イナズマイレブン〜双星の軌跡〜   作:奇稲田姫

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1人目の方は極力リクエストに沿って書いたつもりですが、どうでしょうか。

2人目書き終わりました!やったぜ!


では、とりあえず本編、どうぞ←


相澤このはのスカウト日記帳 3日目

スカウト3人目

 

 

MF「神宮 雫」 後編 (夜十喰様より)+α

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン。

 

 

「授業終わった〜!!!!」

 

授業終了のチャイムとともに机に突っ伏していた頭をガバッと勢いよく起き上がらせながら、ガタンと割と大きめな音を立てて立ち上がった。

 

机に突っ伏して寝ていたため若干のおでこの当たりがヒリヒリするがそんなことに構ってはいられない。

ボクは出しておいたテキストを乱暴に机の中へ投げ入れると、横にかけてあるカバンをひったくりながら教室の扉を思い切り横に開いて教室を飛び出した。

 

「あ、このは!ちょっと待って!」

 

「こ、このはちゃん……!待ってよ!」

 

後ろからは運命っちと佳奈ちゃんの声が聞こえるがとりあえず気にしない。なぜなら、迅速かつ早急に昨日の(喋り方が)不思議ちゃんを見つけてグラウンドに引っ張っていかなければならないのだ。

 

時は一刻を争う。

 

現美ちゃんに先を越されてしまっては元も子も無いからね。

 

現美ちゃんとは親友だけど、この一週間だけはお互いライバル同士。

スカウトする人材は限られている。

つまり、早い者勝ちだ。

 

…………なんてことを言ったら怒られそうではあるが、でも、あながち間違っていないから大丈夫。

 

右足を軸足にして直角に左折。

 

ボクはA組の扉の前まで来ると、走り込んだ勢いを殺さないまま入口の扉を思い切り横に引き開けた。

 

「ここかぁ!!」

 

そのせいで扉付近にいた生徒が数人ビクリと反応をしたが、そんな所はどうでもいい。

 

肝心の不思議ちゃん(ターゲット)は………………いない。

 

「違った!」

 

ターゲット不在だとわかるやいなや扉を閉めることなどすっかり忘れ、ボクは次の教室へ向かった。

 

「このは!」

 

その途中、すれ違いざまに運命っちに腕を掴まれたことで慣性の法則に従い脚だけが前に投げ出され、直後見事にお尻から着地をしてしまう。

 

「んぎゃっ!!」

 

「このは!待ってって…………まさか本当にA組からローラーするとは思わなかった。」

 

「はぁ……はぁ……。」

 

「いたた…………。どうしたのさ2人とも!」

 

「どうしたもこうしたもないよ。いきなり宛もないのにローラーしたって時間の無駄でしょ?効率も悪い。」

 

「ローラー…………ですか?」

 

「そう、要するに片っ端から確認して行くってこと。」

 

「だとしてもだよ?ボクだって覚えてることと言ったら…………喋り方が特徴的ってことくらいだし…………。」

 

運命っちがため息をついた。

 

「…………ちゃんとした特徴覚えるじゃないか。」

 

「喋り方に特徴がある娘…………それほど多くないよ。」

 

「E組とC組に1人ずつってところじゃない?…………っと、あ。あの子だよ。今C組の教室から出てきた。」

 

「今?」

 

打ち付けて若干ヒリヒリするお尻を擦りながら運命っちの指さす方に視線を向ける。

 

「…………あぁっ!!!」

 

「ひゃっ……。」

 

いきなり大声を出したおかげで佳奈ちゃんを含めた数人の生徒が短い悲鳴を上げた。

 

恐らく……いや間違いない。

 

鮮やかな紺色で緩いカールのかかった髪。

サラッとしたセミロング。

横顔でもわかる琥珀色で眠そうな半開きの瞳。

 

まさかこんなに早く見つけられるとは思ってもみなかったけど、そこはボクの運の良さが出てるのかもしれない、うんw

 

もはやぶつけた痛みすらとうに忘れて飛び跳ねるようにしながら走り出した。

 

「あ!ちょっとこのは!!」

 

運命っちの静止を背中で聞きながら例の少女の元へ。

 

「ねぇ!あのさ!昨日の娘だよね?」

 

スクールバッグを肩に掛けて静かに歩くその背中に向かって昨日みたいに声を掛けた。

 

「…………肯定。」

 

相変わらずどこか距離を感じるその単語にボクは少しだけ眉を寄せながら彼女の正面に回り込んだ。

 

「……。」

 

「サッカー、一緒にやろうよ!」

 

「拒否。」

 

予想通りといえば予想通りの回答に溜め息と同時に体の力までしゅ〜っと抜けていってしまう。

 

「なんで〜!!どうして〜!」

 

「黙秘。それでは、私はこれで。」

 

まるで本当に機械か何かのように淡々と単語を並べると、少女は何事も無かったかのように僕の隣を通り過ぎて行った。

 

…………でも、今日は諦めない!

 

「待って!」

 

「…………。」

 

再び彼女の正面へ回り込み、両手を真横に広げて通せんぼ。

 

「迷惑。なんのつもり?」

 

「理由を話してくれるまで通さないよ!」

 

「…………邪魔。 」

 

「邪魔じゃない!」

 

若干語調を強めたことで目の前の少女が僅かにピクリとした。

 

「…………。」

 

無言のままお互いを見つめ合うという沈黙が支配する廊下。

その静寂を破ったのは…………。

 

「このは!……ごめんね神宮さん。ちょっとこのはに お は な し があるからまた今度ね〜。」

 

「ちょ!?運命っち!まだ話は終わってない…………。」

 

「いいから!」

 

「…………。」

 

ボクは突如現れた運命っちによって無理やり引き摺られるようにその場から退場させられてしまった。

 

当の少女………………確か「神宮さん」って言ってた少女は相変わらず冷めた視線を向けながらふいっと顔を背けるとそのまま歩いていってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女(神宮さん)が行ってしまったあと、残されたボク達は無言のままその背中をぼんやりと見送っていた。

 

「…………はっ!さ、運命っち!どうして止めたりしたのさ!」

 

「そりゃ止めるよ!廊下のど真ん中で何やってたと思ってるの!もっとこのはは視野を広げて!」

 

「……。」

 

「このはちゃん……。チームに入れたいのは分かるけど、無理矢理は、ダメだよ。」

 

運命っちと佳奈ちゃんに言い寄られてはっと我に返る。

 

…………確かに。

それに関してはボクの落ち度だった。

 

「…………ごめん2人とも。頭が冷えた。うん!それじゃあ気を取り直してまだ時間はあるから練習しよう!」

 

「え?スカウトは?」

 

「後4日あるから大丈夫、なんとかなるって。ほら、行こ行こ〜♪」

 

とりあえず今は体を動かしたい。

今の状態じゃ入ってくれそうな娘も入ってくれなくなっちゃいそうで、ちょっと不安だから。

元気だけが取り柄のボクが元気なくなっちゃったら元も子もないし。

 

2人の背中をグイグイ押しながら肩にかけた鞄を背負い直した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弓鶴学園近くの運動公園サッカーグラウンド。

 

 

 

 

 

ポーン。

 

 

 

運命っちからボールが回ってくる。

 

「神宮 雫…………ちゃん?」

 

そのボールを右足でトラップしつつそのまま左足を使って次の佳奈ちゃんに向かってインサイドパス。

 

「うん。C組の中でも結構有名人。」

 

そう言いながらボクからパスを受け取った佳奈ちゃんはボク同様右足でトラップして左足のインサイドパスで運命っちにボールを戻した。

 

「よっと。そうだね。恐らく喋り方だけで言ったら1番特徴的な娘なんじゃ、ない!」

 

「へぇ。…………逆回り。」

 

再び運命っちからパスされてきたボールを右足で受け止めて今度は逆回りにインサイドパスを出す。

 

「ほい。でも、あの神宮さんがね。そんなすごいパス出せるなんて、ね!」

 

運命っちから佳奈ちゃんに。

 

「ちょっと、驚きです。」

 

最後に佳奈ちゃんから回ってきたボールをその場で止めてため息をひとつ。

 

「よし!今は練習しよう!佳奈ちゃんシュート練習!キーパーお願いしていい?」

 

「ふぇ?いいですけど、いきなりですね。」

 

「確かにいきなり。でも、変な言い方になるけど五十嵐さんの実力を知るいい機会なのかもね。僕もこのはに賛成かな。(ついでにこのはの実力も、ね。)」

 

「時乃さんまで……分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

少女達準備中……

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。準備出来ました。いつでもいいです!」

 

ちょっと待ってと言ってベンチに戻って行った佳奈ちゃんが何やらカバンの中からゴソゴソ何かを引っ張り出して戻ってくる。

 

そのまま見るだけで彼女の練習量を物語るグローブを両手にはめ、ゴールの前でパンと1回拳を打って構えた。

 

「OK。じゃ、行くよ五十嵐さん!」

 

「はい!」

 

ペナルティエリア内にボールを置いてPKの要領で運命っち→ボクの順番で交互にシュートを撃っていく。

 

「はっ!」

 

「やぁっ!!」

 

運命っちは正面に構えた佳奈ちゃんから1番遠い場所、つまり右上の角をピンポイントに射抜く軌道を描くシュートを放ち、佳奈ちゃんも持ち前の瞬発力で瞬時に反応するとそのシュートをなんの危なげもなく()()()()()()

 

「参ったな。あのコースを弾くんじゃなくて止めるのか。」

 

「ふふ。まだまだだよ。」

 

「言ってくれるね。じゃ、次はこのはだよ。」

 

「え?あぁ……うん。」

 

佳奈ちゃんから返されたボールを受け取ってPKの場所から少しだけ後ろにボールを置くと数歩下がって助走距離を確保した。

 

続けてタイミングを合わせて助走からのシュート。

 

コースはさっき運命っちが撃ったコースの逆サイド。

 

しかし、これも佳奈ちゃんはなんの危なげもなくガッチリとボールを掴んだ。

 

「…………。」

 

「惜しかったねこのは…………このは?」

 

「……あ、な、なに?」

 

「どうしたのさ。珍しくぼーっとして。」

 

「そんなことないって。」

 

「ま、なんとなく考えてることはわかるから言わなくていいけど。」

 

「あはは…………。はぁ。あぁ〜!もう!なんでこんなにモヤモヤするの〜!!」

 

「こればっかりは本人に任せるしかないし…………ね!」

 

ボクと会話をしながら再びシュートを打つ運命っち。

 

それを止めた佳奈ちゃんから渡されたボールをセットし、軽く足を乗せて目を閉じた。

 

「(あぁ〜モヤモヤするな〜。こんな時は甘いものでも考えて気分を紛らわさないと………………。)」

 

「このは?」

 

「(甘いもの…………甘いもの…………やっぱり苺かな〜美味しいよね〜苺…………にへへ〜。)」

 

「こ、このは?さすがにいきなりそれは引く……。」

 

おっと、頭の中を苺で埋めつくしていたら無意識のうちに顔に出てしまっていたらしい。

 

でも、そのおかげで少し気分が晴れた気がした。

 

「よーし♪」

 

ボクはセットしたボールをヒールリフトの要領で背中のほうから空中にボールを浮かせた。

続けて地面に手を着きながら両足でボールを挟んでさらに回転をかける。

 

急回転のかかったボールは空中で透明なシロップをまといながら赤い色のチョコレートがコーティングされて行く。

 

「へ?」

 

「ちょ、ちょっとこのは!?」

 

吃驚して目をぱちくりさせている2人の事などお構いなしにボクは空中で苺の形になるまでコーティングされたボールに向かってジャンプすると、そのままクルンと体を捻って思い切りオーバーヘッド。

 

「いっけぇ!!!!」

 

打ち出すのと同時にコーティングが弾け、フィールド一帯に苺の甘く柔らかな香りを撒き散らしながら真っ赤な軌道と共にゴールへ一直線に向かって行く。

 

…………はずだったのだが。

 

「あ、やば…………。」

 

何故かボールは無常にもシュートコースを大きく逸れてしまった。

 

「このは!いきなりなに必殺技なんかかましてるのかと思ったらどこ蹴ってるのさ!!」

 

「いやぁ、失敗失敗……。」

 

「でも、なんか苺のいい匂いが………………。」

 

「五十嵐さんそんなこと言ってる場合じゃないって。…………苺のいい匂いがするのは認めるけど。誰かに当たったりなんかしたら…………。」

 

「あ、やっぱりこういう偶然ってあるんだ〜。運命っち運命っち〜。ボールの射線上に女の子が…………。」

 

「こーのーはー!!!」

 

「わ、分かってるって!ねぇ!危ないよ!!!そこどいて!!」

 

運命っちの心配を嘲笑うかのようにボールはたまたまグラウンド脇を歩く一般人の方へ。

本を読みながら歩いている方にも少しは問題があるんじゃないかとも思いながらさすがに当てたらまずいので警告の声を張り上げた。

 

というか、この距離じゃボクと運命っちは声を上げることしか出来ないし、咄嗟に走り出そうとした佳奈ちゃんも焦りすぎて足を絡ませてよろけてるから間に合わない。

 

 

 

 

 

 

「危な〜い!!!!」

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

そんなボクの渾身の一言によってやっとこちらを振り向いた少女だったが、それでもタイミングは少し遅かった。

 

もう既に直撃寸前までに迫っていたボール。

 

「…………ひっ!?」

 

…………この状況ではさすがにそうなるだろう。

少女は咄嗟に目をキュッと瞑って読んでいた本を投げ出したことさえ気づかないほどに自分の体を守るように強く両手で抱き締めた。

 

かと言ってこの距離じゃ間に合わない。

 

どうする!

 

そう思って唇を噛んだその直後。

 

…………ボク達は急ブレーキをかける羽目になった。

 

 

 

 

 

「ひ……ひゃあああぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

「ふぇ!?」

 

「嘘……。」

 

 

 

 

少女の足元から空に向かって赤い光が立ち上り、薄めなクリーム色のセミロングを逆立たせながら背後の眩い光とともに真紅の背表紙の巨大な本が1冊出現した。

 

それは立ち上る光によって勢いよくページがバラバラとめくれて行き、とあるページでピタリと止まる。

 

そこから無数のキャラクター達が出現してそのボールに向かって群がって行ったのだ。

シュートは無数のキャラクター達によって完全に無力化され、その場にポンっと何事も無かったかのように転がって行く。

 

少女はと言うと、しばらく体を抱きかかえて震えていたが、自分に何も影響がないことを確認すると物凄いスピードで投げ出した本を引っつかむとそのまま走っていってしまった。

 

そんな少女の背中をボク達はしばらく無言のままぼーっと眺めていた。

 

「凄いね。あれを止めたよ。」

 

「そうだね。このはの落ち度とはいえ必殺技のシュートを止めるとなると凄いディフェンス能力なのは確かだ。」

 

「だよね〜。次にスカウトするのはあんなふうに鉄壁のディフェンス能力を持った娘がいいよね〜。まだボク達にはディフェンダーがいないし。」

 

「ふぇ?あ、あの…………。」

 

「ま、そう簡単にそんな都合のいい娘なんていないだろうけど。」

 

「そだね、とりあえず今は練習しようよ。」

 

「あ、あの!」

 

思いのほか大きな声を出した佳奈ちゃんにつられてボク達はゆっくりと振り返る。

 

「どうしたのさ五十嵐さんにしては珍しく大声出して。」

 

「佳奈ちゃんやっぱりシュート練習じゃない練習の方が……。」

 

「今の娘!!」

 

ボクの言葉を遮った佳奈ちゃんは先程の少女が走っていった方を指さしながらボクと運命っちを順番に見てからその続きを口にした。

 

 

 

 

 

 

「い、今の娘!弓鶴の制服でした!!!」

 

 

 

 

 

「へぇ、あの弓鶴の…………。」

「偶然だね、ボク達も弓鶴の…………。」

 

 

そこまで喋ってボクと運命っちはお互いの顔を見合わせた。

 

……こんなこと、つい最近にもあったような気がする。

 

 

 

 

 

 

ボク達は二人同時にコクンと頷き合うと大きく息を吸った。

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ちょーーーっと待ったーーー!!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西日によって少しずつ暗くなり始めたグラウンドにボクと運命っちの叫びが木霊して夕方と夜の境目に吸い込まれて行く。

 

直後、ボクと運命っちは同時に視線を佳奈ちゃんの方へ移した。

 

「へ?ふぇ?」

 

一瞬ビクッと体をふるわせた佳奈ちゃんだったが何かを察したのかボク達2人に交互に視線を合わせて深呼吸をしてから大きく息を吸った。

 

 

そして

 

 

 

 

 

「ち、ちょっと待った〜!!////」

 

 

 

 

 

 

「がはっ!?」(【Critical!】999 このはHP 1/1000)

「ぐはっ!!」(【Critical!】999 運命HP1/1000 )

 

 

 

「え?//えぇっ!?//」

 

 

「ご、ごめん五十嵐さん。ちょっと待ってねwww///(こ、このは!あれはずるい!反則!)」

 

「…………www///(皆まで言うな運命っち。)」

 

と、そんな茶番をかましつつ3人で円陣を組むように集まって状況を整理。

 

「えっと!状況を整理すると、ボク達が練習していたグラウンドの近くに弓鶴の制服を着た女の子が歩いてて!」

 

「わ、私達はシュート練習をしていました。」

 

「で!このはがいきなり必殺技を打ち始めて!」

 

「撃つタイミングがちょっとズレたおかげでシュートが大きく逸れた!」

 

「そのシュートがたまたまあの娘の所に飛んでいって。」

 

「僕達の目の前で…………」

 

 

 

 

 

「「「あの娘がシュートを止めた。」」」

 

 

 

 

 

3人の声が重なり、同時にお互いの考えが一致していることを確認する。

 

「これはもう…………だよね?運命っち。」

 

「あぁ、スカウト案件だね。」

 

「ですね………………ん?あれ、このはちゃんあの娘…………。」

 

さて、早速さっきの娘を追いかけてチームにスカウトしようと意気込んでいた矢先、不意に佳奈ちゃんがグラウンドの外の木の陰からこちらを見つめるひとつの視線に気がついた。

 

「どうしたの佳奈ちゃん……………………あ。」

 

クイクイっと袖を引っ張る佳奈ちゃんが指さす先にボクも視線を移して短く声を上げる。

 

「……運命っち。」

 

「ん?どうしたのこのは。早くしないと見失うよ?」

 

「ごめん。ボク、そっちに行けないみたい。」

 

「?なんでまた………………あぁ、なるほど。」

 

ボクの一言に若干疑問を抱いた運命っちもその視線の先を確認した瞬間小さくため息をついた。

 

「わかっていると思うけど……。」

 

「無理矢理は、ダメ。」

 

「大丈夫。ボクに任せてよ。という訳で!!」

 

再びボクは運命っちと佳奈ちゃんを集めて軽く円陣を組み直す。

 

「今日はさっきの娘と…………神宮さんを絶対にチームに引き入れるよ!……無理矢理じゃなくてね!」

 

「このはに説得なんてできるか心配だけど…………恐らくそっちはこのはが適任なのはなんとなくわかる。だから、そっちは任せたからね。」

 

「こちらは…………。」

 

「うん。佳奈ちゃんと運命っちに任せるよ。スカウトしたら集合はこのグラウンドで。」

 

「異議なし。」

 

「わ、私も!」

 

「OK。じゃあ、2人とも、健闘を祈る!」

 

「「了解(です)!キャプテン!」」

 

2人からの力の篭もった返答を聞き、まだ完全に日が落ちきらないうちから着き始めたナイターに照らされたグラウンド上で逆方向に走り出した。

 

 

 

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※ここで分岐です。

 

このはと一緒に神宮 雫(夜十喰様より)のスカウトに行くならこのまま。

運命、佳奈の2人と一緒に4人目のスカウトに行くなら下のリンクに。

 

スカウト4人目

 

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「はぁ……はぁ……。」

 

グラウンドを抜けて街頭の薄明かりの下を全力疾走していく。

昨日みたいにゆっくり歩いていてくれるならばそれほど苦労もせずに見つけることが出来るだろうが、今回は1度昼間にコンタクトを取って断られている前科が存在する。

 

正直昨日のように容易に見つけることは出来ないかもしれない。

 

「はぁ……はぁ……!神宮さん…………雫ちゃん!」

 

先程木陰からこちらを見つめていた少女の名前を口に出しながら数段しかない短い階段の手すりに走り込んだ勢いを殺さないまま飛び乗るとそのままスケボーの要領で滑り降りた。

 

着地で少しバランスを崩すが無理矢理体勢を立て直してなお走る。

 

 

 

 

「雫ちゃん!!」

 

 

 

 

その言葉の先。

 

グレーのコンクリートで固められたランニングコースのコース脇に並び立っている街頭の下に備え付けられた休憩用のベンチの所に少女は座っていた。

 

ちょうどコースに背中を向ける形に備え付けられているためここからでは今どんな表情をしているのかまでは分からない。

……やはり感情もないアンドロイドのような無表情でいるのか。

 

「はぁ……はぁ……見つけた……はぁ。」

 

ボクは乱れた息を整えながらその背中に向かって声をかける。

 

「名前、友達に聞いた。雫ちゃん!」

 

「拒否。サッカーはもうしない。それは昼間言った。」

 

案の定返って来たのは冷たい拒絶の言葉。

 

でも…………今回はそれに対抗出来るカードが存在する。

 

「うん。……はぁ……はぁ……それは聞いた、けど、それ、本心じゃないよね!」

 

「…………何故。そんなことない。私は本気。サッカーも…………嫌いだから。」

 

まだカードは切っていないが、返ってくる答えは変わらない。

 

「拒絶。もう、私に構うのはやめて。」

 

 

雫ちゃんからの完全なる拒絶の一言が言い放たれた。

 

でも…………。

 

 

 

でも………………。

 

 

 

 

 

「…………いやだ。」

 

 

 

 

 

「……。」

 

あれほど無表情を貫いていた雫ちゃんがボクの一言によって僅かにピクリと反応した。

 

 

 

 

「いやだ。だって納得出来ないもん!」

 

 

 

 

気づくとボクはその場で声を荒らげていた。

 

 

「あんなボール蹴れるのになんで!理由が知りたいもん!!」

 

「否定。話す義務はない。」

 

「義務とかそんな難しい事じゃなくて!」

 

「焦燥。ならなんだと言うんですか…………っ!?」

 

思いのほかピンポイントに話の核に切り込んだことで若干の苛立ちが言葉に現れてきた雫ちゃん。

 

彼女にしては珍しく感情を表に出して勢いよく振り返った。

 

ボクは雫ちゃんが振り返るのと同時に彼女の肩をガっと掴んで顔を極限にまで近づける。

 

 

 

そして、ここで切り札となる言葉を切った。

 

 

 

 

 

「今まで何があったかはボクには分からないけど!これだけは確信を持って言えるよ!雫ちゃんは………………。」

 

 

 

 

 

 

 

「…………っ!」

 

 

 

 

 

 

ボクは雫ちゃんの肩を掴んだ指に少しだけ力を込めて、視線も彼女の瞳を真っ直ぐに見据えた。

 

 

 

 

 

「サッカー、嫌いなんかじゃない!心の中ではやりたいと思ってる!!違う?」

 

 

 

 

 

 

「…………。」

 

 

 

 

 

不意に雫ちゃんが目を逸らした。

 

 

「雫ちゃん!」

 

「嘲笑。なんの根拠があってそんなことを……。」

 

「まず1つ目!昨日、ボールを取ってもらった時!あのボール、サッカーが好きでチームのことが好きな人にしか蹴れないボールだったから。パスを受ける人のことを第一に考えてその人が1番取りやすい場所に蹴る。それはサッカーのこともチームのことも好きじゃないと蹴れない!」

 

「…………それだけ?」

 

「2つ目!昨日もそうだけど今日もあれだけ拒否しておきながら、さっきもボク達の練習陰から見てたんだよね?それって、やっぱりサッカーやりたいって思ってる証拠じゃない。」

 

「………………。」

 

「雫ちゃん!」

 

 

目を逸らした状態のまま雫ちゃんが口を固く結んだ…………が、それも直ぐに解け、ため息とともに体から力を抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………謝罪。」

 

「いいよ、謝罪なんて。」

 

運動公園のランニングコース脇にある街灯下のベンチに2人並んで座りながら雫ちゃんがボソリと口に出した。

 

「…………感謝。私…………。」

 

「うん……。」

 

ゆっくりとそれでいてハッキリと言葉を繋いでいく。

 

「……嘆息。私………、もともと感情って言うのが分からなくて。表情も変わらないみたいで。」

 

「あはは、確かに。」

 

「失笑。だから、ジュニアの時からずっと…………友達が出来なくて。1人でいることが多かったんです。」

 

だから、と続けて雫ちゃんは彼女にしては珍しく小さく頬を緩めた。

 

「だから……、どうせ1人になるならサッカーも友達もいないところでって思って、弓鶴に来たんです。」

 

「そうなの?今こうして話してる感じだとそんなことないと思うんだけどな〜。」

 

ボクからしたらそれが素直な感想だったのだが、雫ちゃんは何故か目を見開いていた。

 

「え?ボク何か変な事言った?」

 

「そ、相違。今までそんなこと言われたこと、なかったので。」

 

「そうなの?雫ちゃんなら友達だってすぐ出来ると思うけどな〜。」

 

「…………。」

 

「…………はぁ。大丈夫だよ。ボクからしたら全然まだまだノーマルな方だから。」

 

「え?」

 

「ほんとほんと。そもそも、初対面でちゃんと会話が成り立つんだから全然問題ないよ。」

 

「……どういう意味、ですか?」

 

「いやぁ、ボクは初対面で会話が全く成り立たなかったと言うより会話にすらならなかった娘を知ってるからさ。まぁ、これは相当特殊な娘なんだけどね。」

 

「それって…………御陵さんのことですか?」

 

「知ってるの?」

 

「はい。学校でもお二人の噂は聞いているので。隣のクラスの相澤さんが引きこもりの御陵さんを外に連れ出したって。」

 

「あはは、そっか。あれは大変だったよ。だってさ!現美ちゃんってば初対面で初めて会った時なんか「あ」と「う」と「え」の3文字のどれかしか喋らなかったんだよ?」

 

「は?」

 

案の定雫ちゃんが不思議そうに眉を寄せた。

 

「だよね!そうなるよね?普通ならありえないでしょ?何話しても五十音1文字しか返って来ないんだよ!それに比べたらまだまだ雫ちゃんは可愛い方だよ。うん、全くだ。」

 

「…………クス。」

 

「あ、やっと笑った。」

 

「はっ…………わ、忘れて……//」

 

「なんでさ。可愛いのに。ねぇ、もう1回笑ってみて?」

 

「い、嫌です//」

 

「えぇ!いいじゃんいいじゃん。」

 

なんだ、アンドロイドみたいに冷たく冷めきった娘だと思ってたけど意外と可愛いところあるじゃん♪

 

「ま、それは置いておいて。話を戻そっか。」

 

「……。」

 

「雫ちゃん。サッカー部、どう?」

 

その問の後少しだけボク達の間に沈黙が訪れ、ゆっくりと雫ちゃんが意を決したように口を開いた。

 

「…………私、皆さんと上手くやっていけるでしょうか?」

 

「うん!やって行けるよ!………………と言いたいけど、そこだけはボクも無責任に済ませる訳にはいかないかな〜。雫ちゃんがみんなと仲良くしたい〜って強く想っていれば大丈夫だよ♪」

 

「そう、ですか。」

 

「うん♪(ふぅ、雫ちゃん気づいてないのかな〜。)」

 

 

ボクは隣に座る少女に向かって満面の笑みを見せてからそのまま夜空に視線を移して彼女の回答を待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(口調、途中から変わってることに。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを考えているとようやく雫ちゃんが答えを決めたらしい。

こちらを真っ直ぐに見据えてハッキリと答えを述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()。分かりました。相澤さんを信じます。これから、よろしくお願いします。」

 

「…………。」

 

もはや説明不要。

 

「……?困惑。相澤さん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………な」

 

 

 

 

 

 

 

 

「な……?」

「なんで口調戻しちゃうのさ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「こ、困惑!?く、口調……ですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

なんで!

なんでさ!

さっきまでいい感じだったじゃん!

今までの機械っぽい喋り方なんかよりもずっと人に近づいたと思っていたのに!

 

「そうだよ!どうして戻しちゃうのさ!やっといい感じになってきたな〜なんて思ってきたのに。いや、勘違いしないでね。今までの喋り方が悪いってわけじゃないよ?そういうわけじゃないんだけど、あぁ!もうなんて言ったらいいんかな〜〜あぁぁ!!」

 

「ろ、狼狽。口調、変えた覚えないですけど。」

 

「あ、気づいていなかったのね。なら仕方ないか。」

 

さっきまで両手で頭をガリガリ掻き毟りながら悶絶していたボクも今の一言で我に返った。

当然のようにいきなりケロッと態度を変えたボクに困惑の表情を浮かべる雫ちゃん。

 

「……混迷。理解が追いつかないです。」

 

「大丈夫。雫ちゃん、今のは見なかった。いいね?」

 

「こ、肯定。」

 

「うん♪ならよし。じゃ、もう暗くなっちゃったけどグラウンドに戻ろう。チームメイト、紹介したいからさ。」

 

「こ、混乱。あ、相澤さん、ま、待って……ください。」

 

「大丈夫大丈夫!善は急げ〜。あははは♪」

 

そう言って善は急げと連呼しながらボクは雫ちゃんの手を取るとそのままグラウンドの方へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スカウト4人目

 

 

 

DF「坤蔵寺 輪廻」編 (妄想のKioku様より)

 

 

 

 

「はぁ。」

 

グラウンドから少し離れた場所の街灯の下。

 

白……と言うよりかはオレンジに近い灯を頭上から受けながら運命はひとりため息をついた。

 

神宮 雫のスカウトをこのはに任せてこちらのシュートを止めたディフェンダーのスカウトを買って出たはいいが意外と足はあるようで見失ってしまっていた。

 

今は彼女と共にこちらをサポートしている五十嵐 佳奈と手分けして探している最中。

 

「しまったな。見失った。」

 

そこに息を切らせながら佳奈が合流する。

 

「どう?」

 

「す、すみません。見つけられませんでした。」

 

「そっか。」

 

吉報を期待してはいたのだが、その反面そう簡単に見つけられないのだろうと思っていたこともあり、やっぱりかと言って運命は再びため息をつく。

 

「行く宛でも分かればいいんですけど……。」

 

「行く宛どころか、正直名前も……クラスですら分からないこの状況じゃ見当の付けようもないけどね。」

 

「そ、そうでした……。」

 

しゅんと肩を落とす佳奈。

 

「そんな落ち込むことないよ。そもそもこの短時間の間じゃ移動できる範囲なんてたかが知れてるんだからさ。」

 

とはいえ、せめて彼女が向かいそうな場所の候補くらい絞りたいところではある。

この広い運動公園を虱潰しに回ってる時間なんてないし、そもそも既に公園外に出てしまっていた場合はその時間が無駄になってしまいかねない。

 

さて、どうしたものか。

 

「五十嵐さんは見覚えとかない?」

 

「私は…………ごめんなさい。」

 

「やっぱりそうだよね。僕も同意見だし。」

 

後ろ頭を軽く掻きながら運命は思考を巡らせる。

なるようにはなるだろうが、それを待っているほど悠長な時間はない。

 

やはり今は戻るべきか。

弓鶴の制服をみにつけていたと言うことは明日学校にいる時の方が見つけやすい。

今宛もなくむやみに探し回るよりは効率はいいかもしれない。

 

「五十嵐さんやっぱり今は…………。」

 

そう言って振り返った瞬間言葉を切った。

 

「?時乃、さん?」

 

「いや……なんでもない。ふふ、なんだかいけそうな感じだ。」

 

「?…………あ、あの娘。」

 

ペロリと軽く唇を舐めてから運命が僅かに口角を上げる。

 

その視線の先には、先程の少女が本を脇に挟みながら若干うつむき加減のまま歩く姿があった。

 

「そういう事。行くよ五十嵐さん!善は急げ!」

 

「あ!ちょ、ちょっと待ってください!時乃さ〜ん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、こんな所で女の子が1人で歩いているのは頂けないなぁ。」

 

不意に運命が少女の進行を妨げるように彼女の前方へ躍り出た。

 

「だ、誰?」

 

いきなりなんのアポもなく飛び出したため当然少女の反応は若干引き気味になる訳だが、まぁ運命本人が気にしてないなら大丈夫だろう。

 

若干街頭のあかりが弱くお互いの顔が辛うじて見える距離で、2人は向かい合った。

 

「おっと、紹介が遅れたね。僕は時乃 運命。弓鶴学園1年B組、出席番号…………。」

 

「と、時乃さん!そこまでは………はぁ、はぁ。」

 

そこにようやく追いついた佳奈が合流する。

 

「わ、私は……同じくB組の五十嵐 佳奈です。」

 

「うんうん。ま、冗談は置いておいて、僕達は時乃 運命。サッカー部の部員だよ。さっきのプレーを見て君をスカウトしに来た。うちのキャプテンがどうしても君の力を貸してほしい、ってさ。」

 

「さっきのプレー?」

 

「そう。飛んできたシュート、止めたでしょ?」

 

「止めた…………。あ。」

 

「それで、良かったらなんだけど、その力サッカー部で存分に活かしてみる気はないかい?」

 

「わ、私からもお願いします。」

 

そう言ってぺこりと頭を下げる佳奈と何かを含ませたような笑みを浮かべながら右手を差し出す運命。

 

「…………私が、サッカーを?」

 

差し出された手と2人の顔を見定めたあと、少女がポツリと言葉を漏らした。

 

「そう。どうだい?僕達は大歓迎なんだけど。」

 

「分かりました。」

 

「ふぅ、そうだよね。やっぱり君もなにかしら過去に問題抱えて………………ん?なんだって?」

 

「ですから。やります。サッカー好きなので。」

 

意外にもあっさりとした返答に運命と佳奈は思わず顔を見合わせてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、まだ名前聞いてなかった。教えてくれないかな。」

 

「うん。あなたも私たちと同じ弓鶴学園の生徒、だよね。」

 

夜空一面に敷き詰められた星の光を霞ませてしまうほど明るく照らす街頭の下を3人並んでグラウンドまでの道を歩きながら運命と佳奈が少女に問いかける。

 

「わ、私ですか?」

 

こくこくと無言で頷く2人の顔に視線を移した瞬間、少女が一気に顔を紅潮させた。

 

「え、えっと……その。わ、私…………。」

 

先程までハッキリと言葉を話していた少女とは思えないほどオドオドとしはじめた少女にまたしても運命と佳奈は顔を見合わせてしまう。

 

「こ、坤蔵寺……輪廻……です。」

 

「なるほどE組の。」

 

「じゃあ、輪廻ちゃんだね。よろしく。」

 

「よろしく。」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

そんな輪廻の笑みを見ながら運命はふと夜空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

「(…………どうしてこのチームにはコミュニケーション能力が低い娘が来るんだろうな〜。このはってなんかそういう娘を引き寄せる能力でも持ってるのか。ま、考えるだけ無駄か。今はメンバーを揃えることを優先にしよう。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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グラウンド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンド。

 

 

運良くまだナイターの照明がついたままのグラウンドにボクが到着すると、運命っちと佳奈ちゃんは先の宣言通りさっきの娘をスカウトして既に戻ってきていた。

 

「ん?お、やっと戻ってきた。」

 

「このはちゃん。」

 

「お〜2人とも〜。やったんだね?やったんだね?お手柄だよ!これで一気に2人のメンバーゲットだよ!!」

 

「このはちゃんはしゃぎすぎ……。」

 

「いいんだよ。サッカー好きなメンバーがまた2人も増えたんだよ?これを喜ばずに何を喜ぶのさ!」

 

「あはは……、まぁ、僕達のキャプテンはこんな感じのノーテンキなんだ。ごめんよ。」

 

「ノーテンキって、酷いな運命っち。……ふぅ。さぁ、何はともあれ新メンバーの自己紹介タイムと行こうよ!さぁさぁ♪」

 

そうテンションを上げながらボクは自分の後ろからついてきていた神宮さんと2人が連れてきた少女を並べてニンマリと笑みを浮かべたままほれほれと両手でジェスチャーをした。

 

「了承。それでは私から。神宮 雫です。ポジションはMF。パスの正確性には絶対の自信があります。」

 

「(へぇ…………()()の正確性、ね。)」

 

「つ、次は私。坤蔵寺、輪廻です。ポジションはDF。…………でも、サッカーやっていたのは小学2年の時までなので……初心者とほとんど変わらないと思う、よ?」

 

「大丈夫大丈夫。フォローならバッチリ任せてよ。」

 

「そう、ですか。」

 

ふっと輪廻ちゃん…………いや、輪ちゃんがなんだか安心したようにふわっと微笑んだ。

 

「よーし!これで5人、明日あと一人見つけて試合に向けて特訓するぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこのはの声はは暗い夜の空の中に木霊していった。

 

 

 

 




お疲れ様でした。

正直な感想は恐らくリンクであっちに飛んだりこっちに飛んだりで忙しかったみたいな所でしょうか←(笑)



なんでこんなことしたかって?
当然、やってみたかったからに決まってるでしょ←(笑)

でも、読みづらくなるようならやめます←




まぁ、それは置いておいて、今回のキャラとストーリー案紹介ですね←


このはルート3人目のキャラは神宮 雫ちゃん(夜十喰様より)です。

まずこのキャラ最大の特徴はやっぱり口調でしょう。
独特すぎて書いてて結構面白かったです←(笑)
それから、感情表現が会話頭の熟語ってだけに色々調べながらセリフ考えたので新しい発見とかもあって良かったですよ、はい♪
今まで出てきたキャラの中では初めて「スカウトに日を跨いだ」キャラですが、このはに「熱烈な勧誘」をさせようとすると結構執拗い感じになってしまうことが今回分かったのでちょっと考えものですね〜。
なんとか今回は「説得」という結論になったわけですけど………………ちゃんと無理矢理な展開になってないか心配ですね。


それでは今回の見どころですが、雫ちゃん編ではこのはの全力疾走シーンからの説得フェイズでしょうか。
やっぱりそこに1番力を入れたので。

あ、このはの必殺シュート、「ストロベリーパーティー」も頑張って書き上げたのを忘れないで下さいね←(笑)




4人目キャラ坤蔵寺 輪廻ちゃん(妄想のKioku様より)書き終わりました!


この娘に関してはまずリクエスト通りに書けなくてすみませんでした!
どうにかしてなるべくリクエスト通りになるようにあれこれ試してみたんですけどどれもしっくり来なくてですね…………。このような形になりました。
一応初めてのタイプですね。
このはじゃなくてチームメイトがスカウトをするという点では。
それから比較的あっさりチームに引き入れられたのはちょっと考えがあっての事なので←



見どころは、一応このはじゃなくて運命と佳奈にスカウトをさせたところでしょうか。
色々設定も軽く盛り込みつつ……ね。←(笑)






それでは、気長に更新をお待ちください←




敵キャラの募集はまだまだ行っていますのでよかったらどうぞ←

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