【改定につき更新停止 】 ギレンの野望(笑) 作:議連・座備
ポーランド上空 旗艦グワダン
UC0079年2月15日に始まった第一次降下作戦は順調に推移していた。
オデッサ直上に降下したグワダンから出撃したルーデル大隊のグフ27機の活躍によりオデッサに駐留していた連邦軍部隊は壊滅、またグワダンと一緒にルーマニアやハンガリー、ベラルーシ等に降下したザンジバルから出撃したドムの威力により、連邦軍は各地で敗退を続けていた。
オデッサ一帯がジオンの制圧下に置かれた事に焦った連邦軍ヨーロッパ方面軍は、ドイツやフランスに配備されていた機甲師団を集結させポーランドの地にて反攻作戦を展開する。
犬猿の仲であった連邦軍ロシア方面軍をも巻き込んだ大規模な反攻作戦であったが、増援としてオデッサに降下したユーリ・ケラーネ少将率いる第一地上機動師団と睨み合いをしているところに衛星軌道上のジオン艦隊からミサイル攻撃を受け軍の主力が混乱、その隙を黒い三連星率いるドム連隊に襲撃されドムの重装甲と機動性に全く歯がたたない連邦の61式戦車は次々と撃破され連邦軍は敗走した。
また、敗走した連邦軍ロシア方面軍は空からルーデル大隊による追撃を受け、投入された二個師団512両の61式戦車のうち、無事モスクワまで撤退出来たのはわずか25両余りであったという…。
やあ…諸君。ギレン・ザビである。
連邦軍ヨーロッパ方面軍の追撃も一段落し、現在は戦線の整理をしている真っ最中である。
旧ドイツ領内に入った頃から機甲師団によるモビルスーツの迎撃を諦めた連邦軍は、建物の影に隠れた歩兵による対MS用重誘導弾による攻撃や市街地で擬装した61式による待ち伏せなどのゲリラ戦に切り替えてきた。
このためドムによる急速な進撃が難しくなったことから、降下したジオン艦隊は前線を第一地上機動師団と交代し次の作戦に向けた準備を進めていた。
「流石は兄上です!こうも容易くオデッサを制圧して見せるとは!」
「油断は禁物だぞ、ガルマ。工業地帯であったオデッサ周辺とは違い北米は連邦軍の庭のようなものだ。オデッサのように容易くはいかないだろう。」
「もちろん承知しております。ですが私もザビ家の男。親の七光りではない事を証明して見せねば。」
「フン。アクシズ戦役を見事に指揮してみせた貴様を親の七光りなどと思うジオンの兵など何処にもおるまいよ。まあ良い。間もなく第二次降下作戦が始まる。貴様の補佐につけたランバ・ラルの助言にはよく耳を傾けろよ。」
「はい。兄上。お任せください。」
「それではな。」
間もなく月面からのマスドライバー攻撃が開始され、それを陽動に水中用モビルスーツによる地上の港湾施設やレーダー設備への奇襲が始まる。
連邦は宇宙にばかり目を向けている状況なので、ハイゴッグによる海からの奇襲はほぼ間違いなく成功するだろう。
その後、北米大陸の静止衛星軌道に位置するアクシズからのマスドライバーによる攻撃で地上の連邦軍主力に打撃を与え、混乱している所にMS特殊部隊のバリュート降下による襲撃で橋頭堡を築き上げあげた上で第二、第三地上機動師団の本隊を乗せたHLVを降下させる作戦は高い確率で成功が見込まれている。
しかし北米大陸の防空網はジャブローに次ぐ規模を誇っており、配備されている連邦軍も錬度はともかく兵器の質は高く決して油断出来る相手ではない。
如何に成功率が高かろうと賽の目は振ってみるまで何が出るかは誰にもわからないのだ。
そんな事を俺がグワダンの中の寝室で考えていると、突然隣で寝ていたララァがむくりと起きあがり話しかけてきた。
「大丈夫です。総帥。」
「どうした?ララァ?」
突然話しかけられた事に驚いた俺がそう問い返すと、ララァから返ってきたのは今悩んでいる事に対する答えであった。
「ガルマ様が勝ちますわ。」
「…。私の考えている事が解るのか?」
「総帥は解りやすいですから。」
「そうか…。ララァは賢いな。だがララァにそう言って貰えると助かる。なかなか自らの決定に自信が持てなくてな。」
「そういう言い方、嫌いです。でもお役に立てたのなら良かった。」
そう言って微笑むララァの頭を軽く撫でると、作戦の推移を確認するためブリッジへ向かう準備をはじめるのであった。
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side
連邦軍キャリフォルニアベース 防空指揮所
「状況は?!」
「月面のマスドライバーから質量弾の射出を確認!現在地対宙ミサイルにより迎撃を実施中です!」
「きおったな宇宙人どもめ!この北米大陸への降下軌道付近に連中のHLVが数多く確認されている。この攻撃に合わせて降下してくる可能性が大きいため、全軍に対空監視を徹底させろ!」
「はっ!そう言えば、近海で水色の潜水艦らしきものを目撃したとの情報が入っておりますが巡洋艦を確認に向かわせますか?」
「バカ者!今は対空戦闘に全戦力を集中させろ。連中のミノフスキー粒子とかいう悪魔の兵器のせいでレーダーによる対空監視に支障が出ているのだ。」
「は!申し訳ありません!地対宙ミサイル一番から八番、目標の質量弾に着弾…いえ!三番と五番が目標物から外れました!発射された質量弾のうち二発が依然として接近中です!」
「くそっ!ミノフスキー粒子の影響か!地対宙レールガン全門発射用意!」
「レールガンと射撃統制システムとの連動よし。何時でも発射可能です!」
「ようし。撃…!?!今の音は何だ?」
「地上のレーダー設備が何者かの攻撃を受けたもようです!」
「何だと!?」
「バスク大佐!港の艦隊が正体不明の敵からの攻撃を受けています!」
「何だ?この水色の機体は?!くそっ!全軍に非常警報を発令!港の艦隊及び周辺の警備部隊は正体不明機の迎撃に当たれ!…!?そう言えば質量弾はどうなった!」
「レーダー損傷により目標物ロスト!現在地不明です!」
「予測データを地対宙レールガンに送り目測で迎撃を開始させろ!港の艦隊のレーダー情報は送れないのか?!」
「艦隊は正体不明機への防戦に手いっぱいでそれどころではありません!既に戦艦ドナルドとカーネルが撃沈!他にも巡洋艦や駆逐艦に多数の損害が発生しています!」
「この短時間にそれだけの損害だと?!」
「敵機はメガ粒子砲を乱射しており手がつけられません!!一部の敵機は上陸し地上の防空施設にも攻撃を開始しました!」
「出港可能な艦は全て港の外に出港させろ!港に止まっている状況では単なる的になってしまう!」
「!!質量弾二発のうち一発は迎撃に成功しましたがもう一発が中央格納庫に直撃!出撃準備中だった第201師団司令部との連絡が途絶しました!」
「近郊に駐屯している第204、205、208師団に応援を要請しろ!今攻められたら一溜まりもないぞ!」
「大佐!地下ドックの入口を敵機に破壊されました!このままでは潜水艦隊が出港できません!」
「地下ドックなどほうっておけ!基地を守り抜けば後で修理すれば良い!」
「た、大佐!」
「ええぃ!今度は何だ?!」
「近郊に駐屯している各師団がマスドライバーによる攻撃を受けています!」
「何だと!?もう月から次のマスドライバー攻撃がおこなわれたというのか?」
「いえ!報告によれば月ではなくアクシズから発射されたものによるようです!」
「おのれジオンめ……!!いかん!これだけ攻撃を集中させてくるということは連中は間違いなくここに降下してくる気だぞ!防空部隊はどうなっている!?」
「敵の攻撃で滑走路に甚大な被害が発生したため、大半の戦闘機が離陸出来ません!地対空ミサイル部隊については各個に迎撃準備を完…いえ!現在降下してきた敵モビルスーツ隊と交戦している模様!」
「HLVの降下を許したのか?!」
「違います!どうやらモビルスーツが直接大気圏を突破してきた模様!第201師団の残存している61式戦車とファンファン、それに歩兵大隊がそれぞれ必死の抵抗を続けていますが増援がなければ支えられそうにありません!」
「く…近郊の師団は!?」
「…。同様に敵のモビルスーツ隊による奇襲を受けている模様で、むしろ向こうからも此方に増援要請を出してきています。」
「何としても敵を突破し増援に来るよう伝えろ!!」
「敵のHLV群の降下が始まりました!基地の東30キロの地点に向け多数のHLVが軌道上を降下中!」
「誰でも何でもいい!迎撃しろ!」
「大佐…今のこの基地に敵部隊を迎撃する事が可能な戦力は残されておりません…。」
「まだだ!まだここに私がいる!私がいる限りこの基地を落とさせたりはせんぞ!残存する部隊で一番規模が大きいのはどれだ?」
「最早この防空司令部警備大隊が最大の部隊であります…。」
「フン。それは部隊を探す手間が省けた。各員ワタシに続け!」
UC0079年3月11日2300
この日、キャリフォルニアベースは、衛星軌道から降下してきたジオン公国軍第三地球機動師団により制圧された。この後、キャリフォルニアベースはジオン地上軍の重要拠点として運用されていく事になる。
良い10連休をお過ごしください。
ギレン一家の配置
アイナ、サイド3でギレン邸を守る
メイ、ア・バオア・クーでギレン専用機の開発
ハマーン、グワダンに護衛として乗船
ララァ、グワダンに愛人兼護衛として乗船
となっています。
愛人扱いで乗っていたので寝室がギレンと一緒になりました。
次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。
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やっぱり安定のゲルググ
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みんな大好きギャン
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ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
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次期主力機?もうジムでいんじゃない?
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いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ