「それでは5対5の練習試合を行う! 半クオーターで、チーム内のディフェンスは基本オールコートマンツーとし、交代はなし! 以上質問は?」
「はい先生」
「なんだ?」
女子生徒は俺を一瞥した。
「だれか知りませんが、彼がいる時点で不服なのですが。彼はそんなに強い人なのですか?」
「試合してみれば分かるとだけ言っておこう。」
「そうですか。あなたもいい気ならないで下さい。」
おぉ、怖い怖い。
「はははっ! 口先だけの雑魚じゃないことを願ってるぜ。」
「言わせておけば!」
「おっと、別に見えないようにファールしてもいいぜ? 本当に強い奴はそれすら粉砕する。」
俺はスイッチを入れる。
「っ! 後悔しないでよね。」
そういうと、自分のチームに戻っていった。
「あのぅ、十六夜さん。」
「ん、どした?」
「あの人一応キャプテンですよ? 中学は名前も馳せていた人です。」
ほぉ?
ま、期待しないでおくか。
「ちょいちょい、俺のチームちょっと集まって。」
俺は4人を集める。
「この1クオーターは全部俺にボールを回して貰っていい?」
「「「「はい?」」」」
「全部決めてやるよ。1クオーターで心粉砕してやる。」
「それでは試合を始める! 両チーム礼!」
【お願いします!】
試合が始まる。
この高揚感はいいものだ。
ピーー!
笛が鳴り、試合が始まった。
ジャンプボールは勝てたようだ。
「十六夜さん!」
ボールが回ってきた。
俺はパスを受け取り、片手でそのままゴールへ
「そぉぉぉぉい!」
気が抜けるような掛け声と共に投げた。
周りは唖然としている。
「さあ、ディフェンスだよ。マークについて!」
俺のチームの女子は分かってないみたいだ。
「ふん、あんなシュート入るわけが無いわよ!」
だが、その予想は大きく外れる。
ボールは気持ちのいいパサッという音を立ててゴールに入った。
チームの女子は慌ててディフェンスに付く。
「まぐれよ! 切り替えて行くわよ!」
女子キャプテンはボールを出そうとする。
だが、
「はい、読めてるよ。」
パスは通らない。
俺がカットしたからだ。
「はいはい戻って戻って! オフェンスだよ!」
俺はわざとハーフラインギリギリまで戻る。
「自分からそっちに行くなんて頭おかしいんじゃ無いの?」
キャプテンは詰め寄ってくるが、
「それも読めてる。」
近くの仲間にエルボーパスで通す。
「甘い甘い。そんなんじゃ俺は捕まらないぞっ☆」
「こいつムカつくわね!」
煽りに煽る。
「十六夜さん!」
「さんきゅ!」
俺は来たパスをそのままトスでゴールに投げる。
「何度もあるはずないわ!」
そのままボールはゴールに入る。
「次行くわよ!」
キャプテンは声を出す。
「速攻!」
「はいはい、読めてるんだなそれが。」
俺はカットする。
「はい、ボッシュート!!」
自分のコートのフリースローラインからシュートを打つ。
今度は少しだけ真面目に打点の高い角度から。
それもスパッと気持ちのいい音を立ててゴールに入る。
「このっ! 遠くからのシュートだけじゃなくて、本気で来なさいよ! この卑怯者!」
俺の中で火山が噴火した。