今回のキャラは………………なんと!!
…………というのは、実際に見た方がわかりやすいでしょう←(笑)
では、どうぞ♪
スカウト3人目
MF「神宮 雫」 前編 (夜十喰様より)
さて、本日は快晴。
絶好のスカウト日和…………ではなく、今日は昨日スカウトした2人と軽く練習でもしようかな〜と思っていたのだが、学校のグラウンドは既に現美ちゃんに予約を入れられてしまっていたため、ボクは仕方なく場所を移して学校の近くにある運動公園内こサッカーグラウンドにやって来ていた。
…………いや、まさか現美ちゃんがボクと同じことを考えていたなんて思わなかった。
でも、グラウンドを使うってことはメンバー集めの方も順調という事なのかもしれない。
いい事だいいことだ。
あの会話能力皆無かつ人見知りの引きこもりだった現美ちゃんがここまで成長してくれたことは素直に嬉しい。
っと、ボクは一体何を考えているんだか。
ボクは断じて現美ちゃんの友達であって保護者じゃないんだぞ。
全く。
そんなことを考えつつ、1人にはあまりにも広すぎるグラウンド脇に備え付けであるベンチに鞄を放り投げるとそのまま制服のボタンに手を掛けた。
…………勘違いしてもらっては困るのだが、ボクは既に制服の下に練習着を着込んでいるのだ。
そうやすやすと乙女の秘密を見せる訳にはいかない。
ボクはまだ発達途上。
これからが成長期なんだもんね。
いやいや、ボクは誰に向かって話しているんだ。
1人ベンチで首を横に振りつつ、カバンの中から愛用の赤いリストバンドを取り出すと両の手首に装着し、通学用の革靴からスパイクに履き替えて準備はOK。
運命っちはさっき担任に捕まっていたので遅れそう、佳奈ちゃんは家に行って着替えてから来るらしいから同じく遅れそう。
パンと両手で自分の頬を叩くと持っていたボールを右足で軽くリフティングをした後広々としたグラウンドへ蹴り出した。
とりあえずセンターサークルからゴールネットを眺め見ながら息をひとつついてドリブルを開始。
あ、コーンでも何個か立てておけばよかった…………なんて考えながら相手のディフェンダーを頭の中に思い描きつつ右足で起用にコントロールしながら左右にボールをキープして前線へ。
自分の思い描いていた軌道よりも大幅にサイドへ流されながらもペナルティエリアの端っこまで到達する。
そこでディフェンダー2人のプレッシングを想定しながらボールをキープし、視線は常にフィールド上を漂わせておく。そして、ここだと思った一瞬のタイミングでシュート体勢に入る、が。
ズルッ。
「ありゃ?」
ディフェンダー突破のために勢いよくルーレットで回転したのはいいのだがその遠心力に逆らえず勢い余って軸足まで滑るように浮いてしまう。
「あ、やば……。」
そのままなんとかボールを捉えてシュートまでするのだが、そんな状態でコントロールなどつくはずもなく、ボールは無常にもゴールポストに阻まれた。
しかも、運の悪いことに当たりどころがよかったのかボールは真っ直ぐに僕の方へ戻ってくる。
「へ?うそ!冗談キツイ………………ふぎゃっ!?」
シュートの威力が十分に乗った跳弾は寸分狂わずボクの顔面(正確にはおでこあたり)へクリーンヒットし、そのままグラウンドの外へ転がって行ってしまった。
「いたたっ…………ん?あ、あれ?ボール…………あ、おーーい!!そこの人〜〜!ボール取って〜〜。」
もはや不慮の事故としか言い様もないが、同時に言い訳ができないほどの恥ずかしい事故によって真っ赤になったおでこを擦りながらたまたま……本当にたまたまその付近にいた自分と同じ学生服に身を包んでトコトコ歩いている少女に向かってボールを取ってもられるように声をかけた。
「お〜〜い!」
その一言でようやくボクの存在に気づいたのか少女がふと足を止めて、自分の足元付近にあるボールとボクとを順番にゆっくりと見比べた。
「ごめん〜!呼び止めちゃって〜!その足元のボールこっちに投げて〜〜。」
とりあえずボクはその場で両手を大きくブンブンと振りながらポイントの合図を出す。
本当になんにも考えずに…………ただ、ボールを取ってもらうために。
「…………承諾。」
「?」
少女が何か言ったように見えたがさすがにここからの距離じゃボクには何を言っているのか理解出来なかった。
読心術の類は心得ていないうえに、間に木があって邪魔なんだよ。
そんなことをしている間に少女がふと足元のボールを拾い上げてポンポンと軽くリフティングをし始めた。
「(んん?)」
そして、一弾と大きく弾ませたボールを間にあった木の上を通すように大きく蹴りあげた。
ただ、それだけならよかった。
この距離でも目視できるほど強いドライブ回転のかかったボールはちょうど木の真上あたりを通過するタイミングから急激にドロップし始め…………。
「おおっ!?」
寸分たがわずしかもノーバウンドでボクの右足に収まる。
この距離でこんな正確なボールを蹴れるなんて、凄いや。
ん〜、次はこんなパスができる人をスカウトしたいな〜。
ま、とりあえず今は練習練習。
「ボール!取ってくれてありがと〜!!」
ボクは先程の少女に満面の笑顔で手を大きく振った。
しかし、当の少女はさも当たり前みたいに踵を返すとそのまま歩き出してしまう。
ふぅ。
ボクは肩でひとつ息をついて再びゴールネットに向かい合った。
………………?
ん?何か引っかかる…………
なんだろう。
不意に浮かび上がってきた違和感に軽く首を傾げ、何となくゴールネットに視線を移し、その後足元のボールを見た瞬間今この瞬間で1番重要な事実を見逃していたことに気づいた。
「ちょーーーーーーーっと待ったぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!」
グラウンド一帯に響き渡ったボクの叫びは幸いにも、いや運が悪いことにと言った方がこの場合はいいのか、誰にも聞かれることなくお空の彼方に消えていった。
しかし、そんなことには構っている余裕は今はない。
急いでさっきの少女を探さなければならないのだ!
ついさっきまでそこにいたから、まだ遠くまでは行ってないはず!
理由は当然、スカウト!
あの正確無比なボールコントロール、ボクの直感がこれでもかと言うほどビンビンに反応しまくっている!
ボクはこのグラウンドで運命っちと佳奈ちゃんの2人と待ち合わせしていることなど完全に頭から吹っ飛び、グラウンドから飛び出した。
※
案の定。
少女の姿は直ぐに発見することが出来た。
「ま、待った!!」
運動公園の出口付近。
スクールバッグを肩にかけて物静かそうな雰囲気を醸し出している少女の背中に向かって思い切り声をかける。
「さっき、ボール取ってくれた娘だよね!」
「…………応答。そうですが、それがなにか?」
少女は振り返ることも無く淡々と、まるで感情の無い機械のような返答に若干の違和感というか不思議な感覚を覚えながらボクは会話を続ける。
「その制服、弓鶴のでしょ?ボクも一緒。でね、さっきのボール凄かったね。サッカーとかやってたの?」
「…………。」
そう問いかけると、無言のまま少女がゆっくりと振り返った。
艶やかな紺色にふんわりと柔らかな緩いカールを加えたセミロングの髪はサラリとそよ風に晒されて僅かに揺れる。
前髪の隙間から垣間見る眠そうな半開きの瞳は琥珀色に揺らめいていた。
しかし、その瞳には人間本来の輝きが薄く本当にアンドロイドかなにかだと思ってしまうほど冷たい光が張り付いていた。
それを見た瞬間ボクは小さく生唾を飲んでしまう。
「…………否定、…………はしません。」
Noでは無い。
それを聞いた瞬間ボクはほっと胸をなでおろした。
「よかった〜。じゃあさ!サッカー部n…………」
「拒否。」
ボクの言葉を静かに遮った拒絶の言葉に一瞬言葉を失った。
「どうして?あんなに凄いボール蹴れるのに。」
「拒否。話す必要は皆無です。要件は以上ですか?では、失礼します。」
「あ!ちょ、ちょっと!………………………………行っちゃった。」
ボクの静止も間に合わず、少女は無理やり話を切りあげるとさっさと踵を返して自身の帰路に着いてしまった。
その背中を見送りながら、やっぱりなんかデジャブってやつを感じるんだよな〜なんて考えていた。
佳奈ちゃんといい今の少女といい、凄く似てるんだよな〜。
現美ちゃんと。
でも、まだ現美ちゃんには勝てないかな。
会話出来るだけでもマシな方だと思う。
…………初対面の現美ちゃんは会話にすらならなかったからね〜。
まぁ、その話はまた今度としてボクはため息をひとつついてからグラウンドへ戻った。
「……お?来てる来てる。おーい!」
「ん?あ、このは!君は僕達との待ち合わせをほっぽり出していったいどこに行ってたのさ。」
「いや、ちょっと…………気になる娘がいたからスカウトに。」
「気になる人、ですか?」
「うん。すっごいボールを蹴る娘でさ。あ、でも、シュートとはまた違う感じかも。どっちかと言うと…………ものすごく正確なパスって感じ。」
「すごい正確なパス?」
「そう!」
興奮して自分で鏡を見なくてもキラッキラしているだろうボクを流しつつ、多少なりとも興味を示した運命っちが足元のボールをヒョイっと右足で浮かせた。
ちょうど胸のあたりでキャッチし、それをボクに向かって軽く投げ渡してくる。
「おっと。」
「で、ちなみに名前は?」
「名前………………あ。」
その瞬間運命っちが大きくため息をついた。
「それが分からなきゃ探し用がないでしょうが。A組から1クラスずつ見てくわけ?」
「このはちゃん、詰めが甘い……。」
「うぐ………………だ、だって、急いでたんだもん……。」
「まぁ、どうせうちの制服着てたんならどこかで会えるでしょ。」
「そういうこと!さ、せっかく集まったんだから練習練習。」
そう言いながらボクは自分の失態を誤魔化すように渡されたボールをグラウンドに向けて蹴り出した。
でも、ま。
ボクは諦めないからね!
…………あの娘、絶対にサッカー部に引き込んじゃうんだから!
グラウンド脇木陰。
「…………拒否。私は、もう…………。」
そんな小さなつぶやきとともに少女は先程の彼女を見るために戻ってきてしまったことに不思議な感覚を覚えながら再度帰路に着くのだった。
さて、このはルートの2日目が終わりました。
今回の選手は思い浮かんだストーリーがどうしても日をまたいでしまうため前編後編に分けました←
今後も日を跨ぎそうなら分けます←
でですね。
夜十喰様考案の雫ちゃんなんですけど。
基本的にはスカウト方法も書いてくれた方は出来るだけその方法で書いていきたいので、その方法で考えていたのですが………………どうやって「雫ちゃんの足元に偶然を装ってボールを転がすか」が課題でした←(笑)
そして、試行錯誤を重ねた結果…………このはちゃん自身に犠牲になってもらいました。
ちなみに、私的には喋り方が独特で楽しいですw
とはいえ、この娘やはり孤立癖持ちなのでどんなにアイディアを出しても私の実力では1日で部に引き込むことが出来ませんでした…………。
そして見所ですが、なんと言っても雫ちゃんの
もっとかっこよく書きたかったのですが………………語彙力のない自分が憎いです。
では、後編(3日目)もよろしくお願いします!←
あ、キャラ募集はまだまだ受け付けていますのでよかったらどうぞ。