だが、これは始まりでしかない……
このまま進めば、やがて絶望にうちひしがれるのみ
だが――
「だったら……このまま眠らせるのが正しいのではないのか?」
言葉を重ねるように木霊した。
時空管理局――文字通り、各時空・次元を管理・監視。時空を崩壊へ追いやるほどの技術の結晶、ロストロギアの回収と管理。時空犯罪者を取り締まる事を主にした組織。
そして、強力な魔力を持つ者は、管理局に登録される。
魔法が関知されている次元は、時空管理局の管轄下に入っているし、出資などを行っている次元もある。
汚職、天下りが無い組織。
まさに、各時空の鏡と言える警察組織である。
が、一件ありふれた警察組織みたないモノだが、別の視点から見れば――神を気取った組織を言える。
一つの組織だけが管理・監視を行い、ロストロギアの回収・管理。
余りにも危険すぎる。
故に何時横暴に出ても、止められる対抗組織は限られる。場合によれば皆無に等しいと言える。
一応、聖王教会、ガードルド軍、ヴィバスター騎士団など、対抗可能な組織は存在する。
だが、時空管理局には、時空航行艦搭載型の強力な魔法『アルカンシェル』、今まで回収した『ロストロギア』の数々。
この物語――『魔法少女リリカルなのは』を知っているものなら、簡単に察しはつくだろう。
例えるなら『アリと像』、とまでは言わないが、精々『ゴリラかサイのどちらかと像』の対決みたいなものだ。
時空管理局は信用された、正式かつ歴史のある組織。
あらゆる時空を管理している点に関して、顔が利く。幅が広い。などが上げられる。
確認され、管理下に置かれている時空は、管理局を信用していると言って良い。
ただ、全てではないが、それは些細な問題である。
結論は、時空管理局が横暴に出ても、止められる組織、軍事は少ない。もしくは、殆ど皆無に等しいと言う事である。
例えあっても、それは文明が進みすぎた時空か、第一級又は秘蔵級ロストロギア、第一級自然・生物災害くらいである。
そんな時空管理局・集中治療室の一室。
部屋の中は、無数の機材と壁に埋め込み型のモニター、そして中央にベッドがあるだけの部屋。
一言で表すなら、『機械的な部屋』と言えばいいのかもしれない。
その中央のベッドには、時覇が寝ていた。
その横には、フードの男が立っている。
フードの男は、時覇の首に手を翳しているよりも、首を絞められるような感じである。
「…………」
その体制を維持したまま、既に二時間近く経過しようとしていた。
(躊躇しているのか、俺は?)
自問自答する。
(人を殺すことは慣れている。ここへ来るまでに、いくつモノの世界、人、時空などを破壊し、殺し、血を浴びた……なのに、何故ココまで来て戸惑う)
時覇は、ただスヤスヤと寝ている。
時折、寝返りをしようとするが体に激痛が走るのか、悲鳴に近いうめき声を上げる。
デバイスはデバイスで無理が祟り、現在修理へ回されている。
(ただ一言、一言で、ここまで世界が変わるのか?)
時覇から、手を退けるフードの男。
そして、その手の平を見つめる。
見えない血がこびり付いた手を。
顔を上げ、
「いいだろう。世界がお前を求めるならば……絶望を越えて見せよ。……もし……もし、越えられないのなら……俺が、お前を殺す」
それだけ言うと、振り向くと同時に掻き消された様に居なくなった。
ただ部屋に聞こえるのは、機材の僅かな稼動音と時覇の息遣いだけだった。
どこかの世界の、どこかの場所のどこかの木の下で、詩を歌う者がいた。
そして囁くように、風に乗せるように、詩を歌い、そして奏でる。
歴史は、常に動き……変化していく
螺旋のように周り、交わりあっては離れていく
だが、全てが良い結果では無い
ただ判る事は、常に無常にも、時は動き続ける
「――で、アースラのメンバーはどうなった?」
と、暗い部屋の中に、男と女が立っている。
女の方は、報告書らしきデータを持っている。
「はい、リンディ・ハラオウン、レティ・ロウラン、クロノ・ハラオウンの三名は提督の地位を剥奪後、無期の自宅謹慎処分となっております」
女は、持っている機材から、別のデータファイルを取り出す。
「ユーノ・スクライア、フェイト・T・ハラオウン、その使い魔のアレフ、八神はやて、ヴォルケンリッターたちも同じく地位を剥奪。無期の自宅謹慎となっております」
「そうか……ラギュナスとあの男は、どうなった」
「あの男――桐嶋時覇の事でしょうか?」
「いや、フードの男について、何かわかったか」
「申し訳ありません。過去の情報を探したのですが、全く無いのであります」
「全く無い、だと?」
男の声が、少し重くなる。
同時に女も、背筋を強張らせる。
「は、はい」
女は僅かばかり震える。
「……小僧は?」
「えっ、あ、はい! 桐嶋時覇は、時空管理局に拘束され、現在集中治療を受けております。最後にラギュナスですが、戦艦のエンジン部に先ほど謹慎処分になった者たちの襲撃を受けたそうです」
男は肩を竦めた。
「その報告は先ほど聞いたぞ?」
「あ――」
言葉を失う女。同時に顔が絶望の色に染まる。
男は無言のまま、指を鳴らす
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
床に倒れこみ、喉を押さえ、胸を掴み、もがき苦しむ。
髪は乱れ、片足の靴は脱げる。
口からは唾液を垂らし、瞳の光は段々と光を失っていく。
「いい加減、使える女になれ」
呆れた訳ではなく、慣れていた感じでその場を後にする男。
女の苦しみは数分ほど解けた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
唇を噛む。
最悪の男だと考えるが、現在のマスターの為、逆らう以前に罵倒の言葉すら放てなかった。
それでも、従うしかない。
ポケットから取り出したハンカチで口元を拭い、靴を履き、身なりを整えながら言う。
「いつまて……続くの?」
自問自答気味の言葉は、どこにも届くことなく闇に消えていった。
ただ女の目に映るモノは、虚空では無い事は確かだった。
それが例え、外道の奴でも。
それが例え、悪魔だろうと。
それが例え、死者であろうとも――
時は、動き続ける。
「……お兄ちゃん」
その言葉にクロノが顔を上げる。
「これからどうなるの?」
ソファーで蹲るフェイトが言った。
「…………わからない」
それしか返事を返さない――いや、返せないクロノ。
今回の件で、クロノ、リンディ、レティの三人の提督という称号を一時的に凍結という異例の処置。
しかも、管理外の世界である時空――馴染みのある地球での、半場監禁。
魔法の使用は一切禁止。使用した場合、第一級犯罪者として捕縛するというお墨付き。
ハッキリ言って異常であり、慌てても無意味である。
リンディも、ただゆっくりとお茶を飲むだけであった。
部屋の中はテレビの音しか鳴ってない。
エイミィとアレフは、監察官付き添いで買い物に出かけた。
エイミィは、別に部屋に居てもよかったのだが、アレフが大変な事になると感じて一緒に出かけたのだった。
もっとも、監察官が居るので、余り変わらないのが現実であるが。
リンディは、空になった湯飲みを置くと、どこかに念話を繋いだ。
「はい、リンディ・ハラオウンです……そうですか……はい、許可を……わかりました――フェイト、はやてちゃんの家に遊びに行っていいって、許可が下りたわよ」
少し疲れ気味の顔だったが、それでも笑顔で話すリンディ。
「え?」
「 !? 」
その言葉にクロノは素早く顔を向け、フェイトはリンディを見て言葉を漏らした。
何度申請しても許可が下りなかった『友人の家に行く』が、あっさり許可が下りたからである。
「あ……でも」
と、クロノとリンディを交互に見る。
自分だけ友達の家に出かけるのが、忍びなかったからである。
「フェイト、行ってくるいい。このままだと、気が滅入ってしまう一方だからな」
微笑みながら、母の意見を後押しするクロノ。
「……うん、わかった。出掛けて来るから……アレフを宜しく」
「ああ、わかった」
「いってらっしゃい、フェイト」
一旦部屋に戻り、一応着替えてから家を後にした。
マンションの階段を一段一段、ゆっくりと降りて行く。
まるで今をかみ締める様に。
そして、外へ。
「 ん 」
腕で顔に影を作る。
久しぶりの直射日光に少しだけ目が眩んだからである。
そして、見慣れた道を歩く。
だが、後ろから付けられている事は判っている。
監視官である。
ストーカーみたいで気分は良くないが、振り向くと確実に姿を見るので、多少はマシである。
そこで柔らかい風が吹き抜ける。
時は、廻り続ける
時は、止まる事無く、進み続ける
この歌響け
どこまでも
「 ? 」
辺りを見回すフェイト。
だが監督官以外、誰も居ない。
不思議に疑問を抱きつつも、はやての家に行くのであった。
その頃、はやての家では――
ヴィータとリインフォースは、テレビを見ている。
シグナムは、ソファーで新聞を何度も読む。
ザフィーラは、ベランダで空を眺めていた。
シャマルは、監察官にバレない様にリビングと別室を行き来してカードリッジを作っている。
はやては、部屋のベッドにねっ転がりながら、待機モードのシュベルトクロイツを眺めていた。
『存在』を見てからというもの、闇の書事件で去っていったリインフォースを思い出していた。
「はぁ……」
ため息を吐く。
考えれば、考えるほど気が滅入り、気持ちが沈んでいく。
(こちら、時空管理局監察課、アグリッド・ドーマルだ。八神はやて、聞こえるか?)
不意に念話が入る。
(はっ、はい、聞こえます)
慌てて起き上がるはやて。
(そちらに、フェイト・T・ハラオウンが向っている)
(フェイトちゃんが?)
(そうだ、くだらない考えは起こさない様に。以上だ)
そこで念話は途切れる。
少し経ってから起き上がり、部屋を出る。
友人を迎える為に。
いつまでも
いつまでも変わらぬ時を
いつまでも変わらぬ永久を
いつまでも変わらぬ世界を
「 ? 誰か歌っているのかな?」
などと疑問に思いながら、リビングへ向う。
ドアを開け、
「なあなあ、誰か歌ってへぇんかった?」
と、リビングに全員が居たので、尋ねてみる。
だが、全員が首を横に振った。
それに、歌事態聞こえなかったそうだ。
一応、フェイトが来ることを伝え、持て成しのお菓子を作る為、台所に入っていった。
「どうするのだろう、これから」
と、食堂で呟くレニアスなのは。
「それはわからないよ、私たちは所詮使い捨てなんだから」
判りきった口調で答えるレニアスフェイト。
「どんなに上手い言葉で飾っていても、所詮コピー。人形さんと同じ――」
「――な訳ないだろ」
その言葉に驚きながら、振り向く二人。
そこには、東野君がいた。
「何臭い話しているのだ?」
椅子に座りながら尋ねる。
「今後の事です」
レニアスフェイトの代わりに、レニアスなのはが答える。
「そうか……ラギュナスの行く末はいかに!? って、感じだからな。今回の件で、抜ける奴も出てきているし……大分変わる事は確かだな」
椅子をギコギコと鳴らす東野君。
「ところで、この艦の動力炉はどうなっているの?」
ふと、思い出したように聞いてくるレニアスなのは。
「ああ。それについては、ようやく完成した動力炉を使っている」
遠い目をしながら思い出したように言った。
「私の本体は、どうなったの?」
「高町なのはの事か……あの時の爆発で、時空空間に消えていったからな、状況が状況なだけに、探す暇も無いし、しなくてもいい。無視しても構わないさ」
と、レニアスフェイトの生姜焼きを引っ手繰り、口に入れる。
ちなみに、それが最後の肉であった。
「ああああああああああああ! 私の生姜焼き返せぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
東野君の襟首を掴み、前後に揺する。
「レニアスフェイト、落ち着いて」
なんだ、なんだと、周りが騒がしくなる。
一応地球時間では、お昼辺りなので人は多く居る。
そして、揺すりが止まると――
「悪い、もう胃の中だ」
ぷっつん。と、レニアスフェイトの何かが切れた。
――約3分後
担架に担がれていく東野君。彼の顔は青くなっている。
そして、部屋の隅で蹲っているレニアスフェイト。
それを慰めるレニアスなのは。
落ち着いて、いつも道理になったロングイが食堂で見た光景だった。
一言――プチカオス。
「何があったのだ?」
「ああ、さっきの凄かったぜ――ってたっ、隊長!?」
全力で飛び退く部隊員。
「ああ、だからどうなったのだ? 気になるだろうが」
起き上がりながら報告する。
「はい、東野君がレニアスフェイトの食事を奪ったらしいのですが……食べたと言った途端、レニアスフェイトがディープキスの勢いで口を押し付けて、吸い上げようとしていたのです」
こめかみを押させるロングイ。
東野君も東野君だが、レニアスフェイトも、レニアスフェイトである。
「もういい、わかったから。少しそっとしといてやれ」
それを言い残し、食堂を後にした。
「はぁ! ――って、何やっているのだよ!?」
さらに騒ぎが起こったらしいが、この際知らなかった事に決めた。
そのままロングイは、転送装置を使い、ある場所へ向う。
そこは、歴代の秘密の場所。
代々ラギュナスの長――隊長しか、知らない次元世界。
名も無き世界。
ただ、虚空の様に広がる世界。
あるのは―― 一寸の光も無い闇か。
鼓動は、音を奏で。
血は、流れを歌う。
神々の遺産
人には過ぎた物
それでも人は、求める
絶対なる力を
廊下を移動している時に、不意に思い出した。
吐き気がするが、前隊長が書いた詩の一部で、妹がよく口ずさんでいたのを覚えている。
多分、これから行く場所が元になったモノだという事が、痛いほど判る。
虚空――すなわち、無の世界。
何も無い世界。
だが、そこには封印されたモノがある。
おとぎ話に語り継がれる伝説の世界、アルアザード。
その世界には、死者蘇生の秘術や時間を越える魔法など、神の領域を侵す数々の魔法があるとされている世界。
人が絶望し、何もかも失い、狂気となった時に縋る世界。
だが、その世界は実在する。
時空断層の何千億分の一有るか無いかという確立の、天体的数字で辿り着ける世界。
故に、おとぎ話として、後世に語り続けられてきた。
だが、その世界すら滅ぼしかねないモノを、その虚空の世界に封印されている。
名も無きロストロギア。
古の時代から、次元に漂っていたモノ。
それを使う時が来たようだ。
全てを破壊する。
それは、妹を蘇らせるという悲願から、いつの間にか変わった願いだ。
それはいつの頃からだろう。
あの男と出会ってからか?フードの男とか?時覇を見てからか?
どれも違う。
「ただ……世界の果てを目指すのみ」
今は、それだけだ。
その先が無だとしても、妹がそこにいると信じて。
「全てが過ぎ去る。やがて、終わり無き争いへ。人は人で居る為に。戦士は戦士である為に……」
そこで歌は終わり、リュートを弾くのをやめる。
そして、横に立てかける。
そのまま空を見る。
「全てが……やっと始まる」
呟くように言った。
“これからどうする?”
と、リュートが言葉を放つ。
「さぁ……あの男がどう動くのかが興味深い。前の時は世界が崩壊し、自らの行いを悔い、狂気になってしまったのだからな」
少し体勢を整える男。
そして、座ったまま背伸びをする。
“これからが、始まりか。今度は何処まで楽しめるか”
と、自ら曲を奏でだす。
ひとりでに弦が弾き、音楽は静かに舞う。
「歌、歌いて、彼の地に待つ……集え、愚かなる道化の戦人たちよ……」
風に乗せる様に口ずさんだ。
そして時は常に動き続ける
抗おうとしても、時は進む
終わり無き明日を……
奏でいでし、この歌を――
愚かなる道化の戦士たちに捧げん
「ったく、いつまで寝てりゃ~いいのだよ、俺は」
などと、ベッドの上で一人愚痴るゴスペル。
場所は、時空管理局、病室・第364号室。
あの転送の後、気絶していたらしく、管理局に保護された。
一応、第一級犯罪者兼重要参考人なので、廊下に監視官が三人ほど待機している。
「で、俺の相棒は…………はぁ」
その視線の先には、ボロボロに砕けたデバイスがあった。
デバイスの管制コアが破壊され、カートリッジシステムもお釈迦である。
ただ、このデバイスがインテリジェントでない事が、唯一の救いである。
ここまで破損した理由は言うまでも無く、規格外の違法改造及びロストロギアを応用発展型の特性管制システムの使用だったからだ。
その肝心の開発者なのが、前ラギュナスの長だったらしい。
しかも、ロストロギアを応用発展型の特性管制システムの開発者の発案者だそうだ。
詳しい事を極秘に調べようとしたが、肝心のデータがデリートされていたので、調べることは出来なかった。
で、前から居た仲間にも聞いたが、その人の事だけは口を閉ざす。
故に、前ラギュナスの長が造った物としか判らないのである。
「カートリッジシステムだけは、復元したいものだな」
再び眠りに付くゴスペル。
(そういえば……アイツには、礼の一つくらいしておかないと、な)
眠りに付いた。
戦士の勘が告げる。
近いうちに戦が起こる、と。
故に眠る。
再び戦場へ赴く為に、己が力で道を切り開く為に。
桐島時覇に借りを返す為に、恩を仇で返したくない為。
戦士――ゴスペルは、闇に意識を委ねる。
意識が朦朧としてきたとき、何かが聞こえてきたが、ゴスペルには聞こえなかった。
踊れ
回れ
侵せ
刻め
打ち抜け
脅えろ
足掻け
怨め
冒せ
血を浴びろ
「ん? 何か言ったか?」
振り向きながら、開発者Bを見る。
「いいや、気のせいじゃない?」
問い掛けに、キーパネルを打ち込みながら答える。
「そうか」
それだけ言って、再び作業に戻る開発者A。
静かな部屋――メンテナンスルームに鳴り響く、キーパネルとモニターの音。
その部屋には、二人の開発担当者と、中央に置かれたデバイスが一つ。
開発担当者はともかく、デバイスはクロガネである。
待機モードになってはいるが、損傷が激しかったので小さな亀裂がいくつも入っている。
「ここまで使いこなしているなんて……驚きの一言ですね」
デバイス開発者Aが声を上げる。
「ああ、曰く付きのデバイスの解析と修復が出来るのだ。滅多に無い機会だぜ」
解析を進めるデバイス開発者B。
“(ったく、人の中をジロジロと覗きやがって……まっ、修復して貰うまでガマンだな、こりゃ)”
分かり切った事を思うクロガネ。
何と無く考えていなければ、嫌になってしまうからだ。
逃げ出すにも破損率が、見た目よりも大きいので諦めている。
故に、自分の中を見せつつ時間を稼ぎ、修復を行っている最中なのである。
「ここは……」
キーパネルを素早く叩き、データを解析する。
「お、おい! これ見てみろ!」
開発者Aが声を上げ、開発者Bを呼ぶ。
「今度はどうした?」
呆れ気味の開発者B。
開発者Aは、未知の技術や自分の知らない、見たこと聞いたこと無い技術を見せに来る傾向があるからだ。
開発者Bが知る、知らない関係無く。
「これ、これ」
アホみたいな顔をしながら、モニターのある部分を指で指す。
「どれど――これは!?」
そこには――ありえないモノが、映し出されていた。
時覇の意識は、未だに闇の中だった。今何日なのか? 何時なのか? いつ目覚めるか判らない。
ただ、闇に埋もれている。
しかし、一部の意識が覚醒していた。
俺はどうなる?
そんな考えが過ぎる中、どこからとも無く、声が囁いて来た
嘲笑え
裏切れ
狂え
憾め
どこからか聞こえてくる、唄のようなモノ。
内容は酷いなと感じる。
そして、言葉の一言、一言に何かが押し寄せてくる。
叫べ
怯えろ
滅べ
震えろ
何故、叫ぶ必要がある? 何故、裏切らなくてならない? 何故、狂う事を求める。
そんな疑問が思い浮かぶ。
犯せ
壊せ
見限れ
斬り捨てろ
恨め
――戦士たちよ、この世界で……
『滅びを奏でよ』
「……お前が勝手に奏でていろ」
時覇は、急にしっかりとした声の言葉に、拒絶を表すように言い放つ。
そこで、視界は急に明るくなった。
目の前には、大きな鍵――世界を滅ぼす鍵『アカシックレコード・キー』と、勝手に名付けたロストロギアが、今にも発動しようとしていた。
危険と判断し、止めに向おうとしたが、ここから動くことは出来なかった。
少し立つと、遠くからぶつかり合う音が聞こえ、どんどん近づいてきた。
二つの光だ。
片方は薄紫色で、もう片方はネービーブルー(暗い紫みの青)だった。
ネービーブルーの男は、見たことは無いが、問題なのは――
「…… 、だって」
薄紫色の光は、紛れも無く『 』だった。
何かに出逢う者たち・外伝Ⅰ
魔法少女リリカルなのは
~二つの運命と螺旋に出逢う者~
最終話
Curtain Call
END
…………
I say and am unpleasant……Showing it is not over here.
いいや……ここで物語は終わらない。
It begins now.
今から始まるのだ。
To bring about the future.
未来を生み出す為に。
魔法少女リリカルなのはTTFS
Two traces and the future when it was settled
~二人の軌跡と確定した未来~
2007年公開予定!
ドライブ・イグニッション――
「ドゥシン’s起動!」
“了解!” “起動します”
全てを滅ぼす――
「ジュエルデバイス、セット・アップ!」
“ジュエルシード――ⅩⅠ、発動します”
Part 1 / the end……And to Part 2
……to be continued
あとがき
A fight / an overture of fateは『運命の戦い・序曲』の略です。
で、これは前のタイトルで、今回は『カーテンコール』です。
前々から、劇に例えて物語を進めていたので、あえてシメも劇関係にしました。
プラスで、いくつか修正と訂正をし、追加文を記載。
ちなみに、判り辛い人もいるかと思いますが、物語の間と間に書かれている文章。
あれは、リュートを弾いていた男の詩です。
よは、吟遊詩人って奴です。
リュートの事に関しては、次回作で明かしますので。
そして、ラギュナスサイドほっぽって再び第一話から改正を行います。(汗
何故か、って? 不完全だから。
つーか、コミケで売るか。
改正版を。
CDに焼き回しして、一枚300円くらいで。
一応、表紙や裏面の印刷料とCDロム代+利益少し。
読みやすいようにプログラムを打ち込んで、文字を真ん中に揃えて、前後編で販売。
正直、売れるか判らないが、30枚ほど焼いて出してみるか。
初回限定版としてDVDケース特製版表紙と、ネタバレ上等キャラクター紹介文。そして、試作品イメージイラストが入った、ショボイコピー本を同封。
ケースは一杯あるから。
しかも、ただでもらえる場所に心当たりあり。
だけど、今もらえるか不明。(汗
ただ、参加場所は『沼津』の小さなコミックマーケット。
今年中に、一回は参加してみたいと、無謀極まりない野心を抱く。
ちょっと欲しいと思った人は、おこがましいですが拍手ボタンにコメント入れて置いてください。
50人くらい居たら、本気で準備を始めます。
内容は、管理局サイド構成のみ。
ラギュナスサイドは何時完成するか不明なので、無しという方針で。
では、拍手まってま~す。
ちなみに受付期限は、2007/7/1までです。
やる場合は、準備とか必要なんで。
制作開始:2006/10/14~2006/10/25
改正期間:2007/3/17~2007/3/27
打ち込み日:2007/3/28
公開日:2007/3/28
修正日:2007/9/14
変更日:2008/10/24