【改定につき更新停止 】 ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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23話 UC0075年3月

北欧 ルクセンブルク

 

やあ…諸君。ギレン・ザビである。

今日は先日海に行った時に珍しくメイがじゃあヨーロッパも行ってみたい!とわがままを言ってくれたのでそのまま職権乱用してヨーロッパ視察に来ている。

 

…だがサスロに無理を言って視察に来て良かった。ハワイからアジア経由でヨーロッパまで来る間にしみじみと感じたのだが、やはり地球の大地は広大すぎる。コロニー落としなどで大規模無差別殺戮でもしない限り、とてもではないがジオン公国単独で全てを制圧するなど至難の業だろう。

 

やはりここは他のサイドを取り込みスペースノイドとして団結していく事も視野に入れなければならないな。

幸いプチモビやモビルワーカーなどの販売やGNCによる物流網の活発化もあり、以前より他のサイドとの交流は大幅に増えている。

ここは交換留学等を活発化させてサイド間の親睦を深めるとともに、連邦の軍拡に伴うコロニーの負担増などをネタに、他のサイドの市民を煽ったりして反連邦の勢力を増やせないか試してみるとするか。

 

うん?どうした?ララァ。何か用事か?

誰かがこっちに向かって来るだと?

そうか。インドでお前に会えただけでも地上に来た甲斐があったというものだな。

 

そういえばそろそろヨーロッパにくる名目に使わせてもらったゴップ中将との面会の時間だった。

精一杯地球連邦を褒め称えせいぜい無能を演じる事にしよう。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

デン・バザーク

 

「ゴップ閣下、失礼致します。」

 

「うむ、ご苦労様バザーク少佐。頼んでおいた件かね?」

 

「はい。ジオン軍の軍備の現状についてご報告に伺いました。」

 

「うむ。先日ギレン・ザビと面会したのだが連中の現状がよくわからなくてな。報告を聞かせて貰おう。」

 

「はっ。」

 

ゴップ閣下に対しそう短く返事をすると私は調査結果をスクリーンに表示していく。

 

「先ずは現在ジオン軍が公式に主力と位置付けている艦艇の情報からになります。」

 

スクリーンに赤と緑二種類の艦艇が表示される。

 

「赤い方がチベ級航空戦艦、緑の方がパプア級ミサイル巡洋艦で69年頃に正式に竣工した艦艇になります。」

 

「うむ。だがどちらも我が軍のマゼラン級の敵ではないと聞いているが?」

 

「はい。チベ級については72年頃に近代化改修が施され主砲がメガ粒子砲に変更されましたが、それでも門数が少ない為さほどの脅威ではありません。むしろ脅威は別にあります。」

 

そしてまたスクリーンに赤い二種類の艦艇が表示される。

 

「これは?同じような色合いだがずいぶん形が違うようだが。」

 

「はい。左側の赤い方はグワジン級と呼ばれている連中の次期主力戦艦になります。300m級の船体と多数のメガ粒子砲を搭載しており、その火力はマゼランを上回るものと推測されます。」

 

「マゼラン級を超える火力とは大したものだな…。だが連中の国力では大した数を建造できないのではないか?我が軍ですらマゼラン級50隻を建造するだけでコロニー税を増税し、あれだけ揉めたのだ。」

 

「はい。情報部の分析でもジオンの国力では建造できても数隻程度で、どんなに多くても10隻を超えることはないだろうと判断しています。むしろ脅威と考えているのは、右側のグワダン級とよばれている惑星間航行船になります。」

 

「惑星間航行船とはまた大きくでたな。」

 

「無補給でジオン本国とアステロイドベルトの往復を可能にした艦で全長700m近い巨艦です。」

 

「全長700mだと?!そんな艦の存在など聞いた事がないぞ!」

 

「竣工してすぐに木星航路に投入されたためほとんど情報が出てきていませんでした。この写真もたまたま出港に居合わせた船の乗組員が撮ったものです。」

 

「うむむ…マゼラン級で対抗可能なのか?」

 

「相手のデータが少なすぎるため正確な事は申せませんが、仮にこの巨体にふさわしい火力を備えているとするとマゼラン級でも相手が難しいかも知れません。この情報を知った宇宙艦隊司令部からは対抗可能な新型艦の開発又は艦隊の増強が提言されています。」

 

「そう簡単にそれが出来れば苦労はせんよ。ジオン側に問い合わせはしたのか?」

 

「は…それが連邦軍が海賊に備えているのを見て感銘を受け、我々も惑星間航行船に必要な自衛火器を搭載させた…と。」

 

「く…戯言を…。当面はその艦の情報収集に努めろ。新型艦の開発、艦隊の増強については必要に応じて議会と調整していく。他に懸念はあるか?」

 

次にジオン軍が量産しつつある戦闘車輌と宇宙戦闘機をスクリーンに出す。

 

「車輌の方はコロニー内の治安維持用という名目で連中が開発したマゼラタンクという戦車になります。ただ、こちらについては次期主力MBTであるガンタンクの敵ではないのでさほど問題はありません。」

 

「ウム。あれは値は張るが陸上戦艦にすら打撃を与えうる火力を持っているからな。」

 

「問題は此方の宇宙戦闘機セイバードップです。セイバーフィッシュを真似て開発した機体のようですが、宇宙戦闘機としての性能はかなり高いと思われます。」

 

「だが宇宙戦闘機などではレーダー誘導ミサイルの良い餌食となり大した役に立つまい。故に我軍は宇宙空母の数を減らし、代わりに戦艦や巡洋艦を増やす大艦巨砲主義に舵を切ったのだから。」

 

「確かにおっしゃるとおりですが、それでも暗礁宙域などの狭い空間では宇宙戦闘機も大きな脅威となりえます。」

 

「ふむ…それもそうか。多少は宇宙空母を増強する事も視野にいれるべきかもしれんな…。」

 

「後…これは未確認情報なのですが…ジオンはモビルスーツを兵器として転用しようとしているとの噂があります。」

 

「モビルスーツ?あの作業機械のか?」

 

「はい。暗礁宙域でモビルスーツに武装を施し戦闘をさせていたという未確認情報があります。」

 

「バカな。先日モビルスーツがコロニーの外壁修理をしている所を見たが、あんな作業用機械が艦隊戦の役に立つハズがないではないか。宇宙戦闘機以上にミサイルの良い的になるに決まっている。」

 

「それはそうなのですが…。」

 

「まあ良い。当面はマゼラン級の脅威となりうる惑星間航行船とやらの情報収集に努めてくれ。」

 

「はっ。」

 

私としてはジオンがあれだけ早いスピードでモビルスーツを普及させているのは怪しい気がするのだが、所詮勘でしかないしな。さて、それでは惑星間航行船の情報収集に努めるとするか。




いつも誤字の修正をしてくださっている方ありがとうございます。しっかり読んでくれる人がいると思うととてもモチベーションになっています。

ふふふ… シャア、聞こえていたら、君の生まれの遅さを呪うがいい

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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