ハイスペックボディで2度目の人生満喫しようとしたら、黒服になってた 作:
水着回です。
最近暑いよね。日本はね、湿度が高い。
蒸し暑くて体感的な辛さは赤道直下の国よりも日本のがキツイっていう人もいるくらいだからね。
室内ですら暑い。海外だと日陰に入ると涼しかったりするのに。
この前のサウナは大変良かったけれど、日常的に味わうのは勘弁願いたい。
という訳でね、今日はこころとショッピング!
水着の!
やっぱりハロハピや友達とも暑いって話になって、今度海かプールかに行くことになりそうなんだって。
折角だし水着を新調したいってのもあるし、去年までのだとサイズがキツくなっていたんだと。
まぁ、色々育ってましたからねぇこころさん。
だから今日は午前の間に水着を買って、午後は試着がてら屋敷のプールで過ごす予定なのさ!
自分の部屋で鏡を前に試着とかじゃなくて、本番前に自宅のプールで試着ってスケールでかいでしょ?
でもね、これが弦巻の力なんですよ。いいでしょ、どやぁ。
それにお友達と泳ぎに行くのもいいけど、私とも水着を着て一緒に泳ぎたいってこころに言われたらそれに応えない訳にはいかないよね。
寧ろ私からお願いしたいくらい。
さて、こころも準備が出来たみたいだしお買い物に行くとしますかー!
向かう先はショッピングモールにある水着屋さん。
お昼ご飯をどうするかは混み具合とか気分次第だね。
しかしこころはワンピースが似合うなぁ。よくお召しになっている短パンも御々足が眩しくてとても趣深くもあるのですけれど、こころのワンピースは活発な雰囲気の中から仄かに感じさせるお淑やかさがね、良いんですよ。
なんだかんだドレスも結構な頻度で着てるしね。どんな服装でも着こなすこころかわいい。
私はこころがスーツ着ててもときめくしB系の恰好してても撫でまわしたくなるし毎日着ている制服姿にも有難みを感じている。こんなにも色んなジャンルの服を着こなす人いる? ってレベル。
勿論、季節限定の水着姿なんて筆舌に尽くしがたいよね。どんな水着にしよう。
スク水は学校で着るだろうし犯罪臭がするから置いておくとして、まずはワンピースタイプにするかセパレートタイプにするかだよね。
スタイルも良いからビキニ! って言いたい所なんだけれども、ワンピースも捨てがたいんだよねぇ。
最近はオフショルダーとかもあるし、種類が豊富で悩むんだよねぇ。
まぁそこは商品を見ながら決めようかな。
モールのショッピングにしたのにもそこら辺の理由あるんだよね。オーダーメイドだと本当に何でも作れちゃうから悩むけど、既製品だとある物の中からでしか選べないからね。
選択肢が多いことが必ずしもいい訳ではないのだ。
それにしても週末だとやっぱり人が多いねー。
これで商店街の方もそれなりに栄えてるんだからすごい。
まぁモールとか女子高生とか若い子からしたら良い遊び場だよね。取り敢えずで行けるしお金使わなくても結構時間つぶせるし。
私としては人が多いのあまり好きじゃないんだけど、それを理由にさり気なくこころと手を繋げるからそういう意味では好き。
黒服としてこころを見てると動き回ってやんちゃなんだけど、私といる時は合わせてくれているのか結構落ち着きがあるんだよね。ほんとにいい子、すき。
動のこころと静のこころって感じ。1粒で2度おいしい。私の場合噛み締めすぎて2度で済むかどうか怪しいけど。
で、こころの話と手の感触を味わってるうちに水着屋さんに到着した訳だけれども、そこには見知った顔が。
私たち姉妹は勿論そうだが君たち4人も水着を買いに来たのかい?
学校も違うしなんか珍しい組み合わせだね。そんなに交友関係知らないけど。
えーとねその4人組って言うのはねですね、まずはひまりちゃん。
彼女が言い出しっぺで最初に誘ったのがリサちゃん。2人はよくファッションとかの話をしてるみたいで、水着を新しく買おうという流れになったらしい。
次に、リサちゃんがそれならと誘ったのがイヴちゃん。そうだよね、イヴちゃんモデルだしファッションも詳しいだろうからそりゃ誘うよね。
で、イヴちゃんを誘った時に一緒にいた市ヶ谷さん家の有咲ちゃん。有咲ちゃんはあまりファッションとか興味なかったみたいだけど、香澄ちゃんたちポピパの子たちとどうせ海とか行くことになるから新調することにしたみたいだ。
とは言え女子力が高いメンツに囲まれて借りてきた猫みたいになってるけど。
私も最近彼女たちのバンドちゃんと調べてきたんですよ。
有咲ちゃんがポピパことPoppin' Partyのキーボードで、ひまりちゃんがAfterglowのベース、イヴちゃんがPastel*Palettesのキーボード、リサちゃんがRoseliaのベースでしょ?
で、こころがハロー、ハッピーワールド!のボーカル!
ここら辺で有名なガールズバンド勢揃いじゃん。珍しい組み合わせって言ったけど担当楽器も被ってるし案外話せば盛り上がりそうだね。
っていうか、君たちには共通項があるな。
そう、胸がでかい。こころ含め。全員けしからんな、実にけしからん。
ある意味納得のメンツかもしれない。大きい人にしか分からないこともあるっていうし。
私? 私はほら、一応普通にはあるし無い訳じゃないし。胸とかあんまり大きくても邪魔だし???
鍛えてるからスタイル自体は良いし?
巨乳ってのはハイスペック機能には含まれてないんですよ。
あ、こころが折角会えたのだから水着買ったら家でお昼食べて一緒にプールに入ろうって誘ってる。
私に許可を求めてきてるけど二つ返事よ。全員話したことある子たちだしね。私もJKの知り合いが増えたなぁ。
私は学生時代友達いない訳じゃなかったけど少なかったからね。中学の頃なんて色々ゴタゴタしてたし、卒業する頃なんて片手で足りてしまう。
卒業以降疎遠になっちゃったけど、まりなちゃん元気にしてるかなぁ。
おっといけない思い出に浸っていた。
この後の予定も決まったし水着選んでいこうか。
JKってすごいねー。
流行に敏感というか最先端って感じするよ。
時折知らない単語が飛び交っている。有咲ちゃんなんて全くついていけてなくてちょっと面白い顔になってる。大丈夫その子たちちゃんと日本語喋ってるよ。
しかし意外と言うか、割と早く皆選び終えたようだ。
自分の強みとか好みがハッキリしてるからそんなに迷わないみたいだね。
それじゃあ君たち、1人ずつ選んだの持っておいで。この後お披露目するからどんなの買ったかはその時まで内緒の方がいいでしょ。
私が纏めてお会計してあげよう。
お金? よいよい、私のポケットマネーから出してあげる出してあげる。
子供が遠慮しちゃダメだぞ。かわいい子たちと一緒に遊べるだけで私的にはプラスだし。
思ったより早く買えたけど、帰る時間とか色々含めたらちょっと早めにランチってくらいだね。
期せずして大所帯になっちゃったから黒服にモール前まで車回してもらっとこ。
黒服がいると息苦しいだろうし運転は私がするけど。やっぱ黒スーツにサングラスって圧があるよね。
待たせるのも悪いし先にランチ準備してもらうように伝えとこうかな。
私含めて6人いるし。あ、その後水着に着替えるわけだし軽めにしといてもらわないとね。
そう言えば、君たちは弦巻邸に来るのは初めて?
ふんふん、イヴちゃんと有咲ちゃんはお花見しにきたことあるんだ。こころが私が帰ってくる前にお花見したって言ってたけどそれかな?
ならリサちゃんとひまりちゃんは初めてになるのかー。
はい、良いリアクション頂きました!
リサちゃんもひまりちゃんも期待通り、いやそれ以上に良い反応してくれました。
有咲ちゃんもだよなーって顔してるね。
それじゃあお次はランチタイムですね!
皆大好きパスタだよ。そんな凝ったものではないけれど、シェフの腕は確かだからおいしいよ。
うんうん、おいしそうに食べてくれてシェフも喜んでると思います。
食後のティータイムもあるよー。
時間も余裕があるし、普段あんまり集まらないメンツがこうしている訳だし色々お話すると良いよ。
え、聞き専でいるつもりだったんだけど君らめっちゃ質問してくるね。
気を遣って会話に混ぜてくれてるのかと思ったけど、この勢いは興味津々なやつじゃん。
私モテ期到来。いや、こころの姉だもんね。そりゃ気になるのも分かる。
わりかし突然現れたしね私。
いやはや花の女子高生とはかくも凄まじきものか。
喋るのが好きで堪らないって感じがひしひしと伝わりました。
1時間や2時間程度あっという間だね。
ではそろそろ参りますか。本日のメインイベントに!
各自着替えてプールに行こう!
お楽しみということで水着の上から羽織る長袖ロング丈のラッシュガードも渡しておく。
後で順番に披露していこう。ファッションショーっぽくね。
因みに屋内プールです。
屋内とは言え十分広いし、天井と外側はガラス張りだから解放感はバッチリだよ!
プールサイドにはパラソル付きのチェアとか諸々準備もしてあるから楽しんでいってね!
そうこうしている内に皆着替え終わって集合しました。
私も水着に着替えてたんだけど、褒められちゃった。えへへありがと。
でも私正直観客気分だったから上に何も羽織らずにいて空気読めてない奴みたいになっちゃったかもしれない。
まぁそれはいいとして、誰から行くのでしょうか。
私は大体どんなのか知ってるけど人が着てこその水着だからね、楽しみ。
お、こころからか!
いきなり真打登場じゃないですか! カメラカメラ!
◆ ◆ ◆
今日はなんと! お買い物に来ちゃいました!
それもAfterglowの皆とじゃなくてリサ先輩とイヴちゃんに有咲の4人なんだよ!
蘭たちと夏休みに海に行きたい! って言ったんだけど皆予定が中々合わなそうで、それならせめて水着を買いに行こうって誘ったの。
でもまさかそれすら難しいなんておかしいよ~。蘭は華道の方で忙しいって言うし、巴は夏祭りの練習があるって言うし、つぐは家の手伝いがあるからって言うし、ならばモカは大丈夫でしょ!? と思ってたらバイトがあるって言うしどちらにせよ2人しかいないから今年は見送ろうとか言うんだよ!
高校一年生の夏は人生で一度しかないのに!
挙句に私はいっつも宿題ギリギリまでやらないんだから早めに終わらせときなよって言われる始末だよ!
こうなっては流石にAfterglowのメンバーと行くのは諦めたよ。今年は。
でも私は海に行きたいの!
だから知り合いの中で一緒に海に行ったり水着を買いに行ったりしてくれそうな人に声を掛けてみることにしたの。
そう! リサ先輩!
思いついたら即実行という訳で連絡してみたら、二つ返事でOKだった!
流石リサ先輩だよ~。
その後に事情を話すと2人だと盛り上がりに欠けるし他にも誘おうという流れになって、リサ先輩がイヴちゃんはどうかって。
アイドルだから一緒に海に行けるかは分からないけど、モデルをやってるし水着を選びに行くのだけでも誘ってみようって。
という訳でイヴちゃんに聞いたら予定を確認してから返事しますって連絡があったの。
で、週末が空いてるってのと、一緒に有咲もいいかって聞かれたんだよね。
私は勿論リサ先輩も人数が増える分には大歓迎だけど、どうして有咲? って思ってたらイヴちゃんに連絡した時丁度有咲の家にお邪魔して盆栽鑑賞をしてたんだってさ。
有咲もポピパの皆で海に行く予定があるから水着を新しく買っときたかったから一緒していいか聞いてきたと。
去年まで着てたのが合わなくなったらしい。
分かるよ~基本的に1年周期でしか着ないから久々に試着したらキツくなってたりするよね。
皆羨ましいとか妬ましいとか言うけど、胸が大きいと色々大変なことも多いんだよ~?
まず下着とかかわいいデザインが少なくて探すのも苦労するし、やっと見つけたと思ったらお値段が高めだったり。
はっ! そう思えば皆この気持ちを分かり合えそうな人たちじゃん! 担当パートも被ってるし!
珍しい4人だと思ったけど意外と盛り上がりそう! 週末が楽しみになってきたぞ~! おー!
「やっほ~!」
「リサ先輩っ! こんにちは!」
今日が楽しみで待ち合わせの時間よりだいぶ早く来ちゃってたんだけど、約束の15分くらい前にリサ先輩が来た。
うわーやっぱりおシャレだなぁ。髪形も綺麗にばっちりセットされてるし流行を取り入れたファッション。
流石のセンスだよぉ。
「お待たせしました!」
「り、リサさんとひまりちゃん……お、おまたせ」
それから丁度集合時間ピッタリにイヴちゃんと有咲の2人が到着。
2人で先に合流してから一緒に来たみたい。まぁリサ先輩が有咲は照れ屋なところがあるって言ってたもんね。つまり、そういうことなのかな?
「よ~し! 皆揃ったことだししゅっぱ~つ!」
「おー!」「オー!」
「お、おぉ~?」
ショッピングモールって女子高生の味方だよね。
流行のお店があったり、欲しいものは大体揃えられるし、お店見て回るだけでも楽しい!
今日みたいに皆でお買い物も楽しめるしね!
「皆はどんな水着にするか考えてるの?」
「んー、アタシはなんとなーくはイメージしてるけどお店で実物見てって感じかなー」
私は楽しみにしてただけあって雑誌とかで話題の水着とかチェックしてたんだけど、皆はどうなのかと思って聞いてみた。
最初に答えてくれたのはやはりというかリサ先輩で、おおよそ決めてるけど色とか細かいとこはお店に行ってからチェックするみたい。
有咲はネットで事前に色々調べてたらしくて候補がいくつかあるから、その中から選ぶってさ。
あとあまり流行とかに詳しくないから選ぶときに出来ればアドバイスとか下さいだって! ふふ~ん! まっかせなさい!
それでイヴちゃんはリサ先輩とは逆で色は決めてるらしくて、どんなタイプのにするかはまだ決めてないらしい。
選び方1つとっても皆それぞれだよね~。
因みに私はお店でビビッときたやつにするつもり!
雑誌とかネットも色々みたけどやっぱり直感も大事だよね。
どんとしんくふぃーる、ってやつだね!
思った以上に会話が弾んでたところでお店に到着!
やっぱり夏=水着みたいなところもあるからセールもしてるし、お店も広くて商品も種類がたっくさんあるんだって!
これは期待するしかないよ~!
4人でお店に入ってさぁ選ぼうって時、見覚えのある姉妹が目に入った。
妹の方は薫先輩も所属しているハロハピのボーカル、こころちゃん!
そして最近知り合ったこころちゃんのお姉さんのうつほさん!
あーつぐのお店でいる時みたいなクールな雰囲気もいいけど、今みたいに柔らかい雰囲気のうつほさんも素敵……
2人が姉妹って聞いた時は驚いちゃったけど傍からみても仲が良さそう。うつほさんみたいなお姉さんがいて羨ましいなぁ。
「ひまり何ぽけーっとしてるの? ってああなるほど」
リサ先輩は私の視線を辿ってその先の人物を見ると納得した顔でにやりと笑った。
「虚さん美人だからねー、ひまりああいうタイプ好きそうだもんね」
「えっ!? リサ先輩うつほさん知ってるんですか!?」
「アタシとしてはひまりが知ってるってのも驚きだけどね」
2人してうつほさんの方を見ながら話してると、向こうもこちらに気付いたようで目が合った。
「あら、ひまりとリサにイヴと有咲じゃない! 奇遇ねっ!」
「本当ね、ここにいるってことは貴女たちも水着を買いに来たのかしら?」
こころちゃんが手を振りながらこっちに駆け寄ってくる。
その後を追うようにうつほさんもこちらに向かって歩いてきた。
勿論このお店に来ている以上水着を買いに来たのだけれど、お互いにそこに至った経緯を話す。
こころちゃんも今年の夏用に水着を新調するようで、うつほさんはその付き添いだそうだ。
それにしても自宅のプールかぁ、いいなぁ。
私を筆頭に有咲ちゃんを含め全員がそう思ったのが顔に出ていたのかこころちゃんがピコンッと何かを思いついた顔をしていた。
「そうよ! ならこの後は皆うちに来たらいいわ! ねっ? お姉様!」
「えぇ、勿論よ。皆さんがよろしければ、だけれど」
私たちはそんな有難い申し出を断るはずもなく満場一致で頷いた。
これからのお楽しみも増えたところで早速水着を選んじゃおー!
皆決まったら声を掛けてねと残してうつほさんとこころちゃんと一旦別れることになった。
私たちはある程度方向性は考えていたからさほど時間が掛かることもなく決まった。
思った以上に早く決まったとはいえ皆であれこれ言いながら盛り上がって楽しかった!
こういうのを味わいたかったんだよ私は!
さっきうつほさんに、この後に家でプールに入るのだし最終的に決めた水着はその時にお披露目する為にそれぞれ内緒にしておいてねって言われたの。
とは言え有咲には皆でちゃんとアドバイスしつつ、最終的に候補に残った中から自分で選んでもらうことにした。
という訳でうつほさんに皆決まった旨を報告しに行く。
丁度うつほさんたちも決まったところみたいで、残るはお会計となった。
うう、セールとは言え決して安くない買い物だよぉ。これからはちょっと節約しないと。
だなんて現実を思い出していたら、うつほさんから驚きの言葉が。
いやいやいやそんな纏めてお会計してあげるなんて!
このくらい自分で出すんで大丈夫ですよ!
慌てて手を振りながら断りの言葉を入れるんだけど、うつほさんは私の口に人差し指をそっと突き出してジッと見つめながら一言。
「いつも仲良くしてもらってるお礼にお姉さんからプレゼント、じゃダメかな?」
「ぇぅ、その、そーいうことなら、あの……」
うつほさんの私の心を狙い撃ったかのような仕草に、ボンッて一瞬で顔が真っ赤になったのが自分でも分かってしまう。
ダメだよぅ、こんなことされたら断れる訳ないよぅ。
他の皆にもダメ押しするように、ねっ? と付け加えるとリサ先輩や有咲ですら断れないようでお礼を言いながら頭を下げていた。
そんなこんなで私たちはお店を後にしこころちゃんのお家に向かう。
水着も軽いとは言え人数分あるとかさばって結構な荷物になってしまい、人数も6人と多くなったので車でだ。
黒塗りの高級車なんて乗るの初めてじゃないかな。
「皆は家に来るのは初めてかしら?」
運転しながらそう声を掛けてきたのはうつほさん。
イヴちゃんと有咲は春にお花見してたみたいで、初めてなのはリサ先輩と私だけみたいだ。
というか自宅で花見って……すごい。
「うわぁ! 流石に広いねー!」
「でっかーい!!」
私が想像以上していた以上にこころちゃん家はでかかった。さっき門通ったけどもうあそこから弦巻家の敷地なんだって!
驚いている私たちの後ろで有咲も、だよなぁって顔をしている。
多分有咲も初めて来たときは同じようなこと思ったんだろうね。うん。
「それじゃあ少し早いけれど、ランチにしましょうか」
気が付いたら現れてた黒服の人たちが荷物を預かってくれて、うつほさんに大きなテーブルのある部屋へと案内される。
車を出すときにはもう連絡を入れてたみたいで、さほど時間も掛からず出てくるから楽にして待っててねと言われる。
お屋敷についてからのこの流れるような対応に感動するを通り越して恐縮してしまいそう。
他の皆も似たような感じだったけど、それも料理が出てくるまでだった。
「すっごーい! おいしそう!」
運ばれてきたのはペペロンチーノ!
よくある料理だけど私が普段食べてるようなのと違ってすっごくいい香りがするの!
あとお皿も綺麗で盛り付けも完璧! 豪華!
ここがお店なら写真を撮ってSNSにあげたいくらいなんだけど、その時間が勿体ないくらい早く食べたい。
それに、ここまでちゃんとしてるのにスマホを取り出して写真なんか撮ってたらはしたないと思われちゃいそうだし……
皆でいただきますをして、一口食べただけで思わず笑顔になっちゃうくらいおいしい!
そしてあっという間に食べ終わってしまった。
こころちゃんはこの後プールが控えてると言うのに私たちに出されたものの倍くらいの量を食べていた。すごい。
逆にうつほさんは私たちより少なかった。小食なのかな?
皆食べ終わって食器を下げられると、代わりにティーポットが出てきて食後のティータイム。
至れり尽くせりだよぉ。
女の子が集まっていて話が弾まない訳がなくて、たくさんお喋りしてしまった。
話題の中心になったのはうつほさんで、私たちが色々質問してるとちょっと戸惑ってたようだった。
こころちゃんも自慢のお姉様なの! って言って色々話してくれた。
リサ先輩とは猫カフェに行った時に偶然出会って知り合ったとか、その時姉妹でお揃いの髪形にしてたそうで、スタイリングをしてたうつほさんにリサ先輩が色々聞いてたり。
この前の花咲川の体育祭も行ってたようで選手宣誓をしていた有咲の姿も見てたとかで有咲が恥ずかしそうにしたり。
イヴちゃんは最近剣の稽古をつけてもらったとか、その後サウナに行ったとか、うつほさんが日菜先輩と実は知り合いということが判明したりしたとか。
色んな話をした。
日菜先輩と結構頻繁にメッセージでやり取りしてるって話の流れから、皆でうつほさんの連絡先を教えてもらったりもした。
折角交換したんだからちゃんと送ってきてね? って悪戯交じりの微笑みにちょっとドキっとしちゃいました。
気付けば話し始めて2時間近く経っていて、このままずっとお喋りしてても良いくらいだったんだけど、今日のメインイベントは水着!
ということでプールへ移動することになった。
着替える前にうつほさんから長袖のラッシュガードを渡されて水着の上からそれを羽織って出てきてねって言われた。
順番に脱いでファッションショーみたいにしましょうって。
更衣室も1人1人ちゃんとスペースがあって仕切りで隣が見えないように配慮されていた。
シャワーを浴びる専用のスペースもあるしすごい。やっぱりお金持ちは違うなぁ。
皆も大体似たようなことを思ってたみたいで、仕切り越しに話しながら着替えも終わった。お店でも試着したとは言え水着をちゃんと着れたことに一安心だよ~。
そんな私をよそに、真っ先に着替え終わったこころちゃんが待ちきれないのかびゅーんってプールへ走って行ってしまった。
私たちもこころちゃんに続くように更衣室を出てプールへ向かう。
うーん! 楽しみ!
「ひろーい!」
学校のプールとなんて比べ物にならないよ!
25メートルどころかその倍はありそう!
屋内プールだけど天井と外側はガラス張りで陽の光があって明るい!
「紫外線遮断の加工がされたガラスだから、日焼けに関しては安心していいわよ」
プールの立派さに驚いている私たちの後ろから声を掛けてきたのは勿論うつほさん。
こんなに解放感があってまるで外みたいなのにお肌の心配をしなくていいなんてかがくってすごい。
そう思いながら振り返ると水着姿のうつほさんが視界に入った。
「うわぁ」
気付けば口から感嘆の声が漏れちゃっていた。
絹のような白い髪に雪のように真っ白なお肌。オシャレなサングラス。
程よい胸のふくらみを覆うライトグリーンの水着。
クロスビキニというやつなんだけど、胸元の露出は控えめなデザインのもので上品さが表されている。
引き締まったウェストに、本当に同じ人種なのかと思ってしまう程美しいくびれ。
腰に巻かれたパレオのスリットから覗く足は、私とは比べ物にならないくらい綺麗で眩しさすら感じちゃう。
脚ながっ。
完成された美ってのはこういうことを言うんだろうなぁ。思わず拝みたくなっちゃうレベルだよぉ。
「ふふ、どうかしら?」
私たちがジッと凝視しているのが分かるとうつほさんは自慢げな顔でポージングを決める。
「とーってもステキです! ベッピンさんですよ!」
イヴちゃんの言葉を皮切りに皆思い思いの言葉で褒めちぎる。
「そこまで褒められてしまうと、流石に照れてしまうわね。それじゃあお次は皆の番ね?」
うっ。
嫌味な感じもなく、純粋に楽しみにしているうつほさんの言葉を聞いて私たちは瞬時に視線を交わらせる。
則ち、誰から行くか。
目の保養どころか見ているだけで元気が湧いてきそうな程綺麗なうつほさん。
私だってオシャレにも気を遣っているし平均よりはかわいいんじゃないかって思っているんだけど、うつほさんと比べると見劣りしてしまうのは必至。
一番手を名乗るには余りにもハードルが高いよぉ。
有咲は絶対無理と言わんばかりに顔を小さく、小刻みに横に振る。
私も気持ちは痛い程に分かる。なので私には荷が重いですとリサ先輩へとアイコンタクトを送る。
その意図を正しく受け取ったリサ先輩だけど、年上としての矜持を見せたい、でも最後の一声が出ない様子。
イヴちゃんは現状を見取り、ならば自分がとまさしく武士と言えるような覚悟を決めた顔つきになる。
唯一アイコンタクトが通じず首をかしげるこころちゃん。
ここまでおよそ3秒弱のやり取り。
「それじゃああたしから行くわね!」
私たちが葛藤に悶える中、最初に名乗り上げたのはこころちゃん。
ありがとう……ありがとうこころちゃん……っ。
私たち4人はほっと安堵すると同時にこころちゃんへ感謝の念を送る。
それはそうとして、いつの間にそのカメラ用意したんですか? うつほさん。