何かに出逢う者たちの物語・外伝Ⅰ   作:ダークバスター

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狂った歯車動く時
狂った螺旋曲を奏で
狂い笑い、狂い歌う……
狂った世界が今――開かれる


第十話:死合

 

 

 

 場所は、瓦礫と化した倉庫の地下。

 そこに、ヒビだらけの待機モードのデバイスが一つ、ポツンと置いてある。

 それを囲むように、二人の男女がいる。

 男は、両手両膝を地面に付き、大きな声で泣いている。

 女は、声を上げるのをこらえているが、涙はこらえることはできず、頬を伝う。

 デバイスの名は『フィン・ガンドライバー』。

 レニアスと呼ばれているロストロギアから生まれた、複製人間のデバイス。

 複製人間の名は、レルナス。

 かつて、ラギュナスの初の女性長となった人物。

 しかし、所詮は複製。

 本物にはなれず、別人にもなれない中途ハンパな存在。

 だが、桐島時覇との出会いで、レニアスレルナスの人生は大きく変わった。

 出会う前は、冷静かつ感情の薄い性格だった。

 出会ってからは、初めのうちは時覇と二人きり、もしくは前でしか表情を表さなかった。そして、次第に感情を表すようになる。

 時覇は手間の掛かる弟、シグナムは可愛い妹として、接するようになった。

 時に明るく。

 時にやさしく。

 時に厳しく。

 時に笑う。

 時に泣く。

 三人で分かち合い、三人でぶつかり合う――たった二ヶ月ほどの日々。

 まさに『科学の魔法』ではなく、『奇跡の魔法』が掛かったように。

 まさに、夢の様な日々。

 こんな日々が何時までも続くと思っていた。

 だが、永遠などこの世には存在しない。

 夢は、何時か覚める幻想。

 それは、如何なる形で終わるかという事だけ。

 突発的に終わるのか、緩やかに終わるのか。

 ただ、それだけの問題である。

 今回は突然終わった。

 義姉の様な存在であり、仲間でもあり、友でもある女性――レニアスレルナス。

 時覇が今日まで歩んだ人生の中で、共に笑える人で最高であった。

 ガラッ、と、後ろの瓦礫から小石が落ちる。

 だが、それと同時に人の気配を感じ、デバイスを構えながら振り向くシグナム。

 そこには、ダークブルーをベースにしたバリアジャケットを着た者たちが、そこに立っていた。

 上着は、長袖と半袖以外には違いはないが、羽織るものはベスト、マントなどばらばら。

 下もまたスカート、ズボンなど、こちらもまたバラバラだった。

 ただ、装備からして、どこかの特殊部隊があると判った。

 

「……貴様らか」

 

 シグナムが問いただす。

 

「さぁな。俺たちが手をくだした訳じゃないぞ」

 

 デバイスを肩に担ぐ男が言った。

 服装から見て――男が8人、女が3人。

 計11人。

 それに対して、たった2人……いや、シグナム1人。

 時覇は――確認するまでもなかった。

 喪失により、戦闘不可。

 無理に戦わせても足手まとい。

 下手すれば、2人とも即死。

 結論――勝てない。

 状況は最悪。

 これで勝つことができたのなら、ラギュナスの『長』に相応しい存在といえる。

 

「シグナム……管理局の者が、我らに楯突く気か?」

 

 しかし、無言のまま武器を構え――向ける。

 それは――時空管理局に対する裏切り行為である。

 そして同時に――主はやてを、裏切ることになる。

 記憶喪失だから刃を向けるのではない。

 非道ゆえ、邪道ゆえに、その行いをした者たちに対してのみに刃を向ける。

 虫の良い考えだと判っている。

 だが、この者たちは許しては置けない。

 ただそれだけである。

 

「夜天の王も――タダではすまさん。シグナムは、我らが宿敵であるラギュナスの捕虜となる。挙句の果てに奴らは慰め者にした後、用済みとして処分された。と、報告するか」

 

 リーダー格らしき――黒い剣、ラインらしきモノは淡く輝く緑色があるデバイスを持つ男が言う。

 その言葉に、他の者たちもデバイスを展開し、構えていく。

 だが、それを知っているのか、感じ取っているのか、時覇は四つん這いから動くことはない。

 空気が重くなる。

 そんなことはお構いなしに、何かが聞こえてきた。

 

「……………………」

 

 発生源は、桐島時覇。

 それに最初に気がついたのは、チャラチャラした服装の男だった。

 

「ん? おい、小僧。なにブツクサ言っているのだ?」

 

 ニヤニヤしながら、その場にしゃがみながら問いかける。

 リーダー格やシグナム、他の者たちは口を挟まなかった。

 互いに判る――動けばやられる、と。

 だが、チャラチャラした服装の男は、そんなことはお構いなしに言葉を続ける。

 

「何だ? さっき消えた魔力の塊のことで泣いているのか? はん! こりゃあ傑作! おい! 聞いているのか、小僧!? あんな塊のために涙を流せるとは、滑稽や呆れを通り越して、感心してしまうよ!」

「…………」

 

 何かを呟く時覇。

 しかし、距離や声の大きさの問題で、近くにいるシグナムですらハッキリ聞き取れなかった。

 

「はぁ!? 何言っているのだから聞こえませ~ん! もう一度、おねがいちまちゅ~」

 

 完全に舐め腐った口調で聞き返す。

 

「……さい」

「はぁいぃ~? 聞こえないのですけど!? あ~、言葉がわかんないのでちゅぅね? かわいそうでちゅう~」

 

 唇をタコのようにしながら言う。

 リーダー格の男はともかく、近くにいる仲間は、完全に呆れ返っていた。

 この男の悪い癖である。

 赤ちゃんをあやすような口調で、相手の精神を逆撫でさせることに関しては、非常に長けている。

 仲間内でさえ、度々問題を起こすほど。

 魔力ランクB+。

 平均より少し上を行った部類に入る。

 しかし、保有ランクAAA-。

 戦闘能力が高いことを示している。

 時覇は無言で立ち上がる。

 来るか。と、チャラチャラした男も、ゆっくり立ち上がる。

 だが――それが命取りだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラギュナスサイド編

第十話:死合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっと立ち上がったか。魔力検索の結果――げっ、E-ランククラスしかねぇのかよ。

 って、ことは――横槍入れなかったのは、これが原因かよ!?

 はぁ~、ハズレかよ。

 そう思っている間に、雑魚がこちらを睨みつけてきた。

 チャラチャラした男はデバイスを構える。

 

「それじゃあ、はじめまちゅぅ――がはっ!?」

 

 視界が揺さぶられ、胸の辺りに衝撃が走る。

 そして、口から血が出る。

 混乱する。

 何が起きた!? なぜ痛い!? 体が言うことを聞かない!? 動かせない!? 動けない!? なぜ――しゃべれない!?

 地面がどんどん近づいていく。

 だが、そこはただの地面ではなかった。

 暴走機体の残骸の破片がばら撒かれていた。

 しかも、全て尖っている。

 どんどん迫る。

 たっ、助け――。

 暗転。

 激痛が襲い、1秒後――全ての感覚はなくなった。

 

 

 

 

 

 シグナムは驚いた――正確には、唖然としていた。

 敵も同じである。

 たった一瞬で、チャラチャラした男の肺に風穴を開け、絶命させたのだから。

 しかも、内部からの破裂。

 魔法でも、こんな高度な技を使うには、それ相当な能力が問われる。

 人体の計算。

 座標の計算。

 空間の計算。

 それらの誤差の計算。

 その他の要因も絡んでくる。

 それを――指を鳴らしただけで、やり遂げた。

 前から計算を行っていれば可能であるが、そんな素振りを一度も見せていない。

 魔力反応すらなかった。

 異常である。

 ロストロギアの力によって、人生を狂われた人たちは多くいる。

 だが、目の前にいるのは、たかがEランククラスの魔力を持たない男。

 ロストロギアの力を借りても、何らかのワンモーションがある。

 判りやすい例えを上げれば――魔法名である。

 魔法名は、拳銃に例えるならば、いわばトリガーの役目である。

 思って魔法が発動してしまうのなら、簡単に問題が起きてしまう。

 攻撃魔法ならなおの事。

 ある意味、全ての魔導師に共通するものである。

 

「あらかじめ設定し、発動条件を用意しておけば、簡単に行うことができる」

 

 時覇は、呟くように言った。

 その言葉に、一同は納得した。

 プログラム化された魔法――科学として確立されている故、行うことができるモノである。

 だが、データにするにも、容量が違いすぎる。

 さらに言えば、今の時覇の魔力では発動は困難なはずであった。

 

「シグナム」

「なっ、なんですか?」

 

 いきなりのことで動揺する。

 だが、敵から目を反らさない。

 

「お前は離脱しても構わない」

 

 その言葉に、シグナムは反論しようとするが、言葉で封じ込める。

 

「一つ目の理由は、こいつらを殺すからだ」

 

 殺す。

 よもや、時覇の口から出るとは思っても見なかった。

 この二ヶ月間、『殺し』についての講義は一切受けなかった。

 痛いのは嫌だ。

 ケガはしたくない、見たくもない。

 血も見たくない。

 そんな事ばかり言って、逃げ続けた。

 が、最終的には講義は受ける羽目になっている。

 それでも、一度も使わなかった魔法を使った。

 人を殺した。

 

「二つ目は、こいつらは腐っても管理局所属部隊――意味は判るな?」

 

 その言葉で、察しがついた。

 シグナムは、八神はやての騎士であり、家族でもり、時空管理局所属でもある。

 すなわち、八神はやては自然に、何らかのペナルティを受けることになる。

 しかも、敵対となれば、軽い処罰でないことは確かだ。

 だが、シグナムは時覇の横に立つ。

 

「……確かにそうですが、今は……アナタと共に」

 

 レヴァンティンを構えながら、淡々と答える。

 

「……判った。それと、アレを使うぞ」

 

 『アレ』の部分を強調する。

 その言葉に、シグナムの顔色が変わった。

 それを察し、身構える特殊部隊一同。

 それが合図となり、時覇は左手を掲げる。

 同時にコアが光りだした。

 空気中に拡散していた魔力が、どんどん集約されていく。

 しかも、この部屋の壁には、あちらこちらにヒビが見える。

 ここは地下――下手に強力な衝撃を与えれば、生き埋めは必然。

 慌ててその場から離れる特殊部隊一同。

 だが、リーダー格は、何か違和感を感じ取り、警戒しながらその場を離れる。

 そして、左手を拳にし――地面を殴りつける。

 眩い紫色の閃光と、鼓膜が張り裂けんばかりの炸裂音。

 空気が震え、大気が乱れる。

 地面が震え、壁が軋む。

 壁が軋めば、亀裂が走る。

 亀裂が走れば、強度が落ちる。

 強度が落ちれば、壁は崩れる。

 壁が崩れれば、天井が崩れる。

 で――ここは地下な訳で。

 

「各自で退避しろ!」

 

 それだけ言って、自分はさっさと撤退するリーダー格。

 この部隊にとっては、いつもの事である。

 弱き者に、生きる資格無し。

 と、公言する連中の集まりの部隊。

 天井はどんどん崩れ、瓦礫と粉が雨の様に降り注ぐ。

 特殊部隊の面々は、上下左右を縦横無尽に動きながら、別の出入り口から地上を目指していく。

 

 

 

 

 

――爆発。

 それにより、瓦礫が宙を舞う。

 それと同時にリーダー格が、姿を現す。

 続いて、特殊部隊の部下たちも姿を現していく。

 その真下では、地面が揺れ、所々に亀裂が入っている。

 このままだと地下は潰れ、クレーターができる。

 だが、二人ほど出てこない。

 何を戸惑っているのかと、苛立ちを覚え始めるが、そこで念話が入る。

 

(こちら7! 8が瓦礫に挟まって動けない――至急救援を!)

 

 そこの言葉に苛立ちは冷め、どうでもよくなった。

 コードナンバー7、8には、僅かに期待があった。

 が、この部隊では馴れ合いは不要。

 

(こちら0。救援の必要なし、とっととこい)

 

 最終通達。

 せめて、7だけは一瞬だけ期待した。

 これは一時的な気の迷いだと。

 

(救え――)

 

 そこで念話を切る。

 

「非殺傷モード解除――真下へ一斉砲撃、用意」

 

 その言葉に、次々とデバイスを向ける。

 時覇とシグナムだけならともかく、部下がまだ残っているにも関わらずに。

 失望の感情は一瞬だけ表れ、一瞬で消えた。

 この時点で、7と8の存在はほとんど消えていた。

 すでに新たな人材リストを、頭の中で思い浮かべる。

 完全な切捨てである。

 

「隊長、コードナンバー7と8は――」

「ああ、空隊辺りから引っこ抜くつもりでいる」

「……了解。いいの、期待していますよ」

 

 武器を構え直す部下。

 これも、いつもの事である。

「撃て」

 砲撃が開始された。

 

 

 

 

 

「隊長!? 救援を――くそっ!」

 

 念話が途絶え、救援を見込めなかったと悟り――デバイスを瓦礫の下に差し込む。

 テコの原理である。

 だが、デバイス――片手杖タイプで、しかも機動力重視のために軽量化を図っている。

 結果、強度はそれほど無いので、真ん中辺りでボキッ! と、音を立てて折れた。

 

「くそがぁ!」

 

 デバイスの強度に怒りを覚える。

 再び助け出すために、リカバリーをかける。

 

「アキュード、もういい」

 

 その言葉に、顔を向ける。

 

「……行け」

 

 コードナンバー8が言う。

 

「だが!」

 

 しかし、無言で首を横に振る。

 コードナンバー7――アキュードの口から、血が流れ出る。

 己が無力をかみ締めたためだ。

 そして、無言で敬礼し、振返って飛び出した瞬間――肺辺りが焼けるように熱くなった。

 次の瞬間、一気に冷め、激痛が走る。

 

「――っか!?」

 

 口から、盛大に血を吐きながら倒れこむ。

 何が起きたか判らない。

 コードナンバー8も、唖然となった。

 それもそのはずである。

 天井から、砲撃魔法が貫通してきたのであるのだから。

 しかも、その砲撃の色は、我が部隊の隊長のモノだったから。

 衝撃で天井は崩れ、アキュードは瓦礫の下敷きになり、絶命した。

 

「あ――アキュード!? ――きゃあぁぁぁ――」

 

 彼女もまた、瓦礫の下敷きになった。

 アキュードと彼女は両想いであったが、互いに想いを伝えられないまま、この世を去った。

 親愛なる隊長の、非情な命令によって。

 この二人の不運は、時空管理局に入った時からである。

 リーダー格が、2人の秘めた能力に目を付けた。

 ある程度経験を積んだら、この特殊部隊に来るように配慮。

 2人の性格は悪くするために、裏工作をいくつも行った。

 アキュードは、人間不信気味に。

 彼女――ナーナもまた、人間不信気味に。

 今いる部隊は安心できない。

 そこへ、転属命令。

 来たときに、人間不信を解消させて終わり。

 同時に、非情さも教えたが、想いの前に無意味であった。

 だから切り捨てた。

 非情に成れぬ者には、この部隊にいる意味がない。

 しかも、極秘部隊に近い存在ゆえ、外部に漏れる訳にはいかない。

 よって、処分も含めた結果だった。

 

 

 

 

 

 黒い煙は空へ上がる。

 地面は大きく窪み、ガラガラと音を立てる。

 風はただ吹き、傍観するのみ。

 ただあるのは、瓦礫と化した基地後と大きなクレーターしかない。

 それを眺めるのは、時空管理局の異端児の集いし部隊。

 使えるものは最大限に使うだけ。

 

「生命反応ゼロ……海の連中に探索させますか?」

 

 ウォーハンマーを軽く一回しし、肩に担ぎながら男が言う。

 一回しする際、ブン! という音ではなく、ゴワァ! という音だった。

 相当の質量を持つハンマー型デバイスである。

 

「ああ。だが、その前に円卓に報告しておかないと。現場判断でかまわないと思うが、連中に通さないとマズイからな」

「あ、だったら、ウチが入れますわ。えっちん婆ちゃんと会話したいさかいに」

 

 大阪弁紛いの口調の女。

 デバイスは、血のように赤い靴。

 ただ、デバイスのコアは両腿についている。

 

「頼む」

「アイサイサー」

 

 手を一回転捻り、敬礼をしながら返事を返す。

 リーダー格は、振り向きながら呟く様に言った。

 

「ただ……」

「 ? 」

「反逆者シグナムと生き残りの男は、逃がしたと伝えておけ」

 

 どこかを見据えた様な目をしながら、空を眺めていた。

 黒く染まりかけた空……夜の空を。

 

 

 

 

 

 草を踏みしめる音と足音が二人分。

 辺りは暗く、虫が鳴く。

 月は――3つ。

 ここは、ラギュナス緊急避難世界の一つ。

 草が生い茂る森の中、2つの影がある。

 1つは赤き騎士。

 1つはデバイスの鎧を纏いし者。

 纏いし者は、赤き騎士に支えられながら歩く。

 泣き声を殺しながら進む。

 目の前で死んでいった、義理の姉を悲しみながら。

 赤き騎士は、纏いし者を支えながら進む。

 纏いし者を心配しつつ、今後のことを考えながら。

 あの時、崩れ行く地下室で、敵が撤退したことを見計らいつつ、別室へ移動した。

 時覇は、レルナスのデバイスを拾いつつ、シグナムを横道に先導。

 その先に緊急転送装置が置いてあり、しかも起動中であった。

 緊急用とはいえ、起動には最低でも1分は掛かってしまう。

 だが、元からなのか、それとも偶然なのか。

 いつでも転送が可能状態だったので、すぐに脱出できた。

 そのあと、どことも判らない世界に飛ばされた。

 ただ、森の中だったのが痛かった。

 しかも、夜。

 完全に方角が判らない。

 下手に魔法を使うわけにもいかず、徒歩で移動することに。

 だが、安心したのか、それもと緊張が途切れたのか――時覇はその場でうずくまり、その場で泣き出してしまう。

 シグナムは、この場に留まるのは危険と判断し、時覇をゆっくり起こし、支えながら進み出すことに。

 とにかく、身をある程度隠せる場所を探している。

 シグナムはふと止まる。

 前方にいい具合に生い茂った草と、大きな木があった。

 さらに、木の根元には窪みができている。

 隠れるのには最適な場所である。

 時覇を励ましつつ、木の根元まで移動。

 中を覗くと、それなりの大きさ――大の大人が三人は優に入れる大きさ。

 中に入り、時覇をゆっくりしゃがませる。

 少し見守り、外へ顔を出し、空を見上げる。

 星は輝き、月は赤々と光る……血のように赤く。

 これから起こる出来事を、映し出すように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラギュナスサイド編

第十話:死合・END

 

 

 

次回予告

シグナムが連れてかれてから5ヵ月。

一時期活動が停滞したラギュナスであったが、最近活動を再開。

管理局に協力的であり、好戦的でもあった。

世界は静かに、そして――

 

 

ラギュナスサイド編

第十一話:迷走深層

 

 

に、ドライブ・イグニッション!





あとがき
 はい、死者続出。
 次もさらに出る予定。
 敵味方、正義と悪、光と闇――全てを合わせると、混沌。
 どっちが悪だか微妙になっていきます。
 相変わらず不人気のサイドですが、一部の方々には好評なので、うれしいです。
 が、こういう話は、自分自身が余り好きではないです。
 書いている最中に、胸の辺りが疼きます。
 ……時折痛くなります、何故?(汗
 急展開になって行きますが、次回は『迷走深層』。
 お楽しみに。






制作開始:2007/4/30~2007/7/6

打ち込み日:2007/7/6
公開日:2007/7/6

修正日:2007/7/19+2007/10/4
変更日:2008/10/24
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