ルーキー日刊21位っておま、前作の黒歴史確定じゃん
ルーキー日刊17位ってなんだよ怖えよ(ありがとうございます)
ライブが終わった。だからといって時間の余裕があるわけではない。数個のテレビ出演の仕事とともにデビューライブのためのレッスン、それに宿題としてネームを決めないといけない
テレビの仕事は運動系が多かったけど全部が全部そうではなかった、最近話題の人等のコーナーでも出番があった
メンバーでデビューをめぐってのいざこざがあったがそれはプロデューサーがきちんと約束したことで事態は収拾した
時が過ぎるのは早い。気がつけばデビューライブは目と鼻の先に見えてきた、歌の指導担当からはもう十分なほどできてるとのお墨付きだ
ひとまずホッと一息つく。体を伸ばすとデビューライブが近い、お姫様たちのもとへと向かった
お姫様たちを見つけると声をかける
「調子はどうだい?」
「ばっちりです!」
未央に続いて凛と卯月も頷く
「本田さんは元気がいいね」
「陵くんは体調どう?大丈夫?」
「大丈夫ですよ新田さん」
そんな会話をしていると、何と言ったらいいのかわからなそうな顔をしているもう一人の彼女に視線が向く。確か彼女はロシアとのハーフの、自分の後姿が似ているといわれた子か
「プリヴィエート、アナスタシア。カクディラ?」
「陵さん今なんて?」
アナスタシアが驚いているが、別に自分がロシア語に詳しいわけではない。こういった時のために簡単な挨拶を知っているだけだ
「ハラショー!」
「みんな調子がいいようでよかった」
「陵さんロシア語話せるの?」
「いや。話せないよ」
「え?でも今」
「今のは、こんにちはお元気ですか、の基本的な挨拶だよ。例文も多いからちょっといじれば普通に誰でも使えるよ。こういう時に使えるかと思って覚えてるだけで、今の僕じゃロシアで普通に会話はできないよ」
「なるほど」
「そういえば君たちはユニット名は決まったのかい?」
「「はい」」
「私とアーニャちゃんがラブライカで」
「私たち3人がニュージェネレーションズです」
「……愛とLAIKA、それに新世代かいい名前じゃないか」
「陵さんは決まったんですか?」
「いいや。決まってはいないけど、これってのは決めてる」
「どういう名前ですか?」
「REX」
「レクス?」
「王って意味さ。シンデレラの王子様はシンデレラと結ばれやがて国の王となる。ファンのみんなと結ばれて王に、トップになるって意味合いがあるんだよ」
納得しているとそこに一声かけられる
「じゃあ、もしプロジェクトのメンバーの中で陵さんのシンデレラを選ぶとしたら誰を選ぶ?」
「それは結婚相手という意味かい?」
「もちろん!」
「ちょっと未央ちゃん」
「結婚だなんて考えたことなかったな」
「え」
「この顔を隠して生きるつもりだったからそこまで考えたことはなかったよ。納得のいく回答じゃなくてごめんね」
止めた人たちも興味はあったのか各々が残念そうな顔をする
「でもそうだよね。これを外す決心はしたんだから、いずれそういうことにも向き合う必要があるよね」
仮面をそっと撫で彼女たちに目を向ける
「ありがとう、おかげで学べたよ。それじゃ、お互いに頑張ろう」
言うとすぐに向きを変えて右手をシュッとすると彼女たちのもとを離れていく。これからは考えもしなかったものにも目を向ける必要があると今一度実感した
今日はCDデビューについての取材とのことだ。ひとまず先にニュージェネレーションズの3人とラブライカの2人が終わってから自分の番だそうだ
「陵くん緊張しないの?」
「特にはしてないかな。これからもっと取材は増えるんだし、今回なんて話すだけだよ」
「陵くん大人~」
「まだまだ子供だよ」
案外すぐに自分の番になった。部屋に入ると帽子をかぶった男性記者とカメラマンそれからプロデューサーがいた
「CDデビューへむけてのコメントを頂けますか?」
「はい。高長陵です。初めてのCDということで慣れないながらも頑張ってきました。ぜひ皆さんに僕の歌を聞いていただければと思います」
「では次の質問です。陵さんはプロジェクトの王子様という立ち位置ですが、これまで活動してきて一番大変だったと思うことは?」
「それは、美嘉さんのライブのバックダンサーですね。ひたすら続けて踊ってましたから」
「なるほど。シンデレラたちの中で自分のシンデレラにしたいと思った子はいるかい?」
「あはは。すみません、これをつけているので今まで考えたことなかったです」
「なるほど。では最後に、陵さんのイメージにもある仮面ですがこれからどういう風にしていくんでしょうか?」
「今のところデビューライブで外そうと考えています」
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
デビューライブまでは2ユニットと1人は本番を意識してレッスンを重ねる。まあ彼女たちに比べれば男ということもあり動きの派手さは無い分楽だったとは思う。レッスンの合間にポスター用の写真やサインの練習、ニュージェネレーションズいたってはラジオもあった。みんなは笑顔の写真だが自分は仮面をつけていることを利用して、仮面に手を当てて少し愁いを帯びた瞳のままカメラ目線で撮るといった感じだ
デビューライブ当日。ここまで色々あったがあっという間だった。係の人に説明を受け終わると部屋に戻り出番を待つ。そしてそれまでの間録音しておいた今日の歌を目を閉じながら聴き、多少頭を揺らしつつ指でリズムをとる。曲が数回目のループに入ろうかというときにプロデューサーがやってきてスタンバイを促すとそれに従い曲を止め集合するために移動を開始する
「今日は、第一歩目です。頑張ってください」
「それだけ……?」
プロデューサーらしい言葉を受けデビューする自分を含めた6人はその後ろについていき舞台袖に待機する
舞台袖から見た感じ想像していたよりは多い人数だ。ひときわ目に着くのは未央のクラスメイトと思しき集団と、なぜかこの場にいる自分のクラスメイト達だ。しかもご丁寧に応援幕を垂らしている。未央と目が合うと互いに苦笑いをする
そうこうしているうちにライブは開始され、ラブライカの二人によるMemories、ニュージェネレーションズの3人によるデビュー曲が終わり自分の番になる。美嘉の時のライブに比べれば圧倒的に人数が少ない今回のライブだが緊張はあの時よりも大きいように感じた
「今日が僕の最後、きれいにしめようじゃないか」
ニュージェネレーションズの3人が反対側の舞台袖にはけると、自分の名が告げられたので舞台へと出た
「よろしくお願いします。REXの高長陵でDoubt&trust」
曲がかかり始める前に仮面に手をかけ僕は俺に戻るべく勢いよく仮面を外すと同時に後方に放り投げた
俺の素顔が露になると同時に会場が静まっていく、耳に入ったのは水面に落ちる水滴のように、仮面が地面へと落ちる音
顔に視線が集中するのがわかる。少ししてから曲がかかり始まったので、何事もなかったかのように歌い始める
宝石のような青色の瞳、透き通るような白い肌、そして白い髪
「アーニャ……ちゃん?」
「そっくり……」
「プロデューサー!」
「……」
プロデューサーも驚いているのが一目でわかる。いつもよりだが目が見開いており微動だにしない。ただこの場にいる城ケ崎美嘉以外は仮面の下が傷一つ無いということは知っていた。知っていたとしても理解しがたい状況が今である。おそらく一番驚いているのが自分に似た顔がいきなり現れたアナスタシアだろう。次点で彼女のそばにいた、アナスタシアのパートナーである新田美波
疑いと信用が曲名のこの曲が終わる。あっという間だった
「ありがとうございました」
歌い終わっても視線が集中することは止まらない。まばらながら拍手が起きるも困惑したような表情をした客が多い。クラスメイトたちは信じられないものを見たかのように顔色がころころと変わっている
礼を1度するとそのまま舞台袖に移動する
「お、お疲れ様です陵さん」
「みんなのデビューライブどうでしたか?」
「……」
「プロデューサー?」
「あ。す、すみません。何でしょうか?」
「みんなのデビューライブはどうでしたか?」
「デビューライブとしては大変良かったと、思います」
「そうですか。それは良かった」
呆然とするお姫様たちに挨拶をした後着替えるために部屋へと戻る。一応携帯を確認すると両親からのメールが届いていた
『ライブ見てたぞ、お疲れ様。陵は変わったな。もう一度きれいな顔を見れるとは思わなかった。相変わらず母さんの家に似てきれいな顔をしていたな、今度実家に帰った時にみんなに報告するよ。昔の陵が帰ってきたって。今日は本当にお疲れ様、まだ始まったばかりだけど頑張ってほしい。一番のファンとして応援してるよ』
目頭が熱くなるのが自分でもよくわかる
部屋へと戻ってきてから少しすると、ラブライカ、ニュージェネレーションズ、美嘉、プロジェクトのメンバーが部屋へと入ってきた
「「お、お疲れ様!」」
ぎこちなかったが、仮面を付けていたころと変わらず接してくれるのは嬉しい。これが望んでいたことだからなおさらだ
「ありがとう」
「りょ、陵くん!」
「なんだい?」
「あ、アーニャちゃんとそっくりなんだけど何か理由みたいのってある?」
「なんだそのことか。俺は母の家系の血が濃く流れててね」
「じゃあ陵くんもアーニャちゃんみたいにハーフなの?」
「ハーフじゃないよ」
「じゃあなんでそっくりなの?」
「隔世遺伝ってやつでね。わかりやすく言うと先祖返りってやつさ」
「先祖返りですか……」
「うん。俺には大陸の血が流れてる。ま、言ってしまえばそれだけのことさ」
「その話し方が陵さんの素?」
「そうだよ。前みたいに敬語の方がいいかな?」
「い、いえ、お任せします」
そんな中一人が口を開く
「今更だけど陵さんって何歳?」
「18歳だよ高3」
「……」
「敬語だったから年下だと思ってた……」
「仮面をつけてからは変に素を出さないようにしてたから、つい敬語に。ああでも前にも素を出したよ?」
「そんなことあったかな?」
「あれじゃない?右手をシュッとするやつ」
「あれは違うよ。プロジェクトに参加する前に346プロダクション前で僕の価値をプロデューサーに聞いた時だ」
「え……あれ?」
「あの時はちょっと不機嫌だったからああなっただけで、さすがにあそこまでにひどくないよ」
何かを思い出したように口を開く
「ああそうだ。美嘉」
「は、はい!」
「今日は連絡できるようにちゃんと充電してきたぞ」
「い、いつも忘れるわけじゃないんだからね!」
「そうか。なら今日はバイクで家まで送らなくても大丈夫そうだな」
美嘉に視線が集中し、美嘉がメンバーから色々聞かれているときに後ろからプロデューサーが肩をたたく
「言っていただければ迎えに行きましたのに」
「あの時は自分も充電が切れてたので、連絡ができなくて」
これには苦笑いするしかない
梅雨。雨の降る季節
「「高長~!」」
「どうした?」
「「デビューライブお疲れ様!」」
教室に入るといっせいにクラスメイトが集中する。視線や表情から言って上っ面や外面ではなく心からデビューライブの成功を祝ってくれている
「ああ。ありがとう」
デビューライブ以降クラスメイトたちがよく関わってくるようになった。反応に困るときもあるが、応援してくれるのはうれしいし、今の瞬間が嫌いという訳じゃない
今日も事務所を訪れる
「おはよう」
「「おはよう!」」
俺の望んでいたことは意外と簡単に手にできたな
「陵くん!」
「どうした?」
「次はお姉ちゃんみたいにリカもバイクに乗せてね!」
「ああ、もちろん」
「「くんくん」」
「……」
今現在俺は、今までで一番どういう反応をしていいのかわからない状況にいる
女子3人に匂いを嗅がれながら救難の視線を美嘉に送っているが、顔を真っ赤にして固まっているうえ、もう1人にいたっては、笑みを浮かべてこちらを見ている始末である
「ん~キミ、イイ匂いがするね」
「ん~、おちつく~」
「ねえねえキミ名前は?」
「高長陵です。えっと……」
「志希ちゃん」
「フレちゃん」
「シューコちゃん」
「え、ええと、よろしく」
「にゃははー!」
「うおっ!」
いきなり抱き着かれた、というよりはすりつかれた。自由奔放な猫みたいだ。さすがにこのままは色々な意味でまずい
「美嘉!助けてくれ!」
「え、あ、その……うぅ……」
「なにやってんだ美嘉ァ!」
プロデューサーが駆け付けたことでどうにかこの事態が収束するが、何か色々なものを失った気がしてならなかった
3話投稿後に低評価が一気に増え、それに高評価を消して低評価に入れた人がいたので仮面取れと察しましたので変更
変更前より分量が増えた……これが仮面の力……!