【改定につき更新停止 】 ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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36話 UC0079年3月 第三次降下作戦

シドニー上空 旗艦グワダン

 

第二次降下作戦から一週間が経過したUC0079年3月18日、ジオン公国軍はオセアニア大陸の攻略を目的とした第三次降下作戦を開始した。

 

当初はオセアニア大陸と合わせて東南アジア一帯にも同時侵攻を予定していたが、ギレン総帥の急速な戦線拡大に伴う補給線への負担増大を懸念する声により、モビルスーツの運用に向かない東南アジア一帯の侵攻を一時断念し、オセアニア大陸攻略に専念する事になったものである。

 

オデッサから宇宙に上がっていたグワダンとザンジバルで構成されたジオン地上艦隊と第四地上機動師団は、連邦の防空網が薄かったエアーズロック周辺に降下すると、オーストラリア各地に向け分散して進軍する動きを見せた。

 

これはジオンの奇襲戦法に苦しめられてきた連邦軍が部隊を大隊単位で各地に分散配置し、待ち伏せ戦法をとるようになった事から、平野部を大々的に進軍する事で敵の主力部隊を釣りだし纏めて排除する事を目的としていた。

しかし連邦軍主力はシドニーやメルボルン、ケアンズ、パースなどの都市部に立て籠ったまま全く動く事がなかったため結果としてこの目的は果たせずに終わる。

 

これに対してジオン軍は、連邦軍が動かないのを良いことにシドニー近郊に全軍を再集結しシドニーを全方位から包囲する動きを見せる。

動くに動けない連邦軍を尻目に包囲網を完成させたジオン軍は全方位から同時に侵攻を開始。連邦軍の幾重にも及ぶ防衛線をモビルスーツの性能と数により力ずくで粉砕したジオン軍は、瞬く間にシドニー全域を制圧下においた。

これは背の高い建物がそれほど多くなく、また地形の大半が見通しの良い地形であり待ち伏せに向いていなかったからこそできた力技であった。

 

その後、キャンベラ、メルボルン、パースと次々味方が各個撃破されるのを見た連邦軍オーストラリア方面軍は、待ち伏せに向かないオーストラリアの地を守る事を諦めニュージーランドやアジア太平洋地域に向け撤退を開始した。

 

やあ…諸君。ギレン・ザビである。

 

第三次降下作戦は予想以上に順調に進んでいる。最初は連邦軍が待ち伏せ戦術に徹していたためどう対応するべきか迷ったものの、幸いオーストラリアの地形は高い建物や植物が少なく待ち伏せに向いていなかったため、味方の戦力を集中する事で数の力でゴリ押しする事にした。

各個撃破って響きが良いね。

 

原作同様に東南アジア一帯にも同時侵攻していたら森林や山岳だらけで危ない所だった。

東南アジアの攻略を独断で中止した事についてはキシリアから批判されたりもしたが、あんなモビルスーツの運用に向かない地形に自分から攻め込むなど正気の沙汰ではないので強引に中止させた。

やはり地図しかみていない状況で考えられた作戦には限度があるね。

 

それに東南アジア一帯という人口密集地帯を連邦の勢力下に置いておくメリットを誰も考えていないのが不思議でならなかった。

考えてみて欲しい。自らの勢力下に置いておくという事は、最低でも衣食住は支配する者が面倒をみなければならない。

開戦前ですら地球だけで食料やエネルギーを自前でどうにかできなかった連邦が、北米とオーストラリアという地球上で有数の穀倉地帯を失った状態で、東南アジア一帯という人口密集地帯をどうやったら食べさせていく事ができるというのだろうか?

原作でさえ食料危機にならなかったのは、ジオンのコロニー落としで人口が半減したからこそと言われていたのだ。

全く人口が減っていない東南アジア一帯をどうやって食べさせていくのか、ハイゴッグを増産して海路を寸断しながらせいぜい見物させて貰う事にしよう。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

キシリア・ザビ

 

「何のようだキシリア。何度言われようと当面は東南アジア一帯を攻める気などないぞ。」

 

モニターに我が兄ギレンの姿が浮かびあがる。第三次降下作戦を失敗に追い込むため、当初の作戦案をそのまま連邦に流したにもかかわらず柔軟な対応であっさりと作戦を完了させた怪物だ。

 

「いえ、本日連絡させて頂いたのは先日指示されたハイゴッグの量産についてです。なぜこのグラナダに地上専用機の量産を命じられたのですか?」

 

「なんだそんな事か。ザクⅡならともかく、最新型機であり軍事機密の塊である機体をどこにスパイがいるか分からない地上で量産する事などできるはずがないだろう?」

 

「それはそうですがグラナダは兄上の命により防衛網の強化を開始したばかり。とても戦力として使えない地上専用機を量産している余裕はありません。」

 

「ふん。一応筋は通っているな。よかろう。サイド3とソロモンからある程度艦隊を回す。ハイゴッグの量産を行っている間はその艦隊で防備を固めるが良い。」

 

「ありがとうございます。あとひとつ兄上にお願いがあります。」

 

「貴様が俺に頼み事とは珍しいな。言ってみろ。」

 

「現在我がジオン軍で運用している機体は、全てジオンの絆で長い年月をかけて開発したモビルスーツ用OSを特殊なブラックボックス化したパーツに搭載して稼働しています。」

 

「そうだ。機体の構造は鹵獲した機体を調べればわかってしまうだろうが、全ての機体の鹵獲を防ぐ事など不可能だ。だがモビルスーツ用OSのデータ流出を防ぐだけなら、データを吸い出そうとした瞬間に自爆する特殊なパーツに入れてブラックボックス化してしまえば良い。」

 

「ですがそのOSデータは味方であるはずの我々にも公開されておりません。」

 

「仕方なかろう。あのモビルスーツ用OSは我が軍の強さを支える機密のひとつであるのだ。レビルの情報が漏れていた事といい、どこから情報が漏れているのかわからない現状で容易に渡す事などできんよ。」

 

「兄上の懸念はごもっともです。しかしOSデータが開示されていないためパイロット特性に応じたカスタマイズや新たな機体の開発が一切できない状況に陥っております。そしてこれは私だけでなくドズルや地上のガルマからも同様の話を聞いております。」

 

「…。新たな機体の開発を各拠点で独自に行う必要などないのだがな。だがドズルとガルマも同意見であるというなら無視する訳にもいくまい…。よかろう。コピーができないように特殊なプロテクトをしたデータを何本かそれぞれに送ろう。それを機体の開発やカスタマイズに使うが良い。」

 

「しかしそれでは開発した機体を量産する事ができません。」

 

「その場合は開発した機体のデータを送れ。テスト結果が良好であれば量産に向けた対応を約束しよう。」

 

「…。わかりました。ではそれで結構です。艦隊の派遣の件もよしなに。」

 

そう言うとギレンとの通信を切る。

 

何とかOSデータを入手する事ができそうだが完全なものが手に入らないのは痛いな。

 

モビルスーツ本体の生産数を秘密裏に増やしても、機体をコントロールするのに必須なブラックボックスユニットはア・バオア・クーとアクシズの機密区画でしか製造しておらず、ギレンに黙って戦力を増やす事ができない仕組みとなっているので、何とか今回の件でOSのマスターデータを手にいれたかったがこれ以上粘ると反意を疑われかねん。

 

当面はサイド6に秘密裏に作らせた研究所に、ニュータイプ研究と合わせてモビルスーツ以外の兵器についても研究させる事にしよう。




良い10連休をと言いましたが更新しないとは言っていない。

ルーデル閣下のアンケートを見て一瞬数が間違いではないかと思ってしまいましたw
何時までも続けるのはあれなので明日で一端打ち切らせて頂こうと思います。

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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