【改定につき更新停止 】 ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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2話 UC0068年4月

ジオン共和国中央病院VIPルーム

 

やあ…諸君。ギレン・ザビである。

前回ドズルにアイナ様を身の回りの世話に寄越して欲しいと頼んでみたところ、二つ返事で来てくれる事になったのだが…一つ大事な事を私は忘れていた。

 

MS08小隊でこそ妙齢の美少女であるアイナ様だが、現在は原作開始の10年以上前である。つまり…

 

「ア、アイナ・サハリン14歳です。この度、閣下のお側で働かせて頂く事になりました。どうかよろしくお願い致します。」

 

アイナ様はまだ14歳だったよ!史実と違って一桁とかではなかったものの、それでも見舞いにきたデギン公に

 

「ギレン…。お前はいつからロリコンになったのだ?」

 

とか言われてしまったよ!

流石に自分から名指しで指名しておきながら、やっぱり無しでとは言えないので

 

「セシリアが優秀そうだと言っていたのを思い出しましてな。もとより子供に手など出しはしませんよ。」

 

としか言えなかったよ…。死人に口なし。ごめんよ。セシリア…。

 

幸いアイナ様…様だと今は何か違和感があるので、サハリン嬢は一生懸命俺の世話をしてくれている。

おかげで快適に過ごせるようになってきた。

 

さて、俺がロリコン疑惑を必死に収めている間に時間は進み、気がつけばダイクン一家はラル家からローゼルシア邸に移っていた。

このままだとランバ・ラルがダイクンの遺児をローゼルシア邸から逃がす時にアストライアと離れ離れにしてしまいその事を盛大に逆恨みされてしまう。

そうなると後々ダイクン派ともめて面倒くさい事になりそうなので見舞いに来たドズルにランバ・ラルを呼んで貰う事にした。

 

「失礼します。」

 

「よく来たな。ランバ・ラル。今日は貴様に頼みがあってな。」

 

「は…自分に、でありますか?」

 

「そうだ。お前以外には頼めない事だからな。」

 

怪訝そうな顔で此方を見てくるランバ・ラルに対し、とっておきの爆弾をぶつけてみた。

 

「何、それほど難しい事ではない。お前がダイクンの遺児を逃がす時にアストライアも一緒に逃がして欲しいというだけだ。」

 

「!!!!!」

 

歴戦の武人であるランバ・ラルが絶句し、後ずさった事からその言葉で受けた衝撃の大きさが読み取れた。

 

「な、何の事でありましょうか?閣下」

 

「ふん。隠す気ならこの程度の事で動揺をみせるな。貴様がダイクンの遺児とジンバ・ラルを地球へ逃がす為に動いている件についてだ。アストライアまでいなくなれば騒動が大きくなり逃げ切れないと踏んでキャスバル達だけ逃がす事にしたのだろうが、そちらの対処は私の方で引き受けよう。故に遠慮なくアストライアも連れて逃げるが良い。」

 

「…」

 

「受け取れ。これが貴様が私の特命で動いている事を証明する命令書だ。これがあれば厳戒態勢下でも問題なく検問を突破することができるだろう。」

 

半信半疑といった顔で命令書を受け取ったランバ・ラルだが、命令書の中身を確認しそれが私の言った通りのものである事を確認すると重い口を開いた。

 

「お考えを…お聞かせ頂けないでしょうか?ザビ家であるあなたが、何故ダイクン一家を逃がす事に力を貸そうというのですか?」

 

「今のザビ家の繁栄はダイクンがあったからこそだ。故にザビ家はダイクンには借りがある。その借りをダイクン一家に返す事は特段おかしな事ではあるまい。ああ、ジンバ・ラルを見逃すのはダイクン一家を見逃すついでだ。ランバ・ラル貴様に貸し一つだぞ。」

 

三日間かけて考えた理由をランバ・ラルに説明すると、腑に落ちない態度ながらも一礼して退室していった…。

 

いやぁ頑張って何度も練習した甲斐があったね。もともとギレンの体だという事もあってかポーカーフェイスも上手くいった。これならキャスバルのザビ家への恨みも多少は軽くなるだろう。

 

同時にサスロにジンバ・ラルとダイクン一家を見逃すよう指示し、代わりに逃げ出したタイミングを逃さず議会を掌握するよう命じた。

 

ふふふ…何か今日の俺ギレンっぽくね?

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

アイナ・サハリン

 

ある日、学校から私が帰ると興奮した様子で兄が話しかけてきました。

 

「アイナ喜べ!ギレン閣下がお前を側仕えとして使いたいそうだ。サハリン家を復興させるチャンスだぞ!」

 

「ギレン閣下…。ですか?」

 

「ああ。閣下は先日の爆弾テロで傷を負われ、日常生活にも支障をきたしておられるそうでな。そこで身の回りの世話をしてくれる人間としてお前に白羽の矢が立ったそうだ。

なのでお前には明日からギレン閣下の元に行き、閣下の身の回りの世話をしてもらう。」

 

「そうですか…。わかりました…。」

 

兄はそう自分の言いたい事を私に伝えるとそのままその場を去って行きました…。

 

学校ではギレン閣下はとても気難しい方だという噂でしたが本当に私などがお仕えして大丈夫なのでしょうか…?

しかしサハリン家のため、私がギレン閣下の元へ行く事をお兄様が望まれるのなら私にはそれを断る事はできませんでした。

 

その翌日、不安を旨に抱きながら私はギレン閣下の元へノリスと共に向かいました。

病室に入って初めて見たギレン閣下は噂通りとても気難しい人のように見えました。

緊張しながら、詰まり詰まり私が挨拶すると

 

「体が上手く動かなくてな。色々迷惑をかける事もあるかもしれないがどうかよろしく頼む。」

 

と思っていたイメージとは違う普通のお言葉を頂きました。その後ノリスが退室し、閣下の病室のソファーに緊張しながら私が座っていると、閣下がとても苦しそうな顔をされ始めました。思わず閣下にお加減を伺った所、

 

「ああ…。若い娘さんと一緒にいるのに慣れていなくてな…。緊張しすぎて腹が痛くなってきた…。」

 

と真面目な顔でおっしゃられ、私は思わず笑ってしまいました。勝手に恐ろしい人と思い込んでいたギレン閣下も私と同じように緊張し、そして緊張のあまり腹痛になったりする事を知り、肩の力が抜けた瞬間でした。

その後ギレン閣下をトイレまでお連れしてからは、色々と二人でお話しさせて頂くようになりました。

 

この病室は1人では広すぎて落ち着かなかった事。

タブレット端末の使い方を上手く思い出せなくて困っていた事。

食事は洋食よりも和食派なのに入院してからは洋食ばかりだという事。

等々…。

 

特に、お食事の時にニンジンは苦手なので抜いて欲しいなどと真顔で言われた時は、その人間味ある姿を見て思わずまた笑ってしまいました。

そしてそれをご覧になったギレン閣下から

 

「普段の人形のような美しい姿も良いが、やはりそのように笑っている姿が一番だな。」

 

とお言葉を頂き、私の中にあったギレン閣下のイメージが「気難しそう」から「気難しそうだが、実は優しい」に変化していくのでした…。

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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