪魔◇

セイジョ☆スキーさん達 亡命組は、ガルーダ氏と手合わせとか模擬戦とか、してないんすか?

 

◇ひんぬー会長◇

…したわよ。

とりあえず、私の兵士とセイジョ☆スキーが瞬殺されたわ。

ライザーとも、結局は勝負が着かなかったけど、彼の方が、終始優勢に渡り合ってていたわ。…って、私もハンネが?!

 

◇名無しの悪魔◇

セイジョさんが瞬殺…子安さんも、結構上位なランキングでしたよね?

 

◇セイジョ☆スキー◇

ネタで言ってたか本当かは知らないが、曰く、彼の御師殿が、パ無いメンバーだよ…

どんなメンバーかは、少なくとも当人の断り無しには言えないけど。

 

◇コヤス=サン◇

ふっ!俺はセイジョ☆スキーがハンネ強制変更されてるのを見て、最初からこの名にしてたぜ!

…てか、あの男の場合、師匠以前に、ヤツの神器が、悪魔からすりゃ相性が悪過ぎる。

それこそ、今の冥界側…悪魔でガルーダを倒せるとすれば、サイラオーグくらいだろう。

俺は以前、サイラオーグとも手合わせした事が有るが…正直、あの2人がぶつかるとなると、どちらが勝つかは分からん。

ガルーダは、人間でありながら強い。

それこそ『悪魔THUEEEEE!』の価値観を、吹き飛ばす程にな!

 

◇しっとマスク(血涙)◇

尤も彼も、私の僧侶には けちょんけちょんにされていたけどな!

 

※※※

 

▼▼▼

 

バキッ!ドガッ!ガボッ…!

 

サトルとサイラオーグの間で、幾多の拳と脚が交差する。

互いの攻撃を、躱し、捌き、弾き、時には被弾…

ゲーム風に例えるなら、かなりのターンが経過した中でも、未だ この肉弾戦が終わる様子は無かった。

 

『気を付けなさい、サトル。

このライオン君、神器(わたし)の特性を、見抜いているわよ。』

「…みたいだな!」

メァリュータが、戦闘開始から、全くの魔法攻撃を仕掛けない悪魔(サイラオーグ)に対して、神鳥の羽ばたき(ガルーダ・フラップ)の『絶対魔法防御』を見抜いていると分析、サトルに助言。

サトルも何となくだが、それは察していた様で、

 

バサッ…ヒュゥゥン…

 

鎧の翼を大きく広げ、後方へと高速低空飛行(ホバー)で距離を開けると、

 

チョイチョイ…

 

挑発するかの様に、人指し指で招きのポーズ。

 

「でぇえぇいやっ!」

 

ボォッ!

 

これに対してサイラオーグは、右拳を振り抜く形で放つのは魔力…で無く、闘氣の弾。

これを、サトルは難無く躱す。

しかし、この攻撃は牽制。 

 

ダッ…ダダダダッ…!

 

本命は猪突猛進(ダッシュ)で瞬時に距離を詰めてからの、

「うぅおぉぉおおっ!」

その勢いを利しての左の拳。

 

「…こりゃ、決定だな!」

遠距離から魔法弾で無く闘氣弾、そして あくまでも接近戦に拘る様に見えるサイラオーグに、サトルは改めて『絶対魔法防御』を見抜かれていると確信。

カウンター狙いの右拳を撃ち放つ。

 

バギィッ!

 

「「………っ!!」」

互いの左右の腕が交わり、互いが放った拳は互いの頬に突き刺さる。

 

ババッ…!

 

「「……………………。」」

そして、互いに体勢を崩しながらも、バックステップで、再び距離を開ける2人。

 

「この兄貴、滅茶苦茶 強いんですけど?!」

…実はサトル(…とメァリュータ)は、大きな勘違いをしていた。

近接の肉弾戦に拘るサイラオーグ…

彼は別に、『絶対魔法防御』を見抜いている訳で無く。

彼は、悪魔でありながら、()()()()使()()()()()()()()()()のだ。

生来より、欠片程度しか魔力を持たなかったサイラオーグ。

バアル家の代名詞とも云える、"滅びの魔力"も継いでいなかった彼は、自身の地位を確立させる為、一般的な悪魔の価値観を完全否定するが如くな()()()()()()の末に、現在の屈強な肉体を身に着け、若手最強の称号を得ていたのだった。

 

≫≫≫

「兄貴~?

今からでも遅くないから、投降しね?

貴族って言っても、現当主とかでないなら、まだギリギリ、融通効かせて貰えるぜ?

俺もアマテラス様に口添えするし、ディオドラや生徒会長さんも、一緒に頼んでくれるって!」

「黙れ!

この度の戦争、どちらに非が有るかは、理解している心算だ!

しかし、バアルの者として、おめおめと敵に降る事が、出来ると思うか!?」

「ぅっわ…兄貴、マジ兄貴…!」

言葉と同時、幾度も拳が交わり、鎧の方は、砕けても即座、修復されているが、両者の顔面はボコボコに腫れ上がっている。

 

ぶぃん!…タタタッ…

 

サイラオーグが、大振りなサイドキックを放ち、サトルが それをスゥエーで躱す。

それと同時、最強若手悪魔は再び、バックステップで距離を大きく空け、

 

ダダダダダッ…!

 

そこからの特攻。

この戦闘、何度となく繰り返された展開だ。

サトルも当然、迎撃の構えを取る。

  

「…レグルス!」

『…はっ!』

しかし此処で、サイラオーグは今までとは違う攻撃パターンに出る。

 

シュゥゥ…

 

纏っていた黄金の鎧を光の粒子な如くに消したかと思えば、同時に現れた黄金に輝く巨大戦斧を両手で構え、

「でぇぇいりゃっ!!」

 

ボガァアッ!!

 

「がっ…??!」

その戦斧の間合いに入った瞬間、それをフルスィング。

この鎧の変化に、反応が遅れたサトルの脇腹に直撃。

その部分を起点に鎧全体に大小の罅が走り、

 

バラァッ

 

それは真実なのか誇張なのか、天照大神曰く、『超々硬質物質(ロンズデーライト)の数倍な強度だぜ♪』…の鎧が、粉々に砕け散った。

 

「終わりだ、ガルーダァアッ!!」

そして、それでもサイラオーグのターンは終わらず。

斧を再び鎧に換え、それを纏いながら更に間合いを詰めると、

 

ドガァッ…!

 

「ぐふぉあぁっ…!!」

サトルの鎧が再生されるより早く、ほぼ0距離での突き上げるようなアッパーブローが炸裂。

サトルを天高く吹き飛ばすのだった。

 




 
次回、サトルvs兄貴!、決着?
 
感想、よろしくです。
 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。