お嬢様と男の子の「恋」   作:モンターク

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こんな感じでいいのかなぁ…と思ったけど
まあとりあえず……




隣の席になったあの子

教室

 

(……はぁ)

 

あの事以降、ミナとは挨拶などで軽く話す頻度は増えたものの

前より前進している……とは言える状況ではなかった

 

(まあ僕は所詮ただのクラスメイトだから…当然だよね……)

 

(ってそれじゃいけないんだ!なんとかしないと……もっと話せるように…)

 

「…あら、そうですの?知りませんでしたわ」

 

「この辺じゃ有名だよ、ミナはお嬢様だから知らないんだねー」

 

「そうですわね……でもとっても面白そうですわ…」

 

クラスの女子がミナと話している様子をそっと見つめる

やはり女の子同士だと会話は弾むのだろうか

 

(……やっぱり無理かなぁ…)

 

「……はぁ」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「あ」

 

聡太が色々と考えている間に始まりのチャイムがなってしまった

 

――――――

 

「さて、一時間目の授業を始める前に……いつまでも出席番号順というのも味気ないからな…席替えするぞー」

 

「やったー!」

「うお、マジか!」

「皆本さんの隣が良いなぁ…」

 

「なお席は先生が作ってきたくじで決めるぞ!」

 

「えー!」

「なんでー!」

「これじゃ完全にランダムじゃん!」

 

案の定クラス中から先生にブーイングが来ていた

 

(元気だなぁ…)

 

だが聡太はそういうタイプではないからか、特に声は出していなかった

 

「………」

 

ミナのほうも同じく

 

「恨みっこなしだぞー!出席番号順に引きに来い」

 

「ふーん…」

 

(どんな席になるかなぁ……できれば先生より遠いところがいいなぁ……)

 

(…もしかしてミナちゃんの……ってそんなわけないよね…)

 

そんな事を考えながら聡太はくじ引きの列に並ぶ

 

「6?どの席なんだよ、これ」

 

「あとで先生が貼る表を見ればすぐわかるぞー!次!」

 

「はぁ……」

 

ガサゴソ

 

聡太は箱の中を適当に混ぜ

 

(これでいいかな…)

 

ヒョイッ

 

適当に紙をとった

それを開いてみると24という数字があった

 

(……24か)

 

「よし引いたな。はい、次!」

 

――――――

 

「よし、みんな引いたな。では表を貼っていくぞ…」

 

先生は席の表を貼っていく

 

「「おおー!?」」

 

クラスのざわめきが大きくなる

 

「……」

 

表が張り出され、聡太は自分の番号を探す

 

「24…24……お、良いところだ」

 

24は一番最後の列の窓際のところだった

 

「ちくしょー先生の目の前かよ!」

「うわー微妙なところだなぁ……」

「トホホ…こんなに遠くなるなんて…」

 

「はいはい、さっさと席を移動させろー!」

 

ガタガタガタガタ

 

先生の合図で皆は一斉に席を移動させる

 

「……」

 

(どんな人が隣なんだろう…あんまり話したことない人だとやりづらいだろうなぁ…)

 

(でもこんな後ろの窓際なら先生からもあんまり見えないし、当てられることも少ないし……楽だなぁ…)

 

「うんしょ…とよし」

 

聡太は席を移動させて、すぐに座り

そのまま窓の外のグラウンドを見る

体育をしている様子もなく、グラウンドには誰も居ない

ただ日差しが眩しい

 

 

「お隣、よろしいですか?」

 

「あーうん……え?」

 

聞き覚えのある声

振り向いてみると

 

「あら、聡太さん」

 

「天使」…ではなくてミナが居た

 

「…ふぇ!?…ミナ…ちゃん?」

 

「はい、そうですわよ?」

 

「あ……となりの席なんだ」

 

「はい、「12」でしたので…」

 

聡太が表に目線を向けてみると確かに24の隣の12と書いてある

どうやら間違いではなさそうだ。

 

「よろしくおねがいしますわ、聡太さん」

 

「よ、よろしく……///」

 

「よし、皆席ついたな。早速授業やるぞぉー!」

 

こうして授業に移っていった

 

――――――

授業は聡太があまり得意ではない算数であった。

しかもその中で苦手な割り算の問題が出ていたのだ。

他の皆が静かに問題を解いていく中――

 

「う……うむむ…」

 

聡太は躓いてしまっている。

途中で窓の外を見ても解決するはずもなく、ただ時間だけが過ぎていく

 

「あの……聡太さん?」

 

そんな様子を見たミナが聡太に声をかけた。

 

「ふぇ!?……ど、どうしたのミナちゃん…」

 

意識がどこかに飛んでいた聡太はミナに声をかけられて不意に驚いてしまった。

 

「その……どこかわからないところとかありますの?」

 

「あ、うん……。割り算の……ほとんどがわからないや…」

 

「まあ、それは大変ですの…」

 

「うん。僕、そんなに算数とか得意じゃないし…」

 

恥ずかしいからか、少し顔を下に向く

指でなにやらゴニョゴニョともしていた。

 

「……でしたら、ワタクシが教えて差し上げましょうか…?」

 

「え?……いいの?」

 

「はい、ワタクシはすでに解き終えましたので……」

 

(さ、流石ミナちゃん……そういえばこの前の小テストでも100点とか取ってたんだっけ…)

 

「あ、ありがとう…ミナちゃん」

 

「でしたら早速……」

 

こうして聡太はミナに割り算を教えてもらうことになった。

ミナの教え方はとてもわかり易く、いつの間にかかなりの問題を解いてしまっていた

 

……だが

 

「ですので、この数は…」

 

「あ、う…うん……///」

 

ミナは聡太のほうに体を寄せているため

かなり近い距離になっている。

 

ミナのほうからは高級な洗剤や柔軟剤のような匂いが微かにしたりで

聡太のほうの顔は真っ赤になってしまっていた。

 

「はい、これでどうでしょうか……?」

 

「あ、うん……///」

 

「……顔が赤いですわね、大丈夫ですの?」

 

「だ、大丈夫!ちょっと今日は暑いから!」

 

「まあ確かにそうですわね……ここは日差しがよくあたりますし…」

 

「だ、だからだよ!」

 

(せ、せーふ……)

 

なんとかその顔を誤魔化した。

 

(うう……隣になれたことは嬉しいけど……///)

 

――――――

 

「はぁ……」

 

1時間目の算数と2時間目の国語の授業を終えて中休みの時間、聡太はそのまま机に顔を伏せた

 

(なんかいつもよりどっと疲れた気がする…)

 

ミナが隣に来たことで、聡太はいつもよりすり減ってしまったようだ

 

(ミナちゃんは……多分また他の女子と話かな……)

 

伏せたままミナの席の方向を向くと

 

「……」ジーッ

 

「!?」

 

ミナがなんと聡太のほうを顔を机に載せながらじっと見つめていた

 

「み、ミナちゃん!?」

 

聡太は思わずガバっと起きる

 

「ど、どうしたの?」

 

「いえ、聡太さんが先程から伏せたままでしたから、どこか調子が悪いのかと気になりまして……」

 

「あ、まあ……ちょっと勉強に疲れちゃっただけだから……。い、今はもう平気だよ!」

 

「そうでしたの……よかったですわ」

 

とくに何もなかったとわかって安心するミナ

 

それを見て再び赤面する聡太

 

「……///」

 

(ううっ…///)

 

嬉しいやら恥ずかしいやらの気持ちが混じって更によくわからなくなった聡太

だが、嫌というわけではないようだ

 

「改めてですが……これから隣同士…よろしくお願いいたしますわ。聡太さん」

 

「う、うん……よろしくミナちゃん……」

 

聡太は少し目をそらしながら返していた

 

(ああ、初っ端からこんな感じじゃ変に思われたかな……でも、慣れないと…慣れないと……!)

 

聡太は決意(?)する中

ミナは――

 

(……やっぱり、あまり目を合わせてくれませんわね……もっとお話したいのですけど……)

 

彼が何故目を合わせてくれないのか、少し不思議に思っていた




メインで書いているやつとかなり格差あるよね
これ

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