ギレンの野望(笑)   作:itou01

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19話 UC0073年6月

サイド3宙域 MS-04コクピット内

 

やあ…諸君。ギレン・ザビである。

今日はMS用OSの為のデータ収集の為にサイド3宙域に来ている。

しかし宇宙での操縦はやはり着艦が難しいな。発艦はカタパルトで打ち出すだけだし障害物がない宙域なら宇宙での操縦は簡単なのだが。

ガイドビーコンを採用するのも手だが船を沈められても困るしなぁ。

 

「あ、アイナ。着艦はもう少し相対速度を落としてから。減速して減速。」

 

やはりドロスのようなMS用の大型空母を建造するべきだね。よし早速ジオ・マッド社に発注しよう。

固定の主砲は外してGNC用の超大型輸送艦という名目にでもしておけば連邦も文句は言えないだろう。武装は後であれを搭載すれば良い。

 

「そうそう。その調子…と。そこでその着艦フックを持って…。そうそれで良い。

うん。なかなか上手く着艦できたな。

これで発艦から着艦まで一通りできたので少し休憩してからもう一度同じようにやって貰おう。」

 

ふぅ…。さて、そろそろ現実逃避はやめるとしよう。

先日メイからテストパイロットを増やして欲しいとのオーダーがあった。話を聞けば俺やハマーン嬢では操縦技術が高すぎて新兵が操縦する際のデータの参考にならないそうだ。

その為、他のテストパイロットを用意するという話になったのだがどうせなら身近な人の方が良いというメイ嬢の意見で気がつけばアイナがテストパイロットをする事になり、アイナの要望で私が操縦を教える事になっていた。

そして現在νガンダムに二人乗りしたアムロとチェーンのようにザクのコクピットに二人でいる。童貞の俺にこの距離は近すぎる。どうしてこうなった。

 

「ありがとうございましたギレン閣下。お陰で何とか無事に着艦する事ができました。」

 

「なかなかセンスが良い。このまま上達していけば一人で操縦出来るようになる日もそう遠くないだろう。」

 

流石原作で本職でもないのに高機動型ザクやアプサラスを乗りこなしていただけある。

 

「ありがとうございます。ふぅ…空調の調子が今ひとつなのかしら?…。汗をかきました。」

 

おい。ノーマルスーツの胸元をあけるな。目がそっちにいって訓練にならないではないか。

 

「ドリンクがあるが飲むか?」

 

「頂きます。ふぅ、暑いのは嫌ですが、飲み物が美味しくいただけるのは、嬉しいことですわ。」

 

くそ…。ただストローを咥えているだけでもこの距離で美人が相手だとエロく感じてしまう。このままだと違う意味で危険な気がするのでさっさと訓練にもどる事にした。

 

「それではもう一度出るぞ。ブリッジ、カタパルトの用意を。メイ、データとりは大丈夫か?」

 

「此方ブリッジ、何時でも大丈夫ですぜ閣下。」

 

「データは順調にとれているよー。次はさっき通った辺りのアステロイドに着地させてみて欲しいな。」

 

「了解。出来るか?アイナ。」

 

「はい。やってみます。アイナ・サハリン、ザク出ます!」

 

アイナの合図とともにカタパルトが起動し機体が急激に加速していく。

 

「くうっ…。」

 

慣れた俺にはたいしたことのない加速だが、ついこの前までほとんど操縦経験のないアイナにはキツイのだろう。思わず声を上げていた。

 

「大丈夫か。アイナ?」

 

「は…い。大丈夫…です。」

 

「無理をするなよ。力が入りすぎている。」

 

未だに緊張しているのか大きく操縦レバーを動かして激しく機体を動かすアイナ。その手へ自分の手を操縦レバーごと上から覆い被せるように握り、操縦レバーをゆっくりと動かす。

 

「操縦は繊細に。全力でレバーを動かすのは敵の直撃弾から機体を逃す時位のものだ。」

 

すると先程までの右往左往が嘘のように機体が安定した動きをみせはじめた。

 

「ありがとうございます…。ギレン閣下。」

 

「ふん。大したことではない。それよりもう少しでアステロイドだぞ。着地の時も着艦と同じだ。相対速度にさえ気を付ければさほど危険ではない。」

 

「はい。ギレン閣下。」

 

う~ん…。折角二人きりなのにギレン閣下だと他人行儀な感じがするな…。

もうそれなりに長い付き合いだしそろそろ二人きりなら呼び捨てして貰ってもよくね??

 

「後、そうだな…。二人きりの時はギレンと呼び捨てで良いぞ。アイナ」

 

「え?……。そ…それは?!……。!!!」

 

「!?ちょっと待てそこでそんなにスラスターふかしたら…!あーっ!」

 

【悲報】

ザクの脱出装置使用者第一号 ギレン総帥

 

ま、まあそのうち脱出装置のテストもしなければと思っていたのでよしとする。

やはり、思い付きで行動すると痛い目をみると身をもって知った。

 

その後機体を壊した事をメイに無線でしこたま怒られたものの、最後にギレンさんが無事で良かったと言って貰えたので思わずガッツポーズをしてしまったのはメイには内緒だ。

 

そんなやり取りをしていると衝撃で意識を失っていたアイナが目をさました。

 

「大丈夫か?アイナ」

 

「はい…。ギレン…様。機体を壊してしまい申し訳ありません…。」

 

「よい。私の方こそ突然可笑しな事を言ってすまなかった。アイナには呼び捨ては難しかったか?まあ好きに呼んでくれれば良い。それくらいはお前の事を信頼していると言う事だ。」

 

そう言いながら、昔の癖でアイナの頭をぽんぽんとなでてしまう。…しまったな。

 

「……ッ。なッ」

 

「っと、悪い」

 

「あ、いえ、その」

 

「昔ガルマが失敗した時にこうしてやると落ち着いたものでな。思わず撫でてしまった。すまんな。」

 

「あ、その、はい。大丈夫です」

 

まあ実はガルマじゃなくて実家の妹が失敗して落ち込んだ時にこうしてやっていたのだが。

 

そんなことを考えていたせいか、アイナが赤い顔でぼそぼそと何かつぶやいていたのを上手く聞き取れなかった。まぁ特に怒っていないようだしさほど気にする程の事でもないだろう。…とはいえ今後はこの癖は気をつけよう。

 

そうこうしているうちに護衛についていたハマーン嬢のザクが現れその手に抱えられる形でニャメルへと帰還するのだった。

 

…その夜、何故かアイナが寝室に現れ、俺は二人で夜明けのコーヒーを飲むことになる。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

アイナ・サハリン

 

「モビルスーツ用のOS作成の為のテストパイロット?」

 

「うん!アイナお姉ちゃん興味あるんじゃないかと思って。ほら、ギレンさんとジオンの絆を作っている時にお姉ちゃん一人だけ仲間外れみたいな感じになっちゃってちょっと寂しそうにしてたでしょ?それで今度は一緒にどうかなって。」

 

突然のメイちゃんの言葉に思わず胸の奥が温かくなりました。

ジオンの絆を作っている時のギレン閣下はまるで別人のように楽しそうにシミュレーター開発に取り組まれていて、その姿を横目で見ながら一人家事をしていたのが寂しかったのは本当の事でしたので。

 

「ありがとう。メイちゃん。とても嬉しいわ。でも私なんかがテストパイロットなんてできるかしら?」

 

「メイ達は誰でもモビルスーツを操縦出来るようにする為のOSを作るんだから大丈夫に決まっているよ。それにわからない事があればギレンさんに聞いたら喜んで教えてくれると思うな。」

 

ギレン閣下に教わりながらモビルスーツの操縦を覚える。

 

ギレン閣下の事をよく知る前の私なら絶対に嫌だっただろう事が、今の私には素敵な事に思えるのがとても不思議でした。

 

それから話はトントン拍子に進んでゆき、閣下やハマーンさんに助けてもらいながらシミュレーターでの訓練は無事終了し、いよいよ実機で訓練する日がやってきました。

 

幸いシミュレーターと実機の違いはGの大きさ位と聞いていたのですが実際に乗ってみると全く違いました。いえ、確かに操縦方法は同じなのですが…

 

閣下との距離が近すぎです!真後ろから閣下の息がかかりそうな距離って何ですか!?

 

え?メイ特製の二人羽織コクピットの乗り心地はどう?ですって?

 

近すぎです!メイちゃん!落ち着いて操縦出来ません!

 

二人の関係進展の為に頑張ったんだよー。ご褒美期待してるね!

 

これは…ご褒美にしばらくの間ご飯はメイちゃんが苦手なニンジン尽くしのメニューにしてあげる必要があるみたいです!

 

そんな風に心の中で仕返しの為のメニューを考えている間も時間は進み、いよいよ実機での訓練が始まりました。

 

始まる前は閣下とのあまりの距離の近さに戸惑いましたが、始まってみれば緊張はしたものの何とか母艦であるムサイまで操縦する事ができました。

 

ふぅ。緊張のあまりか温度調整されているハズのコクピットがとても暑く感じます。思わずノーマルスーツの胸元をあけるとだいぶ涼しくなり緊張もほぐれてきました。

 

私が一息ついていると閣下がみかねて飲み物を出してくださいました。受け取って飲んでみるとオレンジの甘さが緊張を更に緩めてくれます。

 

ふぅ。一息ついたその時、私が飲んでいたボトルを先程まで閣下がお飲みになっていたのを思い出してしまい、気恥ずかしさからか折角冷えた体がまた暑くなってしまいました。

 

再度カタパルトで宇宙に戻ると先程の事が頭にちらつきなかなか操作に集中出来ません。

そんな私をみかねて閣下が後ろから優しく私を導いてくださいます。

 

お陰で私の緊張も幾分かほぐれ、何とか機体を操縦出来るようになりこのままなら上手くアステロイドに着地できそう。私がそう思ったその時でした。

 

「後、そうだな…。二人きりの時はギレンと呼び捨てで良いぞ。アイナ」

 

「え?……。そ…それは?!……。!!!」

 

突然の閣下のお言葉に混乱してしまった私は思わずザクのスロットルを全開にしてしまい、目の前にあったアステロイドに機体をぶつけその衝撃で意識を失ってしまったのでした…。

 

…。どれだけ時間が流れたのか当時の私にはわかりませんでしたが後で聞いた話によれば意識を失っていたのは30秒ほどだったそうです。

その僅かな間に気がつけば機体は大破し、作動した脱出装置によりコクピットブロックごとギレン閣下と…。いえ、ギレン様と二人で宇宙を漂っていました。

 

私が意識を失っている間もギレン様は母艦と連絡をとられていたようで、すぐに迎えが来るからそれまでゆっくり休んでいるよう指示されました。

私が機体を壊してしまった事の謝罪をすると

 

「よい。私の方こそ突然可笑しな事を言ってすまなかった。呼び捨てはアイナには難しかったか?まあ好きに呼んでくれれば良い。それくらいはお前を信頼していると言う事だ。」

 

そうおっしゃられ、私の頭を優しく優しく撫でてくださいました。その行為がどれだけ私の心に響いたか知らない優しげな顔で。

 

ギニアス兄さんが事故から私を庇い不治の病となり、母がわたくし達兄妹を捨ててサハリン家を出て行ってからというもの、私は兄とサハリン家の為だけに生きている人形のようでした。

 

そしてその人形のような日々から私の事を必要とし、人間味のある言葉をかけ、信頼する事で救いだしてくれた人。

 

私はその人に恋をしていました。

 

貴方がいなければ、こうして温かい言葉をかけられながら頭を撫でてくれる幸せを私は知らなかったでしょう。

 

だから「愛しています」

 

例え貴方がジオン公国の総帥という雲の上のような存在であってもそれは変わりません。

 

だから今夜伝えようと思います。

あなたの力になりたいという私の気持ちを。

今私の胸にあるこの思いを。

 




女性の心理描写難しい…。これ以上書ける自信がないので夜の間に何があったかはご想像にお任せします。

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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