GATE 枢軸国軍 異世界にて、斯く戦えり   作:スパイス

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 何とか続きました。



 ここで会話の概要を

「」→ 地球の言葉
『』→ 特地(帝国)の言葉

 ということにします。

※7/7 タイトルと内容を大幅に加筆、修正


第1話  ベルリン攻防戦と銀座事変

 1941年 5月8日 午前8時

 ドイツ ベルリン

 

 

 ベルリン中心部に『それ』が現れた時、最初に現場に駆け付けたのは秩序警察に所属するベルリン首都警察、その中でも交通整理に従事していた警察官達であった。

 

「何だこれは……」

 

 緑色の制服を着た警官たちはあっけにとられた表情で、突如出現した『それ』――青く透き通り、幾何学模様が表面に描かれた巨大な建造物――を見上げる。

 それは周りにいる市民たち――多くは出勤途中のベルリンにオフィスを構える会社員や労働者達だった――も同様らしく、皆驚いた表情をしていた。

 

「何だ何だ!?」

「でけえ建物だなあ……」

「おいどけよ、よく見えないぞ!」

「困るなあ、こんな所に建てられると邪魔なんだが……」

 

 市民たちはそう言いながら建造物を見上げたり、指さしたりしながら騒ぎ出す。中にはカメラで写真を撮ろうとする者や、建造物に触ろうとする者までおり、警官たちはそれを押しとどめようと懸命に努力していた。

 やがて騒ぎを聞きつけた一般親衛隊の隊員や他の警官も加わり、市民を建造物から遠ざけようと声を張り上げる。

 

「建造物から離れて! 近づかないで!!」

「こら! 近寄ったらいかん!!」

 

 騒ぎが徐々に大きくなる中、警官たちは調査を始めるべく、建造物に近寄っていく。

 

「見たところ、門のような建造物だなぁ……」 

「全く、誰がこんなものを――」

 

 警官たちがそうぼやきつつ調査を始めようとした、その時――

 

 バサバサバサッ!!

 

 羽音を響かせながら、巨大な鳥――彼らはそれが『ワイバーン』と呼ばれるものだとは思いつかなかった――の様な物体が次々と『門』から飛び出しては空に舞い上がってゆく。

 

「な、何だぁ!?」

「ド、ドラゴンのようだったが……」

「バカな! 空想上の生き物だぞ!!」

「ひ、人が乗っていたぞ! 本当にどうなっているんだ!?」

 

 警官達や市民が混乱する中、『門』からは続いて異形の軍勢が出現する。

 

 古代ローマ風の鎧を纏い、剣や槍、弓で武装した騎士や歩兵――

 童話や神話にしか出てこないようなオークやゴブリン、トロール等の怪物たち――

 獰猛そうなワイバーンに騎乗した竜騎兵――

 

 その他、名前も分からない異形の怪物たちが続々と出現し、それらは茫然としている警官達と、その場に居合わせた市民達を例外なく襲い始めた。

 

「うわぁっっ!! 助けてくれっ!!」

「きゃぁぁぁぁっ!!!」

「は、早く増援を――」

 

 市民たちは一秒でも早く軍勢から逃れようと逃げ惑い、警官や親衛隊員達は市民を逃がそうと必死に応戦を開始するが、元々の数が違いすぎたこととドイツ側が拳銃などの軽武装しか持っていなかったためにあっけなく蹴散らされた。

 異界の軍勢は情け容赦なく殺戮と強姦に勤しみ、そのため通りには老若男女様々な屍が累々と積み重なり、悲鳴が辺りにこだまする。

 やがて彼らは市民の屍を積み上げ、そうして出来た死肉の小山に漆黒の軍旗を掲げると、声高らかに彼らの言葉で宣言した。

 

『聞け! 蛮族どもよ!! 我らは皇帝モルト・ソル・アウグスタスの名において、この地の征服と領有を宣言する!!!』

 

 それは屍しか聞く者のいない、一方的な宣戦布告であった――

 

__________

 

 

 一方、ヴィルヘルム街にある総統官邸では、この国の主であるアドルフ・ヒトラー総統が不機嫌そのものの表情で怒鳴り散らしていた。

 本来であればこの時間帯はヒトラーの就寝時間であり、そんな時間に無理矢理叩き起こされたことは、時間に対して煩い彼にとって許しがたいことであった。

 

「何故襲撃の報告が遅れたのだ!!」

 

 激怒するヒトラーに対し、たまたま総統官邸にいた国内予備軍司令官のフリードリヒ・フロム上級大将と、ドイツ国防軍最高司令部総長であるヴィルヘルム・カイテル元帥は冷や汗を流しつつ首を縮めて恐縮するほかなかった。

 

「首都に敵が来襲しておきながら、報告が15分も遅れたのは何事だ! しかもその報告内容がこんなに曖昧なのはどういうことだ!! 貴様らは正確な報告さえも出来ない無能なのか!?」

 

 ヒトラーが怒りのボルテージを上げる中、執務室に入室してきたベルリン防衛軍司令官のパウル・フォン・ハーゼ中将は冷静な声でそれに応じる。

 

「ご報告が遅れ、大変申し訳ありません。しかし何分にも信じられない内容でしたので、確認作業に手間取りまして」

「言い訳はいい、それよりどうなっているのだ? 敵は何者だ? ユダヤ人か?イギリス人か?それともロシア人か?」

「そのどれでもありません、総統閣下。守備隊の報告を信じる限り、現在ベルリンを攻撃しているのは中世時代から出てきたような騎士や兵士です。

 この他、見たこともない怪物やワイバーンの存在も確認されています。私もこの目ではっきりと目撃しました」

 

 ハーゼ中将はそう言って、窓の外を指さす。

 ヒトラーや将軍達がつられて窓を見ると、確かにワイバーンが宙を舞っては人々を襲っているのがはっきりと見えた。

 もはや思考停止状態の彼らに向かって「信じて頂けたでしょうか?」とハーゼが告げると、真っ先にヒトラーが我に返り、カイテルに早口で質問した。

 

「カイテル元帥、今すぐ出せる国防軍部隊はあるかね?」

「近辺ですぐ動かせる部隊ですと、確か第67歩兵師団がベルリンの近くで演習中だったはずです。あと警察部隊もいくつかが周辺にいたはずです」

「よろしい、ではその師団と第三軍管区すべての部隊宛に緊急命令を出すのだ。『直ちにベルリンに直行し、首都を攻撃中の敵対勢力を粉砕せよ』と」

「し、しかし総統閣下。第67師団は新規編成の部隊で、練度に問題が――」

「これは総統命令だぞ。早く向かわせろ!」

「わ、分かりました。総統閣下。直ちに命令を出します」

 

 カイテルが退室すると、ヒトラーは今度はフロム上級大将に向かって言った。

 

「現在敵に応戦しているのはどこの部隊だ?」

「現在ブランデンブルク門の周辺にて首都警察が敵と交戦しておりますが、何分にも数が多いために押されております。他の警察部隊も応戦中ですが、抑えきれるかどうか五分五分というところです」

 

 フロムが汗を拭きつつ答えると、ヒトラーはじろりと将軍達を睨みつける。

 

「首都に駐留している憲兵隊はどこに行った? 武装親衛隊は何をやっているのだ?」

「現在招集中ですが、突然の襲撃でしたので編成作業に時間が掛かっておりまして……それに親衛隊はヒムラー長官の専管ですので……」

「何だと! 首都に攻撃を受けておきながら、貴様らは編成のことを気にしているのか!! 戦闘準備が出来た者を片っ端から送り込め!!」

「ですが、敵は集団で行動しており、戦力を逐次投入すればいたずらに犠牲を増やすだけです。編成作業は絶対に必要であると思われますが」

「ううむ……」

 

 ハーゼ中将の正論に、ヒトラーは唸ってあごに手をやる。

 確かに兵士を逐次投入したところで、各個撃破されるのは目に見えている。しかし、敵がベルリンに突如現れた以上、どうにかしなければならない。

 そうこうしているうちに、官邸の外からも戦闘の喧騒が聞こえ始め、それが徐々に大きくなってゆく。敵がすぐそこまで迫っている証拠であった。

 

「……分かった。時間を稼ぐために総統官邸の衛兵隊を出そう。必要ならば私の個人警護部隊(RSD)も連れていくといい。何が何でも敵を食い止めるのだ。これ以上の被害を出すことは許さん。ヒムラーには私から伝えておく」

「ありがとうございます。総統閣下」

 

 フロム上級大将とハーゼ中将が退室すると、ヒトラーの個人警護部隊隊長であるヨハン・ラッテンフーバーが小走りに寄ってきた。

 

「総統、お車の準備が出来ました。いつでも脱出可能です。敵はすぐ目の前まで迫っておりますから、ここは退避を」

「何を言っているんだ。私はここに留まる。敵を前にして最高司令官が逃げ出せるものか!」

「ですが、総統に万一のことがあっては――」

「そう、万一のことがあっては困る。だから」

 

 ヒトラーはそう言って、ラッテンフーバーの肩に手を置く。

 

「君が最後の砦だ。頼りにしているぞ」

 

_______________

 

 

 

「急げ! ここを突破されれば終わりだぞ!!」

 

 総統官邸の衛兵部隊『ライプシュタンダーテ・SS・アドルフ・ヒトラー』、並びに国防軍のベルリン衛兵隊『グロースドイッチュラント』に所属する兵士たちは手早くバリケードを築き、戦闘準備を整えてゆく。ほとんどの兵士は小銃を持っていたが、中には機関銃や3.7cm対戦車砲を引っ張り出して操作する兵士たちもいる。

 兵士たちは迫りくる敵――異界の軍勢――に対して緊張感を露にしつつ、各々が手にした武器を構え、敵を睨み据える。

 

「フォイア(撃て)!!」

 

 命令によって兵士たちが一斉に発砲すると、異界の軍勢達は何が起こったかも分からずに、絶叫を上げながらバタバタと倒れてゆく。トロールのような大型の怪異は、それらの攻撃に少しは耐えたものの、結局頭部への集中射撃や対戦車砲の直撃によって次々と討ち取られていった。

 兵士達がその光景に歓声を上げる間も無く、上空からワイバーンが次々と急降下してきてはドイツ兵を攻撃し、その体を引き裂く。

 更には投石器による攻撃も加わり、総統官邸を攻撃し始めた。

 どうやら兵士達がその建物を守るように集中していたため、重要施設と看破されたようだ。

 異世界側の将軍の一人が、官邸のバルコニーに投石が直撃したのを見て笑みを浮かべ、配下の部隊を鼓舞する。

 

『蛮族は弱っているぞ! 攻撃してあの屋敷を陥とせ!! 敵の首級を上げよ!!』

 

 配下の兵士たちが喊声を上げつつ突撃しようとしたとき――

 前方の戦列が何の前触れもなく爆発し、なぎ倒された。

 

『な、何だ!? どうなっている!!?』

 

 何が起きたのか分からず喚きたてる将軍の頭上に、たった今戦列をなぎ倒した砲弾が次々と降り注いだ――

 

__________________________________

 

「間に合った!」

 

 ドイツ国防軍陸軍第67歩兵師団、第85歩兵連隊第一大隊に所属するハンス・シュミット少尉は思わず安堵の声を上げる。

 『総統官邸を攻撃している敵を、万難を排して粉砕せよ』との命令が下ったのが二時間前であったため、それまで味方が持ちこたえてくれるか微妙なところではあったが、間一髪で間に合ったことに、この戦闘が初陣であるハンスは胸をなでおろした。

 とは言え、まだ安心は出来ない。

 既に砲兵隊は敵部隊に対し、保有するあらゆる火砲を向けて攻撃中であるものの、肝心の投石器は建物の陰に隠れており、なかなか攻撃出来ない。

 加えて地上部隊の苦戦を見て義憤に駆られたのか、ワイバーンに乗った竜騎士が急降下して攻撃しようとしてくるため、ハンスは気が抜けなかった。

 

「迫撃砲用意! 敵を殲滅せよっ!!」

 

 ハンスの号令で、部下の兵士が8cm迫撃砲をセットし、敵に照準を定める。

 

「フォイア!」

 

 ハンスの命令で迫撃砲弾が発射され、投石器を破壊してゆく。

 懸念していたワイバーンからの攻撃も、ベルリン近郊の飛行場から飛び立ったBf109の機銃掃射や、地上からの対空射撃にその数を減らしていった。

 やがて増援の警察部隊や国防軍憲兵隊、国防軍部隊や武装親衛隊の兵士たちが到着すると、形勢は一気に逆転した。

 ドイツ軍部隊は敵兵に一切の情けなく銃弾を撃ち込み、戦車や装甲車で蹂躙し、戦闘機でワイバーンを撃ち落とし、急降下爆撃機で門周辺の敵に爆弾の雨を降らせる。

 それはまるで、数時間前まで敵がやっていたことを、そっくりそのまま何十倍にもして返しているようであった。

 

『に、逃げろぉぉぉっ!!!』

『助けてくれぇぇっ!!!』

『引けえっ!! 引けええっ!!』

 

 異界の軍勢はもはや完全に戦意を喪失し、散り散りになって逃走にかかるが、それで手加減するほどドイツ軍は甘くない。

 止めとばかりに戦車を前進させ、最後の掃討戦に取り掛かる。

 

「敵は瓦解しているぞ! 進め進め!!」

「野蛮人共を粉砕せよ!!」

「敵は剣しか持ってないぞ! 恐れるなっ!!」

 

 指揮官たちがそう言ってけしかけると、ドイツ兵たちは喊声を上げながら突撃し、敵を容赦なく殲滅していった。

 敵の中には最後の一人まで抵抗するものや、捕らえた市民を人質にしようとする者もいたが、呵責ない攻撃に最後には武器を捨てて降伏した――

 

 

 こうして半日以上続いた戦闘――後に『ベルリンの戦い』と呼ばれることになる――は、完全にドイツ軍の勝利に終わり、異界の軍勢を吐き出した『門』はドイツ軍の手に落ちることとなった。

 しかし幾らかの敵兵や怪物が逃亡して、地下鉄や下水道、ベルリン郊外に逃げ込んだため、ドイツ軍はそれらを炙り出すのに一週間以上を費やすことになった。

 

 この戦いで「総統官邸を救援する」という任務を成し遂げた21歳のハンス・シュミット少尉は、ヒトラーから直々に一級十字章を受章するという栄誉に恵まれた。

 

 余談であるが、この宣戦布告無き攻撃に対してヒトラー総統は「絶対に許さん」「捕らえた野蛮人共は全て強制収容所送りにせよ!」と激怒していたという――

 

__________________

 

 同日 午後4時

 大日本帝国 帝都東京 銀座

 

 

 この日、ドイツと同盟関係にある大日本帝国、その首都である東京の銀座においても、ベルリンと同じ光景が展開されていた。

 夕方の買い物客で賑わう銀座、そのど真ん中に突如出現した『門』から沢山の怪物や軍勢がはき出され、無差別に市民を虐殺し始めたのである。

 

 壊れた建物や市民の死体を平然と踏みつけ、前進する騎兵や歩兵――

 逃げ惑う市民を容赦なく殺戮する怪異達――

 幸運にも生き残った市民―特に女性―を甚振って楽しむ兵士や怪異――

 

 この世の地獄を全て合わせたかのような光景が、そこに現出していた。

 それらから何とか逃げおおせた市民たちは、安全な場所を探して右往左往し、あるいははぐれた親類や友人を探しまわる。

 それらの光景に、帝国陸軍予備役少尉『伊丹耀司』は焦りを募らせていた。

 

「まずいな……このままでは敵が市民に追い付いてしまうぞ…」

 

 伊丹という男は正直に言って、完全に『怠け者』だ。面倒な事からはとことん逃げ、仕事に対する熱意もあまり無い性格であるため、陸軍予備士官学校でもその性格が災いして何度も鉄拳制裁をくらったことがある。それでも性格は治らなかったため、上官たちの間では悪い意味で有名人だったくらいだ。

 今回銀座に居合わせたのもたまたま偶然であり、決して国家の危急に駆け付けたからではない。

 しかしいくら伊丹であっても、目の前で恐怖に怯える市民たちを放っておくほど薄情でも、ましてや卑怯者でもなかった。

 

「皇居だ!! 皇居に避難誘導を頼む!!」

 

 彼は周囲にいる警察官や憲兵に声をかけ、皇居に市民を避難させるよう要請して回った。警官や憲兵の中には「皇居に避難させるなんて……」という声も上がったものの、大部分の者たちは了承し、皇居への誘導を始めた。

 その足で伊丹は皇居へと赴き、身分を明らかにしたうえで要請を繰り返す。

 

「皇居に市民を避難させるんだ!! そうすれば多くの命が助かる!!」

「何だと! 貴様正気か!!」

「陛下のお住まいし皇居に、民間人を入れるとは何事か!!」

「それでもだ! 早くしないと皇居前が血で染まるぞ!!」

 

 当然のことであるが、皇居を警備する皇宮警察や近衛師団は要請を拒否した。特にエリートの集まりである近衛師団の中には「予備役将校風情が偉そうな口を聞くな!」と高圧的な態度をとる者もおり、伊丹はますます焦りを募らせた。

 しかし――

 

「た、隊長! 緊急のお電話です!」

 

 連絡役の兵士が、緊張感も露にして警備隊長に受話器を渡す。いぶかしげな表情でそれを受け取った隊長の顔色が変わった。

 

「へ、陛……ハッ! 了解致しました! 直ちに門を開けます!!」

 

 しゃちほこって敬礼を繰り返す隊長に、伊丹も電話口の相手が誰であるかを察する。

 

「今のお電話って……」

「ええ……」

「……国民を最優先に、と……」

 

 直ちに門が開かれ、市民に対する避難誘導が開始される。たちまち皇居前は避難してきた市民でいっぱいになった。

 

「増援はどうした!」

「間もなく第1師団の留守部隊、並びに近衛師団の本隊が到着します!」

「よし、それまで持ちこたえるぞ!」

 

 

 ――結果的にこの時の伊丹の判断は、完全に正解であった。避難民がいる皇居に敵の本隊がとりついている間、付近の航空基地から飛び立った戦闘機部隊が帝都上空に現れて敵のワイバーンを掃討、殲滅した。

 さらに敵部隊の側面から増援の陸軍部隊が攻撃を仕掛けると、たちまち敵部隊は混乱、崩壊して各個撃破されてゆく。

 

「よし、敵は崩壊し始めたぞ!! 一気に畳みかけろ!!!」

「「「「うおおおぉぉぉっ!!!!」」」」

 

 帝国陸軍の兵士たちが雄たけびを上げながら突撃すると、敵は完全に士気を失って逃走にかかるが、それを許すほど日本軍はお人好しでも何でもなく、ある者は銃弾に倒れ、ある者は銃剣に突き刺されて絶命し、ある者は砲撃で木端微塵となった。

 結局生き長らえることができたのは、戦意を失って降伏した者、そして何とか『門』をくぐって逃亡に成功した少数の者に限られることとなった――

 

 こうして日本軍と異界の軍勢との戦いは完全に日本軍の勝利に終わり、日本も『門』を確保することに成功した。

 日本側はこの戦いを『銀座事変』と呼称し、ドイツと共に調査を開始することになる―― 

 

 




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