ヤマトの宅配便   作:黒っぽい猫

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・遅くなり申し訳ありません。今後の話数の振り方に時間がかかりました。

・タラバガニは鋏と脚合わせて8本、ズワイガニは10本です。タラバの方がヤドカリに近いから、純粋な蟹とは異なって8本。らしい。

・ヤマトの性別に関して後書きに書きました。そしたら後書きが1000文字超えました。ついでにボス戦無理やり終わらせたら普段の約1.5倍の6500文字オーバーになりました。

・明日も投稿出来るよう頑張ります。


6.秘密を持つキャラは胡散臭いか魅力的か

「アスナさん」

 

 ボスの咆哮が途切れ、動き出す直前。隣から私に声が掛けられる。その声はいくらかの緊張が含まれているような、薄い声だった。だが、今の状況では仕方がないかもしれない。

 

「何、ヤマトさん」

 

 戦闘用に鋭敏化された感覚の中、私は短く問い返す。ぶっきらぼうになってしまった返事よりも、十数メートル先から覇気をぶつけてくるボスへの集中の方が優先された結果だった。

 肌がひりつく威圧感がひしひしと伝わってくるボスから視線を外すような真似は出来ず、五感全てをフルに稼働させて相手の動きを観察する。

 

「メインウェポンをボスに刺したままふっ飛ばされました」

 

「は?」

 

 全ての緊張が一瞬にして消え失せた。よく考えると割と遠い距離にいるボスには構わず、思わず横を向くと、確かにヤマトさんの手には先ほどまで使っていた黒く無骨なサバイバルナイフのような短剣ではなく、NPC店で見かける(くだん)の《シルバーダガー》が握られていた。

 

「な、何やってるんですか!?」

 

「いやー、ちょうど短剣を差し込んで少し力を抜いた時にポーンと放られちゃいました」

 

 ヤマトさんは戦闘中、しかも割と大きめの失敗をしたにも関わらず、あいも変わらず私の隣で軽く笑う。

 

 

 ヤマトさんに限った話ではなく、この世界でフィールドに出る時は、基本的にはメインウェポンに加えて予備の武器を何本か持って行くのが定石だ。なんらかの事情──ファンブルや武器破壊など──によって武器がつかえなっただけで絶体絶命、とはならないようにするためだ。

 しかしながら、だからといって全ての武器を戦闘に向けて強化出来るというわけではない。当然、確実に強化をするは素材やコルが莫大に必要で、簡単に全部の武器を最高ランクに持ち上げる事は出来ない。

 

 つまり、最前線プレイヤーと言えども戦闘に使うために調整することの出来る武器は、現状ではせいぜいが五本が限度といったところ。

 ボス戦で装備の出し惜しみをしないのは基本で、さらに戦闘で最初に使っている武器こそ最高性能。

 ならば、それを使えない状況に陥った隣のヤマトさん(パートナー)は──

 

「まあ、それは別に良いんですよ。あれの強化は耐久にほぼ全振りしてるんで、攻撃性能自体はシルバーダガーとほぼ変わらないですし」

 

「そ、そう」

 

 本人が全く気にかけてない以上はそれ以上追求するつもりもない。が、やはりどこか腑に落ちないまま。

 

「それよりも、ボスのHPバー見てください」

 

 もやもやとした気持ちを残したまま、促されるままにボスの方へと顔を向ける。

 ボスが最後から2本目のHPバーに到達してから十数秒が経過しても、未だに状況は膠着しており戦闘は再開されていない。ボスはキチキチと威嚇音を鳴らし、プレイヤーはそれを囲むように散開して様子を窺っている。

 

 だからこそ、違和感に気付いた。

 

「HPが、減ってる?」

 

 長い長いHPバーのほんの1、2ドット。量にしては砂山の砂粒一つ程、HPバー全体の何千分の一とごく僅か。だが、ボスが起き上がる前よりも、誰も攻撃してないにも関わらず減っている事だけは確かだった。

 なぜ、と考えるよりも早く、つい先ほどしたばかりの会話と減少したHPドットとが脳裏で繋がる。

 

「貫通継続ダメージ……」

 

 ヤマトさんは一つ頷いて、その言葉に同意を示す。

 

 貫通継続ダメージは、刺突や斬撃属性のある武器が敵の身体に突き刺さっている間に起こるDamage over Time(DoT)、つまり時間経過によるダメージの一種だ。

 ヤマトさんは短剣を突き刺した状態で離脱したため、あのボスのお腹には未だに短剣が刺さったまま。

 

 人型、ゴースト型、爬虫類型、昆虫型を問わず大抵のモンスターは、自分に突き刺さった武器を自ら武器を取る動作を取ることが出来る。方法は転がったり、透けたり、体の一部を利用したり、それこそ手を使ったりと様々。

 だがこの(ボス)は骨格上仕方無いのか、どうやらお腹に刺さった短剣を抜くことが出来ないらしい。

 

 

 

 ──さて、ここで二つ思い出した事がある。

 

 まず一つ。装備を変更することは戦闘時でも可能である。予めセットしていた武器に変更する武器派生スキル《クイックチェンジ》だけでなく、ウィンドウから直接武器を変える事も可能である。ただ視界の一部にウィンドウが映るため、とにかく戦闘には邪魔になり、装備を替えたら閉じて戦いに挑むのが基本。

 そもそも《クイックチェンジ》があるためウィンドウを開くのは非常に稀ではあるが。

 

 二つ目。

 ヤマトさんは、耐久に優れた、貫通継続ダメージを長時間与え続けることのできるシルバーダガーを持っている。

 

 その本数、87本。

 

 

 

「アスナさん」

 

「ええ、ヤマトさん」

 

 私とヤマトさんの思考は一致する。余計な言葉を交わす必要は無い。これだけの情報が揃っていたら、辿り着く結論は一つ。

 

 

 すなわち、ウィンドウを開いたまま戦闘を行い、再びボスを裏返した時に、シルバーダガーを何本も突き刺す。

 武器の耐久値の消耗が早い貫通継続ダメージだが、幸いにして耐久値が高い武器であるし、加えて87本もあれば十分に過ぎる。

 

 

 その結論に至ったまさにその時、蟹が動き出す。

 

 甲羅が弾けて重さが減ったのか、それとも生命の危機に追い込まれた怒りと憎悪のせいか、弾ける前に比べてスピードが格段に上がっている。

 

 

 誰かが声を上げた気がする。

 リンドさんが指示を投げたのだろうが、目の前の敵から響く、硬質な脚が床を打つ騒音にかき消されて聞こえない。

 

 でも、大丈夫。

 

 今まで指示が通らない事などザラだった。

 そんな時も私達は戦い、勝ち続けた。

 

 指示は聞こえなくとも、周りと合わせてボス攻略への最善手を打てばいい。

 未知の攻略がそこにあるならば、その場で即興の攻略方法を探し出せばいい。

 

 それは、この攻略組全員の暗黙の了解。

 

 

 私とヤマトさんは細剣(レイピア)短剣(ダガー)を構え、脚に力を込められる。

 取り巻きは出てこない。つまり()はあの大きな蟹一匹。

 

 余計なことは考えるな。全神経を集中させろ。百層の迷宮で組まれた世界の、たかが二十八層のボス如きに手間取る必要はない。

 

 さっさと討伐して、私達は先へ進むのだ。

 息を一つ吸い込んで、相方のプレイヤーへと、そして自分へと言葉をぶつける。

 

「行きますよ!」

 

「了解っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ボス攻略はスムーズに進んだ。

 

 甲羅が弾けたボスは速度、攻撃頻度、一撃の重さ全てが上昇していたけれど、所詮はそれまで。

 アルゴリズムにも大して変化は無く、むしろ両刃だった大剣が片刃に変わったため、気をつける部分が減ったぐらいだ。

 

 そして、例の短剣作戦だが──

 

「うっわ気持ち悪っ」

 

「自分でやっておいてその言い方はどうなの」

 

 HPバーが残り二本となってから、都合八度目となるボスの横転後。何本かダガーの耐久力は無くなったが、それでもなお蟹のお腹には、ゆうに三十を超える短剣が突き刺さっている。

 

 蟹のお腹にぽつぽつと花が咲いたように短剣が突き刺さり、その部分から赤いポリゴンが流れ出ていて、正直に言えば私も不気味さしか感じない。

 

 ヤマトさんはボスが振り回す腕と脚を器用に避けながら、今回も短剣を刺しては開きっぱなしのウィンドウを操作、刺しては操作を繰り返す。

 ヤマトさんが一度の横転につき五本ほど刺して離脱を繰り返した結果がコレだ。

 

 貫通継続ダメージは蟹を返すまでの間にもじわじわとHPを削り続け、流石に三十本分のダメージとなると、なかなか馬鹿にできないダメージ量になっていた。

 当然他のプレイヤー達から奇異の視線は貰ったが、結果が出ている以上誰からも文句は来ていない。

 

 そんな地道なダメージ蓄積の結果、既にボスのHPバーは残り最後の一本へと到達しようとしていた。

 ここまでスムーズに、安定して攻略が進められたことは恐らく喜ぶべきことなのだろう。

 

「やっぱりおかしくないですか?」

 

 二人揃ってボスが起き上がる直前に後ろに飛び退く。どうやら隣のヤマトさんも違和感を拭えないのか、首を傾げている。

 

「ボスのステータスが変わるくらいで基本的なアルゴリズム変わりませんし、ひっくり返したらしばらく動けない欠陥があるのに、そこまで厄介な性質を持っていない。

 纏めると、チョロすぎません?」

 

 結論の言い方に引っかかるけれど、私としても同じ感想だ。

 ボスの脚を避けて攻撃を当てながら、私は一つだけ思い当たる考えを口にする。

 

「このゲージが削りきれたら、アルゴリズムが変わるかもしれない」

 

「あー、やっぱりそうですか」

 

 隣でアクロバティックに戦闘を行いながら発せられた声は、やや気怠げに聞こえた。というよりも、面倒臭いという気持ちの表れだろうか。

 

 間も無く、継続ダメージと攻撃の蓄積によって4本目のHPバーが削り切れようとしていた。

 プレイヤー達の中の緊張が一層強く張り詰め、継続ダメージを留意しているために全員が後ろに飛び退いた。

 

 飛び退いて数秒、ついに4本目最後のドットが削りきれると同時に、ボスは今までにない動きを始める。

 

 左の腕を身体の後方へと絞る。ギロチンの刃は水平にしたまま、腕からギチギチと音を立てながら、さながら弓がしなるように腕が引かれる。

 

 ボスの周囲には既に誰もいない状況下において、そんな行動はあまりにも不自然で、ぞくりと悪寒が背筋を撫でた。

 

 

 ボスとの距離は十分に開いているから大丈夫。

 

 否、不十分。

 

 

 脳裏から鳴り響く本能による警鐘は、理性的な思考を否定する。

 

 その矛盾が生んだ、一瞬の停止が隙となった。

 

 ボスがその腕を振るう。

 水平に振り抜かれた腕は誰も捉える事なく──とはならなかった。

 

 腕が振るわれ始めた瞬間、その腕が伸び始めた。

 ギャリギャリと耳障りな金属音を立てながら、ギロチンの根元から鎖が伸びる。

 鎖は双曲線のようにしなりながら半径を次第に伸ばし、ギロチンの刃はさながらアルキメデスの螺旋のような軌道を描きながら、空気を切る轟音を響かせながら薙がれる。

 

 

 ああ、刃が私へと向かってくる。

 

 

 そこそこの高さを飛ぶ刃を跳んで避けようとするも反応は遅れ、このままでは両足が斬り飛ばされるだろう。

 

 遅い反応を下した身体とは裏腹に、思考と認知だけが速く巡る。遠くにいる風林火山の皆さんがこちらを見て目を見開いている。しゃがんで鎖を避けたヤマトさんはこちらへ走ってこようとしている。だが、私に刃が当たるまでには間に合わない。

 

 

 幸いにしてHPは満タン。両脚を持って行かれても、なんとか耐えられるだろう。部位欠損ダメージもバトルヒーリングとポーションを併用すれば、一応は持ち堪えられる。

 迷惑をかけるけれど、ヤマトさんにボス部屋外まで運んでもらおう。

 

 

 全てがゆっくりとなった世界の中で迫る刃を見ながら、逃避気味に、そして半ば諦めの入った思考が脳裏をよぎる。だが、それ以外にどうしろというのか。

 

 そしてそのまま私の足は斬り飛ばされる。

 

 

 

 その直前だった。

 

 私とギロチンとの間に赤い何かが割り込む。

 

 それは燃えるような、そしてルビーのように艶やかな紅の鎧を纏ったプレイヤーだった。

 金属同士が勢いよくぶつかった低い音が響いた。カイトシールドとギロチンがかち合い、紅いプレイヤーはやや後ろに押し込まれるも凶刃を弾き返す。

 

 

「────無事かね?」

 

 

 渋い声だった。

 疑うことなく、私の前に割り込んだプレイヤーから掛けられたものだろう。

 半分振り返った顔からは、彫りの深い壮年男性の横顔が覗いていた。

 白髪混じりの長髪が特徴のそのプレイヤーには、面識があった。つい最近攻略組に加入した、しかし確固とした実力を持つギルドのリーダー。少し前には、ソロである私にギルドに入って欲しいと、何度か勧誘も受けた。

 

「アスナさんっ! 大丈夫ですか無事ですかいや攻撃届いて無いのは分かりますけどHP減ってませんしでも本当に心配して──」

 

 一歩遅れて私の元にヤマトさんが辿り着く。どうやら私の心配をしてくれているのか、あわあわと纏まらない言葉を掛けてくれる。

 ヤマトさんのその慌てように、却って私は落ち着きを取り戻す。

 

「ヤマトさん、私は大丈夫。

 ありがとうございます、ヒースクリフさん」

 

「ボス攻略で協力は基本だ。だが、このような事が次は無いように気をつけたまえ。いつも誰かがフォローが出来るとは限らない」

 

「はい」

 

 少し厳しい言葉ではあったが、全くもってその通りだった。最悪足が切り飛ばされ、戦線からの離脱を余儀なくされる所であったのだ。

 でも、反省は後にしよう。今はボス戦。反省はいつでも出来る。必要なのはボスを倒す事だけ。

 

 私は再び細剣を構えて、ボスへと視線を移す。刃を弾かれたボスは鎖を引き戻しながら不機嫌そうに、こちらを睨みつけていた。

 

 

 予測通りアルゴリズムが変化したのか──流石に腕が飛んでくるとは予測していなかったが──今までにないような動きを始めるボスに、他のプレイヤー達は挑み始めていた。果敢に攻めるプレイヤー達に遅れを取るわけには行かない。

 

 床を踏みしめ、脚に力を込める。

 先程の攻撃の恨みを込めて、怒りを力に変えて、あの(ボス)を倒す事だけに思考を傾ける。

 既に落ち着きを取り戻したヤマトさん(パートナー)も、声を掛けるまでも無くボスへ向かうように前傾姿勢を取る。

 

 合図も無く、しかし一拍たりともズレることなく、私達は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スイッチ!」

 

 ヤマトさんと入れ替わり前に出た私は、脚の蛇腹剣を弾き交戦を再開する。

 

 ボスが5本目のHPバーに突入してから既に20分が経過していた。明らかに変わったボスのアルゴリズムと腕の鎖に、私達は苦戦を強いられていた。

 

 時折振りかぶられる腕はその延長線上のプレイヤー全てを攻撃範囲に捉え、腕を地面に叩きつけることによって落とされる岩雪崩は迂闊にボスへと近づくことを難しくしていて、攻めあぐねている厄介な原因となっていた。

 

 しかしそれでも何とか攻撃を通し、ヤマトさんは変わらず短剣を突き刺し続け、継続ダメージの累積と攻撃によるダメージによって、なんとかボスの最後のゲージを今まさに削り切ろうとしていた。

 

 

 ボスが両腕を振り上げる。それは、蟹へのボーナスタイムを生み出す吉兆の予備動作。

 

 轟、と音を立てながら振り下ろされた両腕が二人のタンクによって受け止められ、そして弾かれる。高い位置へと跳ね上げられたその二本の腕を狙うように、大剣と戦斧が構えられていた。

 

「「最後(ラスト)ォォォォォォ!」」

 

 次の一回で削り切る。

 そんな意味の込められた、息のあった掛け声で両方の腕にそれぞれ攻撃が叩き込まれる。十分な威力を伴った大剣と戦斧は見事に腕をかち上げて、ボスの弱点が見事に露出された。

 

 

 その瞬間、攻略組全員の目が怪しく光った気がした。

 

 

『ぶっ潰せぇぇえええ!』

 

 誰かの野太い声が響き、ボスへと全員が飛びかかる。その様子はまるでリンチ。というよりも、手も足も出ない相手にあの所業は丸ままリンチだった。

 

 まあ敵である以上容赦すべき相手ではないため、別段何とも思わないのだけれど。

 

 

 あの減り具合を見るに、もう私達の手は必要ないだろう。

 

 少し下がったところで、ヤマトさんと私は並びながらボスとそれを攻撃する攻略組群を眺める。

 

「うわー、あれ見るとなんか可哀想になってきますね。蟹を袋叩きとか、現代版浦島太郎ですか」

 

「ヤマトさん、それを言うなら亀じゃないの?」

 

 そんなのんびりとしたやりとりを挟んだ瞬間、ボスがポリゴン片へと還る。地面に大量の短剣が落ちて、ボス部屋にガラガラと音が鳴り響いた。

 

 周りはボス戦の勝利に沸く中、ヤマトさんが深々とため息を吐いたのが聞こえてきた。

 

 

 ボスを倒した『Congratulations!』という表示と明るいファンファーレを背景とBGMにしながら、落ち穂拾いの絵のように短剣を拾い始めたヤマトさんの背は、どことなく疲れ切ったサラリーマンのような哀愁が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ」

 

「どうかしたんですか、ヤマトさん」

 

「え? あー、いや、その、実はラストアタック(LA)ボーナス貰ったみたいなんですよ」

 

「え!? ……ああ、貫通継続ダメージで最後倒れたんですね。おめでとうございます」

 

「ありがとうございます。まあ、これで大量の短剣も無駄にならずに済んだと考えます。というより、そういう事にしとかないとなんかもう発狂しますね」

 

「あ、あはは……と、ところで! LAボーナスは何が出たんですか?」

 

「んー、なんか短剣っぽいですね」

 

「ヤマトさんの装備とあっていますし、良かったですね」

 

「そうですねー。性能は……」

 

「? どうしたんですか」

 

「……いえ、また滅茶苦茶高耐久なやつでした」

 

「……頑張ってください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Congratulations!

 

 

You got a Last Attack and its bonus!

 

 

The Last Attack bonus is 《首斬包丁》

 

 

 




 読んでいただきありがとうございました。
 最後の武器にピンと来た方もいらっしゃると思います。


 蟹みたいなエネミーって剣刺したら抜けなくて、耐久値まで貫通継続ダメージ食らいそうだなって思ったんですけど、実際どうなんでしょうか。
 貫通継続ダメージはプレイヤーに発生する描写しか見つけられなかったので、本作ではエネミーに対しても発生すると捏造しました。


 冠詞を中心に英文法合ってるか不安ですので、間違い等あれば英強の方教えてください。


 感想で疑問があったのでその返答も含め、ヤマトの性別について補足を。説明不足で申し訳ありません。
 ちょっと長いので、興味の無い人はどうぞ読み飛ばしてください。



 まず本作主人公の変態機動が得意なヤマトですが、性別はまだ秘密です。一応決まってはいます。
 と言っても前話の前書きにも書いたように、一本ネタ回を挟みたいから性別不詳にしているだけですので、正直男性でも女性でもそこまで話の本筋に影響しません。


 では文章として、ヤマトに対する三人称が『彼』や『彼女』となるのが正しいか否かについて説明をさせていただきます。

 主人公ではなくその周囲の視点──二人称視点とでも読んでいいのでしょうか──からの視点だから、『実際の性別』と『視点の人から判断した性別』とが別になることが生じています。
 つまるところ、人によってヤマトをどちらの性別と判断しているか変わります。これにより、前記の二人称の違いが出ています。


 パーティメンバーのHPバーが表示される時、性別を表すマークって付いていなかった(アニメ74層戦闘シーンより)ので、外見からしか判別出来ない、と本作では判断しました。
 フレンド欄で性別付いていたかもう覚えてないので付いてないとしました。(開き直り)


 骨格とか声で分かるじゃん? と思ったそこのあなた!

 まず1話で書いたように、ヤマトは非常に華奢で細い体格をしています。小柄で、設定では身長は140cm弱。だいたい小学5-6年生の平均身長です。防具は体のラインが出ない少しだぼっとした服装の上からローブを羽織るのが基本の装備。
 髪はショートで、声は変声期前のような声。しかも仮面越しでくぐもっている。顔は当然仮面で隠れていて、目もゲームのシステム上見えず、顔の情報はゼロ。
 また、お気付きの方も多いと思いますが、ヤマトには今まで一度も一人称を言わせていません。
 名前も《ヤマト》で、どちらとも取れる名前にしてあります。もちろん某運輸が元ネタですが。

 以上のように、外見からの判断は非常に難しくなっています。そして性別はどちらにも取れる要素多めで構成してみました。



 それでも分かる? その通りですごめんなさい(掌返し)。

 兎にも角にも、ヤマトはこの作品内では中性的で、人によって判断がバラバラなプレイヤーとなっている、としていただければ幸いです。そういう設定の下、作品を書いています。


 一応、以下に各キャラのヤマトに対する性別の認識を書いておきます。

キリト→男
風林火山→男
アスナ→女
アルゴ→女
エギル→女


 今後はぜひ、性別はどうなのかと予想しながら読み下さい。


 苦手な書き方ではありますが、何が真実なのかを秘密にしやすい二人称視点の特徴を上手く活かせるよう頑張ります。


 最後となりますが、お気に入り登録、感想ありがとうございます。展開も拙い本作ですが、今後もよろしくお願いします。
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