【改定につき更新停止 】 ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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30話 UC0078年8月

サイド3 ギレン邸

 

やあ…諸君。ゼンラ・ザビである。

…って誰が全裸やねん!

確かに先日もアイナと二人で包み隠さない姿でいたが私は人前で全裸になった事などない!

 

まあそれはさておき、先のサイド共栄圏構想の演説は各方面に大きな影響を与えた。

 

連邦からはこれはサイド3による連邦への宣戦布告かと問い詰めてきた程だ。

え?勿論俺個人の考えだと返しましたよ?連邦は言論の自由を認めているのに俺の思想を話す事さえ認められないと?

これをきっかけに連邦から開戦してくれればスペースノイドの支持は貰ったも同然だったのだが、流石にそうはならなかった。まあ我々も開戦準備が完全に整っている訳ではなかったのでそれはそれで良かったのだが。

この連邦の動きを脅威とみなして、ジオン公国は国家総動員令を発令し開戦に向けた最後の段階に入った。

 

建設中のサイド7以外のサイドでは反連邦の動きが活発化し、連邦がそれを鎮圧する事で更に反連邦の運動が盛り上がるという悪循環に陥っている。現在それに便乗してフェンリル隊やサイクロプス隊などの特殊部隊を各サイドに送り込み、開戦と同時に奇襲をかけるための準備を進めていた。

 

連邦の駐留艦隊は半数が宙域のパトロールをおこない、その間残りの半数は各サイドのベイで整備と補給をとる形で運用されている。

なのでパトロールしている艦隊を宇宙攻撃軍の分艦隊で襲撃し、潜伏させている特殊部隊でベイの艦隊を制圧する予定だ。

ベイの中にいる艦艇などモビルスーツの敵ではないので、少なくとも半数は確実に撃破できる見込みだ。

駐留艦隊とルナツーの艦隊さえ排除すれば今の状況なら各サイドはジオン側についてくれるだろう。

…後者が難題だが。

 

月については各サイド程は反連邦運動は盛り上がっていない。これは連邦による最初の入植地という事もあり社会インフラが整備されている点と、地球圏最大の企業であるアナハイム社など多くの企業が月面に拠点を構えている事が影響している。

まあ自分の待遇に満足していて仕事による結び付きも強ければ保守的になるのも仕方がないのかもしれない。

此方についてはサイアムの協力によりアナハイム社の倉庫に少しずつモビルスーツを搬入しており、開戦時にはMS一個師団で奇襲をかける予定だ。

まあここの艦隊は開戦間近な状況だと全て宇宙に上がっていそうだが、仮にそうなっても月面の制圧には使えるので問題無いだろう。

連邦側の兵器の設計図の提供や地上での活動の支援などサイアムには本当に頭が上がらない。

お礼に孫が大きくなった際にはもうすぐ産まれてくるミネバとの結婚を認めてあげよう。現時点ではどちらも産まれてさえいないがw

 

さて、後はルナツーとジャブローにいる連邦の主力がどう動くかだ。戦略諜報軍の活動により現時点での連邦の準備計画は入手しているものの、あくまで案なので指揮官次第でいくらでも変更の余地があるしさてどうなる事やら。

 

…。コロニー落としをしなかったとしても、恐らく俺は人類史上最大規模の戦争を始めた愚か者として歴史に名を残すのだろう。

だが、そうしなければ連邦政府がその植民地たるコロニーの支配権を手放す事などないだろう。かつて地上において大英帝国がそうであったように。で、あるのならば俺は戦おう。この戦いはザビ家と地球との戦争ではない。ジオンが、宇宙に住む人々が地球の支配から独立する為の戦争なのだから。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

アイナ・サハリン

 

家事をしながら部屋の時計に目をやるとその針は21:00時を越えようとしていた。

そろそろお戻りになる時間ね…

そんな事を考えていると公用車が玄関に停車し、その中からギレン様がゆっくりと降りて来られる。

 

「お帰りなさいませ。ギレン閣下」

 

「うむ…。」

 

執務を終え総帥府から戻られたギレン様はひどくお疲れのようだった。

 

「お食事はおとりになられましたか?それともお風呂になさいますか?」

 

「そうだな…食事にしようか。だがその前に少しだけ休ませてくれ。一時間程したら起こして貰えるか?。」

 

「はい閣下。ごゆっくりお休みください。」

 

そう私が答えるとギレン様は少しおぼつかない足取りで寝室へと向かわれた。

閣下を部屋までお送りすると護衛としてギレン閣下と一緒にいたハマーンさんに声をかける。

 

「護衛のお仕事お疲れ様です。疲れてない?」

 

「ありがとうございます。多少疲れはありますがたいしたものではありません。ジオンの、いえ、スペースノイドの未来を背負っておられる閣下の事を思えば…。

アイナさんには黙っているように言われたのですが、実は今日執務中に一度お倒れになりました…。」

 

「そんな…。」

 

「お医者様の見たてではどうやら過労のようなのですが、閣下は今がジオンにとって最も重大な時だからとおっしゃられそのまま執務を…。」

 

「わかりました。私からもあまりご無理をなさらないようにお願いしてみます。なので貴女も早く休んで。ハマーン。」

 

「はい…。閣下をお願いします。アイナさん。」

 

そう言ってハマーンさんが自室へ帰るのを見送るとお粥を作るためキッチンに向かった。

 

「ギレン様。失礼します。」

 

「ん…アイナか?」

 

「お粥をお持ちしました。ご加減はどうですか?」

 

「ハマーンから聞いたか。まあよい。少し仕事に集中しすぎただけだ。大したことはない。」

 

そう言いながらギレン様は私から受け取ったお粥を美味しそうに食べ始めた。

 

「久しぶりに食べたがこれも食べやすくて良いな。」

 

「ありがとうございます。ギレン様。…私にも何かもう少しお手伝いできる事があれば良いのですが…。」

 

「フム…。そうだな。では少し私の独り言を聞いてくれるか?」

 

「はい。」

 

そうして語られたのはギレン様が総帥として抱えておられる苦悩でした。

連邦政府との駆け引き、連邦軍へのスパイ活動、キシリア様との派閥争い、各サイドへの内部工作など、今日まで政治の裏側や派閥争いにあまり関わってこなかった私には初めて聞く話ばかりでした。

 

「…すまないな。どうにも愚痴が溜まっていたようで、つまらない話をした。」

 

そうギレン様が謝罪される。

確かに愚痴まじりにお聞かせ頂いたお話はどれも衝撃的で、特に暗殺や洗脳などをもギレン様が指示されていたことには、大きなショックを受けました。

しかしお話し頂いた言葉の中にはギレン様が抱えておられる葛藤が滲み出ていました。ですがそれを私にお話し頂けたという事は私を信頼してくださっている証。

そして私はギレン様にお仕えし、その理想の達成のお手伝いをすることを望んだ者。それなら、ギレン様を信じお支えする事が今の私にできるせめてものお手伝い。

そう思い私がギレン様の手を握りしめると驚いた表情を見せるギレン様に、私の思いを伝える。

 

「…ギレン様。私で良ければいつでもお話を聞かせて頂きます。ですので、そんなに一人で抱え込まないでください」

 

「…すまない。開戦間近で少し弱気になっていたようだ。また愚痴が溜まってきたら聞いてもらっていいか?」

 

「はい。何時でもお聞かせください。私やメイちゃん達はどんな事があっても閣下の味方です。なのであまり負の意識に囚われすぎないでくださいね。」

 

私がそう伝えるとギレン様は顔を伏せながら「ウム。」と短く頷かれたのでした。

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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