【改定につき更新停止 】 ギレンの野望(笑)   作:議連・座備

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39話 UC0079年5月 ジャベリン・トライデント作戦

ハワイ上空

 

ハワイ諸島は小さいながらも、広大な太平洋の中心に位置している事から長らく連邦軍太平洋艦隊の拠点として使用されており、現在も200隻近い連邦軍艦艇が駐留していた。

それを守る為の防空網と哨戒ラインは、大西洋に位置するベルファストと同様にジャブローに匹敵するほどの規模であり、ジオン軍の侵攻を頑強に阻んでいた。

 

新たに新設された戦略海洋軍の支援により、オーストラリアに続きニュージーランドをはじめとしたオセアニア一帯を完全に支配下においたジオン公国軍は、北米大陸のジオン軍領域とオセアニア一帯のジオン軍領域とを海路で繋げることを目的としたジャベリン・トライデント作戦を展開する事になる。

 

UC0079年5月21日

ジャベリン・トライデント作戦の第1段階「ジャベリン」作戦が開始された。

 

これは東南アジア各地の連邦海軍基地へ、アクシズからのマスドライバー攻撃と軌道上の艦隊からの対地ミサイル攻撃を同時に行い飽和攻撃により基地の防空網を破壊。

これに乗じて降下したザンジバルと搭載モビルスーツによる攻撃で駐留部隊と基地施設を破壊した後そのままジオンの勢力圏まで離脱するというものであった。

 

ただ、このジャベリン作戦は想定以上に苦戦する事になる。

ジオン軍の軌道上からの攻撃を警戒していた連邦軍は、放たれたマスドライバーのほぼ全てと対地ミサイルの50%の迎撃に成功。

また、連邦は滑走路や格納庫を増設して航空機を分散配置したり、あえて基地外に退避壕を作りそこに部隊を避難させる事でかなりの戦力の保持に成功していた。そのため、各地に降下したジオン軍は想定外の連邦軍の数によって苦しめられる事になる。

 

特にシンガポール基地では連邦軍が量産試作型のガンタンクを配備していたことから降下したリリー・マルレーンの右舷第3エンジンにガンタンクの砲弾が直撃、一時不時着する事態に陥ってしまう。

幸いリリー・マルレーンに搭乗していたのはシーマ中佐率いる親衛隊の精鋭であったため、不時着したリリー・マルレーンの追撃に出てきた連邦軍部隊を逆に粉砕、無事にジオンの勢力圏まで離脱する事に成功した。

 

UC0079年5月22日

このジャベリン作戦によってジオン軍の次の攻撃目標が東南アジアにあると判断した連邦軍首脳部は、ハワイに駐留していた連邦海軍第7艦隊を増援として派遣する事を決定する。

 

第7艦隊はヒマラヤ級大型戦闘空母エベレストを旗艦とし、ヒマラヤ級大型戦闘空母7隻、ジュッドランド級戦艦2隻、アルバータ級ミサイル巡洋艦18隻、モンブラン級ミサイル駆逐艦36隻、U型潜水艦18隻で構成される連邦海軍有数の戦闘集団であり、その戦力は実にハワイに駐留する連邦艦隊の実に四割にも及んだ。

 

UC0079年5月24日

オアフ島の沖合いで第7艦隊が出撃するのを待ちわびていた戦略海洋軍は、第7艦隊が出撃するのを見届けると戦力が大幅に低下したハワイ基地の攻略に向け静かに部隊を展開させる。

8隻のユーコンと2機のモビルフォートレスから出撃した54機のハイゴッグは、連邦の哨戒ラインにかからないよう警戒しながら静かに開戦の時をまった。

 

ハイゴッグ隊に先んじてユーコンから特殊潜航挺で出撃したランバ・ラル率いる特殊工作隊は、苦もなくオアフ島に上陸すると連邦軍基地へと潜入し、レーダーサイトを始めとした指揮通信施設に爆弾を設置し速やかにオアフ島を後にした。

 

UC0079年5月25日 0000

ランバ・ラル率いる特殊工作員が仕掛けた爆弾が連邦軍のレーダーサイトや指揮通信施設を吹き飛ばすのと同時に「トライデント」作戦が開始された。深夜の敵襲により大混乱に陥るハワイ基地に対して、ユーコンから無数の対地ミサイルが発射され、連邦軍の混乱に更に拍車をかける事になった。

 

同時に展開を完了していたハイゴッグ隊が一斉に行動を開始。

フラナガン・ブーン大尉率いる戦略海洋軍 第1大隊はオアフ島南の海上で哨戒に出ていた連邦軍警備艦隊に襲いかかった。

 

ヒマラヤ級空母3隻、アルバータ級巡洋艦6隻、モンブラン級駆逐艦12隻、U型潜水艦6隻で構成された警備艦隊は決して油断していた訳ではなかったが至近距離から突然27機ものハイゴッグに襲われてはどうしようもなかった。

 

最初のハイゴッグからのハンドミサイルによる一斉攻撃でヒマラヤ級空母2隻とアルバータ級巡洋艦3隻、モンブラン級駆逐艦5隻が沈められ、いきなり過半数を失った連邦艦隊はすぐさまドン・エスカルゴ対潜哨戒機や対潜ヘリを離陸させ、残存艦艇による対潜ミサイルや短距離魚雷による反撃を試みるもハイゴッグの水中性能は圧倒的であり、態勢を建て直せないまま次々と沈んでいった。

 

また、ギュンター・プリーン大尉率いる戦略海洋軍 第2大隊はオアフ島北の海上に姿を現すと、背中に装着したジェットパックを用いてオアフ島の内陸部を一気に飛び越え陸地側から港に停泊する連邦艦隊を襲撃した。

戦時下という事もありどの船も最低限運航に必要な乗組員は乗船していたものの、突然の襲撃にすぐに対応できた船はほとんどなく、全く想定されていなかった内陸部からのモビルスーツによる攻撃により湾内の連邦艦隊は次々と撃破されていった。

 

それでもオアフ島に駐留していた連邦軍海兵隊員が対MS重誘導弾「リジーナ」や試作型ガンタンクを用いた反撃で数機のハイゴッグを撃破に成功したものの、本来対地、対潜攻撃の要となるべき航空隊が拠点としているヒッカム空軍基地がユーコンから発射された対地ミサイルにより破壊されてしまっていてはこれ以上の逆転は望めなかった。

 

その後、密かに衛星軌道上に展開していたグワダンが降下してきた事を契機として連邦軍残存部隊はハワイからの撤退を決定。

 

海兵隊残存部隊が各所で抵抗を続けつつ、離脱可能な航空隊や残存艦艇は次々とハワイからアジアに向けて離脱していった。

 

 

 

やあ…諸君。この戦いが終わったら一度本国に帰ろうと思っていたのだが、アイナに怒られそうな予感がするので帰るのを延期しようか迷っているギレン・ザビである。

 

というかララァに手を出してからというものララァが二人きりになるとメッチャ甘えてきたり、メイが最近向けてくる視線が何かいいたげなのに、こっちから声をかけると何故かそのまま走って行ってしまったりでハワイ攻略戦の指揮をとっている間も気になって仕方なかった。

 

お陰でハワイから脱出した連邦艦艇を追撃させるのを忘れていた位である。

ま、まあ下手に追撃していたら連邦の第7艦隊と正面からぶつかる事になっただろうから良かったと言えば良かったのだが。

 

当初そのままハワイの奪還に向かってくるかと思われた連邦軍第7艦隊だったが、予想に反してオアフ島から脱出した残存艦艇を守りながら日本に向けて撤退していった。

正直万全な状態の第7艦隊と正面からぶつかった場合、かなりの損害を覚悟しなければならないところだったので助かった。恐らく離脱した艦艇からの情報でハイゴッグの性能をかなり高く評価して警戒しているのだろう。

 

さてこれでハワイの制圧も概ね完了し、地上の戦況も一段落したのでデギン公王への報告やグワダンの乗組員の休養も兼ねて一度本国に帰る予定なのだが……まあ帰るのを延期したところで何時かは帰らなければならないのだからここは大人しく帰るとしよう。

 

一一一一一一一一一一一一

 

side

連邦宇宙軍

ヘリオン作戦参加艦隊旗艦

 

「艦長!全艦、暗礁宙域内の所定の位置へ配置完了しました。」

 

「ウム。ご苦労。」

 

「しかし艦長本当にこれだけの艦であの怪物艦に仕掛ける気ですか?味方は本艦を入れてもマゼラン3隻とサラミス12隻それに4隻のコロンブスに乗せてきたパブリクが32機ばかりあるだけです。相手は1隻みたいですから少ないとは言いませんが、あの船には以前第2地球軌道艦隊がまるごと壊滅させられているんですよ?」

 

「仕方なかろう。情報が入った時点でこの宙域に到達可能だったのが我々だけだったのだ。それにどんな相手でも油断している所を襲撃できれば充分に勝機はある。あの怪物艦とギレン・ザビを同時に始末できる可能性があるのならば多少のリスクはやむを得ん。」

 

「それはそうですが……。」

 

「それに申し訳ないがこれは上層部からの特命でもある。残念ながら我々に拒否権はない。すまんな。」

 

「いえ、艦長の下であれば別に私は構いません。良い年ですし守るべき家族もいませんから。ただ、できれば若い家族もち位は何とかしてやりたいのですが……。」

 

「……。あまり大きな声では言えんが、艦隊主力が壊滅した後は、後方のコロンブスにはその時点で降伏するよう指示してある。開戦までの準備は副長に一任するので人も好きに動かすと良い。但し最低限戦闘に必要な人員は残すようにな。」

 

「了解しました!……やはり貴方の部下で良かった。」

 

「その台詞は是非とも目標を沈めてから改めて聞きたいものだな。」

 

「はは、最もですね。」

次期主力モビルスーツとして採用するなら次の機体のうちどれ?※このアンケートで選ばれた機体が本作の次期主力機になるかはわかりません。

  • やっぱり安定のゲルググ
  • みんな大好きギャン
  • ゲルググもギャンもいらぬ。ドムこそ至高
  • 次期主力機?もうジムでいんじゃない?
  • いっそのこと他の作品から持ってきてビルゴ

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