Fate/EXTRA ava   作:後ろに敵が

11 / 38
二日目となり、ついにあのキャラが登場!露出過多とか言わないで!


二日目

 ――私たちは、二日目を迎えた。

 

 一日目で、暗号鍵(トリガー)を獲得していないため、今日のうちに、アリーナで取得しておこうとセイバーと話しているときに――

 

 ――ふと、廊下の先から、聞き覚えのある話し声が聞こえた。

 

「はじめまして、サー・ダン・ブラックモア。高貴な騎士のお目にかかれて、光栄です」

 

 そんな風に、丁寧な口調であいさつしているのは、やはりレオだった。

 その背後には今日も変わらず、あの長身のサーヴァントが直立している。

 しかし、そこに立っているものの、沈黙を守っている。故に話し相手は彼ではなく、レオの前に立つ――

 

「こちらこそ。まさかハ―ウェイの次期当主殿にこのような場所でお会いするとは……」

 

 私たちの対戦相手でもあるダンだった。

 

「そう驚くようなことでもないでしょう。僕はただ、我々の手にあるべきものを回収するために来ただけですから」

 

「万能の杯……それがあなたの物であると?」

 

「ええ、あれは我々が管理すべきものです。人の手に余る奇跡は人の手に渡すべきではない。聖杯戦争の手続きは面倒ですが、そこは仕方ありませんから、誰が出るかという話になった時に、僕が適任ですので」

 

 それはまるで、自分たちが人ではなく、それを超越した存在であるとでもいうような――

 

「なるほど、王は人を超越した存在であると……なるほど、あなたにならそれを口にする資格がある」

 

 ――そんな風に言うダンとレオの会話をかんがみるに、知り合いというわけではなさそうだが……

 

「これはいよいよ、真実味を帯びて来ましたな。正直、聖杯など私は半信半疑でしたが」

 

 ――そういって、にこやかに笑うダンからは、喜びを感じることができた。

 聖杯という偉業に立ち会える喜び……とでも言ったところだろうか?

 

「もちろん、聖杯は真実ですよ。少なくとも、あなたの国にとっては」

 

「ほう?それはいかがな理由で?」

 

「あなたですよ、ダン卿。軍属でありながら、女王陛下に騎士勲章を賜ったほどの戦士。そのあなたを派遣することが何よりの証に思えます」

 

「何をおっしゃる若き王。この戦いが生還の保証がないということをしり、老い先短い老兵に任せただけの話でしょう」

 

「女王陛下の懐刀であるあなたが?現在の同盟体制に一言あるという噂を耳にしたのですが?」

 

「さて、女王の意向はわかりかねますな。所詮一人の軍人にすぎませんので」

 

「ああ、これは失礼をしました。では、僕はこれで」

 

 後ろに立っていたサーヴァントに声をかけ、立ち去ろうとしたレオは、少し歩みを進めたところで、こちらに気づいて足を止めた。

 

「お久しぶりですね、岸波さん。一回戦の突破おめでとうございます」

 

 そんな、素直な祝辞の言葉を受けて、何の反応もできないでいる私に、レオはさらに言葉をつづけた。

 

「二回戦、どうぞお気をつけて、といいたいところですが……」

 

 ……?レオらしくないな、途中で言葉に詰まるなんて。

 

「……どうなんですかね?あの黒騎士の槍は折れて、いや剣に持ち替えたというべきでしょうか?もし、彼の信念が以前と違うものならば――」

 

 ――あなたに、勝機はあるのかもしれません。

 

 そんな風に言うレオの言葉に、私はつい、うなずいてしまった。

 ――信念が以前と違うなら、か。私は以前と呼べるようなときのダンは知らないが、そこに勝機があるのなら、調べることぐらいはしてもいいだろう。

 

 そんなことを言って、レオは去って行った。

 どこに消えたのか、いつの間にか、ダンの姿もなかった。

 

 ――結局、私にはあの二人が何を話しているかさっぱりわからなかった。

 理解できない言葉は、この手でつかむことができず隙間からこぼれて、頭に浸透しないうちに消えていく。

 

 だけど、わかったことも一つある。

 

 ――彼らは、本気で聖杯を狙っている。

 

 正直万能の願望器と言われても実感なんてわくはずもなく、なんとなくふわふわしたものだった。

 だけど、彼らが本気で狙うものだというのなら。

 

 それは真に、狙う価値のあるものなのだろう――

 

 

 

 

 

 ――俺に勝機はある。

 

 先ほどのレオではないが、やはり俺たちに勝機はあると思う。

 それは敵のマスターとサーヴァントの不仲にあるわけなのだが、そこら辺から突き崩していくのがこちらの勝機というわけだ。卑怯であれ卑劣であれ、俺に言わせれば生きるためなのだ、そんなことにこだわっていられるかといいたい。

 

 ――たとえ相手を殺してもと、考えてしまうあたりが、俺が狂っている、狂化しているところなのかもしれんが。

 

 なんて、俺の悩みのようなものを言っているが、今はそれどころじゃない。

 それは、目の前の人間が原因である。

 

「ごきげんよう」

 

 そんな風にこちらに向かって挨拶をする少女。

 

「こうして、対話をするのは初めてですね」

 

 褐色の肌に、その肌を少々過多ともいえるほどに露出した服装。

 そして、機械的な表情と言葉の彼女は――

 

「――私はラニ。あなたと同様に、聖杯を手に入れる使命を負った者」

 

 ――ラニさん登場である!

 

 EXTRAにおいて、サーヴァントを除けば遠坂凜と双璧をなすヒロインであり、ゲームのシステム上においても、重要な役割を果たす少女である。

 今までも、廊下ですれ違ったりはしていたが、話したことはなかった。マスターもそれは同じらしく、少し戸惑っている。

 

「え、と……き、岸波白野、です。その、ご、ごきげんよう?」

 

 なんて風にあいさつしちゃってる。……なんともまぁかわいらしいことだ。

 マスターのそんなあいさつに戸惑う様子もなく、笑う様子もなく、ただ淡々と受け入れる彼女は、どうも人間味にかけている。

 

「あなたを照らす星を見ていました。ほかのマスターたちも同様に詠んだのですが、あなただけが違う。改めて問います。あなたは何ですか?」

 

 唐突に出される問。あなたは何ですか。そんな質問に答えられるわけもなく、マスターは戸惑ったような声を――

 

「月海原学園、二年A組の、岸波、で、す?」

 

 ――おっふ、まさかマスターがそんなぼけた答えをするとは思わなかった。

 天然さんみたいな言い出したマスターに対して、今度は彼女が、ラニが困惑の声を上げる番だ。

 

 いや、そういうことでは……なんてつぶやくラニと、え?なんて素っ頓狂な声をあげ首をかしげるマスター。

 ……いやいや、マスター。首をかしげているが今のは君が悪いぞ。

 ほら見ろ、ラニも失望したような目で見ている。

 

「――正体を隠すのですか?昨日はあんなに無防備だったのに」

 

 ――そうとらえますか。まぁ確かに間もあけずあんな風に返されたら、そう思いたくもなるか。

 だけど、えぇ!?なんて声を上げるマスターがそんなことを考えると思うか?なんて、そんなことは今考えるべきことじゃない。

 問題は見られていたかどうかという――

 

「――み、見てたの!?た、確かに無防備だったかもだけど……」

 

「警戒は、しないでください。私はあなたの対戦相手ではないのですから」

 

 そんな風に言われたところで、マスターが警戒を解けるはずもない。

 そりゃそうだ。自分の行動を知られていたら、誰だって警戒はする。そもそも、今対戦相手ではないというだけで、これからも対戦相手にならないなんてことはないのだから。

 

「見ていた、というのは正確ではありません。星が語るのです、あなたのことを。それをあなたに伝えた。ただ、それだけのことです」

 

「星が、語る?」

 

 占星術、とよばれるものでよいのだろうか?

 専門家でもない俺の理解に及ぶ範囲ではないが、確か、そういった類のものだったはずだ。

 

「我が師が言ったものが誰なのか、私は新たに誕生(うま)れる鳥を探してる。そのために星を詠むのです」

 

 ――あなたがそうなのかは、わかりませんが。

 

 そんな言葉で絞められた言葉を聞く限り、敵意は感じない。おそらく、マスターもそう思ったはずだ。

 

「えっと、それは、わかった。いや、わかんないことも多いんだけど……」

 

 そんな風に言うマスターからは、戸惑いが感じられた。

 

「なんで、その話を私にしたの?」

 

 ――ごもっとも、である。

 

 そもそもマスターに疑問を抱いただけならば、最初の段階で終わっているだろう。少なくとも、自身の目的を話す必要はない。

 

「――それは、私の目的を達するために、というところです」

 

「目的を?」

 

「はい、私は多くの星を観ていかなければならない。ですので、あなたに協力をしてほしいのです」

 

「協力……?でも私にできることなんて……」

 

「あります。あなたの対戦相手であるブラックモアの星を教えてほしいのです」

 

「ダンの星を教える?」

 

「はい、彼の星を詠み、知ることは私だけでなくあなたにとっても有益なことだと思います」

 

 ――ダンの星を詠み知る。つまりは対戦相手の情報を知れるということだ。

 マスターもそれの有益さは理解できているらしく、すこし、考え込んでいる。

 

蔵書の巨人(アトラス)の最後の末として、私はその価値を示したい。お互いにお互いを利用しあう。悪くはないと思いますが?」

 

 ――どうでしょう?と聞いてくるラニの目には悪意や敵意、害意と呼べるものは一切なかった。

 こちらを見てくるマスターに、一つうなずきを返す。

 

「なんで、そんなことを?」

 

 一応の確認のように返すマスターにラニは少し雰囲気を和らげ。

 

「師は言いました。人形である私に、命を入れるものがいるのか見よ、と。師がいうのであれば私は探したい。人間というもののあり方を」

 

「人間の、あり方……」

 

「それにあなたは、ほかのマスターとは違う星が見える。だからあなたも、ブラックモアの星も、見せてほしいのです」

 

 そんな風に語るラニに、うなずきを返したマスターは、少し晴れやかな顔をしていた。

 

「何か彼の、遺物を見つけたら私のところに持ってきてください。三階の廊下の奥で待ってます」

 

 ごきげんよう、ではまた。そんな風に微笑んで去っていくラニをマスターは見送った。

 

「ご、ごきげんよう」

 

 なんてあいさつをしながら見送るマスターは、少し抜けていると思ってしまったのは間違っていないだろう。

 

「で、マスター。今日はどうする?」

 

「えっと、とりあえず遺品あつめ、かな?」

 

 遠慮気に言うマスターは、たぶん暗号鍵(トリガー)のことを頭に入れているのだろう。

 しかし、それは問題ない。

 

「別にいいさ。暗号鍵(トリガー)のことだろう?」

 

「あ、うん。いい、の?とらなくて?」

 

 そんな風に安心したようにいうマスター。ちょっと、可愛くはあるものの、言わなければならないだろう。

 

「ああ!両方とっても時間はあるさ!」

 

「……えっ?」

 

 

 

 

 本日の成果

 

 セイバー よし!これで全部ゲットだ!

 はくのん よし!これで終わった……




誤字脱字報告感想お待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。