ハイスペックボディで2度目の人生満喫しようとしたら、黒服になってた   作:

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もっと軽い文が書けるようになりたい。


3話 正直、女の子に囲われたい

本日はオフの日となります。

 

当たり前だけど黒服も立派な仕事な以上休みの日はあります。完全週休2日とまではいかないけどね。

黒服も人数自体はそれなりにいるしローテーションで休みを回している。勿論情報共有や引き継ぎはしっかり徹底させておりますとも。

法律で定められている通りに休みはあげないとね、割と激務だし効率の問題もある。

黒服だけどブラックとは言わせません!

 

今日はね、商店街あたりをぶらつこうかと思ってます。

こころは何かと行動範囲広いから送迎やらで車運転すること多いんだよね。だから今日はお散歩の気分なんですよ。

 

 

ちなみに折角の休みなのでオシャレしてきてるんですよ。

テーマはね、海外女優のオフ。

髪の毛後ろで縛って、シャツに薄手のカーディガンにジーパンっていうシンプルな格好。

あとはサングラス、勿論黒服の時のとは別だよ。

素材がいいから成り立つオシャレだね。

 

 

ここの商店街は結構活発みたいで人もそれなりに多いね。若い子も多いし。

見たところシャッター閉まってるとこないし。私の前世的なイメージでは商店街って寂れてる印象あるんだけどな。

近くにショッピングモールもあるのにね。うまいこと住み分けできてるんだろう。

 

 

こうやって歩き回ってるとなんか逆に新鮮だなー。

パン屋さんとかすごい人気じゃん。混んでたしあそこはまたの機会にするとして、楽しみにしておこう。

あと急に自動販売機が喋り始めたりしたんだけどビックリするからやめてほしい。

日中だから良いけどこれ夜中なら完全にホラーだよ。

 

 

とか思ってたらまた横から話しかけられたんだけど、今度はなんだ。

 

声のした方に顔を向けてみたらなんと、かわいい女の子じゃないですか。

こういうのは大歓迎です。

 

 

どうしたの? って聞いたらなんかるんっ♪ってきたらしい。

うんうん直感って大事だよねーわかるー。

君もおめめキラッキラでいい笑顔してるね。我が天使こころちゃんを彷彿とさせるよ。

あ、そうだこころと言えば思い出した。

昔こころが好きだったアレをやってあげよう。今でもやったら喜ぶだろうけどね。

 

ちょっと失礼して、はーいたかーいたかーい。

私のたかいたかいはね、ほんとに高いよ。

なんせ持ち上げてそのまま上に放り投げてるからね。割と力持ちだし安全面にはちゃんと気を遣ってるからそんなに危なくないよ。

それにこの子はなんか大丈夫そうだし。

 

 

お気に召しくれたようで、もっかーい! ってねだられた。

結局一度や二度じゃ満足しなかったみたいで十回近くやっちゃった。流石に疲れたよ。

 

それから今更だけどお互いに自己紹介した。

あなたヒナっていうのね、私うつほっていうの。

ヒナちゃんとは仲良くなれそうだったので連絡先を交換しといた。

 

で、最後にユウジョウ!って言いながらハイタッチして別れた。

またねー。

 

 

すごい独特な感性をお持ちな子だったな。

時間にすれば10分程度の出来事だったけどいい出会いでした。

 

 

 

とはいえ少し疲れたから一休みしたいな。

どっかの珈琲店がいい感じって聞いたしそこに行ってみるかな。

 

お、あそこかな。分かりやすそうな位置にあるし間違いではなさそう。

羽沢珈琲店ね。

 

 

 

え、珈琲店だよねここ?

カフェとかよしんばレストランだよね??

 

お寿司屋さんじゃないよね? 元気な声で何握りましょうかって言われたんだけど。

ま、まぁ聞かれたことだし一応答えとこうかな。春だし鰹お願いします。なんとなくだけど鰹って秋が旬なイメージあるよね。

 

 

カツオイッチョー! って奥に向かって言ってるけどどうなるんだろ。

あ、違う子きた。

お寿司はやってないって? やっぱり?

 

自分のミスをさとり始めたのか板前(仮)の女の子はおろおろしちゃってる。

いや、いいんだよ。私は気にしてないからね。

ささ、仕切りなおして席へ案内しておくれ。

 

 

席に着くやいなやさっきの、イヴという子に謝られた。

ふざけてた訳じゃなくて帰国子女だからまだまだ不慣れなだけだって。

飲食店ではああいう挨拶もあるって知ったから言ってみたとか。

なるほどねー、喫茶店では言わないけどラーメン屋とかコンビニだとあんな接客もあったりもするし仕方ないね。

 

取り敢えず先に注文だけお願いしようかな。

色々あって悩むけど、さっきからむこうの席の子がモカモカ言ってるし、モカコーヒーにしてみるとしよう。

 

店内が空いてたこともあって、想像してた以上に早く持ってきてくれた。

湯気で曇るしサングラスを外してるとイヴちゃんがじーっとこちらを見ていた。

どうしたの、お姉さん照れちゃうよ。

 

なになに、私をどこかで見たことある気がする?

んー私最近帰ってきたからここらで見かけたってことはないと思うけど。黒服姿と結びつくこともないだろうし。

気のせいじゃない?

 

 

と思ったらビックリ、昔の、弦巻になる前の名前を呼ばれた。前世のじゃないよ。

てかマジ? どこでその名前知ったの。

 

ふんふん、イヴちゃん剣道してるの。え、アイドルも? すごいじゃん。私今アイドルとお話してる。

それでその伝手もあって私が載ってる雑誌を読んだことあると。

 

いやいや確かに私大会優勝した当時インタビューとか受けたけども、いつのナンバーよ。

何年前だと思ってるの。

はぁ、私まだその界隈で話題に上がるの? やんちゃしすぎたか。

強くて凛々しくてまさに武士ですってイヴちゃん褒めすぎだよ。

 

剣道もそうだけど私リアル中二あたりの時期が一番はっちゃけてたからその頃の話されると少し恥ずかしい。

黒歴史ってほどでもないから悶えるとかはないんだけど。

 

 

そのまま少しお話して、イヴちゃんは仕事に戻っていった。

少しというか結構話してた気もする。店員さんを引き止めてたわけだけど大丈夫だったのかな。

いや、大丈夫か。向こうでもピンク頭の子と店員さんおしゃべりしてるもんね。あ、目があった。

 

とは言え、あまり長居はせずに帰るとしようかな。

1人だし、ちゃっかり頼んどいたケーキも食べ終わったしね。

 

 

お会計の時に是非またきてくださいって言われちゃった。

おいしかったし可愛い子も多くて気に入ったのでまたきます。はい。

 

 

 

いい休日だった。

帰ったらこころもいるし、こんな充実した生活を続けていければいいな。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「つぐ聞いてよーモカってばまたさー」

 

 

今日は珍しくお昼すぎにうちにきたひまりちゃんはケーキを注文して食べ終わったと思えば、ほっぺをテーブルに貼りつけながら愚痴をこぼしていた。

最近こうして愚痴を聞くことが少なかったから鬱憤が溜まってたのかもしれないね。

 

 

愚痴の割合はモカちゃん5、蘭ちゃん3、巴ちゃん2ってとこかなぁ。

半分がモカちゃんだってことを少ないと言うべきか多いと言うべきかわかんないや。

 

 

今はお店も落ち着いてるからそのままひまりちゃんの話を聞いていると、チリンチリンと入客を知らせる扉の鈴が聞こえた。

入ってきたお客さんは真っ白な髪と肌でサングラスをかけたお姉さんだった。

ああいう髪のくくり方はミドルポニーテールって言うんだったかな?

巴ちゃんのカッコイイをキレイに置き換えた女性って感じがする。

 

 

 

「ふわぁ、キレイな人・・・・・・外人さんかなぁ?」

 

 

 

ひまりちゃんもその人を一瞥すると感嘆の声をあげていた。

私は気を取り直して接客しに行く態勢に入ったけど、一緒にシフトしているイヴちゃんが先に動いてくれていた。

バイトを始めて日が浅いけれど、積極性のある姿勢はお父さんも褒めていたし私も見習わなきゃっ。

 

そしてイヴちゃんは、お客さんの前でこう言った。

 

 

「へいラッシェーイ!! なに握りやしょーか!」

 

 

えええええぇぇええ!

イヴちゃあああああぁぁああぁあんんん!

常連さんならともかく一見さんにそれはだめだよぉ!

 

 

「え、あぁ、じゃあ。鰹でお願いします」

「カシコマリヤシタァ! カツオイッチョー!」

 

 

かしこまりましたじゃないよぉ。お客さん困ってるよ!

こうしちゃいられないと私もフォローに向かう。

 

 

「す、すいませんっ。うちはカフェなのでお寿司やってないんです・・・・・・」

「そ、そうですよね」

 

 

私たちの間に流れる空気に、流石のイヴちゃんも何かが違ったことに気付いたのかおろおろし始めた。

 

 

「私は気にしてないので大丈夫ですよ。さぁお嬢さん、席を案内してもらえる?」

「は、はいコチラです!」

 

 

お姉さんはゆったりした口調でイヴちゃんを落ち着かせるように声をかけてくれた。

優しい人で良かったねイヴちゃん、ちゃんと謝って働きぶりで挽回してね!

後ろから応援の念を飛ばして、ひまりちゃんのところへと戻る。

 

 

「イヴちゃんすごいねー・・・・・・」

「あはは・・・・・・」

 

 

ひまりちゃんもさっきのやり取りは聞いてたみたいでちょっと引いてるような感心してるような微妙な顔をしていた。

私は誤魔化すように苦笑いを返すしかできなかった。

 

2人してお姉さんが座ったテーブルをみて、どうやらちゃんと謝れて大丈夫そうなのを確認すると、ひまりちゃんはまた愚痴をこぼし始めた。

やっぱり内容はモカちゃんが多くて、聴いてるだけでモカちゃんの声が頭の中で再生されてしまう。

 

 

そうこうしてるとイヴちゃんもオーダーをとってきたようだ。

モカコーヒーってこれもしかしてひまりちゃんがモカモカ言ってたからだとかないよね・・・・・・

まぁだからなんだという話でもないんだけど。

 

ひまりちゃんもどさくさに紛れてケーキ追加してるし。

さっきモカちゃんに「その調子だとひーちゃんじゃなくてぶーちゃんになっちゃうよ~?」って言われてひどくない!? って愚痴ってたばかりじゃん。

 

 

注文したケーキをあっという間に平らげたひまりちゃんはまたテーブルにほっぺを張り付かせながら楽しそうに会話しているイヴちゃんをみていた。

それにしても、そのだらけっぷりはゆるキャラみたいだよひまりちゃん・・・・・・

 

「綺麗なお姉さんだなー、目のほよーになる・・・・・・」

 

いや、ひまりちゃんが見ていたのはお姉さんの方だった。

確かにサングラスを外して晒されてる素顔は小顔で、キリッとした眼にすぅっと通った鼻筋で完成された造形品のようだ。

そういえばひまりちゃんは薫先輩の大ファンだし、時々巴ちゃんのイケメンさにときめくとか言ってるしミーハーなとこあるもんね。

今でもじっと見つめてて、ほぅってため息吐いてるし。

 

 

ひまりちゃんの熱い視線に気付いたのかお姉さんはこちらを向いて視線を交わらせたと思ったらなんと、ウィンクしてくれた。

その堂に入ったウィンクに少し見蕩れてしまった。

はぅ、これは確かに薫先輩にファンが殺到するのも分かる。

 

私でこれなんだからひまりちゃんはどうなってるんだろう。

あ、顔が真っ赤だ。

だらしない姿勢のままだったことも相まって羞恥と興奮が混ざり合った顔してる。

 

 

 

あ、お姉さんはお会計みたいだ。

イヴちゃんは食器をさげてくれてるから私がレジだね。

 

 

「ありがとうございました! また是非ご来店くださいねっ!」

「ケーキ、おいしかったわ。これからも通わせてもらうことにしようかしら」

 

 

 

会計が終わってお姉さんを見送ったけど、ひまりちゃんはまだ余韻に浸ってるみたいだし、私はイヴちゃんにどんなお話をしてたか聞いてみることにした。

 

 

「ウツホさんはとってもすごいブシなんですよ!」

「ブシ・・・・・・武士?」

「ハイ!」

 

 

うつほって名前なのかぁ、お姉さん。

それにしても武士? どういうことなんだろう。

 

 

「ウツホさんは剣道をやっていらしてて中学生の頃、大会で優勝して三連覇を成し遂げた人なんです!」

「三連覇! すごい・・・・・・」

「ハイ! ウツホさんの試合をみたことがある人は彼女こそ現代のサムライだと仰っているほどです!」

 

 

イヴちゃんは憧れの人に出会えたかのように興奮して彼女にまつわる逸話をいくつか話してくれた。

中学の公式試合では無敗だとか、噂を聞きつけた高名な剣術家の先生に教えを受けたとか。

 

 

「でも中学以降はパッタリ姿を消してしまったらしいのですが、今日お会いできて良かったです!」

 

 

イヴちゃんは本当に嬉しそうにしていて、見ている私も思わず嬉しくなってしまうくらいだった。

さっきこれからもうちに通おうと言ってたことを教えてあげると、喜びながらも一層精進しなくてはと気合を入れていた。

 

 

私もそろそろお店のお手伝いが終わる時間だし、喜びそうだからひまりちゃんにも今の話してあげようかなっ。

 

 

 

 




次は何かしらイベントの話にしようと思います。
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